※この作品はR-18です。

守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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第53話

 

 

 

火曜日

 

遂に審議当日を迎えた。

 

「と、いう訳で俺は審議で遅くなるからお前らは模擬試験をやっとけ。今回も作っといた」

 

視聴覚室にて、俺はテスト前の模擬試験を神崎に渡す。

 

「了解した。審議、頑張れよ」

 

神崎の言う頑張れとは山内のウザい言動に耐えろって意味だろう。実際のところ、山内の態度には学年中が辟易している。

 

女子に対して下卑た眼差しを向け、廊下や図書館でも騒がしく、ホラばかり口にしていて、人の長所を見抜いて率いる事を得意とする俺と龍園と坂柳でも奴の長所を見つけられなかった。

 

山内の長所を見つけられる人間がいたら俺はソイツにガチの敬意を払うだろう。

 

「ああ。じゃあ後は頼む」

 

神崎に全てを任せて視聴覚室を後にして生徒会室に向かう。中に入ると副会長の南雲がいた。

 

「何だ南雲。今回の立ち会いはお前か?」

 

「まあな。山内はウチのクラスからも評判が悪いからな。醜態を期待してんだよ」

 

「酒があれば最高なんだがな。そういやアレの件はどうなった?」

 

俺がそう尋ねると南雲は楽しそうに笑みを浮かべる。

 

「アレか。万事順調だな。そっちはどうだ?」

 

「こっちも問題ない。2学期を待つまでもないな」

 

「そりゃ良いや。実に楽しみだ」

 

俺もだよ。元々俺の下らない動機で提案したものだが南雲からしたら好評のようだ。

 

と、ここで生徒会室にノック音が聞こえてくるので意識を切り替える。

 

「入れ」

 

そう呟くとBクラス担任の坂上を先頭に龍園と真鍋が入ってくる。

 

「Bクラスは左側に座れ」

 

俺がそう指示を出すと3人が座る。

 

それから数分するとノック音が聞こえてくるので入るように促すとDクラス担任の茶柱、堀北、山内、綾小路が入ってくる。櫛田が来るものだと思っていたが予想が外れたな。

 

「けっ、本当に鳳橋が議長かよ。マジで最悪だな〜」

 

山内は俺を見て文句を言ってくるが開幕早々ムカつくな。人を怒らせる一点においてはコイツの存在はぶっち切りだろう。

 

内心イラつきながらもDクラスの人間も席に座ったので始める。

 

「時間前だが全員揃ったから始めさせて貰う。今回の「山内春樹セクハラ事件」における審議は俺が「何だよそれ!俺が悪いみたいにいってんじゃねぇよ!」山内、発言を許可した覚えはない、黙れ」

 

開幕早々喚く山内にイライラしてきた。

 

「うるせぇよ!どうせBクラスを依怙贔屓するんだろ!」

 

「そんな事をしたらウチのクラスにダメージが入る。そんな事より審議を始める。議長と進行は俺が、俺に対する監査は副会長の南雲がやる。発言の際には議長の俺が許可したら話せ。人が話してる最中に割って入る幼稚な真似は迷惑だからやめろ」

 

人が話してる最中に割り込む馬鹿の対処は面倒なんだよ。まあそんな事をするとしたら山内と真鍋くらいだろう。

 

「おいおい議長さんよ。ちょっと良いか?」

 

ここで龍園が手を挙げるが、まだ議題について全く話してないのに、もう発言したい事があるのか?

 

とはいえ発言の許可を求めているし許可を出すか。

 

「許可する」

 

「幼稚な真似の前に「山内のような」って言葉が抜けてるぞ」

 

っ……コイツはいきなり面白い一撃をぶち込むな。笑いそうになったわ。

 

周りを見れば南雲や坂上、真鍋、挙句は茶柱も震えてるし。

 

「ふざけんなよ!俺の何処が幼稚なんだよ?!」

 

「いや、お前さっき議長の鳳橋の発言に割って入ったじゃねぇか」

 

全くその通りだ。

 

「アレは鳳橋が間違った事を言ったからだ!」

 

「割って入ったこと自体は事実だろうが。間違ってると思ってるなら、鳳橋が話すのを終わってから話せば良いだけだ」

 

「う、煩えよ!過ぎた事をネチネチと!恥を知れよ!」

 

今お前が恥を知れや。存在そのものが恥みたいな奴の癖に。

 

「山内、耳障りだから黙れ。龍園、議題に関係ない発言はするな」

 

とはいえ今は公平の立場だから2人に注意する。自身の気持ちを出すなら山内をdisりまくるけど。

 

「わかった」

 

「けっ!ふざけやがって」

 

大人しく頷く龍園と文句を言う山内。山内の言動に茶柱と堀北は不快そうな表情になり、綾小路に至っては生徒会室に置かれた調度品を興味深そうに見ているくらいだ。

 

「まずは事件について振り返るぞ。6月末に真鍋が職員室に「山内に特別棟に呼ばれて行ったら胸を揉まれて手を出されそうになった」と訴え、翌日教員が山内に事情を確認したら山内は「真鍋に特別棟に呼ばれて行ったらいきなり腕を掴んで胸を揉ませてきて、直ぐに悲鳴を上げられた」と容疑を否定して、翌日に鑑識に確認をした結果、真鍋の制服に山内の指紋があり、山内の制服には真鍋の指紋が無かった……相違ないな?」

 

「ないわ」

 

「そういない?意味のわからない言葉を使ってんじゃねぇよ」

 

真鍋は俺の問いに頷くが、山内は俺に文句を言ってくる。コイツ、相違ないの意味がわからないのか?

 

「相違ないというのは、事実や意見に間違いがないって意味だ」

 

「だったら最初からそう言えよ。難しい言葉を使ってインテリぶってんじゃねぇよ」

 

ヤバい、マジで殺したいんだけど。

 

「中学生でもわかる言葉なんですがねぇ。どうやら山内君からしたら中学生もインテリのようだ」

 

坂上が嘲笑を浮かべながらそう口にするが、議長じゃなかったら俺も坂上と同じ発言をしているだろう。

 

「はぁ!調子乗ってんじゃねぇよ!生徒からの人気が低い陰険クソ眼鏡!」

 

坂上の嘲笑に山内がキレると、坂上の額に青筋が浮かぶ。確かに坂上は生徒からの人気が低いだろうが、山内に比べたら遥かにマシだろう。

 

この学校の女子に「山内と坂上、どちらかと付き合わないといけないならどっちを選ぶ?」ってアンケートを取ったら満場一致で坂上が勝つと思う。

 

「山内、何度も言うが黙れ。いい加減に学習しろ。話が進まない」

 

「何だよ?向こうが俺を悪く言ったからだろうが」

 

「坂上の態度は問題だが、高1で相違ないをわからないのは教養が無さすぎる」

 

「ちっ、どいつもこいつも俺を差別しやがって」

 

山内は苛立ちを露わにしながら舌打ちをするが、差別される言動を改めるか実力をつけろ。実力者なら傲慢でも理解は得られるし。

 

というか開始3分で疲れたわ……山内を狙ったのは失敗だったかもしれない。次からは雑魚だけど最低限の常識を持ってる奴を狙うべきだろうな。

 

審議中にも関わらず普段通りの山内の言動に俺は頭痛を感じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ちっ、頭が痛くなってきたぜ)

 

南雲は山内の醜さに頭痛を感じ……

 

(馬鹿にも程があるだろ。ストレスが溜まって仕方ない。今夜は趣向を変えて鳳橋に伊吹を貸して軽井沢でも借りるか。アイツこの前の夜の散歩で校門前で小便させてから不機嫌だし)

 

龍園はストレス発散としてペットの使い道を考えて……

 

(うわ、本当にキモい。停学狙いだけど、鳳橋君があの屑を退学させてくれないかな?)

 

真鍋は嫌悪感を抱きながら狂夜に期待の眼差しを向け……

 

(こんな不良品がいるとは……歴代でも類を見ないですねえ)

 

坂上はDクラスの不良品っぷり呆れて……

 

(コイツは本当に無罪になる気でいるのか?)

 

茶柱は山内の心情を理解出来ず首を傾げ……

 

(鳳橋君が贔屓しないか警戒して参加したけど、彼がこんな態度なら兄さんでも贔屓しそうね……)

 

堀北は山内の愚かさには兄も匙を投げると確信して……

 

(今日アイツはハンバーグを食べたいって言ってたが、味付けを間違えたら圧が増すから注意しないとな。というか彼女と知り合って1ヶ月近くなのに未だにオレをフルネーム呼びだし考えが読めないな)

 

綾小路に至っては今夜の夕食と少し前に知り合った女の事を考えているのだった。

オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?

  • アリだ。雌犬にしてやれ
  • アリだけど程々に
  • 無しで
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