守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「っし、これでOKだな。激しく動くなよ?」
「……はい、ありがとうございます」
ひよりをテント脇に座らせてから簡単な手当てを済ませる。運動能力が低いひよらからしたらキツかっただろう。
「気にすんな。寧ろ謝るのは俺だ。俺がお前から目を離したのが悪いし」
久しぶりに海に行ったとはいえ離岸流について失念していた俺のミスだ。
「い、いえ!狂夜君は悪くないです。海の危険性を身体能力が低いのに理解しなかった私のせいです」
「理解してもいきなり巻き込まれたらパニックになるからお前は悪くない。そもそも俺がボールをすっぽ抜かしたのが原因だしな」
あそこで離岸流のある場所に投げなかったらひよりは巻き込まれずに済んだからな。
「だからお前は謝る必要はない。悪いのは俺だから、お前は俺に落とし前をつけろやって言えば良い」
そう言うとひよりは悩む素振りを見せてからやがてため息を吐いて口を開ける。
「……でしたら学校に戻ってから食材とかを買う際に一回だけ荷物持ちをしてください」
「は?そんなんで良いのか?」
軽いにも程があるわ。
「良いんです。そもそも落とし前をつけて欲しいなんて思ってません。狂夜君が引かないと思って仕方なく決めました」
ひよりは拗ねた様にそっぽを向く。
「まあお前がそう言うなら良いけどさ……食材買うなら肉をちゃんと買えよ。さっき抱き抱えた時、軽過ぎたぞ」
別に運動能力を優秀にしろとは言わないが最低限の体力は付けておくべきだ。その為にはちゃんと飯を食う事が大切だ。
「……狂夜君はデリカシーが無いんでっ!」
ひよりがジト目で何を言おうとしたが攣った足が痛んだ様でこっちに倒れてくるので抱き止める。
「それは悪かったがあんまり派手に動くな」
「は、はい……」
そう注意するが、ひよりは真っ赤になってしどろもどろな口調になっている。実に情緒不安定な奴だな。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫でしゅから気にしないでください」
噛んだな。結構可愛い。
ひよりに対してそんな感想を抱くと歓声が上がる。見れば綾小路が陸上部の木下と組んで、バスケ部の近藤と組んだ龍園相手にビーチバレーで押している。
一応龍園は綾小路のサーブやスパイクを何本か止めているが完全には止め切れず、近藤は綾小路に対応出来てない。
加えて綾小路は龍園のサーブもスパイクも完封していて、相方も雑魚ではないので勝ち目は殆どないだろう。
そして笛が鳴る。どうやら決着が付いたようだ。
イライラしている龍園と目が合って顎で促してくる。どうやら次に戦えって言っているようだ。
「済まんひより。ちょっと行ってくるわ」
「はい……えっと……頑張ってください」
ひよりはそう言って抱きしめる力を強めてくる。どうやら今のが激励のようだが、それならこちらも返さないといけないな。
「ああ、頑張る」
「あぅ……」
抱きしめ返しながらそう告げるとひよりは俯く。その様子は気になるが、これまでのやり取りから察するに踏み込むのはやめておこう。
俺はそのままビーチバレーのコートに近寄ると砂浜には21ー14、21ー15と書かれている。結構な差をつけられているな。
「残念だったな龍園」
「黙れ」
龍園に睨まれながらコートに入る。
「ペアについてはどうすんだ?というか綾小路は連続試合で大丈夫か?」
「そこまで疲れてない」
「わかった。とはいえペアについては疲れてるだろうから一旦休め」
俺は疲れている近藤と木下をコートから出す。
「では私が清隆と組みます」
ここで森下が綾小路のペアを志願する。
「わかった。宜しくな」
「はい、宜しくお願いします」
「2人とも、頑張ってくださいね……」
2人に山村は小さい声ながらも声援を送っている。中々青春してるじゃねぇか。
「んじゃこっちは……伊吹、手を貸せ」
「私?まあ良いけど」
これでペアが決まったし、始めるとしよう。
俺は審判をやっている金田を見る。
「審判、コイントス」
「はい。行きますよ……出ました、綾小路チームです。決めてください」
「サーブで」
綾小路がそう口にすると金田は綾小路にボールを投げる。
綾小路はボールを受け取ると、即座にサーブを打つ準備にする。
俺は腰を低くしながら構え、伊吹と森下はコードの何処にも行けるように視野を広くしてコート内なら直ぐに動けるように準備してしている。
そして……
「ふっ」
物凄い早いサーブを放ってくる。
「ぐっ!」
何とかレシーブをするが、予想以上のパワーによって完璧なサーブは出来ず、ボールは相手のコートに飛んでいく。慣れていくまで数本レシーブする必要はあるな。
そして森下がネット際に寄り、ジャンプする。同時に伊吹ぐ森下の真ん前に移動して飛び上がる。
しかし森下はスパイクを打たずにバックパスをして、綾小路が森下より高くて飛んでスパイクを打つ。
これも拾うが、先程以上のパワーにより明後日の方向に飛んでいってしまう。
(分かってはいたが桁違いのパワーだな)
絶対に返せないって訳じゃないが、慣れても毎回必ず返せる保証がない程の一撃なのが厄介だ。
そう思いながら俺は再度構える綾小路のサーブを警戒するのだった。
(狂夜君……厳しいですが頑張ってください)
ひよりはコートから少し離れた場所から試合を見て狂夜の勝利を祈っている。
現在2セット目に突入している。1セット目は21ー15では綾小路・森下ペアが勝利した。
1セット目の最初の内は狂夜が綾小路のサーブやスパイクに対処しきれずに失点を重ねて、終盤に対処出来るようになったが、点差を縮められずに狂夜・伊吹ペアが負けた。
で、今は15ー14で綾小路チームがリードしていて、さっきから狂夜ペア1点差と2点差を行ったり来たりしている。
実力を見る限り伊吹と森下の実力は殆ど互角だ。で、狂夜と綾小路の技術は狂夜の方が僅かに上だが、綾小路が身体能力でその差を埋めて差を作っているのだ。
この状況が続くと先に21点に達するのは綾小路チームだから狂夜チームは早めに同点に持ち込む必要がある。
と、ここで伊吹のスパイクを森下がブロックして狂夜が拾う。そして伊吹がトスをして狂夜がジャンプするが、綾小路は既に狂夜の前に立ってブロックの為にジャンプをする。
先にジャンプしたのは狂夜だが綾小路は直ぐに追いついて手をしっかり伸ばしている。余りの動きのキレに素人のひよりから見ても今狂夜がスパイクを打ってもブロックされると確信してしまう。
しかしそんな確信をすると嫌な気分になってしまう。理由はわからないが狂夜が完膚なきまでに止められるのは見たくない気分だった。
「狂夜君!」
ひよりが思わず叫ぶ。すると今日はスパイクを打つ直前にストレートではなくクロスに打つ。それもネットに殆ど平行なインナーに。
それに対して綾小路は左手だけを動かしてボールに触れようとするが、ボールは間一髪の所で触れられずにコート内の砂にぶつかる。
ピッ
それにより得点が認められ、初めての同点となる。
「やった……!」
その結果にひよりは我が事のように喜び、思わずガッツポーズをしてしまう。
しかし視線を感じたので見れば周りの人達が一斉にこっちを見ている。特に龍園なんかはそれはそれは良い笑顔を向けていて、ひよりの顔に熱が溜まる。
(うぅ……狂夜君の所為です。狂夜君が私に応援したい気持ちを生み出したんですから……)
ひよりは理不尽と理解しながらも内心にて狂夜に文句を言いながら顔を覆うのだった。
バカテスト
問題(特別編)
入学してから驚いた事、納得出来ない事、新鮮に思った事を書きなさい
一之瀬帆波の答え
ポイントの支給などにおいてクラス全体による連帯責任が強過ぎる事や赤点一つで即退学と厳し過ぎる事
教師のコメント
確かにこの学校は普通の学校に比べたら異常でしょう。しかし環境の変化についていく事は大切ですので、一之瀬さんが少しでも早くこの環境に慣れる事を期待しています
鳳橋狂夜の答え
グラビアアイドルの肉付きが予想よりも凄い良かった事
教師のコメント
真っ先に書いたことがそれですか。鳳橋君は真面目な時とふざける時の差が酷過ぎます。
龍園翔の答え
ケヤキモールのアダルトショップが鞭や蝋燭、ボンテージなど品揃えが予想以上に豊富だった事
教師のコメント
アレは職員専用の店ですので今後入るのはやめてください
森下藍の答え
清隆と美紀の2人で水着を着て風呂に入った際、美紀が転んで清隆の海パンを脱がしながら男性器を咥えたが、その時の清隆の呻き声が可愛かった事
教師のコメント
確かに驚く内容ですが、具体的に書かないでください。後で鳳橋君と龍園君の2人と職員室に来るように
坂柳有栖の答え
自分は支配者の素質のみならずペットの素質も持っていると知った事
教師のコメント
君が鳳橋君か龍園君のどっちのペットになったのかわかりませんが、節度を守ってください
須藤健の答え
鳳橋の所為で理不尽な目に遭ってるのに、学校側は何もしない事。いつかぶっ殺す
池寛治の答え
鳳橋のような屑がハーレムを作っている事。絶対に後悔させてやる。
山内春樹の答え
鳳橋みたいな屑が女を囲んでいる事。鳳橋は全員俺に寄越して死ねよ
教師のコメント
3人は逆恨みという言葉を辞書で調べてください。後、3人は生徒指導室に来るように。先生は疲れたので生活指導の先生に任せます
綾小路清隆の答え
熱帯イチゴを採集していたら極限ラージャンに遭遇した事
教師のコメント
普通なら論外の答えですが、今は余り怒りを感じないのが不思議です。先生は極限化モンスター否定派なので気持ちはわかります。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで