守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「おや、誰かと思えばグリードボーイじゃないか。先程の交渉には感謝するよ」
木の枝の上にて、高円寺が爽やかな笑みを浮かべて手を挙げてくる。というかグリードボーイってなんだよ。確かに俺は
「気にするな。俺個人としても学校の嘘にはイラついたしな。それにしても意外だな。綾小路は兎も角、高円寺は速攻でリタイアすると思った」
直接話すのは初めてだが噂などは聞いている。
Dクラス随一の唯我独尊で、期末試験では俺と同じ学年1位で、水泳で日本記録を出す程の桁違いの身体能力を持つ変人と聞いているが、集団行動が必須のこの試験についてはリタイアすると思っていた。
「リタイアしたい気持ちはあるが、こっちにも事情がある」
「私はこの後体調不良でリタイアするが、君のペットから5万払うからリタイアする前に島の情報を集めて欲しいと頼まれてねぇ」
なるほどな。恵は高円寺がリタイアすると予測して依頼をしたようだ。実に正しい判断だ。
しかし体調不良でリタイアとは清々しい奴だな。
「そうか。なら良い夏休みを」
「当然さ。グリードボーイも頑張りたまえ。卒業してからも長い付き合いになりそうだからねぇ」
「……ほう、その様子じゃ知っているのか?」
「傘下の会社の重役から我が高円寺グループの利益になり得る中学生がいるとは聞いているからねぇ」
確かに俺は複数の会社とコネクションを持っていて、高円寺グループの傘下の会社とも繋がりがある。しかし次期当主のコイツにも知られているとはな。
「まあその時は適度に宜しく頼む。それと胸ポケットにあるデジカメにリーダー情報が手に入ったら買い取るぞ」
「残念ながらまだないねぇ」
「それ以前にまだ他クラスのキャンプも見つけてないな。Cクラスはもうベースキャンプを設置したのか?」
「洞窟の中に設置した。言っとくがもうリーダーは決めたから、リーダーの調査が出来るのは7時間半後だぞ」
「その頃には私は船内で療養中だろうねぇ、まあ綾小路ボーイは精々頑張りたまえ」
「嫌だけどな」
綾小路はため息を吐くがそんなに嫌なら適当にサボれば良いのに。綾小路がサボっても対応出来る奴なんかDクラスには居ないだろう。そうなると何かしらの弱い……櫛田に押し付けられた冤罪か?
興味はあるが今はそれどころじゃなかったし、また今度にしよう。
「わかった。じゃあまたな」
「シーユー、君の生徒会長としての行動を楽しみにしているよ」
「ああ。桁違いの役立たずが数人もいるウチのクラスじゃクラスポイントはアテにならないからな」
そりゃそうだ。ウチのクラスにおける役立たずは白波1人だが、Dクラスには須藤、池、山内と桁違いの役立たずが3人もいるし、更に恵や千秋によれば他にも数人のゴミがいるらしいからな。
実力者からしたらクラスに縛られるのは我慢出来ないのだろう。高円寺や綾小路みたいに実力が超絶している奴からしたら尚更だ。
「まあ適度に期待しとけ。じゃあな」
言いながら俺は2人に背を向けて木々を蹴って一気にスタート地点に向かう。
そして砂浜が見えた所で木からジャンプして地面に激突する直前に幹を蹴って重力加速度を減らして着地する。
足に若干の衝撃を感じながらも俺はスタート地点にあるテントに向かう。
「星之宮。買うものが決まったから準備しろ。可能ならデジカメは今直ぐに寄越せ」
「ほーい……うん、オッケー。トイレの設置の為にベースキャンプの場所を教えて」
「洞窟だ」
「オッケー。じゃあ1時間以内に用意するから。食料とか他の物資はその時に持ってく感じで良いかな?」
「ああ。後その際には色付きビニール袋をありったけ用意しろ」
「はーい……じゃあこれデジカメね」
星之宮はデジカメを渡してくる。このデジカメは他のデジカメより3ポイント高いが、普段使っているものの色違いで使い慣れているのでこれにした。
俺はカメラを受け取ったら直ぐにこの場を後にして、そのまま木に乗って移動を始める。役に立ちそうな場所を早く見つけて……ん?
と、ここで微かにだが声が聞こえてくるので耳を澄ませて、声のした方向に向かう。
そして声が大きくなったあたりで音を立てないように気をつけながら進むと開けた場所が目に入る。そこには井戸があり、井戸の近くにはスポットが設置されていて、スポットの前ではAクラスの生徒が2分割して揉めている。
「とにかく!今回の試験は葛城さんが仕切るんだ!坂柳派は大人しく従え!」
そんな言葉と共に半分の人間が黒いビニールを高く掲げて、スポットを囲みもう半分の人間をシャットアウトする。どうやら葛城派が強引に仕切るようだ。
しかしその作戦、坂柳派からは隠せても高い場所にいる人からは見えるぞ。
俺は早速デジカメを動画モードにして高い枝に移り、撮影体勢に入って上から監視する。
すると1人の男子がキーカードを持ってスポットに触れる。
(アレは確か町田浩二だったな)
イケメンで成績も悪くないから女子から人気だが、あんな有名人をリーダーにするのは悪手だ。
帰宅部でクラス外に友達もおらず、成績も運動能力も並の無名の人間をリーダーにすれば他クラスにはバレないのに。
何にせよリーダーがわかったのは大きい。後はリーダー当て直前にわざと大怪我をしてリタイアでもしなかったら、Aクラスのスポットによるボーナスポイントは無くなる。
その事を喜びながら俺はその場を離れて他のスポットに向かう。
そして海岸付近に向かうと再度騒ぎ声が聞こえてくるので近寄ると砂浜にて龍園を始めとしたBクラスの生徒がいて、職員が物資を運んでいる。
物資の中にはバーベキューコンロもあるが、どうやらバカンスを楽しむようだ。
龍園の性格的にバカンスを楽しんだ後に1人で島に潜伏する可能性はあるが、龍園以外の生徒はリタイアするだろう。
25万ポイントを貰うことが決定した中で2、3日砂浜でバカンスを楽しみ、リタイアした後は豪華客船で優雅な夏休み……最高じゃねぇか。羨ましいわ。
そう思いながら木の枝を伝って近づくと、テントの近くにスポットを発見するが近くに誰もいないし、すでに占領した後だろう。
ならば長居は無用だ。どうせこの後や明日に龍園に呼ばれるしその時に雑談しよう。
俺はBクラスに若干嫉妬しながら砂浜に背を向けて木の枝を飛び移動する。次にDクラスのベースキャンプを探してみる。どこをスポットにしているかはわからないが近くにあるとラッキー「……よ!…スが!」……ん?怒声が聞こえているがアレは池の声だと思う。
(またアイツは喚いたのか?学習しない奴だな……)
呆れながら声のした方向に行く。今回は恵のリーダー性を見たいから、そこまで干渉するつもりはないが、池や須藤がウチのクラスの近くで喚くなら暴力を誘発して問題提起するのも悪くないな。
俺は様子を見に行くべく声のした方向に向かうと、Dクラスのベースキャンプを発見する。連中は川の近くにベースキャンプを設置したようだ。生水を飲むかは人によるが、食料を冷やしたり、囲いを作って釣った魚をキープするなど使い道はあるので悪くないチョイスだろう。
まあ……
「調子乗ってんじゃねぇよ!テメェこそ何の取り柄もない癖に偉そうにしてるんじゃねぇよ元軽井沢グループの引き立て役のブスが!」
「はぁ?馬鹿が意見しないでくんない?!キモいんだけど!」
池とDクラス1の傲慢女の篠原が川の前で揉めている。予想はしていたが本当に醜い争いだな。周りの人間も呆れているし。
そう思っている恵と話していた綾小路が2人の近くに近寄り……
「いつまで揉めているんだ?煩いから黙れ」
「はぁ?!テメェが口出してんじゃねぇよ!」
「そうよ!根暗が上から目線で割ってこないで!」
綾小路の仲裁に2人はキレるが……
ドゴッ!
「がはっ!」
ドゴッ!
「ぐぁっ!」
ドッポォォォォォンッ!
ドッポォォォォォンッ!
そのまま池と篠原を川に蹴り落とす。アイツ、前からストレスが溜まると言っていたが、溜まり過ぎてリミッターが外れたのか?
(まあどうでも良いが、動画を撮らなかったのが痛かった……いや、この後にも面白イベントがあるかもしれないし)
俺はそのまま葉っぱが多く太い枝に腰を下ろしてデジカメを起動して録画モードにするのだった。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで