守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「はい。全員いるね。じゃあ今日の点呼は終わり。明日の朝8時に最後の点呼を取るけど、その時に他クラスのリーダー指名時間になるからね。おやすみ」
夜8時、星之宮がそう口にしてから去っていく。
「じゃあお前ら、俺は朝まで見張りで居ないから後は任せた。念には念を入れて最後の点呼には参加しないから、リーダー指名については7時59分に連絡する」
現状俺がリーダーとわかってるのはクラスの町田のみだが、もしも7時55分にベースキャンプに戻り、町田が7時57分にリタイアしたら意味がない。
よって点呼欠席の5点のペナルティは受けるつもりだ。
「で、姫野は朝7時にAクラスのベースキャンプの近くに行って町田がいるか確認してくれ。Aクラスのスポット更新時間は7時15分前後だからな。居るか居ないかを無線で俺に連絡しろ」
「了解。スポット更新の場面は目撃出来なくて良いんだよね?」
「ああ。既に何回か奴が更新しているのを見てるからな。居るなら奴がリーダーだ。で、寝ずの番は最後だが宜しく頼む。夜中に抜け出そうとする奴が居たら痛めつけて構わない」
言いながら俺は近くにある木の棒を見張り番の1人に投げる。それに伴い視界の隅にいる白波が震え出す。コイツの性格から考えてAクラスにリーダーを見抜かれてるからリタイアしろってアドバイスをしかねない。
これまでの6日間は一之瀬に見張りを頼んで、問題ないと報告は受けているが念には念を入れておく必要がある。
「じゃあ任せた」
俺はそのままビニール袋を利用して作った簡易な雨がっぱを着込んで洞窟を後にする。
そして教師のテントの近くに到着する。
「あれ?鳳橋君は何か用?」
先に到着した星之宮が聞いてくる。他の教師も意外そうに俺を見てくる。
「いや、リーダー交代する奴が出るかもしれないから見張りだ」
「見張りって……朝まで?」
「当たり前だ。何で途中切り上げんだよ?切り上げた直後にリーダーを交代されたら溜まったもんじゃないし」
「雨が強いんだよ?」
「だから?」
たかが雨だ。一々気にする必要はない。
「本当無茶苦茶だね……まあ介入するつもりはないけど、桟橋に乗ったら失格になるからね」
「問題ない。砂に紛れるから」
俺はテントから少し離れて、雨ガッパを着たままうつ伏せになる。テントの光が介入しないギリギリで場所で待機して、土砂降り+暗闇ならまずバレないだろう。
そう思いながらも俺は耐え始める。最低でもどのクラスがリタイアするかの確認は絶対で、可能なら交代した新しいリーダーも把握したい。まあ交代しないかもしれないが。
そして待機を続け、深夜2時を過ぎると眠くなるので唇を噛んで血を流しつつ、見張りを続ける。
4時……雨が弱くなり、辺りが薄らと明るくなってくる。
6時……雨が完全に止んで日差しが少しずつ強くなっている。
そして7時過ぎ……
『Aクラスのキャンプにて町田君が井戸の水を飲んでた。まだいるよ』
姫野から無線で通信が入る。これによりAクラスはリーダーを交代していない事になる。
「わかった。じゃあお前はバレないうちにベースキャンプに戻れ。お疲れさん」
『了解。鳳橋君もお疲れ様』
通信が切れてから更に待つと、7時45分ごろに森の奥から龍園が出てくる。びしょ濡れで肩を抑えている。奴め、関節を外したな。
向こうも俺に気づいて笑みを浮かべながらテントに近寄る。
「坂上、左腕の関節が外れた。これ以上の仕事は続行は無理だからリタイアする」
そう言って腕をぶらつかせる。確かにアレならリタイアは認められるだろう。
「わかった。で、リーダーはどうするのかね?」
坂上はチラッと俺を見る。
「ああ。石崎かアルベルトのどっちかにするが、坂上に任せる」
野郎……やはり仲間を複数人残していたか。しかもわざわざ名前を言うあたり、俺に博打をさせる気のようだ。
そして笑いながら船に戻っていく。俺個人なら自分の直感に従って石崎を指名するがチーム戦の大将である以上、私情は挟まずに、確実にクラスポイントを増やしておこう。
よって俺は指名するのをAクラスだけにする。
そして55分になると担任4人がテントから出てくる。
「星之宮。リーダー交代をギリギリまで見極めるから点呼は欠席するわ」
「はーい。じゃあ5ポイント引いとくね」
星之宮が森に向かう中、俺はずっと待機するが誰も来ない。
だから時計が59分になった瞬間に無線を懐から取り出す。
「俺だ神崎。リーダー交代はなかったからAクラスの町田を指名しろ」
『わかった。龍園は居なかったのか?』
「居たけど、アイツ以外にも石崎とアルベルトを残してたらしく、次のリーダーは担任に決めてもらったから指名しない」
『それは賛成だ。俺は50%は低いと思ってるからな』
「個人戦だったら挑戦したんだがな」
『やめてくれ……っと、みそ……星之宮先生が来た』
神崎も三十路って言いかけたな。本人は言われるとキレるがアイツは立派な三十路だろう。
「おう。三十路が点呼を終えたら連絡しろ。後片付けをしないといけないからな」
『わかった』
通信を切って周りを見るが人は居ない。龍園以外はリタイア作戦を使わなかったようだ。
暫くすると神崎から通信が来る。
『星之宮先生が戻った。もうリーダー指名も終わったし戻って大丈夫だ』
「わかった。直ぐに戻る」
俺はそのままベースキャンプの方に向かう。徹夜の見張りはキツいと言うか退屈だったからな。早く船に戻って美味い飯が食いたい。
林道を歩くと星之宮が向かい側からやって来て話しかけてくる。
「1週間お疲れ様。キツかった?」
「いや。1人を除いて全員が真剣に取り組んでたから負担が軽かったし、そこまでキツくなかったな」
実際白波以外はよくやってくれていた。正直言ってDクラスに比べたら天国だろう。あそこにはお荷物が多過ぎるからな。
「ま、良い結果になる事を祈ってるよ」
星之宮はそう言って去っていくので俺もベースキャンプに戻ると片付けを始めている。
「待たせたな。俺も直ぐに始める」
「休んでも良いぞ。一晩見張りをしてたんだし」
神崎はそう言っているが、別にそこまで疲れてないのでそのまま片付けを始める。
「今回の結果、どうなるかな?」
「さあな。まあ直ぐにわかるだろ」
麻子はそう聞いてくる。それなりに節約したし、リーダーについてはバレてないし、Dクラスからポイントを少し奪えたし、Aクラスのリーダーを指名出来だろうに200ポイント以上は得れたか?確証はないけど。
適当に返しながらも片付けを済ませて俺達は砂浜に戻る。すると他のクラスもぞろぞろと砂浜にやってくる。
最後に石崎とアルベルトがやってくるが、それに伴ってAクラスは大きく驚く。
「石崎とアルベルトだと?」
「龍園がいないじゃねぇか!」
どうやらAクラスは龍園を島で見て、リタイアしたと勘違いしたのだろう。つくづく不運な連中だ。
そこまで考えていると拡声器のスイッチが入る音が聞こえて真嶋が現れる。一部の生徒が並ぼうとするが真嶋は手で制する。
「そのままリラックスしていて構わない。既に試験は終了しているので、今は夏休みの一部のようなものだ」
そうは言っても試験結果が発表されるんだからリラックスなんて出来ないと思う。
「それではこれより、特別試験の結果を発表したいと思う」
真嶋先生の言葉により、一気に緊張感が走る。
「なお結果に関する質問は一切受け付けていない。自分たちで結果を受け止め、分析し次の試験へと活かしてもらいたい」
「まあ下手に口を滑らせて生徒に金を毟られるかもしれないしな」
軽い冗談を口にすると真嶋のみならず他の教師も苦い顔になるが気にしない。恨むならペンションがあるなんて安い嘘を言った自身らを恨め。
「コホン……では改めて特別試験の結果を発表する。最下位は―――――Aクラスの0ポイント」
真嶋の宣言に各クラスから騒めきが生まれる。
「続いて3位はBクラスの86ポイント」
「しゃあっ!」
石崎がガッツポーズを取る。アルベルトも小さく握り拳を作っている。
「2位はDクラスの190ポイント」
その言葉にDクラスからは歓声が上がる。まあ久しぶりにプラスになったから当然だろう。
「そして1位はCクラスの246ポイント……以上で発表を終了する」
真嶋の宣言にクラスからはDクラス以上の歓声が上がる。とりあえず有栖からの依頼も達成して1位を取れたし最高の結果だろう。
これで後は船に戻って1週間分の溜まった性欲を発散すれば完璧だな。
今回はバカテストは抜きです。次回は試験の詳細から入ります
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで