※この作品はR-18です。

雌犬になった女神の話   作:闇の店

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今回、序盤に説明セリフが続きますが、読み飛ばさないでいただけると嬉しいです。次回で完結予定なので、最後までよろしくお願いします。


悪魔の思惑

 ダクネスと別れ家に帰った俺は無理に明るく振る舞うクリスを抱き、落ち着かせた。クリスはセックスをねだり、俺はクリスが満足するまで何度も愛し続けた。

 

 「さて……」

 

 クリスとしてのケジメはつけた。後はエリスとしてのケジメだけだ。その対象はアクアだと、俺は分かっていた。しかし相手は仮にも女神。ダクネスの時と同じように上手くいくとは限らない。俺は穏やかな顔で眠るクリスを見つめながら思案に耽った。

 

 「ん?」

 

 何か奇妙な気配を感じ、俺はクリスを起こさないよう気を付けながらベッドを出た。服を着てドアを開けると、外は夕闇が迫っている。薄暗い中目を凝らすと、家の前に何かがいた。

 

 「誰だ!?」

 

 俺の言葉に黒い影が動く。近づいて来たそいつの正体が分かり、俺は息を呑む。

 

 「よお、上手くやってるようだな」

 

 「お、お前は!?」

 

 それは俺の寿命を買ったあの悪魔のだった。ねじれた角と耳まで裂けた口。悪魔はくっくっ、と笑いながら俺の前に立つ。

 

 「どうしてここに!?」

 

 「いやなに、ことが上手く進んだんで、礼を言ってやろうかと思ってな」

 

 「礼?礼を言うのはこっちの方だろう。お前のお陰で俺はこの世界へ転生出来、好きな女を手に入れられたんだから」

 

 「そうさ。お前が思ったより早くあの女を堕としてくれたんで、こっちは大助かりなのさ」

 

 「どういう意味だ?」

 

 「お前がこの世界に来たいというのはオレ、いやオレたちにとっても好都合だったのさ。ましてお前の目的があの女神だったことがな」

 

 「どういうことか説明しろ!」

 

 「そう睨むなよ。どちらにとっても悪い話じゃないんだ。まあことが済んだ今なら教えてもいいだろう。まずこの世界の魔王は、転生者がいた世界、つまり日本のことを知っている」

 

 「何!?」

 

 「他の転生者がいた日本とお前がいた日本は厳密には違うがな。それはお前もよく分かっているだろう?」

 

 カズマやミツルギたちがいた、「このすば」の作品世界の中の日本と、「このすば」を作品として認識している俺がいた日本。確かにそれは似て非なる世界だ。

 

 「だがお前がこの世界に転生出来たことで分かるように、二つの世界の日本には今や繋がりがある。難しい話ははしょるが、不特定多数の人間が同時に同じ世界を認識することで、その世界はお前の視点でいう『現実世界』と超次元的に繋がるのさ。この世界の魔王はここだけじゃなく、日本にも侵攻を考えている。それはお前がいた日本ではないが、二つの日本に繋がりが出来たことでこちらの日本にも興味を示す恐れがある。魔王軍はここんとこ幹部が立て続けに倒されて劣勢だからな。それはオレたち向こうの世界の魔族にとっては由々しき問題だ」

 

 「それが俺とどう関係ある?」

 

 「お前をここに転生させたのは一種の賭けだった。繋がりが出来たと言ってもしっかりとしたルートが確立されたわけじゃなかったんでな。だが魂を持った人間、つまりお前が転生に成功したことで、それが確かなものになった」

 

 「何だと!?じゃあ俺の転生は人体実験だったっていうのか!?」

 

 「そう怒るなよ。結果オーライってやつさ。お前だって端から無理だと思ってたここへの転生が叶ったんだ。責められるいわれはねえぜ?それでオレたちはこの世界の天界へもアクセスすることができるようになった」

 

 「天界に?」

 

 「天界は当然魔王の討伐を目標にしている。だが日本に侵攻し、異世界の力を魔王が手に入れれば面倒なことになる。オレはオレたち向こうの世界の魔族がこの世界へ干渉しないことを条件に、天界と取引をした。オレたちのボスは異世界に興味を持ってないんでな。オレたちとこの世界の魔王に手を組まれては天界も困る。だから奴らは取り引きに応じた」

 

 「何をしたんだ」

 

 「まず魔王軍のこの世界での攻勢を一時期に強め、日本侵攻から気を逸らす。そのために……」

 

 「ま、まさか!?」

 

 「そうさ、お前があの女神を調教してくれたお陰で天界は資格剥奪の大義名分を得た。女神の恩恵が消えたことで思惑通り魔王軍の攻勢は強まった。天界は今この間に、魔王が日本にアクセス出来ないよう防御システムを構築している。オレたち向こうの魔族も協力してな」

 

 何てことだ。俺がクリスを愛し、調教したことが全てこいつら魔族と天界の思惑に乗せられた結果だったとは。俺が天罰を受けなかったのもそういうわけか。クリスを泣かせたことの原因のいくつかはこいつらのせいだったと思うと、怒りが込み上げてくる。

 

 「さっきも言ったが、責められるいわれはねえぜ。お前は目的を果たし、今満足しているだろう?」

 

 そう言われると返す言葉がない。

 

 「それにそれくらいの見返りがなきゃあれほどチート能力を大盤振る舞いするわけないだろう?人間一人の寿命でな。ああ、そういう意味ではオレは個人的にもお前に礼を言わにゃならん」

 

 「何?」

 

 「オレはお前の転生に成功した功績でこっちの天界との交渉役を任された。さっきも言った通りルートの確立には魂(・)を(・)持(・)っ(・)た(・)人間の転生が必要だった。だから契約で魂を奪うタイプの悪魔にはこの役は出来なかった。それで俺は交渉役の特権で素晴らしい力を手に入れられた」

 

 「何?」

 

 「エリスの女(・)神(・)と(・)し(・)て(・)の(・)寿(・)命(・)さ(・)」

 

 「貴様っ!」

 

 俺は頭に血が昇り悪魔に掴みかかる。だがやはりただの人間と悪魔では力が違いすぎる。俺は軽くいなされ、地面に転がった。

 

 「怒るなって。そもそもエリスの女神としての寿命を奪ったのはお前だろう?自分の欲望のためにな。お前にオレを責める権利があるか?」

 

 またも返す言葉がない。こいつの言うことは全て正鵠を射ている。

 

 「それにお前は誇ってもいいんだぜ?こっちの魔王軍の侵攻を食い止めたことで、お前は元いた世界を、日本を救ったんだ。あの女神を手に入れたのはその褒美だと思っておけ」

 

 俺は地面に拳を叩きつけ、嗚咽をあげた。クリスに、エリスに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 

 「泣くなって。あの女神だってお前のものになったことを後悔してないんだろう?それはお前の手柄だ。悪魔のオレが言うのもなんだが、お前のあの女神への愛が本物だったから出来たことだ。誰も損していない結果だ。素晴らしいじゃないか」

 

 何が素晴らしいものか。俺にはとてもそうは思えなかった。

 

 「じゃあな。これからも精々楽しめよ」

 

 悪魔はそう言って消えた。俺は唇を噛み、いつまでも泣き続けた。

 

 

 

 「ご主人様!?」

 

 どれくらいの時間が経っただろう。気が付くとクリスが俺の目の前に立っていた。潜伏スキルも使っていないのに、全裸のまま屋外へ出ている。

 

 「どうしたんですか!?お姿が見えないので心配しました」

 

 「クリス……」

 

 泣きながら地面に座り込む俺を見て、クリスが慌てて駆け寄る。俺はクリスの顔がマトモに見れず、俯いて声を振るわせる。

 

 「すまん、クリス。俺は……俺は最低の男だ。お前を愛する資格など、最初から無かったんだ……」

 

 「な、何を言ってるんです!?とにかく家に入りましょう。ね?」

 

 俺はクリスに抱き起こされ、のろのろと家に入った。クリスが俺を浴室に連れて行き、泥で汚れた体を洗ってくれる。

 

 「一体何があったんですか?」

 

 ベッドに並んで腰掛けたクリスが俺を優しい顔で見つめながら尋ねる。俺は俯いたまま、言葉を発せずにいた。

 

 「話してください。ご主人様がそんな顔をしているのを見たくありません。大丈夫、あたしは何があってもご主人様の傍にいますから」

 

 「クリス……」

 

 俺は意を決して全てを打ち明けた。俺のいた世界のこと、悪魔との取り引き、そしてそれが向こうの魔族とこちらの天界の思惑によるものだったこと。クリスは流石に驚いた様子だったが、全てを聞き終えた後は落ち着いた顔を見せた。

 

 「本当にすまん。俺の欲望のためにお前を……俺にはお前の主人である資格など……」

 

 「ご主人様!」

 

 クリスが驚くほど大きな声で叫び、俺の顔を両手で挟んで自分の顔と正面から向かい合わせる。

 

 「ご主人様があたしを愛してくださったのは悪魔に唆されたせいですか?」

 

 「な、何を言って……」

 

 「ご主人様があたしを調教したのは天界に命じられたからですか?」

 

 「だから何を言って……」

 

 「答えてください!!」

 

 「そ、そんなわけがあるか!俺はずっと……ずっとお前が、クリスが好きだった!この世界に転生出来た時は本当に嬉しかったし、お前と愛し合えた時は天にも昇る心地だった!お前が調教を受けてくれたことは最高に幸せだった!お、俺は……俺は……」

 

 また涙が溢れて来た。クリスは優しく微笑むと、俺と唇を重ねる。

 

 「ご主人様のいた世界のこと……普通ならとても信じられない話ですが、ご主人様が真実を話していることは分かります。これも悪魔にもらった能力のせいですね」

 

 「クリス……」

 

 「別の世界にいた時からあたしを好きでいてくれて……悪魔に寿命を売ってまであたしに会いたいと思ってくれて、そんな人にあたしを愛する資格がないなんて、誰が言えますか?」

 

 そう言ってクリスは俺の手を掴み、自分の乳房に持っていく。

 

 「触ってください。乳首、勃起してるでしょう?」

 

 そのまま今度な股間へ手を導く。

 

 「オマンコ、濡れてるでしょう?ご主人様に愛してほしくって、こんなになっちゃってるんですよ?」

 

 「クリス……」

 

 「誰の思惑があったとしても、ご主人様があたしを愛してくださったのはご自身の意思でしょう?違う世界にいてもあたしを想ってくれていた……本当に嬉しいです。何度も言いましたよね?あたしはご主人様の肉奴隷になれたこと、少しも後悔してないって。それはご主人様が

心の底からあたしを愛してくれていることが分かっているからです。誰の命でもない。違いますか?」

 

 「違わない。俺がお前を愛しているのは俺の意思だ。お前を心の底から愛している。お前を俺だけのものにしたい」

 

 「ならいいじゃないですか。あたしもご主人様だけのものになりたいんですから。女神でも盗賊でもない、あたしという存在を愛してください。あたしの全てをご主人様のものにしてください」

 

 「クリス!」

 

 俺はクリスをきつくきつく抱きしめた。ああ、くそっ!涙が止まらない。

 

 「ご主人様、抱いて……ご主人様の望みのままに、ご主人様の欲望のままに、めちゃくちゃに犯してください。クリスの全てを愛してください!」

 

 「クリスぅっ!!」

 

 俺はクリスをベッドに押し倒し、乱暴に唇を奪った。胸を荒々しく揉み、乳首を力一杯吸い上げる。割れ目に指を入れてぐちゃぐちゃに掻き回し、摘み上げたクリトリスを噛む。

 

 「はあっ!ご主人様ぁっ!!」

 

 「クリス!クリス!」

 

 もう理性などカケラも残っていなかった。顔から足まで全身を舐め回し、菊門にまで舌を入れる。ガチガチに勃起したペニスをクリスの両胸に挟み、乱暴に揉みながら擦る。考えてみればパイズリするのは初めてだ。柔らかい胸の感触にあっという間に興奮が昂る。

 

 「うっ!」

 

 勢いよくザーメンが放たれ、クリスの顔を白く染め上げる。紅潮した顔を白濁液で汚されたクリスは息を呑むほど美しく、ペニスはいささかも衰えることなく、ビクビクと痙攣する。

 

 「もう止まらん。徹底的にやるぞ!クリス」

 

 「はい。お好きなだけ愛してください」

 

 クリスが股を開いて懇願する。次の瞬間には怒張したペニスが根元までクリスのオマンコに突き刺さっていた。

 

 「ああっ!ご主人様!ご主人様のおちんちん、凄いっ!!」

 

 「クリス!ああっ!クリス!」

 

 子宮口を何度も激しく突き、膣の締め付けに酔いしれる。すぐに亀頭が膨らみ、欲情を爆発させる。

 

 どぶっ!ぶびゅるるうぅっ!!

 

 凄まじい勢いで大量のザーメンが濁流となって放たれ、あっという間にクリスの子宮を満たす。後から後から噴射は続き、満タンになっても押し寄せる子種汁にクリスの子宮が悲鳴を上げる。結合部から堤防が決壊したようにザーメンが逆流してくるが、射精は治まる気配がない。

 

 びゅっ!びゅっ!ぶびゅううっ!!

 

 止まらない。いくら出しても止まらない。脳が痺れるような快感がいつまでも続き、腰が動き続ける。女にはイキっ放しという状態があるというが、これはさしずめ射ちっ放しという感じだ。

 

 「かはっ!ご主人様!お腹破れちゃいますっ!」

 

 見るとクリスの腹が妊婦のように膨らんでいる。俺は凄まじい快感に抗いながら懸命にペニスを抜く。それでも噴射は止まらずドロドロのザーメンがクリスの腹や胸に飛び散る。

 

 「クリス!愛してる!ああっ!クリス!クリス!」

 

 俺はクリスの腰を持ち上げ、アナルにペニスを突っ込む。

 

 「ああっ!出ながら!ザーメン出ながらお尻に入ってくるうっ!!」

 

 クリスが口から泡を飛ばし、顎を跳ね上げる。ドクドクと射精を続けながら、尻の中をぐちゃぐちゃに掻き回す。Gスポットに亀頭を押し当てながら衰えぬ勢いで射精を続け、クリスの腰がガクガクと揺れる。

 

 「ああっ!出てる!当たったまま!ずっと出てるぅっ!!ひああっ!す、凄……うひぃっ!ダメ!も、もうダメっ!死んじゃうっ!!」

 

 クリスの全身が激しく痙攣する。イキっ放しになっているようだ。俺はペニスを出し入れし、断続的にGスポットを突くようにした。それでもクリスの絶頂は止まらない。

 

 「あひぃっ!イク!イってる!ずっとイってる!気持ちいい!気持ちいいのっ!ご主人様!ご主人様ぁっ!!」

 

 「クリス!愛してるぞ!ずっとこのまま一つになるんだ!ああっ!クリスぅっ!!!」

 

 「ああひっ!あたしも……あたしも愛していますっ!ずっと!ずっと愛してくださいっ!ご主人様の思うままに!めちゃくちゃに犯してくださいっ!肉奴隷のクリスをご主人様のおちんちんで幸せにしてくださいぃぃっ!!!」

 

 「おおおっ!クリスぅっ!!!」

 

 ケダモノのような咆哮を上げながら、俺とクリスは力尽きるまで愛し合った。ようやく俺の射精が収まった時、クリスの全身は真っ白に染め上げられ、ベッドの上はまるで池のようになっていた。

 

「はあっ……凄い、ご主人様の臭い……むせ返りそう」

 

 クリスは蕩けきった表情で舌を伸ばし、シーツの上に溜まったザーメンを犬のようにぺろぺろと舐める。

 

 「そんなもの舐めなくても、いくらでも飲ませてやる」

 

 「ああ……それはそれでいただきますが、これ、臭いが濃くて……たまらないんです」

 

 「お前のマン汁や腸液が混じってるせいかもな」

 

 クリスは本当の犬のように四つん這いになって必死にザーメンをぴちゃぴちゃと舐める。それを見て俺の脳裏にある光景が浮かぶ。その途端、少し勢いをなくしていたペニスがブルンッ、と奮い立った。

 

 「あはっ、ご主人様のおちんちん、また元気になった」

 

 クリスは四つん這いのまま這うように俺に近づき、ペニスを口に含んだ。舌が絡み、くちゅくちゅといやらしい音が響く。

 

 「ううっ!いいぞ、クリス!」

 

 俺はあっという間に昇り詰め、クリスの口内に射精する。ゴクゴクとザーメンを飲み干し、亀頭をチュウっと吸って尿道に残ったものまで綺麗に胃に納めたクリスが、うっとりとした顔でお願いする。

 

 「ご主人様、このはしたない肉便器におしっこを飲ませてください」

 

 異存などあろうはずもなく、俺はクリスの口内に思うまま放尿し、快感に酔いしれた。

 

 

 

 「クリス、エリスとしてのケジメ、ちゃんとつけたいか?」

 

 俺はさすがに力尽き、荒い息を吐くクリスに尋ねる。

 

 「はい」

 

 「そうか」

 

 俺はそれを聞いて意を決し、裸のまま外に飛び出した。クリスの言う通りだ。たとえ誰のどんな思惑があったとしても、クリスを愛したのは俺自身の意思だ。クリスが今のクリスになったのも、俺の欲望によるものだ。ならば俺はクリスに対して永遠に責任を取らねばならない。俺はこれからもずっとクリスと共に生き、彼女を幸せにするのだ。そのためなら、利用出来るものは何でも利用してやる。

 

 「おい、天界!見てるんだろう!?俺はもうお前たちに利用されたことに何も言わん!その代わりお前たちの思惑に乗ってやった見返りにもう一つ能力を寄越せ!!」

 

 俺は降るような星空をを見上げ、あらん限りの大声で叫んだ。

 

 

 

 

 「ええっと……ここよね」

 

 アクアが手にした手書きの地図を睨みながら言う。目の前には何の変哲もない一軒家がある。アクアは周りを見渡しながら、ゆっくりとその家に近づいた。

 

 「本当にこんなところにエリスが……?」

 

 アクアがそう呟き、家のドアまであと数歩というところまで来たその時、

 

 カカアッ!!

 

 突然アクアの足元が光り、複雑な紋様が描かれた魔法陣が浮かび上がる。そしてその円周に沿って光の壁が上空へ伸び、アクアは魔法陣の中に閉じ込められた。

 

 「ちょ、ちょっと!何よこれ!?」

 

 アクアが焦って光の壁をガンガン叩く。しかし壁はびくともしない。

 

 「どういうことよ!?ああっ!やっぱりカズマたちについて来てもらえばよかった!」

 

 半泣きで壁を叩き続けるアクア。と、目の前の家のドアがゆっくり開く。

 

 「え!?」

 

 その中から姿を現した人物を見て、アクアが目を見開く。

 

 「お久しぶりです、アクア先輩」

 

 「エ、エリス!?」

 

 そう、それはエリスだった。アクアにとっては見慣れた白いドレス姿だ。

 

 「本当にいたのね!で、これは何よ!?何のつもり!?早くここから出しなさいよ!」

 

 「ごめんなさい、先輩。それは出来ないんです。もう少しその中にいてください」

 

 「ふざけないで!大体あんた、女神剥奪って何よ!あんたより私の方が優秀な女神なのは分かってるけど、天界永久追放ってどういうことよ!?」

 

 「冗談はさておき……いえ、すいません、先輩。今回のことは全て私の責任です。それで先輩には分不相応な……じゃなくて大変な重責を負わすことになって、申し訳なく思っています」

 

 おいおい、エリスの奴、女神の責務から解放されて言いたい放題言ってるな。アクアに対して思うことも多かったんだろうが。ちなみにアクアがここに来たのは勿論俺が誘き出したせいだ。簡単な変装をし、偶然を装ってアクアがいる場所で「エリス様を見た」と言ったのだ。わざと他の人間に見間違いだと批判させて。半信半疑ながら俺の話を無視出来なかったアクアは俺の思惑通りエリスを見た場所を聞いてきた。そしてここへの地図を渡したのだ。ここ、すなわち俺たちが先日までいた、クリスが元々借りていた家までの地図を。

 

 「そ、それにあんた、王都での噂……嘘よね?まさかあんたがそんな恥ずかしい真似……」

 

 「先輩もお聞き及びでしたか。今日はそれを先輩にご自身の目で確かめていただきたくてお呼びしたのです」

 

 「何言ってるのよ!?とにかくここから出しなさい!」

 

 「ですからそれは無理なんです。すぐに済みますから」

 

 「いい加減にしないと本気で怒るわよ!ゴッドブロー!!」

 

 アクアが渾身の力を込めて光の壁を殴る。が、やはり壁は何ともない。それはそうだ。この結界は先日天界を怒鳴りつけた時に与えてもらった能力で、アクアを拘束するためだけの代物。だからアクアは決してここから自力で出る事は出来ないのだ。ちなみに俺は例のごとく潜伏スキルを発動させ、アクアの近くにいる。

 

 「痛った~っ」

 

 壁に弾き返されて赤く腫れた拳をさすりながらアクアが涙目でしゃがみ込む。エリスはふう、とため息を吐き、

 

 「先輩、無駄なことはやめて下さい。ご自分を傷つけるだけですよ?」

 

 と憐れみを込めた顔で言う。まさかエリスの言うケジメって今まで散々迷惑をかけられたことへの意趣返しとかじゃないよな?

 

 「あ、あんた、もう本当に許さないからね」

 

 「とにかく黙ってご覧になって下さい。今の私の本当の姿を」

 

 「本当の……姿?」

 

 「はい」

 

 エリスは少しだけ悲しげに微笑み、自分の衣服に手をかける。シュルッと服が床に落ちていき、エリスはあっという間に全裸になった。

 

 「あ、あんた!何してんのよ!?い、言っとくけど、私、そういう趣味はないわよ!?」

 

 「ご安心下さい、私もです」

 

 エリスはそう言って笑い、一度家の中に引っ込む。そしてすぐ手に一枚の皿を持って戻って来た。

 

 「先輩、分かりますか?この皿に乗っているもの」

 

 「え?」

 

 アクアが怪訝そうにエリスの持つ皿を見つめる。その上にはドロッとした白いものが乗っかっていた。

 

 「な、何それ」

 

 「これは今の私の主食です」

 

 「し、主食?」

 

 「はい。先程ご主人様に出していただいた濃厚ザーメンです」

 

 「ザ、ザーメ……エ、エリス、ちょっと……笑えない冗談はやめなさいよ。あんたのキャラに合ってないわよ、それ」

 

 「ふふっ」

 

 震える声で引き攣った笑顔を見せるアクアに対し、エリスは淫靡な笑みを浮かべて皿を目の前の床に置く。そして全裸のまま四つん這いになると、躊躇いなく舌を伸ばし、犬のようにザーメンを舐め始めた。

 

 「ひっ!」

 

 アクアが息を呑み悲鳴を上げる。俺は目の前の光景に感動し、股間が熱くなるのを感じた。そう、先日俺のペニスに勢いを取り戻させた、脳裏に浮かんだ光景とはまさにこれだった。

 

 「んん……ああ、美味しい」

 

 エリスは恍惚の表情で一心不乱にザーメンをぴちゃぴちゃと舐める。真っ青になった顔でアクアが泣きそうな声で言う。

 

 「エ、エリス……冗談よね?ホントはそれ、ヨーグルトか何かなんでしょ?ねえ!!」

 

 アクアの目から大粒の涙が溢れる。いかに恋愛経験が無さそうなアクアでも目の前のエリスの発情しきった表情を見れば、これが冗談などではないと薄々気付いたのだろう。

 

 「本当にごめんなさい、先輩。でもこれが今の本当の私なんです。女神どころか人間の尊敬も捨てた卑しい肉奴隷。ご主人様に愛されることしか考えられない、はしたない雌犬。それが今の私です。でもね、先輩。私、今とっても幸せなんですよ。女神でなくなったことも、天界に戻れなくなったことも、もうどうでもいいんです。ご主人様がいてくれれば、ご主人様に愛していただければ、他に何もいらないんです。先輩にはこういう気持ち、分からないでしょうけど」

 

 「もうやめて……いくら何でもタチが悪すぎるわよ……ねえ!!嘘よね!?冗談だと言って!エリス!!」

 

 アクアはもう立つ気力もないのか、膝を付き、泣きじゃくっている。エリスはそんなアクアにトドメを刺すように

 

 「まだそんなこと言ってるんですか?じゃあ否が応でも信じさせてあげます。丁度限界が来ましたから」

 

 と言って、体を反転させて四つん這いのままアクアに尻を向ける。例によってエリスには先程浣腸済みだった。

 

 「んんっ!」

 

 エリスが力み、ガスが漏れる。そしてその直後には当然、

 

 ぶびゅうううっ!!

 

 アクアの眼前にうんこが撒き散らされる。うっとりと排便の快感を貪るエリスとは対象的に、呆然として体を震わせるアクアの顔は青を通り越して真っ白になっている。よく見るとアクアの足下が濡れている。ショックのあまり失禁したようだ。

 

 『後輩はうんこ、先輩は小便を垂れ流しか。麗しい光景だな』

 

 俺は心の中で呟き、女神二人(一人は元だが)の排泄ショーを堪能した。エリスは長い排便を終えて立ち上がり、未だ身動きも出来ないアクアに微笑みかける。

 

 「これで信じていただけたでしょう?アクア先輩、身勝手だとお思いでしょうが、どうかこの世界をよろしくお願いします。私の代わりに世界を守って下さい」

 

 「エ……リス……」

 

 「お別れです、先輩。もうお会いすることはないでしょう。お元気で。カズマさんたちにもよろしくお伝えください。それからエリスが謝っていたと」

 

 エリスはそう言って深々と頭を下げる。

 

 「あ、そうそう、その結界は時間が来れば自然に消滅するそうですからご安心を。それでは」

 

 エリスは最後に少しだけ寂しげに微笑み、俺の方へ歩き出す。俺は潜伏スキルでエリスの姿を隠し、その肩を抱きしめた。

 

 「終わったな」

 

 「はい」

 

 俺たちはどちらかともなく唇を重ね、アクアと元の家を振り返った。クリス名義のこの家の賃貸契約は今日付けで解約してある。立つ鳥跡を汚さず、というが、玄関前に野糞とは立つ女神跡を汚しまくりだな、と心の中で苦笑する。

 

 「もうこれで思い残すことはありません。何も無くなりました。私にはもうご主人様だけです」

 

 「俺もそうだよ。俺にはエリス、そしてクリスしかいない。この世界に他に何もない」

 

 「ずっと一緒ですよね」

 

 「ああ、ずっと一緒だ」

 

 「私はご主人様のものです。心も体も、全てご主人様に捧げます」

 

 「俺は永遠にお前を愛することを誓う」

 

 俺たちはもう一度口付けをし、肩を寄せ合って家へと向かった。

 

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