守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「さて、俺は今刺されたから堀北の関節を外して付け直したが、生徒会長的にはどうなんだ?」
綾小路は悶絶する堀北を一瞥すらしないで俺に聞いてくる。
「まず教室内、それこそ授業などでコンパスを使った直後に事件が起こったら、過剰防衛として綾小路の方が罰が重いだろう……が、授業がない期間に船のカフェで利用用途がないコンパスを持ち歩いているとなれば話が別だ」
本心では堀北に対して良い気味だと思ってはいるが、生徒会長と私情を挟まない。
「コンパスの針は短いが、充分人を負傷させる事が出来る。しかも使う必要がない今持ち歩いているのは人を傷つける為に持ち歩いているとしか思えない……違うか?」
俺は床に蹲る堀北を見ると、堀北は苦悶の表情を浮かべながら口を開ける。
「か、勘違いも「持ち歩いているだろ。オレなんか今回も入れて4回も刺されてるし」っ……!」
堀北は明らかに否定しようとしたが綾小路が割って入る。その様子だと本当みたいだな。
「なら綾小路は正当防衛が認められると思うぞ。寧ろ常習犯である証拠があるなら堀北の方に罰を与える判決を出すな」
「それ以前に気に入らない事があればコンパスを刺すなんて人間性に問題があるのでは?」
森下が目に怒りを宿しながら堀北を見る。普段無表情のコイツの眼差しに怒りの色があるのは驚いた。余程綾小路の事を気に入っているようだ。
「俺が言うとブーメランに思えるかもしれないがまあそうだな。で、綾小路は何回も刺されたらしいが証拠とかを持ってんのか?」
「証拠になるかはわからないが、監視カメラのある場所で刺されたな。ただ、3回中2回は5月だから大分前だな」
「ソイツは厳しいな」
監視カメラの記録をどれくらい残してるか知らないが、3ヶ月前となれば残ってない可能性が高い。それ以前に今更訴えるのか?って学校に思われるかもしれないし。
「あ、でも3回目は山内の審議の後だから3週間くらい前だな」
「場所は?」
「教室」
「それなら多分残ってるな。以前2年と3年が部室棟で揉めた際、事の発端となる出来事は1ヶ月前の記録から割り出したし」
「なら訴えて良いか?毎回毎回暴力を振るわれたら堪らない」
「っ!貴方こそ、無人島で散々暴力を振るった癖に……!」
堀北が怒りながらそう言ってくる。確かに綾小路は無人島試験で須藤、堀北、池、篠原に躊躇いなく暴力を振るったと恵と千秋から聞いている。
しかし……
「証拠は?」
綾小路が言うように証拠はないだろう。GPSで居場所はわかることは出来ても暴力を証明するのは無理だからな。
「っ……!」
「そもそもお前こそ俺にコンパス以外で暴力を振るってるし棚上げはやめてくれ。ちなみに俺が訴えた場合、鳳橋だったらどんな判決を下すんだ?」
俺?
「そうだな……まあ綾小路の反撃は少々やり過ぎだし、堀北に対しては精々1、2週間の停学くらいだな。同じクラスだからクラスポイントについては一切干渉しないつもりだ」
まあそれはそれで面白い気がするけどな。
「プライベートポイントについては?」
「治療費+αだから取れても数万だな。とはいえこれは俺の考えだから学校が認めずにお前にも罰を与える可能性はあるぞ」
まあ堀北に対して罰は間違いなくあるだろうけど。
「わかった。それなら訴えない。少しのポイントだし、訴えたらこっちにもダメージがある可能性があるなら割に合わないしな」
それもまた選択肢の一つだな。
「とはいえ……コイツの兄に事情は話しておかないとな。気に入らない事があればコンパスを人に刺すなんて堀北家の教育については思うところがあるしな」
綾小路の言葉に堀北の目が見開く。自分の愚行が大好きな兄に知られたくないだろう。
「まあそれについては当事者のお前に任せる。アイツの番号は知ってるが電話をかけるか?」
「じゃあ頼む」
綾小路がそう口にするので俺は携帯を取り出して綾小路に渡そうとする。
「待ち、なさい……!」
しかし堀北が無理に立ち上がって俺の携帯をはたき落とす。床に落ちた携帯を確認すると幸い画面は割れていない。
「テメェ、自分の罪を隠すために人の携帯をはたき落とすなんて良い度胸じゃねぇか。綾小路、この件も報告しろ」
「了解」
綾小路は再度携帯を受け取る。今度も堀北は邪魔しようとするが綾小路はスルリと躱して電話をかける。
「もしもし……鳳橋じゃない。ちょっとアンタに用が出来たから鳳橋から携帯を借りた……ああ、用についてはアンタの妹についてだ」
本当に綾小路が電話をかけたと理解したようで堀北は焦りと怒りを表情に宿しながら綾小路に手を伸ばすが、綾小路は手で堀北の肩をを叩いて回避する。
「〜〜〜〜っ!」
一方の堀北は関節を外されてはめ直された部分を叩かれていたからか悶絶している。
「アンタらもやったかもしれないが無人島試験で、アイツは他クラスのベースキャンプに許可なく踏み入って、自クラスが他クラスから目を付けられたのに反省の色を一切見せないし、挙句オレが他クラスの生徒とモンハンやってるだけで咎めてきて、適当に流したらコンパスを刺してきたんだ」
淡々と口にする綾小路。しかしながら口調に僅かな怒りがある。どうやらDクラスでは相当振り回されているようだ。
「電話した理由?クラスメイトがいくら言っても懲りないからアンタに何とかして貰いたいんだよ。アンタには弱いのは知ってるし、アンタに言われたら多少傲慢さも弱まるだろうからな」
いやー、それでも内心じゃ自分は悪くないって思うだろうな。普通に考えてマトモな人間なら無人島試験でウチのクラスに謝罪を入れているだろうし。
「そんな訳だ。妹の尻拭いをしてくれ。場合によってはクラス単位でアンタに堀北家の教育については苦情を入れるつもりだ。じゃあ」
綾小路は通話を終わらせて俺に携帯を渡すのでポケットに携帯をしまう。
「……なんて事をしてくれたの……!ふざけないで!」
堀北は憤怒の表情を浮かべながら綾小路に怒鳴る。しかし当の綾小路は全く気にしてないような態度だ。
「傲慢なお前が悪い。世界はお前を中心に回ってる訳じゃない……さて、堀北のせいでクエスト失敗になったし、気分が悪いし場所を変えないか?ポイントで貸し切れるデッキの一角に行きたい」
「そうだな。割り勘するから行こうぜ」
「構いませんが清隆は腕はについて医務室に行かなくて大丈夫ですか?」
そういや綾小路は腕を怪我していたな。普段通り過ぎて忘れていた。
「全く問題ない」
当の本人は無表情ながら頷いて腕を動かす。その動きなら大丈夫だろう。
「じゃあ行くか」
「待ちなさい!このままおめおめと行かせるはずが「知らん、黙れ」あっ……ぐうっ!」
堀北が綾小路を掴もうとするが綾小路が足を引っ掛けて転ばせて、堀北は肩を床にぶつけて悶絶する。
綾小路は一瞥する事なく歩き出すので俺達もそれに続く。そして受付の近くに向かうと……
「あ、狂夜君。綾小路君と森下さんも試験以来ですね」
今日夕食を一緒に摂る予定のひよりがいた。笑顔を向けてくるが実に癒される。
「ひよりか。会うのは久しぶりだな。今からデッキの一角を貸し切るが一緒に来るか?」
今気づいたが、綾小路と森下がイチャついたら気まずいからな。
「良いのですか?」
「別に良いぞ」
「構いません」
「ではお言葉に甘えて」
ひよりは俺の腕に抱きついてくるので俺は癒されながら頭を撫で撫でしてから、4人で受付でポイントを支払ってデッキの一角を貸し切るのだった。
「おやおや……随分と仲睦まじいですね」
「ふーん……馬鹿」
独占欲の強いペットとセフレは狂夜とひよりの甘々な空気を見て、嫉妬心を剥き出しにしていた。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで