守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「じゃあ私から良い?」
姫野が手を挙げる。それにより山内の顔には焦りが生まれる。
「許可する」
「私は当日視聴覚室で勉強会に参加していたんだけど、物理のプリントに飲み物を溢して新しいプリントを貰いに特別棟に向かったら山内が真鍋の胸を揉んでるのを見たわ」
「だからアレは誤解だって!真鍋が無理矢理触らせたんだよ!お前だってゴム手袋を付けてるのを見てただろ!」
「や、あの時の真鍋は走ってたからそんな細かいところまで見てないし」
「はぁ?!細かいところまで見とけよ!テメェがちゃんと見てりゃこうならなかったんだよ!責任取れよ!」
どんだけ厚かましいんだよコイツ?姫野の額には青筋が浮かんでいるし。
「八つ当たりをするな馬鹿。次は、みー……王だが事件を見たのか?」
「いえ。直接見た訳じゃないですけど、図書館帰りに真鍋さんが怯えながら特別棟の方から走ってきたので、何かトラブルに巻き込まれたのだと思いました」
決定的な証拠ではないが真鍋が怯えながら逃げたなんて言ったら、山内が襲ったように考えるだろう。
「ふざけんじゃねぇよ!何でクラスメイトの俺の味方をしないであんなブスの味方をしてんだよ?!恥を知れや屑!」
山内の喚きに対してみーちゃんは口を開ける。
「それ、山内君にだけは言われたくないんですけど。4月には騒いでクラスポイントを減らす要因の1つだったのに皆に謝らないどころか、自分の借金を違う人に立て替えるように強要したけど……恥を知ったらどうです?」
みーちゃんは龍園のペットになってからかなり強気になったんだよなぁ。
「うるせぇうるせぇうるせぇ!貧乳の癖に調子に乗ってんじゃねぇよ!」
みーちゃんの言葉にこの部屋にいる全員が頷くと山内は更に喚く。
「だったら山内君も低脳の癖に調子に乗らないでください」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
いや、お前の方が煩ぇよ。みーちゃんも山内に文句を言いたくなる気持ちはわかるが、馬鹿は喚き続けるだけだ。
「いい加減にしろ山内。お前の愚かさに皆が迷惑している」
「うるせぇって言ってんだろ!俺を否定するのが悪いんだよ!」
どんだけ唯我独尊なんだよ?俺や龍園なんかより遥かに唯我独尊じゃねぇか。
殺したい気持ちはあるが我慢だ。佐倉の証言が終わっても喚いていたら即審議を終わらせよう。
「じゃあ次に佐倉。お前の意見を話せ」
「は、はい……」
佐倉は頷くが山内にビビっている。まあ気弱な佐倉からしたら山内の狂いっぷりには引くよな。
「どうやらどっかの愚か者の所為で気圧されているようですねぇ」
「何で俺を見てんだよ!テメェの方が愚かだろうが!」
坂上の罵倒に山内がキレるがお前の方が愚かだからな。
「大丈夫か佐倉?話せないなら無理する必要はないぞ?」
ここで佐倉に気遣いを見せておく。対する佐倉は深呼吸を数回してから顔を上げる。
「だ、大丈夫です……私は今回の件を最初から見てましたが、真鍋さんが山内君の手を掴んで胸を触らせていました……」
「おおっ!流石愛理だっ!」
「ひっ……」
佐倉の証言に山内は歓喜の声を上げるが、目は佐倉の胸に向けられていて嫌悪感が生まれてくる。佐倉もビビっている。
そんな佐倉の発言に龍園と坂上が手を挙げる。大方Dクラスを理由に佐倉の証言の価値を無くすつもりなのだろうが……
「佐倉に質問するぞ。お前の話はわかったがそれを証明するものはあるか?目撃者として遅れて名乗り出た以上、信憑性が低い。何かしらの証拠とかはあるか?」
俺は公平の立場を貫いて質問する。そんな俺に質問に対して龍園と坂上は同じ事を言おうとしたのか手を下ろす。
しかし龍園の目には呆れの色が見える。龍園とは長い付き合いだし、佐倉を狙っているとわかったのだろう。
「は、はい。これです」
佐倉がデジカメを渡すので、コードをパソコンとデジカメに付けて写真を見ていく。そこには自撮り写真が沢山ある。中には雫姿の水着の自撮り写真もあるが、これは山内に見せたら佐倉が可哀想だ。
よって俺は6月30日に撮った写真だけをコピーして、パソコンに貼り付けて開く。これなら操作ミスをしてもそういった写真が見えないからな。
「確かにお前は現場にいたな」
俺がスクリーンを下ろして画像を公表する。その画像の端では山内と真鍋が映っている。証拠能力としてはある程度の力はあるだろう。
これには龍園も意外そうな表情を浮かべるが直ぐに切り替えて手を挙げる。
「何だ龍園」
「確かにコイツの写真から現場にいたのはわかる……が、動画ならまだしもこの写真だけじゃどっちが手を出したかわからないし、真鍋がゴム手袋を付けているかもわからない……加えて、だ。俺の見間違いじゃないなら、山内の手が真鍋の胸を揉もうとしているように見えるんだが」
そう言われたので改めて確認する。確かに真鍋の手は下に降りていて、佐倉から離れているからかゴム手袋がついているかわからない。
対する山内の手は自身の胸の前にあるが、見方によって真鍋の胸を揉もうとしているように見える。
「確かに写真だけだと判断がつかないが、動画はカメラに記録されてなかった。山内に聞くがあの手は何だ?」
「アレは真鍋が胸を揉んで良いって言ったから準備したんだよ!佐倉も現場にいたから知ってるだろ!」
「は、離れていたから聞こえなかったよ」
まあ見た感じ15メートル以上離れているからな。
「はぁ!?ちゃんと聞いとけよ!動画も撮ってないし使えないな!俺が罰を受けたらお前のせいだからな!」
「ひっ……!」
すると山内はあろう事か佐倉に責任を押し付ける。佐倉はそれに怯えているし、もう良いだろう。
「そこまでだ。審議はここで終了する。事前に言ったように山内は無罪を証明出来なかったので停学処分とする。また教師や女子に対する暴言も処罰に含める事を進言しておく」
俺の言葉により大半がポカンとした表情になるが……
「は?!何だよそれ!ふざけんな!納得いかねえよ!」
直ぐ様復帰した山内の怒りは俺に向けられる。
「ふざけるなはこっちのセリフだ。俺の許可なく発言するわ、他人が話している時に割って入るわ、教師に暴言を吐くわ、自分に不利な話が出たらその度に喚くわ、挙句味方となり得る佐倉に対して責任を押し付けるわ……それでよく審議に挑もうとしたな」
普通に被告として審議に参加するなら証人をdisるなんて論外だ。
「そ、それは……自分が冤罪に巻き込まれそうだったんだし、焦るのは仕方ないだろ!」
「なればこそ、冷静に対応する必要がある。大体俺からしたらお前の言動を見て冤罪とは思えない」
「何でだよ?!」
「じゃあ綾小路、龍園、南雲、坂上先生の男4人に質問するが、お前ら4人が山内の言うように「監視カメラのない場所で女子が無理矢理胸を触らせてきて、女子が喚きながら逃げた」シチュエーションに巻き込まれたら、どうする?紙に書いてみろ」
俺は男4人に紙とペンを渡す。4人は文句を言わずに紙に書き込んで返す。
「協力感謝する。で、山内。4人の回答だが南雲と坂上先生は「緊急連絡先の担任に報告する」、龍園と綾小路は「学校に連絡する」と書いたが、これが冤罪に巻き込まれた人間が取るべきなんだよ」
俺の言葉に部屋にいる山内以外の全員が納得した表情になる。
「痴漢冤罪事件で重要なのは「巻き込まれた人間は逃げない」「駅員の同行を拒否して現場で話すようにする」「録音の準備をする」などがあるが、巻き込まれた人間は疑いを晴らす為にも逃げるのは論外だ」
なのにコイツは学校から呼ばれるまで何もしてないなんて馬鹿だ。冤罪なら晴らすためにあらゆる方法を模索して動くべきだ。
「で、でも!」
「話は終わりだ。審議はもう終わりだし、解散しろ。Dクラス陣営に不満があるなら再審の申請書を渡すから職員室に明日までに提出すること。ただし再審については学校が今日の審議の記録を見て許可を出すか決める。許可が降りなかったらその場で山内に対する処罰を告げる」
山内の喚きを一蹴して申請書を机から出す。
「いや、要らないだろう。この審議を見て再審の許可を出す教師がいるとしたら本当の馬鹿だろう」
「そうね……要らないわ」
綾小路が首を横に振る。堀北も不満そうな表情を浮かべながらも勝ち目がない事を理解しているようで首を横に振る。
「なんっ!何だよ!俺は無罪だってのに!寄越せ!」
山内は申請書を引ったくって出ていくがお前は通ると思っているのか?
他の面々も生徒会室から出ていく中、南雲は俺の肩に手を置く。
「お疲れ。後始末は俺がやっておくからお前も上がって良いぞ」
「済まん、頼むわ」
優しさに満ちた表情を浮かべる南雲に礼を言ってから帰りの支度をして、生徒会室を後にする。
……とりあえず今日の勉強会は神崎達に任せよう。凄く疲れたわ。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで