守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
夏休みに入って色々な事がありながらも俺達は8月を迎えた。
それに伴い、早朝からバスに乗せられて東京の港に行き、豪華客船に乗せられた。
船内にはプールや高級レストラン、カジノなどがある上、生徒の貸切なのでテンションも高い。
かくいう俺もテンションが上がりカジノで一攫千金を狙おうと考えていたのだが……
「おい教師共。カジノにおける上限があるって何だよ?しかも上限が300万ぽっちかよ?ふざけてんのか?」
カジノにおけるルールとして換金の上限が300万までで、それ以上稼いでも300万しか貰えないのだ。しかも300万換金したら以降は出禁とか……
「ふざけてません。至って真剣です。上限を設けなければ、鳳橋君と龍園君が荒稼ぎをしてクラス間のパワーバランスが崩れてしまいます」
「そもそもこちらとしてはお前と龍園のカジノ利用を全面的に禁止したかったのが本音だ」
俺の不満に坂上と真嶋がそう返してくる。真嶋達の口振りから察するに、俺や龍園が中学時代に裏カジノのディーラーをやっていたのを知っているのだろう。
「なら上限を変えるには幾ら必要だ?ちなみに最低で1000万で」
「残念だが、それについては幾らポイントを積まれても無理だ、諦めろ」
真嶋が一蹴する。どうやらポイントを使っても無理だな。
「わかった……諦めるとするが、あ、星之宮」
「ん?何かな?」
「実は真嶋がこの前にスポーツジムの女性従業員と雑談した際に、「星之宮さんと付き合ってないのか?」って聞かれたら「あんな三十路の尻軽なゲテモノは受け入れない」って言ってたぞ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……
瞬間、星之宮からドス黒いオーラが噴出される。
「へぇ……真嶋君はそんな事を言ったんだ。ちょっと席を外そっか」
「待て星之宮!今のは鳳橋の戯言だ、俺はそんな事を「思っているだけで」口にはしていな鳳橋!割って入るな!」
真嶋の声真似をしてみると真嶋が怒る。
「うんうん。わかってるよ。じゃあちょっと行こっか」
「絶対にわかってないだろう?!口にした記憶はごはぁ!」
星之宮のヘッドバットに真嶋が悶絶して、星之宮は首根っこを掴んで部屋から出ていく。
「じゃあ俺も失礼する」
俺はドン引きする坂上と茶柱に会釈をして部屋を出る。暫く歩くと打撃音と男性の呻き声が聞こえてくるが痴話喧嘩でもしているのか?
そう思いながらデッキに向かう。カジノの上限が決まっていて変えられないなら今すぐ行く必要はない。
プールが見えるデッキに着くと20人くらいの男女が泳いでいて涼しそうだった。
俺は近くにいるバーテンにコーラを注文してプールを眺めてながら恵にある指示をメールしていると坂柳がこっちにやって来る。
「ここにいたのですか。てっきりカジノにいるかと」
「上限が決まってるから今直ぐ行く必要はない。それに恵には20万送ってカジノに行くように指示した」
「彼女が勝つと確信しているのですか?」
「アイツにはルーレットで初回に赤か黒のどちらかに全額注ぎ込むように指示をしたが、多分勝たせてくれるだろう」
「なるほど、そういう事ですか」
カジノでは運営がイカサマを仕込んでいるケースが割とある。
トランプにICチップを仕込んだり、凄腕のディーラーがルーレットで狙った穴を狙ったりとかだ。龍園なんかはこれが得意で狙った数字に球を落とせる確率は8割以上だ。
しかし基本的に運営は客を負かすためのイカサマは余りしない。するとしても数億単位の損失が出そうになる可能性が出た時くらいだろう。毎回そんな事をしたら内部告発とかがあった際にダメージがデカいからな。
そもそもカジノについてはイカサマ抜きにしても、カジノ運営側が儲かる仕組みだから、イカサマをしなくても利益は出やすい。
イカサマをするのはあくまで初回、場合によってはその次もだが、わざと勝たせて相手に良い思いをさせる為だ。最初に大金を失ったりしたら以降は来なくなるし、カジノに行こうとする人間を止めようとする。
よって初回で大勝ちさせて良い思いをさせるのは鉄則だ。良い思いをさせてから、また来たいという気持ちを植え付けたり、友達紹介サービスなどを教えて客を増やす。後は時間が経つにつれて勝手に向こうが転げ落ちるだけだ。
狙いとしてはスポーツ選手だ。大金を持ってるし、負けず嫌いな人が多く、大敗したらそれを取り返そうと躍起になるケースがよくあった。
閑話休題……
ともあれ恵が初回で20万のルーレットをすれば向こうはイカサマで勝たせてくれる可能性があるので、「勝ったら直ぐに撤収しろ」と伝えてある。
仮に向こうが勝たせてくれなくても20万なら大した損害じゃないから「このカジノは初回から勝たせない」って勉強代にするだけだ。
「お前は行かないのか?ブラックジャックなら勝てるだろ?」
坂柳の頭なら道具抜きでカウンティングが可能だろう。本場のカジノでは途中で出禁になるかもしれないが、上限が決まっている船上カジノなら完結があるからな。
「もちろん後で行くつもりですよ」
やはりな。まあ儲け所を逃す筈はないか。
そんな風に考えていると……
「おい見ろよアレ!」
そんな声が聞こえてきたので横を見れば海面にて巨大な鯨が泳いでいるのを発見する。
「すげー!鯨が潮吹いてる!」
思わず坂柳を見てしまう。同時に足に激痛が走る。どうやら杖で叩かれたようだ。
「何を見てるんですか?怒りますよ?」
「悪かったよ。今夜思い切り潮吹きさせてやるから許せ」
「……勘違いしてるようですが、私はまだ負けた訳じゃ「じゃあ今後は潮吹き無しな?」……卑怯な」
拗ねたような表情を浮かべる坂柳だが攻めに1番弱いのは彼女である。最初は毎回屈しない態度を露わにしてるが、直ぐに俺を求めてくる。まあそれが愛おしいんだけどな。
「相変わらず可愛いな。明日から1週間会えないし、今夜は一杯可愛がってやるよ」
「……はい」
坂柳は悔しそうな表情を浮かべるが受け入れる。今日も鳴かせまくるとしようか。
そう思っていると腹が鳴る。そろそろ昼食時か。
「飯でも食うか。カフェかレストラン、どっちにする?」
「ではレストランで。ここは騒がしいですから」
「んっ」
俺達は立ち上がりレストランに向かう。プールを見れば櫛田が沢山の男子にナンパされているが、奴の中身が公になれば誰も寄らなくなるだろう。バラす時が楽しみだ。
そう思いながらレストランに向かっていると入口付近で龍園と恵がいた。
「よう。恵がここにいるってことはカジノ帰りの飯か」
「そ。あ、ちなみにルーレットは当たって40万になったよ」
「結構。20万はやる。ちなみに龍園は出禁になったか?」
「なってたよ。スロットを目押しでガンガン当ててたけど狂夜も出来るの?」
「余裕だな」
「ちなみに今、カジノの上限の変更を出来ないか交渉しようとしたら、星之宮が真嶋に馬乗りになってボコしてたがテメェがなんかやったのか?」
あ、まだボコボコにされたのか。それはドンマイだ。
「知らね。俺は無関係だ。それよりも飯に「ふざけんじゃねぇよカスが!」……したいが、生徒会の仕事がありそうだな」
レストラン内から須藤の叫び声が聞こえてくるが、アイツは騒動を起こさないと死んでしまう病気でも患っているのか?
呆れながらも俺は須藤をレストランから叩き出すべく、レストランに入ろうとしたが……
「あぁ?!邪魔すんじゃねぇよあやのこうくぺっ!」
綾小路が掌底を須藤の顎に放ち、須藤が崩れ落ちる。
そして綾小路は須藤の足を掴み、引きずる形でこっちにやって来てそのまま廊下の脇にぶん投げる。
「生徒会か。既に馬鹿は黙らせたからそっちの手を煩わせる事はないぞ」
「それはありがたい。しかしお前容赦ないな」
言いながらレストランに入ると注目が集まる。大半が綾小路にドン引きした眼差しを向けている。
「Aクラスの人間とのトラブルをオレの近くでやられたら溜まったもんじゃない」
「それは失礼しました。クラスメイトとして謝罪します」
「坂柳が謝る事じゃない。しかし4人は生徒会の仕事をしていたのか?」
まあこのメンツを見ればそう考えるよな。
「いえ。今回は生徒会役員としてではなく、クラスリーダーとしての食事会をしようと私が提案しました」
ここで坂柳はそう答える。坂柳は兎も角、龍園と軽井沢は偶然会っただけだ。何故そんな内容を口に「ふざけんじゃねぇよ!何テメェがリーダーを名乗ってるんだよ!」……うん、大体坂柳の発言の意図がわかった。
俺はため息を吐きながら坂柳と同様にAクラスのリーダー候補に挙がっている葛城と同じ席にいて、喚く男を見て坂柳の発言の意図を理解するのだった。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで