守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「さぁて、今日は山内からのヘイトを高めないとな」
審議の翌日の朝、俺は行く準備をしながらそう口にする。
「山内からのヘイトを高める?あんな雑魚を怒らせても狂夜の敵じゃないでしょ」
恵が意外そうな表情で俺を見てくる。
「まあな。アイツがキレても瞬殺出来るわ。けどアイツが目撃者として審議に参加した姫野や佐倉に当たったら大変だから、アイツからの敵意を俺に対して向けるようにする」
その為の策も考えてるし、龍園や坂柳にも邪魔しないように根回しをしておいた。
「まあアイツなら何かをやらかすかもしれないし、良いんじゃない?暴力なら狂夜が捩じ伏せたら良いんだし」
「そのつもりだ。どうせならカッターとかを使ってくれたら良いんだがな」
そうすりゃわざと怪我を作って山内の両親から金を毟り取れるしな。
そう返しながら俺は行く準備を済ませて部屋を出る。そして学校に着くと教室にて荷物を置いて胸ポケットにあるペン型小型カメラを準備してDクラスに向かう。
「だからぁ!俺は冤罪なんなよ!再審議で勝つから騒ぐんじゃねぇよ!」
「それはこっちの台詞よ!どうせまた騒いで負けるのがオチでしょうが!」
「そうよそうよ!審議中に喚きまくったらしいアンタなんか信用出来ないわよ!」
そんな騒ぎ声が聞こえてくる。既に昨日の審議の様子は坂柳と龍園にも協力して貰い、広めまくったがDクラスにも伝わっているようで安心だ。
俺はそのままDクラスに入る。
「よう邪魔するぞ」
「何しに来やがった鳳橋!」
「さっさと消えろよ!この屑!」
「邪魔なんだよテメェは!」
教室に入るなり三馬鹿が怒鳴る。まあ山内からしたら昨日の審議で停学を宣言した相手だし、須藤からしたらバスケ部から追放した相手だからな。
池についてはモテる男には当たりが強いらしいから当然だ。
他の連中についても俺から借金した奴や、ポイントを支払う契約を結んだメンバーについても3人ほどじゃないが敵意を向けてくる。
しかしそれについては無視する。前者については借金をした自業自得だし、後者については赤点を取った須藤が悪いからな。
「随分な態度だな。山内には警告を与えに来ただけだ。悪い事は言わないから再審議の申請はやめた方が良い。でないと退学になる可能性が出るぞ」
「はぁ?ふざけんじゃねぇぞ!冤罪だってのに引き下がれないだろうが!」
案の定山内はブチ切れるが、それを無視して携帯を取り出し……
「悪いが冤罪とは思えない。今日の朝、『女の敵に正義の鉄鎚を!』って内容と一緒に匿名でこんな音声が添付されたメールが送られてきたんでな」
録音データを再生する。
『真鍋も真鍋だ!ブスの癖に調子に乗りやがって!アイツをレイプしてやる!』
携帯から山内の声が流れ出す。千秋が以前録音した音だ。本来なら昨日の審議でBクラスが不利になったら龍園が使う予定だったが、山内のクソな言動によって早く審議が終わったので、こうやって公開することにした。
「な、なぁっ!」
当の山内は録音されていたのは予想外だったようで慌てだし、クラスメイトからは騒めきが生まれる。
「えっ?これマジで?!」
「レイプしてやるって言ってたよな!」
「山内の声だったし……最低!」
「これもう絶対冤罪じゃないだろ!」
山内に対する悪意が増幅する。当然だろう。審議で冤罪だと騒ぎまくった結果、停学処分を告げられたのに、更にこんな録音を聴いたらなぁ。
これには須藤や池も引いてるし、山内の味方は1人もいないだろう。
「ま、待てよ!これはただズリネタにするって意味で実際には実行してねぇよ!」
山内は必死な表情で弁明するがクラス(特に女子)から嫌悪感が増す。
「考えている時点で同罪だろうが!」
「というかお前なら絶対にやる未来しか見えねぇよ!」
「この屑!マジでキモいんだけど!」
「本当死んでよ!」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇっ!ズリネタくらいで騒ぐんじゃねぇよ!」
山内は叫びながら地団駄を踏むが、その仕草は余りにも見苦しい。
「というかクラスの前で堂々と流してんじゃねぇよ!テメェのせいで誤解されて、彼女を作れなくなったらどうしてくれんだよ!」
いや、俺が音声を流さなくても色欲塗れのテメェじゃ彼女を作るのは無理だ。
山内以上に色欲を持つ俺や龍園は実力を持って実績を積んでいるから女に困ってないが、山内の場合は弱い上にクラスの足を引っ張り、言動が幼稚なのだ。彼女を作れるわけがないだろう。
これについてはDクラス全員が俺と同じ気持ちを抱いているだろうな。
「知るか。そんな事より再確認だ。再審議を申請するのは自由だが、申請が通った場合、この録音も証拠の1つとして提出するが、その場合は退学になる確率が出てくる」
まあ申請が通らない可能性が高いけどな。
「ふざけんじゃねぇよ!今直ぐ録音を消せ!」
「消すのは構わないが、このメールは生徒会の俺だけじゃなくて被害者のBクラスの弁護人の龍園にも送ったらしいぞ」
「クソがぁ!何で俺がこんな理不尽な目に遭わないといけないんだよぉ!」
いや、真鍋からの攻撃は兎も角、レイプする発言と審議の態度については完全にお前の自業自得だろうが。どんだけ自分に都合の良い世界を望んでいるんだコイツは?
「知るか。話を戻すが再審査を希望しなければこのまま停学で済むから、好きな方を選べ」
「ふざけんじゃねぇぞ!冤罪を受け入れろってか?!」
「俺はあくまで役所仕事をしただけだ。じゃあな」
山内が喚くのを無視して俺はDクラスを後にする。同時にDクラスからは女子を中心とした怒号が響き渡り、山内の醜い喚き声も聞こえてくる。
とりあえずこれで目論見は成功したと確信した俺は自分の教室に戻るのだった。
数時間後……
「よう、ご足労悪かったな、佐倉」
昼休み、俺は校舎裏にて佐倉と向かい合っている。
「早速だが確認だ。山内はお前に対して恨みの眼差しとかは向けてるか?」
「う、ううん。鳳橋君の悪口ばかりだよ」
「結構。昨日の審議から山内のお前に対する理不尽な怒りを警戒していたが、その様子なら大丈夫だな」
Dクラスにてさっきの音声を流したのは山内の持つヘイトを俺1人に向ける為だ。今後山内はクラスメイトに見下されるだろうが、その度に俺に怒りを抱くだろう。
「……ごめんね。私なんかの為に……」
佐倉は申し訳なさそうに謝ってくるが、別に気にする必要はない。ここで山内のヘイトを俺に向けとかないと俺のクラスメイトの姫野に向けられる可能性もあったからな。
佐倉からの好感度を稼ぐって私情を抜きにしてもクラスリーダーとして動くのは間違いじゃない。
まあ馬鹿正直には口にはしないけど。
「気にするな。折角お前が勇気を出したんだ。あんな屑に干渉されて良いものじゃない」
俺は一歩佐倉に近寄って俯く佐倉の顔を上げる。
「昨日は生徒会として公平に山内を裁いたが、昨日のお前は格好良かった。その一歩の勇気が人を変える為に必要な要素だから決して忘れるな」
言いながら佐倉の眼鏡を外す。
「今はまだ劇的に変わる必要はないが、少しずつ強くなれ。そしていつか強くなったお前がその美しい顔を堂々と曝け出せる日を楽しみにしている」
「……鳳橋君」
佐倉は俺を上目遣いで見てくる。
「俺の事は親しみを込めて狂夜と言いな、愛里」
そう口にすると愛里は小さく笑う。
「意外。狂夜君って漫画とかも読むんだ」
「俺だって娯楽に興味はある」
「そうなんだ。今度面白い漫画とかがあるなら教えてよ」
「もちろんだ。愛里が気に入りそうなものをチョイスしてやる」
そう言って小さく笑う。今のやり取りで愛里から気の許しは出てきたからだ。
とはいえ当分愛里の身体に手を出すつもりはない。ストーカーや山内などに目をつけられた経験がある以上、デリケートになっている可能性が高い。
暫くは愛里の心を完全に支配する事に専念しよう。身体の支配はその後だ。
俺は今後の方針を決めながら愛里と他愛ない雑談をするのだった。
ちなみに翌日、山内は学校に居なかった。
学校から2学期までの停学処分が下されたからだ。(期末試験の際は生徒指導室で行うらしい)
学校に確認した所、山内は再審議の申請書を出さなかったらしい。
それによりDクラス女子は「再審議して退学しとけよ」って嘆いたらしいが、クラスポイントが多くマイナスされる退学を希望するあたり、山内の嫌われ具合がハッキリとわかる。
で、結果的にDクラスは70ポイント分のクラスポイントを龍園のBクラスに譲渡され、Dクラスは更にマイナスとなった。
70ポイントの内、真鍋に関するペナルティポイントは50だが、審議の態度が20ポイント分だけペナルティとして加算されたのだ。
これにDクラスの生徒がブチ切れたのは言うまでもないだろう。
各クラスのポイント
Aクラス 1021
Bクラス 929(859+70)
Cクラス 744
Dクラス 0(実質マイナス81)
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで