※この作品はR-18です。

【完結】「助けてノノえもん!」~ブルアカの世界でノノミとエッチしまくるダメ先生~   作:春画屋@二次創作R18

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約8500字。


第11回:アコと首輪とお散歩と私(前)

 

【前回のあらすじ】

 ユウカと先生が、ちゅっちゅっちゅっ♪ ちゅっちゅっちゅっ♪ ちゅっちゅっちゅっ♪ ちゅっちゅっち

 

 

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 ——シャーレオフィス。

 

 当番で呼んだ、ゲヘナ風紀委員会行政官、天雨(あまう)アコの目は死んでいた。どこを見ているのだろう。

 

「……疲れてるんなら、少し寝るか?」

「はっ⁉︎ い、いえ! 別に疲れてなどいませんが⁉︎」

「そうか?」

 

 んなわけないだろう、その姿で。さっきから、気を抜くとすぐに虚ろになる目、その目の下のクマ、荒れた肌、その他諸々。どう見ても、疲れていないわけがない。

 前世(?)の職場でこういうのをよく見たことがある。同僚のOL連中が、残業が何日も続き、今日も今日とて何時に帰れるの? っていうような山積みの書類の山を見ている、かわいそうな状態にそっくりだ。そんな風になってるのは大体行き遅れている女(偏見)なので、さらにかわいそう。

 

 まあその辺の女連中は、ブラックな職場にいいようにこき使われているって意味では俺と似たようなものだったので、親近感はあった。彼女たちが運良く転職出来た時には(かわいそうに、寿退社はほとんど居なかった)、似たような境遇の連中を集めてはこっそり送別会を開いてやったものだ。その後、自分もその転職先に紹介してくれるよう頼んでも、紹介してもらえた試しがなかったが。悲しい。

 

 閑話休題。

 

「まあ、こっちのシャーレの書類仕事は全部終わってるし、お前に持って来させた書類の方手伝ってやるから」

「は⁉︎ 何ですか、それは! 毎回毎回、当番で呼んでおいてシャーレの仕事は終わってるからこっちの仕事を手伝う? 恩を売りたいんですか? それとも暗に、私の進捗管理が甘いとか馬鹿にしてます? それとも……」

 

 アコがキレ気味にまくしたてる。ああもう、毎度毎度面倒くせえなあ。手伝ってやるって言ってるのに。そもそも、アコの仕事がたまってそうな時を狙って呼んでるんで、毎回こうなって当然なのだ。まあ確かに、多少本人のプライドは傷つくかもしれないが。

 

 とはいえ、

 

「現実問題として、君のプライドと、大幅に書類の処理を減らせるこのチャンスと、どっちが大事なの? ん?」

「ぐっ……。何も言い返せない……!」

 

 何だかんだでアコは有能なので、悔しそうにしながらも俺の申し出を受けるわけだ。うん、そういうとこ好きだよ。流石、ゲヘナ風紀委員会の敏腕行政官。

 

 

「……はあ。それにしても、私の方がシャーレに仕事を持ち込んで、先生に手伝ってもらうようになってしまうとは……」

「これと……こっちと、こっちも……「万魔殿」(パンデモニウム・ソサエティー)からの書類……っと。あと申請書……。でも、別にこっちから恩を売るつもりはないし、一応役には立ってるだろう? こうやって仕分けをするぐらいだけど」

 

 アコが持ってきた大量の書類を仕分けしながら雑談する。しかし、実際「仕分けぐらい」しか手伝ってないんだが、これはなあ……。そりゃあ、ストレスもたまるというか……。

 

「まあ、先生はこういうの得意なようですし、やっていただくようになってからは大分助かっているのですが……。ですがっ、繰り返しになりますが、私がサボっていたとか、仕事が遅いとか、自己管理が出来ていないということでは……!」

 

 なんか、ユウカにしても、事務とか会計やってる奴はみんな似たようなこと言うなあ。よくわかるけど。

 

「わかってるって。別に、アコが仕事が遅くなったわけじゃなし。大体、見ろよこれ。こっちに積んであるのが全部、「万魔殿」から来たイチャモン、嫌がらせ、押し付けの類のゴミ書類。ただでさえ仕事が多いのに、こんなクソみてえなもん山ほど送りつけられりゃあ、そりゃ……」

「ぐっ……。またそんなものを……。今回は何を……」

「ほれ。「ゲヘナにおける万魔殿の存在意義と、その功績についてまとめろ」だって」

「はあ⁉︎ 何であんなところを私が褒めて、わざわざ書類にまとめる必要があるんですかっっっ!!」

「全くだ」

 

 というか、俺は「万魔殿」関連のシナリオはろくに読んでいない(よくある)ので、確かゲヘナの生徒会か何かだっけ、ってぐらいの認識なのだが、こいつらアホなのかな。

 

「こんな書類、作る方だって面倒くさいだろうに。それで有能な人間にいらん仕事を押し付けて、疲弊(ひへい)させて仕事効率を低下させて、結局自分のとこも損するとか理解できないのかね、あの手の人たちは」

「あそこはどちらかといえば、こっちを疲弊させるのが楽しくて、嬉々としてこういうものを作るくちですから……」

「そういう人たちか。なるほど」

「以前も会計監査などと称していきなり押しかけて来て、全く意味のわからない……」

 

 などと、こちらの体験談も交えつつ雑談をしていたら、お互いにいたく共感してしまった。同僚のOLと居酒屋で延々愚痴ってた時のような雰囲気だ。元から俺にはそんな風にしか見えないのだが、この疲れたOLみたいな女子高生、大丈夫か? まあ、これで狙い通り、アコのストレス解消とメンタルケアになってるんだから、特に仕事もないのに当番に呼んだ意味もあるというものだ。

 

「悔しいのですが、最近は先生がこういう話に親身に付き合ってくださるので大分憂さ晴らしになっています……」

「憂さ晴らしになってるんなら、そこで悔しがるなよ……。別に俺がどう思われてもいいけど」

「ああいえ、申し訳ありません。本当に感謝はしているんですよ? 先生は、そうやって口で言う程根に持つ方ではない、と信頼しているというか、一種甘えている部分もありまして……」

「そう思ってくれるとありがたいよ。俺もどっちかというと、口が悪いせいで過剰に嫌われる方だから」

「ただ先生の場合、私の方から呼び出そうとすると、九割方断られるのが引っかかるのですが」

「そこは気にするな。考えるな。忘れろ」

 

 お前の方から呼びつける時が、一番たちが悪くて面倒くさくて絶対行きたくないから、わざわざこうやって事前にガス抜きしてるんだっての。特に、夜中は何だか身の危険も感じるし。これで上手くいってるんだから、何も考えないでくれ。

 

 

「そういえば、先生、だいぶ雰囲気が変わられましたね。以前はあまり、書類仕事は好きではなかったような……」

「……そりゃ、反省して心を入れ替えただけだろう。シャーレからは給料も貰っているし」

「はあ……」

 

 面倒くさいのと、アビドスのおじさん(ホシノ)以外どうせ信じてくれないので、無難に答えておく。別にそれで不都合もないし、俺も周りも気にしていない。ただ、俺はもともとこの世界の人間ではない——「キヴォトスの外」から来たという意味ではなく、多分もっと大きな意味で。それはおそらく事実だ。

 

 はっきり覚えているのは、自分はブルアカ……つまり、スマホのゲームである『ブルーアーカイブ』を外から眺めていたプレイヤーであること。目の前にいるアコや、ノノミや、その他の生徒たちを画面の中のキャラクターとして認識していたこと。そして、夜な夜なネットを徘徊しては、彼女たちのエロ画像を集めては、それで抜いていたこと。

 

 一番大事なのは、最後の事実だ。つまり、その頃エロ画像で抜いていたということは、俺の(主に)右手が感じていたのは自分の「息子(ムスコ)さん」であり、それだけだったはず。しかしこの世界に来て最初に感じた、ノノミのおっぱいの感触はまぎれもなく現実のものだった。

 

 以来、俺は確かなものとしてノノミのおっぱいの柔らかい手ごたえを感じ、毎日のようにそれを触り、揉みしだき、アソコに挿入しては気持ち良く中出ししている。故に俺はエロ画像を探す必要もなく、探すつもりもなく毎日を過ごしている。その事実が、この世界が俺が元いたはずの世界とは、別の世界であることを証明している。

 

 それにしても、256GBもあったスマホのストレージすら圧迫しすぎて、クラウドを有料プランに変えてまで大量に保存してあった画像データはどこにいってしまったのだろう。元の世界に戻ってしまう、もしくはノノミに捨てられるなどした場合、俺はどうすればいいのか?

 

 まあ、実際問題今のところは触り放題なわけで、そこを気にしてもしょうがないというか、触り心地も揉み心地も最高なわけで、ユウカの太もももちょっと癖になりそうだったが、やはりノノミのおっぱいが……

 

「先生、手が止まってますが?」

「あっ、はい。ごめんなさい」

 

 アコに怒られてしまった。

 

「それと、何やらものすごく気持ちの悪い表情をしていましたが、何か考え事でも?」

「気持ち悪い? すまん、それはよくあることだから見なかったことにしてくれ」

「確かに最近はしょっちゅうですが……」

 

 そんなに気持ち悪い顔をしていただろうか。

 

 ふと、気になることを思いついたのでアコに聞いてみることにした。

 

「そういう、俺が気持ち悪い表情をするようになったのって、最近になってからか?」

「はい? そうですね……。さっきの仕事の話も含めて、一時期を境にかなり雰囲気が変わったような……」

 

 その「一時期」ってのが、俺がこっちに来た頃なんだろう。おじさんや他の生徒から聞いた限りでは、現在の『先生』である俺の前に、いわゆるブルアカの『先生』がいたらしい。おそらく、一人称が『私』で性別も不詳の、あの『先生』なのだろうが。それが何なのかがよくわからない。周りは雰囲気の違う同一人物と信じ込んでいるし、おじさんですら状況からの推測で言っているだけで、別人だと感じることはないという。

 

 これもあくまで彼女の推測でしかないが、おじさんはそいつを、下手したら実在しなかったかもしれない、不安定な存在かも、と言っていた。確かに、ここが仮にゲームの中の世界だとしたら、たまーに選択肢でセリフが出るだけのあの『先生』が実在したかも怪しいわけで……。まあアコに聞いてみよう。割とどうでもいいんだけど、せっかくだから。

 

「その、雰囲気が変わる前の俺って、アコから見てどんなやつ……印象だったんだ?」

「え……変わる前ですか? 本人を目の前にすると、ちょっと言いにくいのですが……」

「いや、いいから。良かったところも悪かったところも別に気にしないから、その頃アコが思っていたままを言ってくれ」

 

 『前の先生』がどうであっても、その辺は自分と比較してもしょうがない。あるがままの自分……大体のことはどうにかしてくれるノノミに甘え、お小遣いをもらい、ひざ枕をしてもらいながら戦闘の指揮をサボり、暇さえあればセックスしてるようなダメな大人でも、俺は俺だ。書類仕事を減らすためにそもそもシャーレの活動自体もサボっているのは、流石に給料をもらう身としてどうかと思い始めたが。でも給料安いし。どうせ連邦生徒会に行くと嫌でもいろいろ押し付けられるし。

 

 ……まあそんな俺が、生徒思いで優しくて、勇敢でボランティア精神に溢(あふ)れているであろう『前の先生』と何を比較されようとも、良くも悪くも別人なのだ。事実は事実として受け止めよう。

 

「はあ。以前の先生のイメージを、思ったままですか……? まあ、正直なところ、だいぶアブノーマルな方だとは思っていましたが……」

「……うん?」

 

 アブノーマル……? いきなりそこか。しかし、さっきの言われようも……。

 

「しょっちゅう気持ち悪い表情をする、ってのと大して変わらないイメージのような気がするんだが?」

「いえ、最近のそういうのは、かなりまともになったな、と」

 

 どういうことだよ。

 

「えっと、今はまともなのか? 前と比較して」

「はい。最近は委員長やイオリを見ても、性犯罪者のような危ない目つきで見なくなったな、と。正直なところ、かなりの危険人物だと思ってマークしていたレベルだったので、安心しました」

「ヒナに……イオリ……なるほど、そういうタイプの……」

 

 ——って、またかよ! おじさんのこともそんな目で見てたっていうし、性癖そっちかよ! 完全にロリコンじゃん、そいつ! 実際に誰かに手を出してたりしねえだろうな⁉︎

 

「えーと、それはつまり、幼女趣味……っぽいというか、小柄だったり、失礼な言い方をすれば比較的発育が遅れてる感じの女の子が好きそうに見えた、と?」

「面と向かって言うのも何ですが、重度の変態に見えました」

「面と向かって言うかな、そこまで」

 

 自分のこととして聞いていたら泣いてしまいそうだ。同意の上とはいえ、そもそも年齢で言えば俺が手を出してる生徒も変わらんし。

 

「てことは、そういうタイプの子以外には興味なさそうに見えた、と?」

「あ、いや、それは……」

 

 何故かアコが目を伏せ、口ごもった。

 

「え? 逆に発育がいい子とかもそういう目で見てるように見えたの?」

「いや、そういう……。いえ、私も正直よくわからないのですが、それを私に聞くというのは、どういう……?」

「? どういうことだ?」

「……もしかして、本当にわからないんですか? 私にあ(・)ん(・)な(・)こ(・)と(・)をしておいて!?」

「あ、あんなこと?」

 

 雲行きが怪しくなってきた。何故だ。「あんなこと」って何だ。前の先生、一体アコに何をしたんだ。

 

「とぼけるおつもりですか? ええ、わかりました。その内言おうと思っていたのですが、いい機会です。そうやって高校デビューみたいなノリで、昔のことは忘れてなかったことにしようとでも? 最近、私と『散歩』に行かなくなりましたよね? 飽きましたか? 飽きたんですか?」

「ちょっと待ってくれ。『散歩』? わかった、落ち着けアコ。実は頭を打って、昔のことをよく覚えていないんだ。思い出すから、教えてくれ」

「そうですか。なら聞いていただきましょう。先生が振(・)り(・)ではなく、本(・)当(・)に(・)忘れてそうなことまで、全て!」

 

 ……アコに何したんだよ、『前の先生』!

 

 

 とりあえず、一度コーヒーを淹(い)れて二人でそれを飲みながら、落ち着いて話を聞くことにした。俺はシャーレで何でこんなことをしているんだろう。この重い空気は、ほぼ『前の先生』のやらかしたことのとばっちりなんだが。聞かなきゃ良かった。とんだやぶへびだ。

 

「まあ、そもそもは私が悪いような気もしますが……首輪をつけて犬のように這いつくばって、ワン、と言わされましたよね。先生に」

 

 「首輪をつけてワン」って、いきなり飛ばしてんなあ、おい。そんな強烈なことを忘れているってのは流石に無理があるので、話を合わせることにした。

 

「覚えてる。それはよく覚えてる」

「その格好のまま、校内を散歩しようと言われましたよね」

「う、うん……。『散歩』ってそれな、うん。はいはい、あれな」

 

 そういやメモロビでそんなのがあるとかどうとか聞いたことはあるが……。やったんか、前の先生はそれ。

 

「で、それ以来、先生がゲヘナに来るたびに校内をその格好で散歩するのが恒例となり」

 

 恒例になったのか、散歩……。

 

「その他、『待て』『おすわり』『チンチン』など、各種の調教を施され」

 

 調教って、おいおい……。ブルアカって、そこまでやっていいゲームだっけか? 十八禁ではなかったよな……?

 

「それらの芸を身につけた後は、先生の指示通りに出来なかった時は罰として全身を縄で縛(しば)られ」

「縛ら……? おい、ちょっと待て」

「身動きの出来ない私にねちねちと言葉責めをし、あまつさえその屈辱に震える姿を動画で撮影して!」

「それは完全に犯罪だっ!」

「犯罪に当たるようなことを散々しておいて、自分で何を言ってるんですかっっっ!」

「たっ、確かにその通りっ! すまんっ!」

 

 マジで何してんだよそいつっ! 思わず代わりに謝っちまったじゃねえかっ! こんだけやらかしといて、存在しませんでしたとか、ゲームの中だけの存在ですとか、そんな言い訳聞かねえぞ⁉︎

 

 

 そんなわけで、首輪をつけたアコが俺の前で『伏せ』をしているわけである。どんなわけだ。

 

「はあ……。久しぶりのこの姿勢、何だか落ち着きますね……?」

 

 俺に同意を求めないでくれ。

 

「一応言っておきますが、こういうのが好きなわけではありませんからね⁉︎ 先生に会うたびにこういうことをするのが習慣になったせいで、しないと我慢できなくなっただけですから!」

 

 それを「好き」って言うんじゃないのか。それとも、中毒とか何とか言ったほうがいいのか。

 

 あの後、『前の先生』のやらかしを延々と聞かされ、「放置ですか⁉︎ 『お預け』ですか⁉︎ これだけの期間『お預け』にしたままの、新しいプレイか何かなんですか⁉︎ さあ! 今すぐ調教して下さい!」と詰めよられ、わざわざアコが持参してきた新品の首輪(以前使っていたのは先生が持っているらしい)で調教する羽目になった。お前、ノリノリじゃねえか。

 

 しかし、こういう趣味は俺にはないので、何かしろと言われてもどうしようもない。そもそもが見た目からして痴女みたいな服を着ているアコが、犬のように『伏せ』をしているのを見てドン引きするだけだ。

 

「で、この次はどうすればいいんです? どんな辱(はずかし)めを与えようというんですか⁉︎ 『お手』ですか? 『お座り』ですか? 『チンチン』ですか⁉︎」

「女子高生が『チンチン』とか言うなっ!」

「は⁉︎ それはあれですか⁉︎ 『チンチン』なんて恥ずかしい言葉を言わせた上で、自分がまだそんな年齢の女子であることを自覚させる羞恥プレイですか⁉︎」

「『チンチン』って自分から言ったの、お前だろうがっっっ!」

 

 頭痛くなってきた。今まで散々逃げてきたけど、二人っきりでアコに会うと、その内何かおかしなことになりそうだから嫌だったんだ……。

 

「えーと……。じゃあ、散歩する? リードに繋いであるし」

「は⁉︎ シャーレの建物の中をですか⁉︎ ここは真夜中のゲヘナの校舎じゃないんですよ⁉︎」

 

 んなもん、どこでもダメだよ……。

 

「シャーレの中でこんなことしてんの見つかったら、ヤバいのは俺の方なんだから別にしたいわけじゃねえよ。……じゃあ、ワン、って言ってみて」

「わ、わん……」

 

 アコが涙をためて、嫌そうに「ワン」と言った。こっちだって別に言わせたくないんだから、そんな顔やめてくんないかな……。

 

「……いつ以来でしょう、こんなこと言わされたの……。何だか懐かしい……」

 

 もしかして今の、嬉し涙だったのか? 嫌なのか嬉しいのか、そんな複雑な感情を示されてもリアクションに困る……。

 

「えーと……あと何だっけ? 縛るんだっけ? 縄なんかシャーレに置いてなかった気がする……」

「大丈夫ですよ? こんなこともあろうかと、SM用の肌に優しいロープも私の方で買っておきました。そこに入っていますので……」

「縛り方なんて、わかんな……忘れちゃった」

「縛り方なら、一応入門書と実践動画があるのでそれを見ますか?」

「この、犬……!」

「い、犬⁉︎ こ、これだけ先生に忠義を示した私を犬呼ばわり……!」

 

 あまりにも『前の先生』によく調教された忠犬なので、つい犬呼ばわりしてしまったら誤解された。いや、ニュアンス的にはそんなに間違ってはいないし、これはこれで喜んでるみたいだし、まあいいか……。

 

 それよりこの忠犬、とぼけようにも用意が良すぎて逃げ場がねえ。どこまでやれば気が済むんだ。とりあえず、縛るぐらいはやらなきゃダメか? しょうがない。

 

「えーと……そういや縛った後は何だっけ? 言葉責めして、動画撮影だっけ? 言葉責めって、どんなこと言ってたっけ」

「「痛くない?」とか、「あんまり恥ずかしかったら言ってね?」とか、労(いた)わるような優しい言葉を……」

 

 言葉責めにしては、縛ったりしといて言ってることは意外とまともだな……。

 

「そんなこと欠片(かけら)も思っていなさそうな、ニコニコした顔で……」

 

 ダメだ。やっぱりまともじゃない。っていうかそれ、野放しにしちゃいけない奴だ。そいつ、今どこに居るんだ。

 

「あの、その心の底から何も興奮してないような顔、やめて頂けませんか? 何だか私の方が変態みたいじゃないですか。何ですか? 自分だけノーマル性癖にでもなって、常識人気取りですか?」

 

 うるさいなあ。俺はともかく、間違いなくお前は変態に調教されてるよ。これじゃきりがない。恨まれそうだが、はっきり断ろう。

 

「残念だが、実際今はノーマル性癖だ。緊縛(きんばく)された女とセックスするのとかは……えーと、卒業した」

「は? 何言ってるんです? 先生、縛るだけ縛って、私に直接手を出したことなんてないじゃないですか」

「……何だって?」

「いえ、その、先生の特殊なところは、縛ったり言葉責めはしますが、それ以外は指一本触れないところで……ま、ま、まさか先生、とうとう直接的な行為に目覚めてしまったのですか⁉︎ 下手したら猟奇殺人にでも走りかねないレベルの変態の先生が⁉︎」

「…………」

 

 いろいろとつっこみどころの多い暴言を吐かれたが、本日初めての本気で怯えた表情のアコを見たらどうでもよくなってきた。うん、さっきまでドン引きしてて気付かなかったけど、こいつ、よく見たらめっちゃいい身体してるし。胸、デカいし。

 

「ふふふ……」

「せ、先生?」

「……よし、とりあえず縛ろっか☆」

「ひぃぃぃっ!」

 

 泣きそうなアコを見る俺の顔は、多分『前の先生』と同じくらいいい笑顔だったと思う。

 

 よーし、ヤッちゃうかー。

 

 

 

 次回、今の先生のターン(エロ)!

 





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