※この作品はR-18です。

守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

56 / 141
第56話

 

 

 

「ふぅ……疲れたわ」

 

ため息を吐きながら俺は下駄箱で靴を履き替える。今日の審議だがマジで疲れた。あそこまで幼稚な人間がいるとはこの世にいるとは思わなかった。

 

「アレ、狂夜じゃん。審議はもう終わったの?」

 

声をかけられたので振り向くと恵がいた。

 

「終わったが、山内の幼稚さの所為で疲れたわ」

 

「あー、多分だけど自分に都合が悪い事を言われたら喚いたの?」

 

「それに加えて自分に有利な情報を持っていてた佐倉に対しても、決定打にならなかったら文句を言っていたな」

 

アレはマジで引いた。仮にも味方なのに、傲慢にも程がある。

 

「本当に屑じゃん」

 

「だから精神的に疲れた。どっかで一杯飲んで休みたい」

 

「だったらケヤキモールから少し離れた場所に四阿があるから休まない?お茶でも買って」

 

へぇ、四阿があったのか。それは初耳だ。

 

「じゃあ遠慮なく」

 

カフェも悪くないが人が少なそうで一杯飲むのも悪くない。

 

そう言ってから俺達は自販機でお茶やジュースを買い、恵の誘導に従って歩く。

 

暫く歩いているとポケットから電子音が鳴るので携帯を取り出すと龍園からのメッセージだった。

 

『今日はストレス溜まったし、伊吹を抱かせるから軽井沢あたりを貸せないか?』

 

そんな風に来ているが……

 

『悪いが恵についてはペットとしてそれなりに愛着が湧いたから遠慮しとく』

 

『じゃあ次に作るペットの輪姦でどうだ?』

 

『構わない。狙い目は一之瀬だな。俺の考えとは真逆だし、坂柳と一緒にマゾ豚に調教する予定だしお前も参加しろ』

 

『楽しみにしてる』

 

携帯をポケットにしまう。

 

「狂夜、なんか企んでる顔だけどセフレを増やすの?」

 

「いや、坂柳と一緒にやる予定の一之瀬帆波性奴隷計画に龍園も加わる事になっただけだ」

 

「流石狂夜。相変わらずの屑ね」

 

「俺という勝ち馬に乗ろうとするお前も大概だろ?」

 

「まあねー」

 

小さく笑う恵。しかし彼女はDクラスでも女子を纏めているし、俺に更に気に入られたいからか勉強や運動も自主的にやっているようだ。このままいけば将としてのみならず兵士としても学年屈指の実力者になるだろう。

 

そう思いながらケヤキモールに向かって歩いていると正面ゲートを通らずに右に回り、小さな自然公園が目に入る。

 

更に進むと木々や生垣が沢山あり、小さな隙間があり、そこを潜ると小さな四阿がある。しかも壁もあり中々良い四阿だ。今度あそこで青姦でもしてみるか。

 

「どう?良い場所でしょ」

 

「よく見つけたな」

 

「前に自然公園の近くを歩いていたら、口が開いてた鞄の中からプリントが風で飛んで、その際に偶然知ったの」

 

言いながら中に入ると……

 

「おや、来客とは珍しい」

 

「鳳橋も山内に対するストレスに対する気分転換か?」

 

四阿の壁に取り付けられたベンチにて綾小路と知らない女子が寝転がっていた。しかもこの女子、可愛いが綾小路と同じように無表情で、無表情な2人が寝転びながらこっちを見てくるのはシュールだ。

 

「お前ら何やってんの?」

 

「お昼寝です」

 

俺の問いに女子がそう答える。綾小路は鳳橋もって言っていたので気分転換なのは予想はつく。

 

しかし女子が四阿で昼寝って予想外過ぎるわ。

 

「いや、それは何となくわかるけど、何で昼寝を?」

 

「眠いからです」

 

いや、そうだけどさぁ……何とも気の抜けた返事をしてくるな。

 

「ちなみに所属と名前は?」

 

「1年Aクラス森下藍です。以後お見知りおきを」

 

「お、おう」

 

寝転がりながらも頭を動かす森下にそう返す事しか出来ない。

 

「その様子だと綾小路清隆と同じように山内春樹の存在に疲弊したようですね。少し寝るのはどうでしょう?」

 

森下は空いている椅子部に手を向ける。寝転がりながら手を向けるのは不思議な光景だ。

 

「腰を下ろすので充分だ。というか綾小路、お前は審議に参加するような人間とは思わなかったぞ」

 

「オレも出る気はなかったけど、堀北が恫喝したから仕方なくだ。加えて山内の騒がしさにやる気が萎えた」

 

だよな。馬鹿の喚きを聞いたら誰だって助ける気が失せるだろう。しかも山内は都合が悪かったら味方の佐倉に対しても攻めるような屑だしな。

 

「ちなみにだが、今回の件って冤罪なのか知ってるか?」

 

まあもう審議は終わってるから話しても大丈夫だろう。

 

「冤罪だな」

 

「やっぱりな。何となくそう思った」

 

そう返す綾小路だが全く興味なさそうだ。

 

「言っとくが龍園が仕掛けるのは知ってたが、審議については公平にやったぞ」

 

「もちろん理解している。というか冤罪でもそうじゃなくても山内の喚きっぷりからこっちの敗北は絶対だからな」

 

だよな。何せ目撃者に関する話の段階までにあらゆる人間をdisりまくり、喚きまくったからな。

 

「そう言ってくれるとありがたい。しかしお前の面はいつも通りだが、ポイントとかは惜しくないのか?」

 

いくら公平に審議したとはいえ、クラスポイントを減らす判決をしたし、4月や5月にはDクラスに攻撃を仕掛けたので、Dクラスからは不満を持たれてもおかしくない。

 

しかし綾小路からは怒りの色を感じないので聞いてしまう。

 

「ポイントなら中間の時のボーナスや森下から小遣いを少し貰ってる」

 

「え?ヒモなの?」

 

軽井沢がそう尋ねるが多分違うだろう。

 

「違います。食事を作って貰ったりした際の報酬です」

 

「なるほど。対等の関係って訳か。というかお前らってどうやって知り合ったんだ?」

 

どちらも他人と関わるようなタイプの人間じゃないのは短いやり取りでわかったが、接点がわからない。

 

「5月に堀北鈴音を堀北学が地面に叩きつけようとした際に綾小路清隆が止めに入って堀北学と互角に戦ったのを見て興味を抱きました」

 

「何だ堀北の野郎。規則には煩い癖に裏じゃ身内に暴力なんて中々イカしてるじゃねぇか」

 

「そこ笑うところ?というか生徒会長ってかなり出来る人よね?」

 

「ああ。空手と合気道で有段者らしいが、それと互角の時点でお前も相当出来るだろうが、何をやってたんだ?」

 

身体つきを見る限り相当出来るだろう。

 

「ピアノと書道をやってたな」

 

「嘘つけ」

 

ピアノと書道をやって空手の有段者を倒せるなら誰だってやるわ。

 

そんな風に話してると外から足音が聞こえてくるので入口の方を見ると……

 

「……どういうことかしら?」

 

堀北鈴音が敵意を宿した眼差しを向けてくる。

 

「どういう事?意味がわからないな。そもそも何でテメェがいるんだ?」

 

「ケヤキモールに入ったら視界の隅に貴方と軽井沢さんが歩いているのを見たのよ。しかも綾小路君はDクラス以外の生徒といるし、説明してくれるかしら?」

 

疑問系の言葉だが恫喝に近い。

 

「どうもこうも山内の言動にストレスが溜まったから、Aクラスにいる友達に相談したら一緒に昼寝をしようって誘われたから寝てただけだ。オレが誰と過ごそうとオレの自由だが?」

 

綾小路は寝転がりながら淡々と答えると森下が同じように寝転がったまま右手を挙げながら左手で鞄からどら焼きの入った袋を取り出す。無表情の2人の行動は実にシュールだ。

 

「他クラス、ましてやAクラスの生徒と過ごすなんてスパイ行為としか思えないわ。貴方、私に協力するって約束を忘れたのかしら?」

 

「一方的な宣言は約束じゃない。大体オレより櫛田を責めろ。アイツは全クラスの生徒と交流がある」

 

「いやいや綾小路君。櫛田さんは人気者だから責めたら周りが敵になるじゃん。堀北さんもそれにビビってるから綾小路君に八つ当たりしてんだよ」

 

恵が笑いながらそう答えると堀北の敵意が軽井沢に向けられる。

 

「つまり、オレは完全にとばっちりか」

 

「そのようですね。どら焼き半分あげますから元気を出してください」

 

ちょっと森下。お前は大人しく寝てくれ。コイツの言動は山内とは全く別のベクトルで気が抜ける。

 

「……不愉快ね。人の考えを勝手に決めつけないでくれるかしら?」

 

堀北が恵を睨みながらそう口にする。

 

「だったら櫛田さんを責めなよ。まあ何もしてない堀北さんが周りから責め返されるのがオチだろうけど」

 

「……何ですって?」

 

「だってそうじゃん。AからCクラスのリーダー格は大小差はあってもクラスの為にクラスを動かしてるけど、堀北さんは綾小路君だけを脅して動かしてるだけじゃん」

 

「確かに他クラスのリーダー格について動きはある程度知っていますが、Dクラスのリーダー格の名前に堀北鈴音の名前はありませんね」

 

森下がそう口にする。実際Dクラスにおけるリーダー格に櫛田と恵の名前は出るが、堀北の名前は出てこない。

 

「1年のリーダー格って坂柳、葛城、鳳橋、一之瀬、龍園、櫛田、軽井沢だよな?オレはあまりクラス間闘争に興味ないから詳しくないけど」

 

「大体それで合っていますよ。まあBクラスに金田悟、Cクラスの神崎隆二あたりもリーダー候補ですが、今綾小路清隆があげた7人に比べたら格が落ちます」

 

「ついでに言うと近いうちに俺と真逆の考え方を持つ一之瀬についてはリーダー格から下ろす……って何だ堀北、その面は?もしかしてリーダー格について知らないのか?」

 

俺が話していると堀北が訝しげな表情を浮かべている事に気付くが、まさかリーダー格について知らないのか?

 

「いやいや狂夜。それはないでしょ?クラスを引っ張ろうとするなら他クラスの主力を調べるなんて常識で、調べないリーダー格なんて不良品だよ」

 

恵がわざとらしくそう口にするが、わかってそう言っているだろう。

 

「しかし堀北鈴音の顔に不快の色が増えましたが図星のようですね」

 

森下の言うように堀北の顔には苛立ちがあった。しかし図星だから文句を言えないようだ。

 

「それでオレにAクラス行きに協力しろって恫喝したのか。オレ以上にやる気がないだろ」

 

綾小路は寝転がりながら森下から貰ったどら焼きを食べているが、堀北からしたら挑発しているように見えるだろう。

 

「っ!その態度、気に入らないわね。貴方達もいつまでも上でふんぞり返っていられるとは思わない事ね」

 

堀北は綾小路を睨んでから、俺と森下にそう言ってから去っていく。馬鹿の相手が終わったら傲慢女の相手とは今日は厄日だろう。

 

 

「お二方、どら焼きまだありますが食べますか?」

 

「「頂きます」」

 

俺と恵は森下からどら焼きを貰う。イライラした時は甘いものだろう。

 

そして結局俺と恵も椅子に寝転がり、1時間近く4人で昼寝をするのだった。

 

しかしこの状況、第三者が見たら絶対に困惑するだろうな。

オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?

  • アリだ。雌犬にしてやれ
  • アリだけど程々に
  • 無しで
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。