※この作品はR-18です。

守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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第54話

 

 

 

「改めて話を進める。先程の事件の振り返りについてで両クラスの意見を聞きたい」

 

山内の愚かさに頭痛を感じながらも審議を進める。そう告げると堀北と龍園が小さく手を挙げるが……

 

「龍園の方が僅かに早かったな。龍園は話せ。堀北は龍園が終わってから反論しろ」

 

今回については贔屓目抜きにしても龍園の方が早かった。

 

「ああ。今回の事件についてだが冤罪じゃなくて山内の起こした事件だと思う」

 

「だから冤罪だって言ってんだろうが!いい加減理解しろよな!」

 

龍園の言葉に山内がキレるが、コイツは自分に少しでも都合の悪い事を言われたら叫ばないと気が済まないのか?

 

「何度も言うが黙れ。今は龍園が話してる」

 

「ちっ!贔屓しやがって!」

 

山内の言葉にこの部屋にいる全員が冷たい眼差しを山内に向ける。実際俺は贔屓などしていない。命令違反の山内に注意をしているだけだ。山内が他人の発言に一々割り込んでこないなら注意などしていない。

 

「話を続けるがウチのクラスの女子は山内の普段の言動に不快感を抱いている。目つきがいやらしい、卑猥な言葉を廊下で話すなど様々な言動に不快感を抱いて、生徒会にも苦情を送ったはずだ」

 

龍園が俺に視線を送ってくる。

 

「ああ。Bクラスのみならず全学年から来てるな」

 

現状、山内と須藤と池に対する苦情は全学年全クラスから来ている。とはいえ、山内と池の目つきがいやらしいとか、須藤にガンつけられて怖い程度のくらいの軽過ぎるものだから対処が難しいんだよなぁ。

 

「はぁ!何だよそれ!?連中の被害妄想だろ!俺は無実だ!普通の学校生活を送っている!」

 

「……ほう?今日の昼休みにウチのクラスメイトから「Dクラスの池と山内が食堂の入口で透けブラの話をしながら女子をガン見していたから学校から罰を与えられないか?」と苦情を入れられたんだがな」

 

山内の反論に南雲がそう口にするが、そんな下らない事をしていたのか……

 

「い、いやそれは……別に女子の透けブラを見たいなんて男子として当然だから一々問題にしてんじゃねぇよ!」

 

うわコイツ開き直りやがったよ……しかも女子がいる前で。周りにいる全員が信じられないといった表情を浮かべているし、頭痛が強くなってきたわ。

 

「透けブラなんて女を作れば幾らでも見れるだろうが。無関係の女に下卑た眼差しを向けるな」

 

南雲が呆れながら嫌味を吐きつつ注意する。山内に女を作れる訳ないだろうに。金を積んでソープに行くのが関の山だろう。

 

「っ!うるせぇよ!クソがっ!」

 

反論出来ない山内は南雲に文句を言って舌打ちをする。

 

(もうこの段階で審議を打ち切れるんじゃね?)

 

元々俺は山内が審議中に喚く事を予想して、龍園には「Bクラスに都合が悪くなったらさりげなく山内を挑発しろ。山内の喚きを理由にして強制的に審議を終えてDクラスを負かす」と話した。

 

しかし本番にて、勝負に有利不利がつくどころか目撃者の証言の前の時点で山内の喚き具合は俺の予想を遥かに上回っている。

 

ここで審議を打ち切ってもDクラスのメンバーも山内以外は納得してもおかしくない。

 

俺としては打ち切りたい気持ちはあるが、目撃者の証言を出るまで我慢だ。山内の性格的に自身が無罪にならなければ味方の佐倉に対しても攻めるだろう。

 

そこを利用して佐倉を庇い好感度を上げた方が良い。そうすれば山内を踏み台にも出来るし一石二鳥だ。

 

よって俺は投げ出したい気持ちを堪えて口を開ける。

 

「南雲、苦情の件はわかったが龍園の話はまだ終わってないから後にしてくれ」

 

「そりゃそうだ。悪かった」

 

南雲も軽く謝罪するので龍園に続きを話すように促す。

 

「確か生徒会に苦情を入れたってところまで話したな。で、俺からしたら今回の事件は山内が遂にやらかしたとしか思えないんだよ。真鍋の制服の胸部分には山内の指紋があって、山内の制服に真鍋の指紋が無かったんだし決まりだろ」

 

「だからぁ!真鍋はゴム手袋をしてたんだって!何度言わせるんだよ!」

 

性懲りもなく喚く山内。もう注意するのはやめよう。既に何回も注意して頭が痛くなったし。

 

「それはない。お前は前にもそう言ったから、学校はケヤキモールにてゴム手袋を売っている店を調べたが、今年の4月からゴム手袋が購入されたのは8件だった。しかし真鍋の所属する1年Bクラスの生徒はその8件になかった」

 

まあその内一件は6月前半に真澄が購入して、それを真鍋に渡したけどな。

 

そのゴム手袋についても先週の金曜日にゴミ袋に入れて捨てたし、とっくにゴミ収集車が回収している。

 

今後捜査が深くなって真澄に事情聴取があっても、真澄が「6月中旬に掃除をしてから捨てた」って言えばそれまでだ。

 

「っ!購入記録をお前らが捏造したんだろ!そうだろ!認めろよ!」

 

そう来たか。コイツ、本当に俺の予想外の発言をするな。

 

「購入記録については学年主任の教師3人が調査した。一般生徒の龍園や真鍋は当然として、生徒会や学年主任じゃない坂上には捏造は不可能だ」

 

これについては嘘をついていない。仮に今回の事件の関係者が1年Aクラスの生徒なら、1年の学年主任でAクラス担任の真嶋は捜査から外されることになっている。

 

「っ!そうだ!学校の備品のゴム手袋をBクラスの連中が盗んだんだろ!今すぐ確認しろ!数が足りなかったらソイツが真鍋の使ったものに決まってる!」

 

「……学校の備品にはゴム手袋がある。しかし購入個数の記録はあるが、消費した際の記録はない」

 

高価な物や後処理が難しい薬品ならともかく、たかがゴム手袋の為の消費記録なんか作らないだろう。

 

「何だよそれっ!つまりいくらでも捏造し放題かよ!ふざけんな!」

 

いやこっちのセリフだ。何でゴム手袋の消費記録がないだけで捏造に結びつくんだよ。マジでコイツの思考回路は理解できない。

 

もう佐倉からの好感度を諦めて審議を打ち切るべきか?

 

そう考えていると堀北が手を挙げる。

 

「堀北の発言を許可する」

 

「ええ。まず真鍋さんは山内君に呼ばれたと言っていたけど、信憑性に欠けるわ。山内君は人間として欠陥品で女子からしたら怨敵だわ。そんな彼からの呼び出しなんて普通応じるはずがないわ」

 

正論だな。マトモな女子なら山内からの呼び出しなんて絶対に応じない。

 

「堀北!俺を性犯罪者みたいに言うなよ!俺は無実だ!」

 

「私からしたら今回の事件を抜きにしても性犯罪者予備軍にしか見えないわ。それに100歩譲って呼び出しに応じるにしても念の為に同伴者を用意するわ。高1にもなってそんな事もわからない程真鍋さんは愚かなのかしら?」

 

悪い意味で信用されている山内。まあ堀北の言っている事は間違いじゃない。

 

堀北の問いに真鍋は手を挙げる。

 

「発言許可をお願いします」

 

「許可をする」

 

「ありがとうございます。まず堀北さんの言っている事は間違ってないでしょう。山内君に呼ばれた際は凄く怖かったです」

 

真鍋は身体を震わせながらそう口にする。

 

「だから俺は呼んでねぇよ!適当な事言ってんじゃねえよブス!」

 

山内が案の定ブチ切れる。対する真鍋は山内を一瞥するが再度口を開ける。

 

「しかし呼び出しに応じなかった場合、それはそれで何かをやらかすと嫌な予感を感じたので呼び出しに応じました。また1人で来たのは大切な友達が山内君に手を出されたらと思って、呼べなかったのです」

 

「なるほど。真鍋の意見はわかった」

 

「ふざけんじゃねぇよ鳳橋。あのブスの発言は全部嘘だ!俺がそう言ってるんだから事実なんだよ!」

 

本当にコイツは煩いな……マジで殴り飛ばしたいんだけど。

 

「俺はわかったと言ったが、認めるとは言ってないんだし黙れ。とはいえこのままだと平行線だし、目撃者3人を呼ぶ」

 

言いながら俺は隣の部屋に連絡を入れる。すると直ぐに姫野、佐倉、みーちゃんが入ってくる。

 

「1年Cクラスの姫野ユキ、Dクラスの佐倉愛里と王美雨だ。今日までに目撃者として名乗りをあげている」

 

その言葉に坂上は嘲笑を浮かべるが、Dクラスの目撃者は捏造と思っているのだろう。

 

だが安心しろ。ユキとみーちゃんについてはBクラスの味方で、佐倉についてもDクラスにとって有利にならないように俺が誘導するから。

 

そう思いながら俺は佐倉からの好感度を得るパターンを考察しながら目撃者3人を見るのだった。

オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?

  • アリだ。雌犬にしてやれ
  • アリだけど程々に
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