一応回想みたいな感じですけどスカ要素が出てきます。
苦手な人は回れ右してブラウザバックでお願いします。
「蒼月さん、こっちの道です!」
「え!?そっち?悪い間違えた!」
アミダハラの街中、バルド・バルドの拠点である高層ビルに蒼月と陸郎は向かっていたが、肝心の蒼月がそこまでの道をあまり覚えておらず、時折、陸郎が間違った道を指摘しつづけていた。ちなみにこれで六回目である。
「しかしよくこんな道知ってるなぁお前は」
「逆に覚えてないんですか貴方は」
「悪いが俺はこんな複雑な道を走るよりも建物の屋上から屋上へと飛び移って移動するのが普通だったんだ、ってやっぱこんなところに落ちてたか」
「それは…ドローンですか?」
軽めの愚痴を言い合いながら地下道を走り続けていると蒼月が自分のものであろうドローンとその下につけているスマホを見つけて拾っていた。
「あぁ、俺たちが飯食ってる間にひそかにこれを飛ばしてた。これでアンネローゼさん達の居そうな場所をある程度搾ってたんだが…」
「壊されてますね」
肝心のドローンにはクナイが刺さっており、全ての機能を停止していた。
「よし、なら先へ行くぞ。ここで壊したということはその先に見られたくないものがあるということだ」
「気をつけてください。もしかしたら罠かもしれませんから」
「だったらこれだ。『流遁 光透無型』」
蒼月が術を唱えると、陸郎の目に彼の姿は見えなくなっていた。
「え?蒼月さん、どこに行ったんですか?」
「おっと、これを持ちな」
「あっ、ちょっ!?」
不意に現れたクナイを陸郎が慌ててキャッチすると、先ほどは見えなくなっていた蒼月の姿があった。
「蒼月さん!」
「誰からも見えなくなる術を使ったんだ。ちなみに今渡したクナイは同じ力を発揮している上に俺の姿も見えるようにしてあるが、音は筒抜けになってるからな。敵を警戒しつつ、急いで二人を救出するぞ」
「はい!」
………
「明かりだ、この先にだれかいれ…ば」
姿を隠しながら二人が進んだ道の先、そこにいたのは檻の中でトロルに足を捕まれながら極太の陰茎を挿入され、子供を孕んで膨らんだ腹と恍惚の顔を二人の前に晒している、かつて鋼鉄の魔女としてアミダハラで恐れられ、陸郎にとっては大事な主人であるアンネローゼその人であった。
「そんな……アンネr「静かに」ムグッ!?」
その惨状に陸郎が大声を出そうとした所を蒼月が彼の口を塞いで抑える。
「逆にあなたはなんで冷静なんですか」
「裏世界の富裕層がよくやることだからな…捕まえた女性をあんな風に快楽に落とすのは」
「とにかく、アンネローゼさんを助けないと…」
「あぁ、だから…最短で終わらせる」
瞬間、蒼月が両手にナイフを握り、檻の柱の数本を切りつけると、切られた柱が音を立てて落ち、人が通れるほどの穴が生まれた。
「guo?guo…」
音に気づいたトロルがその方向を見て穴に気づいた瞬間、飛び出した蒼月がナイフを振るうと、その振るった先にあったトロルの首に切れ込みが出来るのと同時に頭はゴトリと音を立てて身体から落ち、切られた首の断面からは血が吹き出していた。
「はい終わり」
「………あっ、アンネローゼさん!」
落ちたトロルの頭に見向きもせずに淡々と言い切った蒼月に引き気味の視線を向けていた陸郎は慌てて元の目的であったアンネローゼさんの所へと駆け寄り、彼女の膣をトロルの陰茎から引き抜いていた。
「アンネローゼさん!アンネローゼさん!」
「無駄だ、今の彼女は心も身体も滅茶苦茶にされてる。すぐに治してやるから落ち着け」
そう言いながら蒼月はアンネローゼの腹に手を置き、そこから対魔粒子を彼女のお腹へ流し込むと、膨らんでいた腹はみるみると小さくなり、膣からはトロルが何度も彼女の膣内に出していた精液と共に小さな白い球が吐き出され、蒼月は右足でそれを踏み潰していた。
「あーあ、この靴気に入ってたのに、終わったら捨てないと…」
「い、今のは…」
「奴とアンネローゼさんの子になる予定だった'モノ,だ。受精卵に戻して踏み潰した」
蒼月はアンネローゼの頭に同じく手を置く、よりも先にナイフを握り、後ろに向かって振るった。そしてその数秒後、彼らの近くには勢いをなくしたクナイが音を立てて床へと落ちていった。
「ッ!?何があったん…」
「やってくれたわねぇあんた達、まさか魔女の下僕にそんなお仲間がいるとは思わなかったわ」
陸郎が慌てて後ろを向くと、そこには白いチャイナドレスを着込んだ女性が先程投げたものと同じクナイを両手に持ちながら、二人に殺意のこもった視線を向けていた。
「李美鳳!」
「『白蛇』…てめえも関わってたか」
「ん?その声、前にアンネローゼの所にいた…はぐれ対魔忍か」
「あぁそうさ、こうして元上司二人を助けに来たんだ、よ!」
言うが早いか、蒼月の腰マントからはクナイが何本も飛び出し、それに美鳳もクナイを飛ばして応戦する。
「ったく、面倒な状況になったな」
蒼月が文句を垂れながら右手にクナイを持つと、それを左腕に刺し、引き抜いて先が赤くなったクナイを陸郎に投げ渡した。
「え?クナイ?まさかこれで戦えだなんて」
「バーカ、そっち方面に期待はしてない。そのクナイに精神を治す術を込めたから、それを彼女の腕に刺してここから離れろ、そして篝火と合流してくれ、こいつは俺一人で十分だ!」
「なっ!」
アンネローゼを陸郎に任せ、蒼月は美鳳の目前まで近づくと、それに驚く彼女を片手で掴んでこの場を離れていった。
「…わかりました。後はお願いします。蒼月さん」
………
「離せクソガキ!」
「うわぁ!」
二人から離れた場所で蒼月は美鳳に片手での拘束を振りほどかれて、投げ飛ばされる。
「ハッ!」
その一瞬の隙をつき、美鳳が床を転がる蒼月に向かって己の毒をまとわせたクナイを何本も放つ。それは本来、姿勢を崩した彼にとって避けることのできない一撃になる筈だった。
「うわ危ねっ!」
しかし蒼月は無理矢理飛び上がり、自身を狙っていたクナイは全て床へと刺さった。
「チッ、あんたにはここで死んでもらうと嬉しかったんだけどねぇ」
「ハッ、まだまだここで死ぬわけには、と思ったけど確かに良いかもな…何せてめえみたいに魔族に輪姦されて、お尻に浣腸されて排便ショーを見られる'生き恥,を晒さずにあの世へ行けるんなら本望よ」
「ッ!!!」
不意に放たれた自身の過去を弄る挑発に美鳳の頭に血が昇る。
「お前、それをどこで知った!」
事実、彼女が輪姦ショーを受けたのは彼がアミダハラを離れ、陸郎がアンネローゼの下僕になった時である。本来であれば彼に知る手段はない筈である。
「あぁそれ、観客がその一部始終を裏サイトにアップしてたんだよ。あれは面白かった。あの淫欲に満ちたてめえの面を見た時はさぁ…侮蔑の笑いが止まらなかったよ!アッハッハッハッハ!」
その一言でついに堪忍袋の尾が切れた美鳳が怒りのままにクナイを投げつけるが、蒼月は冷静に両手のナイフで捌き、美鳳との距離を縮めると咄嗟に首を守る動きを見せた彼女の無防備な右脇に強烈な回し蹴りを叩き込んだ」
「ガハッ!」
「どうしたの?怒りで頭がパッパラパーだった?」
「こんのぉ!」
美鳳の反撃も蒼月は後ろに転回して避けると、一瞬の隙をついて彼女の鳩尾に硬く握られた右手を打ち込む。
「ゴフッ!」
「『流遁 発破頸殴』!」
鳩尾に放たれた二発目の衝撃に美鳳は声も出せないまま吹き飛び、後ろの壁へと激突した。
「…フゥ、」
蒼月は軽く一呼吸置くと、自身の左肩を少し気にしながら、先程まで戦っていた美鳳の様子を確認する。
「…気絶したか」
そう呟くと蒼月は彼女から離れ、ポケットから取り出したスマホを開くと、今回の同行者と連絡をとり始めた。
「篝火、奴らの対処は?」
『とっくのとうに、今GPSを使ってそっちに向かっている』
「おっけー、こっちはアンネローゼさんを助けた所だが、訳あって俺だけ別行動をとっている。早めに俺以外の二人と合流して作戦を開始してくれ」
…ピクッ
『わかった、そっちも早く来てくれ』
「あぁ、すぐにむか…」
瞬間、殺気を感じた蒼月が振り向き、慌てて後ろに跳ぼうとするが、彼女の左足が彼の右足を踏みつけて失敗に終わり、すぐさま彼は右手のスマホを投げ捨てて武器を持とうとするがそれも彼女の左腕に捕まれて不発に終わる。その間、彼が後ろを向いてからわずかコンマ一秒の出来事である。そして振り上げられた白蛇の右腕が彼の左肩……かつてヨミハラで凜子に抉られ、時間が足りずにアミダハラへと向かったために完治出来ていなかった傷の残る場所を貫く。
そこから感じ始めた左肩の異物感、そして骨と肉を抉られた痛みが彼の脳へと伝わった瞬間、彼の悲鳴が辺りに響き渡った。
ちなみに本編内では書けなかったけど、前話で彼が後ろからの急襲に気付いたのはたまたまドローンが店の上を通って、例の男達の姿を捉えていたから。
それと李美鳳について
彼女は毒を精製する能力を持っており、武器に毒を付加することもできる。(出典 対魔忍RPG攻略Wiki)
そのためあれが一つでも刺さってたら危なかった。
そして蒼月が彼女を弄った出来事についてはアニメ版「03 魔女の懲罰」でアイシュワリヤに捕まった彼女がやられた内容を言ってます。
それと術紹介
『流遁 光透無型』
相手に自分の姿を見えないようにする対魔粒子を纏う、潜入にはもってこいの術、同じ対魔粒子を込めたものを渡せば一般人にも対魔粒子をまとってない姿を見せることができる。