※この作品はR-18です。

転生者は天国へ行きたい   作:オーバーヘブン

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無性にNTRエロが書きたい。
でも単にエロだけを書くと話の整合性やら書くだけで満足して話の続きが書けなくなってしまう。
後は孕ませた後の子どもとかどうするの? とか余計な事を考えちゃうの。

なんで寝取る理由と孕ませた後の子どもも活躍する話にしました。

多分そこまで長くならないと思います。
色々飛ばしでやってきますので。


ステアウェイ・トゥ・ヘブン

 僕が前世の記憶を取り戻したのは身体の芯まで凍えるような冷たい雨を浴びながら泥に塗れている時だった。

 現代日本という非常に恵まれた世界で事故にあって死んだ僕は、何故か平和な世界とは正反対の争いの絶えない世界に転生していた。しかも運の悪い事に、いや、運の良い事にこの世界は僕も知っていた世界で【NARUTO】という国民的漫画の世界に転生していたのだ。

 だがその事実に対する喜びは無く、恐れも無く、あったのはただ只管にどうしようもない虚無感だった。

 前世の記憶を取り戻した切欠が忍びの争いに巻き込まれたせいか、あるいはもっと別の理由なのかは分からない。

 

「――――いや、そんなの分かり切っている」

 

 争い合っていた忍び達が和解し、犠牲者である自分達の上で綺麗事をほざく。

 それは良い。誰だって平和が一番だし、本心から殺し合うのが好きな者は居ないのだから。

 欲望を満たす事だって否定はしない。欲望あってこその人間だし、行き過ぎなければ反対もしない。なら僕だって好き勝手しても良いよな、と思ってしまうがそれだって我慢すれば平和なままで終われる。

 いや、違うな。僕は今の自分が置かれている状況に納得していない。

 

「ああ、くそっ。僕は『幸福』になりたい」

 

 結局のところこの一言に尽きるのだろう。

 僕にとっての人生のバイブルとでも言って良いある作品で語られた幸福論。

 それには沢山の幸福があった。

 例え命を落とす事になったとしても自分の正義の為に邁進する事。

 例え明日死ぬと分かっていたとしても、覚悟があれば幸福だという事。

 そして『天国』を見る事。

 

「僕は『天国』に行きたい」

 

 一度不条理に死んで、二度目の人生では戦争で全てを失った。

 だからこそ強く願う。今度こそ幸福でありたいと。

 例え世界の全てを敵に回すような吐き気を催す邪悪になり果てたとしても――――!

 

「…………生きてやる、絶対に…………『天国』を見てやる!!」

 

 忍びが落としたクナイを手に持って立ち上がり、両親の亡骸に目を向ける事無く僕は歩き出した。

 

   ※

 

 あの日の決意をしてから三日も経過した。

 生きる為に残飯を漁り、野草を食べ、小鳥や魚を取って糧にし、廃墟に身を潜めて夜を明かす。

 そんな酷い生活を送りながらある事に気が付いた。

 かのバイブルにおいて天国に行くためには必要なものとしてその作品特有の異能が必要だった。

 この世界にも異能は存在するが残念ながらその異能に合致するものは存在しない。

 そしてその為に必要な神の法もだ。

 当然、それで諦めるつもりなんか欠片も無い。

 無ければ作れば良いだけの話なのだから。必要な異能が無ければこの世界の異能で作れば良い、神の法も無ければそれを作れば良い。

 

「と、なると天国へ行く方法はこんな感じになるのか」

 

 必要なものは時を止める術である。

 その術の先にあるものこそが人間がさらに先に進むべき道なのである。

 必要なものは信頼できる友である。

 彼、あるいは彼女は欲望をコントロールできる人間でなくてはならない。

 権力欲や名誉欲、金欲、色欲のない人間で、彼、あるいは彼女は人の法よりも神の法を尊ぶ人間でなくてはならない。

 必要なものは『極罪を犯した36名以上の魂』である。

 罪人の魂には強い力があるからである。

 必要なものは『14の言葉』である。

 わたし自身を忘れないようにこの言葉を術そのものに傷として刻みつけておこう。

 必要なものは『勇気』である。

 わたしは術を一度捨て去る『勇気』を持たなければならない。

 朽ちていく術は36の罪人の魂を集めて吸収。そこから『新しいもの』を生み出すであろう。

「生まれたもの」は目醒める。

 信頼できる友が発する14の言葉に知性を示して『友』はわたしを信頼しわたしは『友』になる。

 最後に必要なものは場所である。

 北緯28度24分西経80度36分へ行き次の「新月」の時を待て。

 それが『天国の時』であろう。

 

「はは、マジ無理ゲー」

 

 こんな世界でそれを全てやるのがどれだけ大変か、どれだけ難しいか、どれだけ無理難題か。

 口に出さなくても理解出来る。

 

「それでもやってやる」

 

 一度死んで二度目も死に掛けたんだ。

 このまま生きてたってどうせ何も変わらないのだから。

 ならば狂ったように邁進してやる。

 

「先ずやらなくちゃいけないのは時間を止める術を開発する事」

 

 この世界でも血継限界ではあるが時空間を操る忍術が無いわけではない。

 前世の知識を使って死ぬ気でやってやる。

 

「次に神の教えを尊ぶものを友とする事」

 

 これは女性でも構わない。バイブルではこの方法を考えた者は基本的に餌としか思っていなかったが僕にとってはどうでも良い。

 多分これも前のやつと同様に凄く難しいのだろうが、場合によっては条件を満たす事も出来るかもしれない。

 と、いうよりこれならば問題無く出来るかもしれない。

 かなりの下衆だが、ある女性を母体にすればきっと最高の素材が産まれると思う。

 ただそれをするには些か手間がかかるが、まあそれは後々やっていけば良い。

 

「最後に場所は、まあ同条件を探し出せば良いか」

 

 これはきっと一番楽だ。場合によっては忍術で作り出す事が出来るのだから。

 

「じゃあ、はじめようか」

 

 きっと何年も、何十年も、下手したら何百年も掛かるかもしれない。

 だけど、何を犠牲にしてでも僕はそこへ行く。

 必ず『天国』へ行ってやる。

 

   ※

 

――――初めて奴と相対した時、その場で殺しておくべきだったと切に思う。

 

 二代目火影、千住扉間が死の間際に抱いたのは一人の人間を始末出来なかった事に対する慚愧だった。

 その男と出会ったのは兄が死んで自身が火影となった時、火の国の大名との会議で出会った。

 火の国にある宗教、十戒教と呼ばれる宗教の祖だった。

 不思議な程に年若い男で常にニコニコと笑んでいる。地位や名誉に興味は無く、他者を労われる優しい男だった。

 そう、優しい男にしか見えなかった。

 忍術や体術を使えたが忍びとしては不適格で、誰かを助けている姿が似合っている。

 実際に強欲と呼べる人間では無かったのだろう。むしろその逆で清貧な人間だ。

 その宗教が危険というわけではない。彼の掲げた十の教えの殆どは人間として正しいものだ。

 扉間もその宗教の教えの殆どは正しいと思っている。

 一時はその時に感じた危機感が間違いだったと思ってしまったぐらいだ。

 だがある時、彼と酒を飲んだ時、その危険は正しかったのだと気が付いた。

 

――――『天国』へ行く方法があるかもしれない。

 

 酔っていた彼は上機嫌になっていたのか、さらりと口に出した。

 恐らく、彼が目指しているのはその『天国』というやつなのだろう。

 その事を話している時の彼は普段の彼とは違い、何かしらの執着を見せていた。

 彼を殺せなかったのは、実際に罪を犯したわけではなかったからだ。

 

「…………友よ。すまない」

 

 扉間は親友の顔を脳裏に思い浮かべて謝罪する。

 彼はこの先間違いなく罪を犯す。それを止められない事を恥に思う。

 立場上の関係で禁術の情報を見る事が出来てしまった彼を真に止める事が出来る者は誰一人居ないだろう。

 猿も、ダンゾウでさえ、彼を殺しはしない。

 何故なら今の彼は教祖を引退し、国の外れに小さな家で暮らしているだけの隠居人なのだから。

 

「何を謝るんだよ扉間」

 

 自身がした謝罪の言葉に親友は言葉を返す。

 昔出会った時と変わらない容姿をした、時間が止まったかのような男だった。

 

「わしは、お前の闇を晴らせなかった」

「…………木ノ葉隠れの里で火影をやっているお前に、そこまでさせるわけにはいかないよ」

 

 乾いた笑みを浮かべながら彼は優しく話す。

 

「でも大丈夫。僕は必ず天国に行く。ようやくさ、完成までの道筋が見えたんだ。後少しで天国を見れる」

「…………その天国というやつは、罪を犯してまでいく価値があるのか?」

「ある。少なくとも僕は、それに価値を見出した」

 

 その言葉を発する親友の瞳には漆黒の炎のようなものが灯っているようにも見えた。

 

「大丈夫。他の国や忍び里に喧嘩を売るわけじゃないから。そこまで大勢に迷惑はかけないよ」

 

 そう言って親友は立ち上がる。

 

「じゃあ、さようなら。また逢う日まで」

 

 そして自分が教えた飛雷神の術でこの場から消え去った。

 誰も居なくなった空間を最後に、扉間は瞳を閉じる。

 自分の最大の罪は彼を止められなかった事だろう。

 そう思いながら彼は息を引き取った。

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