※この作品はR-18です。

【完結】「助けてノノえもん!」~ブルアカの世界でノノミとエッチしまくるダメ先生~   作:春画屋@二次創作R18

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シーズン2開始です。
ゲーム開発部とユウカのドタバタ、約10000字。

参考:ユウカASMRなど
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エロなし回です。
別のものを書こうと思っていたら(読んだらわかると思います)どんどん長くなり、しょうがないからユウカさんで一つの話にしました。
3/14が誕生日だったそうですし。おめでとう。
出番が偏っていくのはユウカASMRばっかり聞いているせいかもしれない。怖い。自分で自分を洗脳している気がする。

登場:ユウカ・モモイ・アリス



シーズン2 改変されていく『ブルーアーカイブ』
第9回:ユウカの迷走 in ゲーム開発部


 

【ここまでのあらすじ】

 

 転生か何かしてきたダメな先生(主人公)は、今日も何(・)も(・)起(・)き(・)な(・)い(・)平和なブルアカ世界で、シャーレのお仕事。と言っても(何(・)故(・)か(・)い(・)る(・))「連(・)邦(・)生(・)徒(・)会(・)長(・)」や、アビドスの問題を解決してくれた、仲の良い「お(・)友(・)達(・)」、「じゃじゃ〜ん! 先生のための『即(・)席(・)☆ヘ(・)イ(・)ロ(・)ー(・)(三十分間有効)』ですよ!」なんて、不思議な道具で守ってくれる「ノ(・)ノ(・)ミ(・)」もいるし、意外とのんきな毎日。

 

 ただ気になるのは、いたかも知れない『前の先生』と、ホシノの「この世界は『あなた』と『十六夜ノノミ』を中心に、『あなた』に都合よく改変されている可能性がある」という言葉。

 

 ……つまり、どういうこと?

 

ホシノ「つまり、浮気とかしてノノミちゃんに捨てられたらダメだってこと! この世界がどうにかなっちゃうかも知れないから!」

 

 ……なるほどな?

 

 つまり、ノノミを大事にして、他の子に手を出すこともなく、ノノミとだけラブラブエッチをしていれば、世界は平和……と。そこは相思相愛だし、特に問題なし、と。

 

 とはいえ、ついセリカやユウカともエッチしちゃったし、ゲヘナ風紀委員会や便利屋、その他の学園など、シャーレに所属になって出入りする子は日に日に増えているし、果たしてノノミに怒られないような、清い生活を送れるんだろうか……? などと彼が悩んでも無駄なのである。

 

 だってこれ、エロ小説だもの。

 

 こ(・)の(・)『ブルーアーカイブ世界』は引き続き、エロゲーみたいな「世界観」と、誘惑(ゆうわく)に弱いダメな先生による「主人公」でお送りいたします。

 

 

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 俺はとある目的のために、ミレニアムに来ていた。というわけで、

 

「よっ、ゲーム開発部。居るかー?」

 

 扉を開けると、いつも通り小汚いゲーム開発部の部室が目に入る。床にはいくつもゲーム機やゲームソフトが、出しっぱなしの置きっぱなし。

 

「先生です! 野生の先生が一体現れました!」

「アリス、俺をモンスターみたいに言うな。まあ、元気そうで何よりだ。それに、モモイも居るのか。……何でお前まで居るんだ、ユウカ」

 

 ミドリと部長のユズは居ないようだ。居るのは、ゲーム開発部のアリス、モモイ、それに……何故か部外者のはずのユウカ。何かこいつ、俺の行く先々に居るな。

 

「私が居たらいけませんか? ゲーム開発部がまた申請書を適当に書いたから、書き直すように言いに来ただけです」

「なら用事は済んだんだから、もう帰りなよ! このお節介の世話焼き女! そもそも、そんな長々とお説教するぐらいなら、ユウカが片付けていってくれればいいじゃん!」

「モモイ? 私は目に余るレベルだから部室を片付けるよう言っただけでしょう? それに、お説教だったら他にも言いたいことは山ほど……」

 

 ユウカはどこに行ってもオカンみたいなことやってるな。しかも、口やかましくて面倒臭いタイプのオカンだ。子供に嫌われるやつだ。確かにここは散らかりすぎだとは思うが、ゲームなんてしまい込んだらそのままやらなくなるんだ、出しっぱなしにするぐらい大目に見てやれよ、と思う。

 

「ていうか先生! 先生こそ、仕事でもないのに何をしにいらっしゃったんですか! 確か今日はシャーレのお仕事は有給を申請していたはずですよね⁉︎」

 

 何で俺のスケジュールを当然のように知ってるんだ。しかも、何でこんなにキレてるんだ。

 

「仕事が休みだったらゲーム開発部に来ちゃいけないのか。ちょっと遊びに来ただけなのに」

「そうだよ! 先生は私たちと仲良しなんだから!」

「アリスも先生と会えて嬉しいです! 一緒にゲームしましょう!」

「何で私が悪役みたいになってるのよ! まったく、アリスちゃんはともかく、ユズも居ないしミドリも居ないし、話の通じる人間が誰も居ないと思っていたら先生まで……!」

 

 こうやってカリカリしてるから、正当な目的で来ても悪役扱いされるんだと思う。そして、鬱陶(うっとお)しいので早く帰ってもらおう。

 

「アリス! 邪魔者を排除する! 『光の剣(スーパーノヴァ)』発射準備!」

「了解しました! 『光の剣』魔力充填、開始します!」

「よし! モモイ!」

「オッケー! チャージが終わるまで私が牽制をするよ!」

「ちょ、ちょっと⁉︎ こんなところでそのバカでかいレールガンを撃つのはもうやめなさいって散々……! モモイも、本当にこっちに狙いをつけるのやめなさい! ああ、もうっ! わかりましたよ! 帰ります! すぐ帰りますから、そうやって威嚇するの、やめてください!」

「よろしい」

 

 俺が合図をすると、アリスとモモイの二人は戦闘態勢を解いた。うーん、威嚇とかじゃなくて、ストレス解消のためにレールガンでも一発ぶっ放そうと思ったんだが、残念だ。

 

「大体お前、セミナーの会計の仕事はどうしたんだよ。終わってないだろ」

「先生だってシャーレのお仕事……は、昨日の午前中には全部終わったから、お休みを取ったんでしたっけ……」

 

 だから何で当たり前のように俺の仕事の進捗(しんちょく)状況を知ってるんだ。教えた覚(おぼ)えなんてないぞ。まあいいけど。

 

「そう。やることなくなって暇だから、今日は休みにした。向こうの確認待ちとかそんなのばっかりだから、返事が来ないと暇でしょうがない。まあ、そろそろいくつかは戻ってきてるんだろうが、他が早くしてくれないと、それ処理したら明日も半日ぐらいで暇になってしまうんだよな……」

「あの……先生、私が言えることでもありませんが、あまりに早い仕事ってイヤミだとか言われますよ? 特にそういう、「こっちは終わってそっちのを待ってるんだから早くしろ」的なのは……」

「シャーレではそのスタンスで仕事してても、理不尽にやっかんできたりわざと足を引っ張る奴はいないし、職場にも、嫌味を言うどころか隙あらば仕事を押し付けてくるような腐った上司や同僚も居ないからいいんだ」

 

 以前居た地獄のような職場環境を思い出しながら、しみじみシャーレはいいところだと思う。まあ、連邦生徒会に行くと大体何か押し付けられるので、あそこには出来るだけ行かないようにしている。

 

「そしてその様子では、お前、俺が記入の不備でセミナー宛てに送り返した請求書の数々をまだ見てもいないだろう。それがないと連邦生徒会の方に回せないんだが?」

「え⁉︎ わ、私ですか⁉︎ そんな、シャーレから戻ってきた請求書なんて……えっ⁉︎ 記入の不備⁉︎」

「漢数字で書くところにアラビア数字を使うなとか、お前がいつも俺に注意していたことだろう。それに、いくつか計算ミスと記載漏れ。全部直してから再提出!」

「そ、そんな初歩的なミスを私が……⁉︎」

「お前、最近仕事が雑になってるだろう。スピードを上げるのはいいが、正確にやらないと結局差し戻されて、こうやって書類を直す分タイムロスになるんだぞ? そういうのはお前が一番わかってるだろ?」

「そ、それはわかってますけど……でも、頑張らないと先生みたいに仕事を速くできないし……」

「俺と張り合う必要なんてないだろうに」

「だ、だって、先生より速くやらないと、先生のお手伝いが出来ないし……」

 

 うーん、大体予想はついていたが、動機が不純すぎる。実在したのかよくわからない『前の先生』と違って、以前勤めていたブラック企業仕込み(全く嬉しくない)の俺の仕事はやたらと速い。それに当たり前だが、基本的にサボらない。そんなわけでユウカも、シャーレに押しかけてきては「全く先生はこんなに仕事をため込んで……。しょうがないから私が手伝ってあげます。こんな手伝いをしてくれるのは私ぐらいなんですからね?」などと言いながらニコニコと嬉しそうに(本人は認めないが)仕事を手伝ったり出来ないわけだ。来なくていいよ。

 

「やーい! 先生に怒られたー!」

「……モモイ、あんまり煽って死体蹴りみたいなことすんのはやめなさい」

「えー⁉︎ いいじゃん!」

 

 鬱憤(うっぷん)でもたまっていたらしく、モモイが便乗してユウカを煽る。元はと言えばユウカがまた何かチクチク言っていたんだろうし、悪循環だ。まあ、そこは俺が口を出すことじゃないが、あんまりいじめちゃうとな……。以前の職場でも、厳しい上に正論すぎて何も言い返せない説教をやめろと散々言われていたし。結構泣くんだよな、新人とか……。

 

「まあ、やる気があるのは結構なことだし、ユウカは落ち着いて仕事をすればいたって正確な仕事が出来るのは知ってるから。大人しく帰って、セミナーの仕事しなさい。な?」

「いえ……ありがとうございます。先生が私のためを思って言ってくださっているのはわかってますし」

 

 そう素直に言われると、半分以上は大人気ない私怨(しえん)で言っていたので困ってしまう。確かに半分は大人としての指導だが。

 

「それに、その……先生の最近の仕事ぶりは尊敬してますので、言うべきことはどんどん言ってください」

 

 ユウカが頭を下げる。俺は基本的に書類仕事くらいしか能がないのだが、その能力だけで、事務とか会計とかそういう仕事をしている生徒からどんどん持ち上げられていくのだが、どうしたもんか。俺、戦闘の指揮とかノノミに頼んでサボりまくってんだけどな。まあ、紛れもない事実で評価されてるんだから、素直に受け取っておくべきか。悪い気はしないし。

 

「……じゃあ、ゲーム開発部の用事が終わってその後暇だったら、セミナーの仕事手伝いに行ってやるから。書類の仕分けぐらいしか出来ないと思うが……」

「て、手伝いに⁉︎ い、い、い、いやいやいやいやっ! 先生にそんなことをして頂くわけにはっ! だ、大丈夫です! 一人でもすぐ終わりますから、あ、あんまり優しくしないで……じゃっ、じゃあ、私は戻りますので! モモイ! 申請書ちゃんと書き直して持ってきてよ!」

「はーい」

 

 ユウカは、逃げるようにして出て行った。

 

「何か、ユウカの顔赤くなかった?」

「はい、すごく赤かったです。アリス、知ってます。あれはユウカの先生への好感度がかなり上がっている状態です」

「やっぱり、そうなのかな?」

「声もうわずってました。先生、ユウカを攻略中なのですか?」

「え? 攻略中? ユウカを? うーん」

 

 攻略中というか、向こうから攻略されているというか、もう攻略されたというか、太ももでの色仕掛けに負けたというか……。で、その結果、太ももを撫でてそれだけでイかせちゃったり、裸ネクタイで後背位(バック)でヤッちゃったり、全年齢のギャルゲーレベルではエンディング後ですら出来ないようなアレなことをいくつもしてしまったわけだが……んなこと、この二人に言えるわけがない。何もないことにしよう。

 

「あれは俺の仕事パラメータが高くなりすぎたせいで、好感度が勝手に上がりすぎてるパターンかな……。俺はちゃんとメインヒロイン(ノノミ)はメインヒロインで攻略してるし」

 

 まあ攻略してると言うより、ノノミに関してはもうとっくに攻略済みだが。会った瞬間には好感度MAXで、そのままヤッたら攻略終了した。きっと俺はノノミルートの、ハッピーエンドのその先のそのまた更に先ぐらいを生きている。ギャルゲーって、結婚して子供が出来た後の生活までプレイするのってあったっけか。

 

「それは大変です! アリス、知ってます! そのパターンは、別に恋人でもないのに構ってもらえないと拗(す)ねてしまって、爆弾が点火するやつです! 爆発する前に迅速に処理しないと、悪い噂が流れてメインヒロインの攻略が難しくなります!」

「え⁉︎ 先生、ヤバいじゃん!」

「いや、そういうこともあるだろうが、別にギャルゲーのイベントがそのまんまリアルで起きるわけじゃないから……ん? 構ってもらえなくて拗ねて……? あっ!」

 

 そうか、わかった。何でゲーム開発部に遊びに来ただけであんなに怒ってるのかと思ったら……多分、ミレニアムに来たのに真っ先に自分のところに来なかったからだ。うわあ、面倒くせえ! しかしこっちも、ユウカに「またこういう(マニアックな)ことをさせてあげてもいいんですよ?」なんて言われて、「やったー!」と思わず叫ぶほど喜んだのに、その後ろくに当番にも呼ばず放置していたから、強気に出にくい!

 

「でもユウカは、好感度だけでなく恋愛度も高くなっているようでした! きっともうひと押しでメロメロになります! ちょっと無理矢理にでもキスとかすればバッチリフラグが立つはずです! 先生、同時攻略しちゃいましょう! キース! キース!」

「えーいアリス、品のない煽り方するのはやめなさい! しないから! キスとか!」

「えー、しないの⁉︎ 面白そうだったのに!」

「モモイもこういうのを面白がるんじゃない」

 

 アリスが面白いゲームを教えてくれというから、ゲーム開発部にはなさそうな類(たぐい)のギャルゲーとか乙女ゲーをいろいろ教えたのだが、教育に良くないものが混じっていたようだ。次から少し気をつけよう。

 

「ちなみに、ユウカとデートをしたり手を繋いだりはしましたか?」

「デート……? 手を繋いだり……? そういうのはしてないなあ……」

 

 よく考えたらユウカとは、そういうのを全部すっ飛ばしてあんなマニアックなセックスをしてしまったのか……。ノリとか勢いとはいえ、我ながら酷い話だな。

 

「そうなのですか……。ユウカは、デートもしていないのにあんなに恋愛度が上がるタイプのヒロインでしたか……」

「意外とユウカって純情なのかな? デートイベントより、日常パートで起きる突発イベントで恋愛度上がるタイプ? 不意打ちで優しくされたら、とか?」

「それはアリスの認識では、かなりチョロいヒロインです……。残念ヒロインです」

 

 酷いことを言われてるな……。実際は突発イベントどころじゃなかったわけだが。しかし、二人の言うのもそれはそれで合っている気がする。かわいそうに。それにしてもこの二人、思った以上に恋愛シュミレーション脳だな。さすがゲーム開発部。

 

「ところでモモイ。例のブツはどうなった? そろそろ完成か?」

「「例のブツ」って、アレのことだよね⁉︎ アリス、出して!」

「はい! パンパカパーン! ゲーム開発部製、脱衣麻雀ゲーム『超ウルトラリアル脱衣Marjangファイナルメモリー Ver 0.9.2』です!」

「おおっ!」

「って言っても、これ自体は単なる対戦用の麻雀ゲームなんだけどね」

 

 アリスが取り出したスマホには、その何とかいう麻雀ゲームのタイトルが映っていた。アリスやモモイにいろんな脱衣麻雀のゲームを紹介し、「知り合いと実際にやるから、それ用の麻雀ゲームを作ってくれ」といろいろと指示を出して作ってもらった、脱衣麻雀専用の対戦型麻雀ゲームだ。実にありがたい。今日はこれを取りに来たのだ。

 

「それにしてもその名前……大御所の脱衣麻雀ゲームの名前をパク……真似しまくった上に、それを無理矢理誤魔化そうとしてるのが見え見えな気がするんだが……」

 

 あんまり言ってはいけない気がするが、すごく気になる。

 

「気のせいだよ!」

「そうか、気のせいなら仕方ない」

 

 まあそもそも、俺の周りにある物はもっと酷い名前のばっかりだしな。

 

「ちなみに、長いから略して『開発部麻雀』って呼んでるよ!」

「いきなり味も素っ気もなくなったな」

「名前なんて飾りだし!」

「いつもと真逆なこと言ってないか?」

 

 などとくだらない会話を繰り広げながら、とりあえず自分のスマホにその麻雀ゲームをインストールし、モモイに操作を教えてもらう。

 

「一応、四人打ちも出来るけど、先生の要望通り一対一の脱衣麻雀モードが基本だよ! これを入れたスマホ同士で、ローカルプレイに対応してるの!」

「それでいいんだ。脱衣麻雀は女の子と一対一が基本だし、面倒くさい麻雀のルールとかどうでもいいしな。これ、作るの大変だったか?」

「ううん。麻雀部分を再現しただけだし、脱衣麻雀はどれも似たようなシステムだから結構簡単だったよ! 残念だけど、シナリオも必要ないって言われちゃったし」

「そりゃそうだ。実際に目の前にいる対戦相手を脱がすだけだからな」

「あと私は、アクション要素も取り入れようって言ったんだけど。上手く牌をツモったら、ボーナスで二点とか!」

「やめろ、そういうのは入れるな」

 

 二点って、何の点だよ。その得点、麻雀勝負と全く関係ないだろ。

 

「大丈夫です! 脱衣麻雀マスターのアリスが全面監修しました! 余計な要素を入れていない、硬派な脱衣麻雀です!」

「おおっ、アリス頼もしいな! 脱衣麻雀マスターか!」

「はい! アリスはありとあらゆる脱衣麻雀ゲームで、全ヒロインを全裸にひん剥(む)いて辱(はずか)しめました! 脱衣麻雀マスターです!」

「ちょ……ひん剥くって……。いや……どこでそんなセリフを……」

「私がアリスと調べたの! 脱衣麻雀やる人って、こういう風に言うんでしょ!」

「いや……言葉遣いは少し直していこうな……?」

 

 そもそもそれ、脱衣麻雀とか関係なくただのチンピラっていうか、すさまじくガラが悪いだけでは……? どこで調べたんだ……。

 

「あと、ミドリはこのゲームの開発に関わったって知られたくないって言ってた」

「そりゃそうだ」

 

 何だか申し訳ない気分になってきた。ユズの話は聞くのが怖いから聞かないことにしよう。

 

「しかし、よくやってくれた、ゲーム開発部のみんな……えーと、ミドリは除く」

「はい!」

「うん!」

「これでもうすぐ、実際に脱衣麻雀勝負が出来る!」

「おー!」

 

 モモイとアリスがパチパチと手を叩く。

 

「完成したら先生、私と勝負しよう!」

「えっと、モモイは服を脱いで俺に見せても平気なのか?」

「大丈夫! 私が勝つから!」

「なるほどな!」

 

 うーん、アホだ。まあ、モモイはもともと、しょっちゅう猫ちゃんパンツが見えてるし。気にしないんだろう。

 

「先生、アリスとも勝負しましょう!」

「おう! 脱衣麻雀マスター!」

「アリスは先生をすってんてんの丸裸にしてやって、その『ピー』で『ピー』な『ピー』を『ピー』に……!」

「脱衣麻雀マスター! そういうのは言っちゃダメだ! 変な単語覚えてくるな!」

 

 何だかいろいろと心配なこともあるが、とりあえずこのベータ版があればノノミとエッチなことをして遊べそうだ。感謝しないと。

 

「それにしても、こんなエッチなの作ってるの、ユウカに見つかっちゃったらスマホごと取り上げられちゃいそうだね」

「スマホごと取り上げられるようないわれはないぞ……。そもそもこれ自体は麻雀の勝負に使うだけだし。でも、バレたら取り上げられそうだな」

「はい。先生、見つからないよう気をつけて帰ってください。脱衣麻雀はロマンです。その灯(ひ)を絶やしてはなりません」

「おう、アリスは頼もしいな」

 

 そんなわけで、俺はゲーム開発部製の脱衣麻雀用アプリのベータ版をインストールしたスマホを持って、部室を後にしたのであった——

 

 ——のだが……

 

「……あの、ユウカさん? 何故ここに?」

 

 部室を出てすぐのところに、ユウカが立っていた。いやいや、何でいるんだ。俺を出待ちでもしてたのか。そんなのより、セミナーで仕事しなさいってば。

 

 ユウカは俯(うつむ)いていて、その表情は見えない。怖い。……まさか、脱衣麻雀ゲームをモモイたちに作らせてた話、聞かれてたか?

 

「せ、先生が……まだいらっしゃったら、コーヒーでも飲んで行って貰おうかと……」

 

 そんな気を遣わないでくれ……。ユウカの声は震えていて、必死に怒りを抑えているように思える。ということはやはり……

 

「あの、ユウカさん? もしかして、部室の中で俺たちが話してたこと聞こえてました?」

 

 うしろ暗いことがあるせいで、自然と敬語になってしまう。顔を伏せたままのユウカが、とうとう全身でぷるぷる震え出した。ヤバい。これは完全に怒ってる。

 

「はい……。全部……聞こえてましたっ……!」

「あ、やっぱ? いや、麻雀も所詮ゲームだからな? オセロとかトランプと一緒……」

「わたしっ! そんなにチョロいですかっっっ⁉︎」

「そっちか⁉︎」

 

 聞いていなかったのか知らないが、脱衣麻雀の件はどうでもいいのか⁉︎ それなら、それはそれで助かるが! しかし、確かに裏で自分がチョロいとか年頃の女の子が言われてたら、そりゃショックだ。言ったのは俺じゃないが、謝らないと。

 

「いや、チョロくない、チョロくない。アリスたちも、別に悪意とかがあって言ったわけでは……」

「チョ……」

「チョ?」

「チョロいと思ってるなら、ちゃんとデートに誘ったり、手を繋いでください!」

「思われてるのはいいのかよ⁉︎」

 

 しかも、そこからデート誘えとか、どんな理屈だよ!

 

「自慢じゃないですが、私、恋愛にかけては尋常じゃなくチョロいですよ? ですから、デートに誘ってください! 今すぐ! そしたらメロメロになりますから!」

「お前、こう言っちゃ何だが、既に十分メロメロだろう⁉︎ しかも、別にちゃんとはしてないけど、とっくに俺に告白しちゃったようなもんだろうが!」

 

 ……とっとっとっ、思わずアリスたちの前ではしらばっくれていたことを口走ってしまった。まあ、ユウカには今更だが。周りに聞かれたか? つい、かなり大きい声で言ってしまった……。

 

「なら、同時攻略すればいいじゃないですか! メインヒロインの人と一緒に私も! 別にそっちの邪魔は一切しませんし!」

「嘘つけっ!」

 

 こないだ正妻(ノノミ)を全力で排除しようとしておいて、何をぬけぬけと。こいつ、俺の取り合いの話になったり、追い詰められたりすると、とんでもないことを言いだすな。流石『チュートリアルからいる女』、独占欲が半端ねえ。

 

「さっ、最近、当番にもろくに呼んでくれないし、ぐすっ、作業通話してても忙しそうであんまり相手してくれないし、ミレニアムに来る予定があるのに知らせてくれなかったし。うぅ……」

 

 ユウカが抱きついてきて、責めるというより甘えるようにぽかぽか叩いてくる。何これ……。ユウカの奴、何か泣きじゃくってるし……。ていうか、ミレニアムに来るのを知らせる義務なんて俺にあったか? あと、自覚あるなら作業通話してる時、ちゃんと仕事しろ。

 

 いや、そんな場合ではない。流石に今事情を問い正されたら、逮捕されかねない。とりあえず泣き止んでもらわないと。

 

「ユウカ。声が大きい。周りが思いっきり見てる」

「あ……」

 

 その辺を通る生徒たちが、俺とユウカを見ながらひそひそ話をしている。これ、俺だけじゃなくユウカだってまずいだろう。

 

「とりあえず泣き止め。デートとかはともかく、手ぐらい繋いでやるから。ほれ」

「へ?」

 

 俺がぎゅっと手を握ってやると、ユウカは一瞬びっくりした顔をして、その後すぐにへにゃへにゃと相好(そうごう)を崩した。こいつ、以前より更にチョロくなってないか? こんなに喜ばれると、手を繋いでいるだけなのにこっちが恥ずかしい。何だかすっかりアホの子になっちゃって、ニコニコしながら「手、握ってもらっちゃった……♪」とか言ってるし。そんな場合じゃないというのに。まあ、泣き止んでくれたのはありがたいが。

 

「年の差カップルの痴話喧嘩……?」

「ていうかあれってセミナーの……」

「大人が生徒に手を出して……」

 

 ヒソヒソ話が周りから聞こえてくる。

 

「あ、ど、どうしましょう先生。こんなの、バレたら先生が……」

「自分の身を心配しろ! お前、ただでさえ割とやっかまれてんだから、ミレニアムに通えなくなるぞ! それに学校に通うこと自体が……」

「先生! わ、私、そんな、先生を困らせるつもりじゃ……」

 

 「つもり」じゃなくても十分困ってるし、故意にやってたら流石に助けてやらんわ。故意じゃないから助けてやるけど。何気に自分のことより俺を心配してくれるあたりは健気だし。

 

「まあ、任せろユウカ。俺にはこれがある」

 

 俺は上着の中から、キラキラ飾りのついた短いスティック状のものを取り出した。ノノミから、いざという時のために持たされたものだ。

 

「え、何ですか、この趣味の悪い……オモチャ?」

「失礼なことを言うな。ていっ!」

 

 俺がその棒を一振りすると、あたりにキラキラと光る粉のようなものが舞う。すると、周りで遠巻きに見ていた生徒たちはそれに見入って……数分もたたないうちに、興味を失ったようにどこかへ行ってしまった。

 

「な、何です? 今の」

「この趣味の悪いオモチャ……じゃなかった、ありがたい道具は、『人の噂も七十五秒』と言って、悪い噂がたってもそれを七十五秒後……つまり、一分十五秒後には無かったことにして忘れさせてしまう」

「うわ、そんなスキャンダルを揉み消すみたいな……何か、ドス黒いものを感じるのですが……」

「滅茶苦茶イメージが悪いから、見た目だけはファンシーにしてあるんだよ、きっと。実際、役に立っただろう」

「ま、まあ……」

「しかし、そんなものが役に立っちゃうほどろくでもないことをしていると思うと、ちょっと凹(へこ)むな……」

「うっ、それは私も……」

 

 

 ともあれ、そんなわけで俺とユウカとの関係はうまく誤魔化せたはず……だったのだが……

 

「先生とユウカ、アリスはお似合いだと思います! 同時攻略しましょう!」

「ユウカも可愛いとこあるんじゃん! 私、応援するよ!」

 

 「噂」ではなく、直接現場を目にした知り合いに関しては記憶の抹消的なことは行われないらしく、アリスやモモイには(ヤッちゃったことは除いてだが……)ほとんどのことがバレてしまった。

 

「お、お似合い? そっ、そうかしら……?」

「はい! とってもお似合いです! キスしちゃいましょう! キース! キース!」

「キース! キース!」

「アリスもモモイも、二人ともやめろ! するわけないだろ!」

「せ、先生? 二人がこんなに言ってるし……キスくらいなら……」

「するか、この色ボケ! セミナーに戻って仕事しろ!」

 

 こうして、ミレニアムにはユウカの味方が二人ほど出来てしまったのだった。しばらくはあまり近寄りたくない……。

 

 




脱衣麻雀の話を書きたかったんです。
次回はユウカとの微エロ回です。
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