前回は概ね2日置きの投稿でしたが、一応不定期投稿で行きたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い致します。
第20話 再会
慌ただしい引っ越し。
自立せざる負えない食事。
そこそこの仕送りと睨めっこし、バイトの情報紙を隈なく探す毎日。
オートロック付きのマンション?
無理無理無理!
それ程裕福じゃ無いし、貧乏でも無いが、男一人、普通の二・三階建てアパートで十分。毎日電車を使うとそれなりに電車賃が掛かる為、自転車で走って行ける場所にアパートを借りていた。
そこそこ普通の住宅街に近く、コンビニなども歩いて直ぐだ。
眼前にデデーン!と高級マンションが視界を邪魔しているが、北側なので日差しは関係ない!
タワマンだかアンマンだか知らないが、家賃は幾らんんだろう?
あ、分譲でした。
お小遣いで貯めていたお金で自転車を買い、リュックを背負ってアパートから出て行く。
背後からは真っ白なポルシェターボSがカッ飛んで行く!
「クソッ 俺のチャリにもエンジンをくれ。」
漸く決まったバイト。
入学式まではフルでバイトを入れていた。
「おはようございまーす!」
有名ファストフードの裏方だ。
「ごめんな。君が入るって事でクレームが入ったんだ。スマンがバイトの話は無かった事にしてくれ。」
「は? 俺何もしてませんけど。」
「本当にすまん! 上から強く言われてるんだ。これ退職金と電車代だから! ほんとごめん! 何も聞かないで!マジスマン!」
バイト入社日5秒で首になりました。
働いてもないのに退職金って。自転車でも電車代ってもらえるんだ。
貰った封筒を開けてみると、何と5万円~!!
「当たり屋か詐欺と同じだな。これが連続したりして。」
そのままコンビニで買った情報紙に電話を掛けてバイト面接。速効明日から来てと言われ、居酒屋に夕方から行く。
「悪い!君を雇うとうちが潰れるんだ!この話は無かったことにしてくれ!頼む!退職金は出すから!俺を助けると思って!マジお願い!」
今日もバイトに入って6秒で首。
封筒にはやっぱり5マ円が!
「俺って新手の詐欺行為かよ。これで生活出来るじゃん。」
とは言いつつもいつまでもこんなのが続く訳が無かった。
部屋に帰り情報紙を寝転がりながら眺めていた。
ガサガサガサ
「うひっ!」
新聞受けに何かが入ってきた音だった。
心臓に悪いな。
蓋を開けて何が来たか確認した。
『株式会社ビルミル』
ビルの夜間管理バイト募集中!
週に1日からでもOK!
興味のある方はこの名刺へ電話を!
バイト時間:1時間から
親会社への転属社員制度あり
ボーナス支給あり
社員旅行や社員福利厚生施設利用可!
皆、仲が良いホワイト企業です!
時給2000円~
暇な時は何をしてもOK!
なんなら昼間も働けるよ!
これにピンと来た貴方!今すぐ名刺に電話を!!
「詐欺グループの受け子とかじゃ……なさそうだよな……………非通知で掛けてみるか。」
「すみません、バイトのチラシを見たんですけど。」
『えーっとどんなチラシかな?』
「夜間のビル管理って書いてますけど。週に1日からでもOKみたいな感じで書いてますが。」
『え?ええ?!取り敢えず落ち着いて!なあ落ち着くんだ!君、今から来れるかな?タクシー使っても良いから!』
「いえ、自転車がありますので、この名刺に掛かれた所に行けば良いんですか?」
「いやっ!自転車は危ない危ない!こっちの交通状況が分からない人は危ないから!タクシーで来て!タクシー!お金はあげるからぁ!」
一応、タクシーで行く事になった。
ちょいとラッキー!
だが俺は騙されないぞ。
免許証や保険証など、名前、身分、住所が分かるモノは全て部屋に置いて来た。スマホも電源を切ってパンツの中だ。
カツアゲ対策に似てるな、うん。
名刺に書いてあった住所に着くと30階はあるデカいビルだった。正面ロビーから入り、これまた正面受付で名刺を見せて担当を呼んでもらう。
すると後ろの商談スペースで待っていた。
「担当の松永です。どうぞお座り下さい。」
受付にいたお姉さんが飲み物の注文を取りに来た。
あ、アイスコーシーで。 噛んだ。
それからバイトの内容や手順をレジュメに沿って説明してくる。持ってきたアイスコーヒーを置いた受付が、そのまま待機している。
俺は最上級のお客様か?!
専用入場カードで専用モニタールームで監視。
現場は別の管理会社が見回りしているらしい。
俺要らないじゃん!
だからバイトは自由出勤!自由時間!
時給2000円!チーン!
「何か隠してないっすか?モニタールームに出るとか?」
「出るとは?ボーナスも弾みますが。」
面と向かってはぐらかして来る。
「保証金が沢山要求されるとか?」
「半年続けば時給アップですよ。2500円に!」
ここはキャバクラか!
「会社事務所なんて言ってて、怖い人しかいないとか?」
「いいえ、貴方の下僕です。何ならモニタールームにソファーとゲームコーナーも入れましょう!」
マイケルか!
「二度とシャバに出られないで、行方不明者リストに乗るとか?」
「本社グループのどれかに卒業してからの就職をお約束します!どうです?入学式以前に就職内定ですよ!それも桜グループのどれかに!いかなる職種も桜コングリマリットならではの安心安定高給取り確実!何なら今から私が直属の部下になりましょう!どこへでも栄転させてください!はっはっはっは!」
「桜グループ…………なんか聞いた事あるなぁ。」
「ドキッ!」
「声で効果音を出すな! 有名複合グループだっけ?それくらいは聞いた事あるけど、人材不足なの?」
「いいえ、ズバリ有力者の青田買いです!」
「俺、普通のサラリーマン家庭なんだけど。自己採点でも真ん中の下位だし。」
「まあその辺は追々。取り敢えずコンシェルジュみたいな感じで私を使って下さい。マジで部下になります!いいえ!なりたいですから!」
俺まだ18だぞ。この人どう見ても40過ぎだろ。
「辞める時はあっさり辞めますからね。」
「それで結構ですうぅ!ここにサインを!!印鑑なんて要りませんから!取り敢えずラインの交換を!いる物が合ったらメッセージを送って下さい!勝手に出社して勝手に休んで結構ですので!」
「取り敢えず仕事場を見せてくれますか?」
「喜んで!!」
何か引っかかってる気もするが、仕事場はクリーンで静か、何枚もあるモニターに色んな所が映し出されているが、何かあったらアラームが鳴るから管理会社の人員が出るのを見ていればいいと。
何だこれ。
コーヒーマシーンにパソコン、デスク、アーロンチェアーまで既に用意されていた。
ここで課題とか勉強をすればいいか。
電気代も浮くし……………
一応これでバイトは決定した。
なんか解せんが。金は大事だ。
御車代と書かれた封筒とタクシーチケットを貰い、中を見ると10万円はいっていた。
此処はバブルか!
タクシーの中から仁科と美香さんにLINEを送る。
『バイトが漸くきまったよー』
仁科千歳
『よかったね!私もさっき決まった!レストランだから食べにきてね!』
林美香
『おめでと!私はバイト無しで大丈夫だから覗きに行くね!』
やっぱり金持ちは違うな。
二人とも新しい住処で生活が始まったんだな。
引っ越しなんかで色々忙しく、連絡は取っていたんだけど、詳しい住所なんかは全く聞いていなかった。
明後日は入学式だけど、親は仕事で自立しなさいとやってこないし、夜にでも会ってご飯でも一緒に食べるか。
そして次の日は軽く自炊をする為の買い物や入学式の準備などで一日が終わり、入学式当日になった……
「おおースゲー人がいっぱいだ。」
新入学生でも数千人同じ学部だけでも軽く500は超える人数が一斉に集まった。半分以上は親も同伴している為、その人数は高校の比ではなかった。
入学式後の冊子を貰い、講堂に集まって入学式が始まる。
先生達の長くありがたい話があり、後ろの方に座っていた学生達は緊張も解け、知り合いなどと内緒話が始まっていた。
「君、どこの学部?」
隣に座っていたやや茶髪のイケメンが俺に話しかけてきた。
爽やかイケメンで、確実に女にモテる。そんな雰囲気をもっており、パッと見のスーツもお金が掛かっているのが分かる程の物を着ていた。
爽やかイケメンの金持ちかよ。
「経済学部だよ。君は?」
「俺も経済学部なんだ。良かった、こっちに友達も知り合いもいないんだ。友達になってくれるか?」
「いいよ、俺も少ししか知り合いがいなかったんだ。堀圭介って言うんだ。」
「良かった!圭介って呼んでも良いか?俺は長野俊介、俊介とかシュンって呼ばれてるんだ。」
「じゃあ俺も俊介って呼ぶね。」
俺は握手をする為、隣に手を差し伸べる。俊介も俺の手を握りグッと握手をした。
「で、圭介知ってるか?この大学、男女比はほぼ半分。結構美人も多いし、俺この大学を選んで良かったよ~。圭介って彼女いんの?」
「まあ、一応。俊介は地元じゃないって事は…」
「ああ、付き合ってた彼女は別れて来た。誰とも付き合わないで待ってるって俺には出来ねえわ。でもこっちは美人や可愛い子も多いし、ボインちゃんもチラホラ見るから期待で勃起しそう。」
「早いなおい。」
「圭介ってモテそうだもんな。何人とやった?」
「それほど…二人だよ。」
童貞を卒業した美香さんとあの小悪魔だけだ。仁科とはもう少しなんだけどな。なかなか機会が無いって言うか、タイミングが悪いって言うか…
「へー以外だな。もっととっかえひっかえやってると思ったわ。俺は10人は超えてるな。」
「ヤリチンかよ。」
「違うって。まあやりたいと思ったら頑張るんだけど、飽きちゃうんだよなぁ。」
「それは仕方ないわな。」
「そう言う事っ!」
他にも色々雑談や講義を取るスケジュールなどを話していた。
『新入生挨拶!』
講堂に進行役の声が響いた。
「そう言えば知ってるか?ここに来る前に聞いたんだけど、入学テストの主席って医学部じゃなくて経済学部らいいぜ。」
「やっぱ頭良い人っているんだな。誰だろ。」
遠くて顔がはっきり分からないが、女子である事と…
「すげっ パイオツカイデーじゃん! 顔もマジ可愛いし、俺唾付けても良いよね!」
「お前、目すげー良いんな。俺見えないぞ。」
「美人と可愛い子ちゃんは良く見えるんだ。」
「漫画みたいな目だな。」
代表の挨拶も聞き流し、入学式も終わりになる。続いてオリエンテーションの説明が始まり、お昼を挟んで学部ごとに別れて説明会となった。
「取り敢えず学食行くか?」
「ああ、色々見ないといけな
一緒にいて楽しいんだけど、少し子供っぽいか?
女大好きは分かるけど、色々手を出してたら面倒な事になるぞ。
そんな事を想いながら入学生は自分達のキャンパスへと散らばって行く。
俺達の経済学部や仁科の教育学部、美香さんの文学部は同じこのキャンパスなのでレストランで会うかもな。
敷地内にある食堂などの位置をスマホで確認しながら歩いて行く。
俊介は周りをキョロキョロしながら可愛い子の後を追っかけ、女子トイレにまで付いて行こうとしていたので、俺に首根っこを掴まれ真っすぐ歩かされていた。
「俊介、女子は飯を食ってからにするぞ。」
「ああんっ 向こうに可愛い子がいたのにっ! あっ!こっちにもいる~」
タララララ~と両手を広げて俺の手から離脱していく俊介。
「ねえねえ!俺の彼女にならない?」
「ブッ!」
おいおい、ド直球だな。
クルッと俊介に振り返ると、スーツを着ていても分かるデカいおっぱいがブルンッと揺れた!
「あんた自分の顔を見た事あるの!?犬のウンコ踏んで転がれ!!」
「え?」
「あッ!」
このどこかで聞いたフレーズ…………
そして前髪を綺麗に切り揃えた黒くて長い髪。
鼻は小さくスッキリ通り、口は小さく少し肉厚で可愛らしく、頭は小さく卵型で薄化粧がバッチリ決まっており、下に目を向けると細く絞られた腰の下は思わず触りたくなるような大きなお尻から細く足首がキュッと締まった綺麗な足が見え、上に向けるとこれでもかと言う巨大なお胸がスーツやブラウスを盛り上げている。
そしてパッチリ二重の可愛い大きな目が俊介の後ろにいる俺を確認し、更に大きくあ開いて笑顔になった。
「圭君見つけた!」
俊介をドンッと押しやり俺にツッタカターと走って来てジャンピングアタックをしてきた!
「うおっ!」
「会いたかった!!」
俺の顔に胸を押し付けるまで飛び上がり、俺は落とさないようにお尻と腰を抱えた。
「桜花、おっぱいで苦しい。」
ピョンと俺の手から降りると、両手をもって左右にブンブン振る桜花。
「久しぶりなんだから!良いでしょ!」
ニコニコ笑顔の桜花だ。
あの夏から半年以上連絡も一切なかった桜花との再会だった。