※この作品はR-18です。

守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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第61話

 

 

 

 

「さて一之瀬、お前には3つの選択肢がある。「白波を見捨てて退学するのを見る」、「俺の出した条件を呑んで白波を助ける」、「白波の救済を強行して、以降は俺がよろめきまくる」の3つだが好きな選択肢を選んでくれ」

 

「っ……それは、私が強行したら今後も千尋ちゃんに暴力を振るうの?」

 

「人聞きの悪いことを言うな。よろめいたら偶然蹴りが入っただけだ。それだけなら不慮の事故だし、クラスメイトも生徒会による審議でしっかり発言してくれる」

 

「ふざけないで!そんなの生徒会に所属してるアンタからしたら八百長じゃない!どこまでもコケに「おっと、よろめいちまった」キャアッ!」

 

白波が喚く中、俺はまたよろめいてしまい白波の足を蹴ってしまう。

 

「悪い悪い。連日の疲れが溜まってるみたいでな」

 

「まあ狂夜君は勉強会の主催や生徒会とか忙しいし仕方ないでしょ」

 

「だな。明日から休みだしゆっくり休めよ」

 

「そうそう。リーダーの不調は士気が下がるからな」

 

クラスメイトもそう口にする。実際白波に対する対応なんてこんなもんだ。俺に対する舐めた態度を抜きにしても女尊男卑の考えを持ち、女子が相手でもソイツが一之瀬と話していたら割り込んでくるからな。

 

寧ろ執拗に付き纏う白波を拒絶しない一之瀬が甘いとしか思えない。俺が一之瀬の立場なら再起不能にするし、俺じゃなくても拒絶するだろう。

 

「もうやめて!」

 

ここで一之瀬が割って入ってくる。

 

「だからよろめいただけだって。不満なら生徒会に問題提議すれば良い」

 

「幾ら口裏を合わせても堀北先輩なら公平に判断すると思うけど」

 

まあそうだな。堀北が仕切ったら俺は裁かれるだろうな。

 

「否定はしない。が、それは堀北が裁く権利を持っていることを前提としてるだろ?」

 

「……どういう意味かな?」

 

「直ぐにわかるさ……嫌でもな」

 

俺の言葉に一之瀬は気圧され、同時にチャイムが鳴る。

 

「さて、終業式だし俺は先に行く。テメェらは遅刻すんなよ」

 

俺はそう言って先に教室を出て体育館に向かう。舞台袖に行けば既に全員揃っていたので軽いリハーサルを済ませる。

 

まあ無駄になるリハーサルだけどな。

 

そう思いながら待機していると生徒がゾロゾロに入ってくる。

 

全クラスが並ぶと終業式が始まる。最初に頭の髪が少ない校長の話だがクソつまらないので欠伸をしてしまう。小学校の頃から思っているが、何故校長の話を眠気を誘うのだろう。

 

欠伸を噛み殺しながらも長い話を漸く聞き終える。そろそろだな

 

『次に生徒会長のお話です。堀北会長、お願いしま『あー、ちょい待った』ちょっ、ちょっと鳳橋君?!』

 

司会の橘が話している途中にて隠し持っていたマイクのスイッチを入れて割って入る。

 

それに戸惑っている生徒は殆どいない。3年Aクラスと1年Aクラスあたりからは騒めきが聞こえてくる。

 

そんな中、俺は舞台袖から出て、堀北と橘の前に立って紙の束を突きつける。

 

『悪いが生徒会長の挨拶は俺がやる。何故なら校則第49条、第2項に則り、今ここで現生徒会を解散させるからだ』

 

その言葉に堀北は目を細めるが、橘はポカンとするが直ぐに再起動する。

 

『な、何を言っているんですか?!校則第49条、第2項は確か……!』

 

『現生徒会に問題がある場合、全校生徒の6割以上の署名があれば現生徒会を解散させる事が出来て、解散請求者は代理として生徒会長に就任するだな』

 

『意味がわかりません!今の生徒会に問題なんてありません!』

 

『あるだろう。1年生は俺しかいないんだからな。校則44条では『生徒会は後進の育成の為に早急に新1年生を2人以上加入させる』ってのがある』

 

一つ区切る。

 

『生徒会入りを希望した1年生を俺は何人か知っているが生徒会に入ったのは俺だけで他は全員落ちた。俺だって堀北には落とされて南雲に入れて貰ったがな。まあ俺を落とすのは俺の性格を考えればわからなくもないが、落ちた生徒の中にはAクラスのリーダー候補の片割れの葛城康平やウチのクラスの一之瀬帆波もいて、ソイツらは中学時代にも生徒会長をやった経験がある』

 

俺の言葉に葛城と一之瀬に視線が集まる。

 

『2人の性格的にこの学校に合うかは微妙だが、生徒会長経験があってやる気がある2人を落とすのは後進の育成にやる気がないとしか思えない』

 

実際2人については十中八九南雲に染まらないように落としたのだろうが、事情を知らない生徒からしたら俺の話には説得力があるだろう。

 

『そ、それは……だ、だとしても!それだけの理由で全校生徒の6割から署名を得られるとは思えません!』

 

『だったら聞いてみろや。生徒全員に聞くが生徒会の解散請求に署名をした奴は手を挙げろ』

 

俺の言葉に殆どの生徒が挙手をする。挙げてないのは3年Aクラス、1年Aクラスの葛城派、各クラスで告発しそうな生徒数人、後はペラペラ喋りそうな馬鹿くらいだ。

 

『なっ……!』

 

『1年のAクラスは24人、Bクラスは34人、ウチのクラスは38人、Dクラスが29人で125人。2年のAクラスは38人、Bクラス34人、Cクラスが34人、Dクラスが32人で136人。3年のBクラスは37人、Cクラスは36人、Dクラスは30人で103人。合計で364人だな。軽く6割以上だな』

 

この学校では入学時、1学年で160人だ。仮に全学年から退学者が出なかった場合、生徒の総数は480人だ。

 

その状態でも7割5分以上の賛成を得られたのだ。30人近く退学者が出ているこの状態なら更に割合は上がるだろう。

 

『ルールに則り現生徒会は解散だ。解散請求をした俺が生徒会長を引き継ぐから南雲以外の生徒会役員は降りて、新生徒会メンバーは出てこい』

 

俺の言葉により、南雲、坂柳、龍園、恵が物陰から出てくる。

 

「という訳で堀北先輩達はお疲れ様でした」

 

南雲の楽しそうな笑みに堀北は眉を顰める。

 

「お前が誰かの下につくなんて意外だな、南雲」

 

「解散請求なんて面白い提案をした鳳橋の顔を立ててあげたんですよ。まあ次の生徒会選挙で会長の座を奪うんで」

 

南雲はケラケラ笑いながらそう言ってくるが、来期の生徒会長の座も俺が手に入れるつもりだ。

 

「まあ折角の学校生活ですし、青春するのも悪くないです」

 

「コイツの下につくのはムカつくが、今年度くらいは学校側にもちょっかいをかけるのも悪くないからな」

 

「狂夜の方針の方が今の生徒会の方針より良い思いが出来そうだしねー。ウチには三馬鹿がいるし」

 

坂柳、龍園、恵が言葉を続ける。

 

『こんな事で会長を貶めるなんて……!』

 

橘が納得いかないとばかりに睨みつけてくる。

 

『貶める?何言ってんだお前?学校のルールに則って、生徒会を改善する為に動いただけで睨まれなくちゃいけないんだよ?不満があるなら学校に訴えろや』

 

まあ通らないだろう。体育館の壁付近にいる教師陣が止めに入らないのが答えだ。実際俺達は校則違反はしてないからな。

 

しかし俺が解散請求を出した1番の理由はブラコンの堀北妹に対する嫌がらせだとバレたら、解散請求は無効にされるかもしれない。

 

『で、でも……!』

 

橘は未だに納得いかないとばかりに抵抗の言葉を考えている。

 

『ちょっと貸せ。橘よぉ、そんなに不満なら署名した全校生徒に向けて解散請求の不当性を話せよ。そうすりゃ署名を取りやめてくれるかもしれねぇだろ?』

 

『えっ……?』

 

ここで龍園が俺のマイクを引ったくり鬼畜な提案をする。364人の署名者を論破しろなんて無茶苦茶にも程がある。俺でも無理だろう。

 

流石龍園だ。このビッグウェーブに乗るとしよう。

 

『そうだな……じゃあ橘は壇上の中央に立って、俺達の解散請求に対する不当性について説明しろ。散々な不満を見せたんだから余裕だろ』

 

『なっ……そんな……』

 

橘は真っ青になって震え出す。そんな中……

 

『そうだ!署名したのが間違いなら説明しろよ!』

 

『論破してみろや!Aクラスなら出来るだろ!』

 

『生徒会が感情論を使うなんて問題じゃない。恥を知りなさい』

 

『さっさと説明してよ!時間も無限じゃないのよ!』

 

3年Bクラスの生徒がいる場所から声が響き渡る。3年Bクラスは優秀だが、Aクラス相手に後塵を拝しているから、橘を叩くのに賛成のようだ。

 

そして……

 

『異性として好きな堀北君が蹴落とされるのが不満だからって、正当なやり方で解散請求を出した鳳橋君に八つ当たりしてんじゃないわよ!』

 

「っ!」

 

ある女子の容赦ない指摘に橘は悲痛そうな表情を浮かべて膝から地面に倒れ両手で顔を覆って泣き始める。

 

『泣けば許されると思ってるの?!私達の署名に間違いがあると思うんでしょ!』

 

『泣けば大好きな堀北君が慰めてくれると思ってるの?!』

 

『時間が惜しいんだから早く説明しなさいよ!』

 

いや、女子怖すぎだろ。龍園の提案は完全なアドリブだが、ここまで騒ぎが大きくなるとは思わなかったわ。さっきまで橘を攻めてた男子も引いてるし。

 

ここで堀北が橘が落としたマイクを掴み、口を開ける。

 

『待て。鳳橋の請求は正当性がある事を認める』

 

厳かな口調により体育館は静まる。まあ解散請求された当の本人が潔く認めたからな。

 

『校則に則り、自分は現生徒会を解散して、会長の座を鳳橋狂夜に明け渡す。これで今回の件は全て終了する』

 

堂々と宣言する堀北。当事者がそう宣言した以上、これ以上橘を責めたら学校側から過激と咎められるだろう。

 

3年Bクラスは1年Dクラスと違って馬鹿は少ないから、これ以上は悪手と判断したようで静かになる。

 

『そして生徒会役員でなくなった我々は壇上から降りる。桐山も降りろ』

 

堀北はそう告げると会計の桐山は悔しそうにしながらも頷いて、壇上から降りる。そして堀北も泣き続ける橘を支えて壇上から降りる。

 

それを確認した俺は壇上の中央に立ち、スタンドにあるマイクに顔を近づける。

 

『さて時間が伸びたし手短に話すが、今生徒会長になった鳳橋狂夜だ』

 

そう言って壇上から生徒を見ると3年Aクラスからは敵意が半端ない。後1年Dクラスの堀北妹の敵意も半端ないが、その面が見たくて解散請求を出したんだよな。

 

『長い話もお前らからしたらかったるいだろうが、とりあえず聞いてくれ。まず俺としては堀北前会長の考えである、クラスは一蓮托生って言葉が大嫌いだ』

 

俺の言葉に騒めきが生まれる。

 

『この言葉の正確な意味は結果の良し悪し関係なく行動や運命を共にするって意味だが、何故実力者と雑魚が運命を共にする必要があるのだろうか?』

 

騒めきが強くなるがそれを無視して続ける。

 

『運動能力は高いけど学力の低い奴が、学力は強いがフィジカルが弱い奴と支え合うのは良い。互いに違う欠点があるからこそ協力出来るし、運命を共に出来る。しかし実力者が雑魚と運命を共にする必要性はない。実力者は優遇されるべきで雑魚は淘汰されるべきだ』

 

一息つき……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よって俺が生徒会長として成したい事は『生徒個人個人のランキング作成』、『一定以下のランクの生徒の退学によるペナルティの消失』、『一定以下のランクのAクラスの生徒に対するAクラスの特権の剥奪』の3つを提示したい』




新生徒会

会長 鳳橋狂夜(解散請求立案者の為)

副会長 南雲雅(解散請求を提案した狂夜の顔を立てる)

会計 龍園翔(狂夜の影響で金に敏感になったから)

書記 坂柳有栖(身体能力が低いので狂夜の近くで事務作業のサポート)

庶務 軽井沢恵(生徒会役員で1番能力が低い為、勉強を兼ねて4人のサポート)

オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?

  • アリだ。雌犬にしてやれ
  • アリだけど程々に
  • 無しで
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