守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「ほらよ。これさっさと換金しろ」
「……かしこまりました。規定通り300万円分換金するので、今後店の出入りを禁止されて頂きます」
コインを突き出すと換金口の兄ちゃんは嫌そうな顔を隠さずに換金し始める。ここのスロットは目押しで対応出来る優しいものだったので余裕だった。
換金を済ませてその場を後にする。本当はお仲間を連れて、換金前に俺が人数分稼ごうとしたのだが既に龍園がやったのか知らんが、罰則有り禁止事項に含まれていたのが残念だ。
「はい。ブラックジャックです。配当分のコインをお願いします」
坂柳も坂柳でブラックジャックで暴れていてディーラーの目が死んでいる。
ブラックジャックは俺も得意だが一々カードを覚えるのが面倒なので金を稼ぐならスロットの方が楽だ。
(来年度もカジノ付きの船に乗る事を想定してスロットの練習とかをクラスの連中にさせたいな)
金というのはあらゆる方法で儲けられるが、あらゆる技術や能力を磨く必要がある。リーダーとしてはクラスメイトを研ぎ澄ます必要がある。
そんな事を考えていると坂柳も換金を済ませたようでこっちにやって来る。
「お待たせしました」
「気にするな。ゲームの仕様上、俺が早く終わるのは必然だ」
言葉を交わしながら俺達はカジノを出る。
「すみません、お手洗いに行ってきても良いですか?」
「わかった。エレベーター前にいる」
俺はトイレに向かう坂柳に背を向けてエレベーターに向かう。暫くするとドアが開く。中から綾小路が1人で出てくる。
「綾小路か。カジノに参加か?」
「ああ」
それは興味深いな。身体能力が怪物なのは知っているが、博打の腕も怪物なのか?
「しかし意外だな。お前に金欲があるとはな」
コイツはあらゆるものに対して興味がないように思っていた。
「ああ、物欲はないが金欲が生まれたな。俺は早く2000万ポイントを使ってAクラスに上がる」
「そりゃ誰も考える事だな。けど早く上がる必要はないだろ」
普通は卒業直前まで持っておくのが鉄則だ。
「勘違いをしているようだがオレはDクラスから離れたいだけでAクラスの特権には微塵も興味ない。Dクラスから離れられるならBクラスかCクラスでも満足だ」
そういう事か。しかしそれだけの為に2000万貯めるのはどんだけストレスが溜まっているんだ。
「そんな嫌か?」
「嫌だ。ストレスが溜まって仕方ない」
俺の問いに綾小路は断言する。どんだけ嫌なんだよ……
「今回のバカンス、間違いなくポイントが動くイベントがあるだろうがオレはこの夏休み中に600万は稼ぐ」
そう言ってカジノの方に去る綾小路。どうやって勝つか興味はあったが、出禁になったのは痛いな……もうちょっと後にカジノに行けば良かった
しかし300万はカジノで勝てば手に入るが残りの300万はどうやって手に入れるんだ?
(ハッタリ……いや、あの断言した口調から察するに何らかの資金源があるのかもしれない)
ま、それならそれで構わない。強い奴が儲けるのは当たり前のことだからな。
そう思っていると坂柳がトイレから出て、カジノに入る綾小路を見てからこっちに近寄る。
「先程綾小路君が通りましたが、何か話しましたか?」
「ん?Dクラスにいるとストレスが溜まると愚痴られた」
「まああの環境にいたらそうでしょう。まして身体能力において桁違いの実力を見せた綾小路君なら尚更です」
「だな。しかも堀北はただ協力を強要するだけだし、その時点で無能というのがわかる」
王ってのは部下を動かし方でも評価が変わるので、部下の使い方についても鍛えないといけない。
堀北は自分が優秀と思っているようだが、人の動かし方が下手くそな時点で王の器じゃない。
ただ協力するのは義務と強要するのは論外だ。確かにこの学校の性質上、協力するのは義務であるが義務を強要しないで、何らかの報酬を用意したりするべきだ。
「そうですね。人を動かすには不適な行動が多過ぎます」
まあDクラスだから充分な報酬を用意するのは無理だろう。しかしそれでも問題に対して堀北が「貴方はどう考えているのか教えてくれないかしら?」とか「お願い、この問題の解決に協力してくれないかしら?」みたいに態度で話せば協力してくれる可能性はあるだろう。
少なくとも「協力するのは義務なんだから協力しなさい」とか命令口調で強要するよりも協力してくれる可能性は遥かに高い。
「これからどうします?」
「デッキでトロピカルジュースを飲んでからちょっと部屋で休む」
「そういえば部屋を借りていましたね。幾らでしたか?」
「一泊3万で今日、無人島ペンションが終わってからの1週間で8日分だから24万だな」
最高で一泊5万の部屋もあったが、部屋の色や家具とかが微妙だったから3万の部屋にした。
「ヤり部屋として借りたが、今日はお前だけ可愛がってやるから……」
「今日こそは負けませんから……」
そんな風に言う坂柳だが、お前はぶっち切りで弱いだろうが。俺を屈服させれる可能性があるとしたら現時点では真澄だけだ。
そんな風に思いながら俺達はエレベーターに乗ってデッキに向かうと、相変わらず沢山の生徒が談笑しているが……
「ふふっ……戸塚くんに対する悪意は蔓延してるみたいですね」
所々で戸塚に対する悪口が聞こえてくる。どうやらレストランの一件については相当尾鰭が付いて広がっているようだ。
「これで戸塚を側に置いている葛城に対する求心力はかなり落ちてるだろうな。これ、俺と龍園が手を下すまでもないだろ?」
元々坂柳から無人島で起こるであろうイベントにおいて「葛城派を叩き潰して欲しい」と上陸出来ない坂柳から依頼を受けているが、あんな屑を側近にしていた葛城はかなり影響力を落としただろう。
「そうですね。評判が落ちたのは間違いないでしょう。しかし一部の人間は戸塚君の人間性を忌避しても、私が嘘泣きをしたのはバレてるでしょうからトドメを刺して欲しいのです」
「相変わらずのドSだな。一度受けたから構わないが、俺としては綾小路にちょっかいをかけたいんだがな」
アイツの底はまるで見えないし探りを入れたいのが本音だ。
「鳳橋君は綾小路君に勝てると思ってますか?」
坂柳は好奇心丸出しの表情で聞いてくる。
「勝ちの基準次第だな。頭脳戦はアイツの頭を知らないからわからない、格闘戦は十中八九俺が負けるし、何でもありなら負けるつもりはない」
「何でもありとは?」
「言葉通りだ。鈍器、刃物、毒、不意打ち、銃……何でもありの殺し合いだな。これについては両親の職業柄もあって物心ついた時から仕込まれたから負けるつもりはない」
何せ両親共に周りから敵を作る職業だからな。実際両親に対する人質として狙われたことなんか数知れずだ。
「なるほど……それについては修羅場を潜り抜けた鳳橋君に分があるかもしれませんね。まさかとは思いますが、殺し合いをするつもりですか?」
「まさか。アイツとは学生として戦うつもりだ。まあ分は悪いかもな。それに……」
綾小路がホワイトルームの関係者なら本気で手を出したら面倒な事になりそうだ。あの隔離施設の人間が政府直下の学校にいるのはあり得ないが、綾小路という苗字が気になってしまう。
「それに?何ですか?」
「ん?いや何でもない」
幾ら理事長の娘とはいえペラペラ話すのもアレだからな。話さないのが吉だ。それに俺の考えだ。
「むぅ……気になります」
坂柳は膨れっ面を浮かべるが可愛いだけだからな。
「悪いな。まあ後で潮吹かせまくってやるから許せ」
話題を誤魔化す為にそう言ったら杖で思い切りぶっ叩かれました、解せぬ。
まあやられたらやり返さないと気が済まない、今夜は思い切り攻めよう。1週間分、たっぷりとな。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで