【完結】「助けてノノえもん!」~ブルアカの世界でノノミとエッチしまくるダメ先生~ 作:春画屋@二次創作R18
これは、エデン条約も無事締結され、アリウスの生徒はトリニティへ編入が決まり、補修授業部は存在しなくてもメンバーの四人はきちんと出会い、それらの中心にいる聖園ミカが奮闘する、そんな平和なトリニティでの、ある一日のお話——
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『先』
『生』
『☆』
モモトークが来たので、誰かと思って確認したら、やはりミカだった。画面に、次々にメッセージが表示される。
『デートしようよ! デート!』
『そろそろ、トリニティに来るでしょ? その時のついででいいからさ☆』
またデートのお誘いだ。二人でお出かけして、実質デート、とかなら……いや、それでも十分困るんだが、『デートしよう』とか、もろに言われると……。うーん。とりあえず、『女子生徒と二人で会うのはいいとして、デートしようって言われちゃうと、ちょっと』と送ってみる。多分、無駄だろう……。…………。やっぱり無駄だった。
『えー? じゃあ、彼女ならいいの? 差別じゃない?』
『ていうか、ヒフミちゃんとかアズサちゃんとはデートしてるよね?』
『私とだったらダメって、どういう事?』
どうもこうも、今送ったばかりの理由なんだが。彼女でもないのにデートとか言うから、
『じゃあ二人みたいに、モモフレンズのグッズが売ってるショップにでも行くか? そういうところに行って、ペロロ様のぬいぐるみでも抱くか?』と送り返す。
行くなら行くで、ヒフミは喜ぶかも知れないけど……まあ、多分これもダメだろうな……。…………。ダメだった。
『それって、その子が一番喜ぶところに行くって事だよね? 私が行きたいところじゃないよね?』
『ていうかー、先生が頑張れって言った事を頑張ってるんだから、ご褒美くらいくれてもいいと思うんだけどな』
それを言われてしまうとなあ。確かにミカは、アズサの面倒を見たり、アリウス自治区の連中の受け入れを進めたり、ずっと頑張っている。ハナコやヒフミ、その他いろんな子からも、それは聞いている。そこは素直に好感が持てるし、褒めてやりたい気持ちもある。それはそうなんだが。それならそれで、普通に遊びたいって言ってくれ。
というわけで、ちょっと心苦しいが、『それはそうだけど、じゃあ俺にご褒美もらうためにやってんの? アズサの事とかサオリの事とか、ミカは本当はどうでもいいわけ?』と送る。さらに、『ちゃんと見てるから、ご褒美的なものなら、こっちの方から』——「考えるから」、と打ち終わる前に、向こうから返事が来た。
『それは……まあ……』
『あんまり、こういうことに持ち出すのは卑怯かも知れないけど……』
『ごめん』
『その代わり、トリニティに来た時はちゃんと会いに来てね』
『きっとだよ』
あ、これ、駆け引きとかじゃなく、マジで凹んでるやつだ。
…………。
結局、『トリニティ方面に行く予定があるので、そのついでで良ければ』と送ってしまった。こういうのに弱いから、ダメな男と言われるのである。
まあ、どっちにしたって会うなら今日じゃないと、その先っていつになるか分かんないし……なんてのは、ただの言い訳だなあ……。
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「やっほー! 先生! 来てくれて、すっごく嬉し……なんて顔してんの」
嬉しそうな声が途中から思いっきり低くなった。まあ、そりゃ怒るか。多分、俺はものすごくげんなりした顔をしてるだろうから。新入社員で頭が上がらなかった頃に、休日に会社の先輩に呼び出された時を思い出す。その時は、あまりにも嫌そうな顔をしていたらしく、すぐに解放してもらえた。なので、その先輩に対しての好感度はむしろ上がった。じゃあ、目の前にいる美少女が解放してくれるかというと……してくれるわけがない。帰りたい。
「最終的に来ることにしたとはいえ、嫌だと言ってるのに呼びつけられて、嬉しそうな顔をすると思うか?」
「そんなの関係なく、こんな美少女にデートのお誘いされたら、普通喜ばない? 彼女持ちだからとか関係なくない?」
そうやって、いちいちそういう話題を持ち出すようなところだって。仮にフリーだったとしても警戒するわ。
「他の事情を全部抜きにしたって嬉しくないんだわ。あー、もう、本当トリニティ苦手……」
トリニティが苦手とか言ってしまうと他のトリニティ生に失礼なのは分かっているのだが、俺はお嬢様でなおかつ女子高生っていうのが、とことん苦手なのだ。一応、ヒフミとかアズサとかコハルとか、あの辺と普通に接する分にはいいんだけど。ハナコはどちらかというとミカと同じ分類なのだが、あれは俺に対してガチ恋だとか絶対にあり得ないし、お互い意識して距離を作るタイプだから別にいいんだが。
「先生って自分でも言ってる通り、確かにゲヘナっぽいもんね。良くも悪くも、
「んじゃ、ゲヘナ生と仲良くしようと思い始めたか?」
「ううん、そこは別問題っていうか、ゲヘナなんて明日にも
「それもう、ただの差別じゃねえか」
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「本当もう、こういう店も苦手……」
頭を抱える。見渡すと、やたらと白かったり、金で
「俺の知ってるパンケーキは、こんな風に
ビッグマックとか、ああいう系統の食べ物をぐちゃぐちゃにせずに食べられる奴がいるんだろうか? 俺には一生無理だ。あれは一口かぶりついただけで、絶対後ろにはみ出るんだ。そして、パンケーキのはずなのにこの立体的な食べ物、どうやって切り分けるんだ……ミカは綺麗に食べてるな。さすがお嬢様、優雅なもんだ。
混む時は行列が出来るという、トリニティでも有名なパンケーキ専門店。今日はすいてるらしいし、ミカが予約していたらしいので、すんなり入れた。あんまりしないように言っているから、変に特権とかは振りかざしていないと思うけど。
「ああ、シンプルなのが好きなんだ? バターと
「それも何か違いそうな気が。そもそも俺は外でホットケーキとか食べないし、気が向いた時にコンビニで買うとか、そういうのでいいんだ」
「え? コンビニって、そんなの売ってるの? ていうか、コンビニ自体ほとんど入らないっていうか……」
確かに、ミカが一人でコンビニってのも入りづらいかも知れない。やはり身分の差のようなものを感じる。シャーレに来ることがあったら、ソラのいる店にでも連れて行ってやろうか。社会勉強だ。
「しかし、ロールケーキ以外にこういうケーキを食べられるのはありがたいな。あっちはもう、そろそろトラウマになりそうだ」
「本当だよねー! ナギちゃんがキレるたびに「ロールケーキぶち込みますわよ!」とか言うのは聞き飽きてたけど、本当に口に詰め込むようになるとは思わなかったよ。セイアちゃんもドン引きしてるし、最近、ナギちゃんのキャラも変わってきたっていうかー」
「あれはあれで、付き合いやすくなっていいだろ。立場上、政治的な駆け引きとかはしょうがないけど、変なこと
「だよねー……先生、
「ん? いや、美味しいことは美味しかったし」
綺麗に食べたというか、貧乏性というか。美味しかったので残さず食べたが、綺麗な食べ方ではないような。それはそうと、この紅茶、なんて種類だろう。名前が分かったら、今度ヒナに会った時に聞いてみようか。ん?
「……どうした? 神妙な顔して」
「あ、あのさ。先生、嫌じゃなかった? 無理させちゃうぐらいなら、他のお店選んだ方が良かったかな? 苦手って言ってたし……」
こうやって、ミカみたいなタイプにしおらしいことを言われるのにも、やっぱり弱い。実際、思ってても言わない方がいいことを言い過ぎだし、こっちが全面的に悪いし。
「本当に嫌だったら、入らないって」
「でも、予約しちゃったって言ったから、それで気をつかったとか……」
「全くつかってないとは言わないが、ミカにそこまで行きたい店があるなら、そこじゃなきゃ意味ないだろ。それに、ハーブティーならゲヘナに行くたんびに、詳しい奴に飲ませてもらってるし」
「へー……。ゲヘナ?」
俺がゲヘナの名前出した途端、一気に顔つきが変わった。そんな、舌打ちでもしそうな顔して、分かりやすい奴だな。そこまで嫌いか。
「ゲヘナでも、そういうの飲む子なんているんだー?」
「お前は、どんだけゲヘナに偏見を持ってるんだ。そのぐらい、飲む奴は飲むだろ。もはや趣味ですってレベルの子だぞ」
一応、手がつけられないことになりそうなので、ヒナの名前は出さないことにする。しかし、ゲヘナ風紀委員長とティーパーティーとはいえ、共通の趣味があれば話も合うだろうに。そんな、ゲヘナって単語を聞いた瞬間、態度まで悪くなって。さっきまでのお嬢様然とした姿は——
「だってゲヘナって、気に入らないお店があったら、爆破とかするんでしょ?」
「いや、そいつらは例外だから」
無茶振りだと知りつつ、ほとんど反射的に答えてしまった。ていうか、また美食研究会かよ! いい加減にしろ! なんでトリニティにまで悪名がとどろいてるんだ! まさかこっちの自治区でまで何かやらかしてるんじゃないだろうな? こういう時、全く言い返せないだろ!
「あの辺は実質テロリストみたいなもんで、ゲヘナでも逮捕される口だから。あんな危険なの、ミカには絶対会わせないし、むしろミカの好きな店でどこか爆破されたところとかあるか? 厳重注意しておくから。あーもう、あいつら元気がいいのはいいんだが……」
「へえ……ふふっ、私の心配してくれるんだ? ものすごく強いの、知ってるのに?」
「強い弱いの問題じゃないんだけどな……。会わせない方がいいのは分かった」
「でも、シャーレなんて聞いたことなかったけど、『シャーレの先生』って本当に中立なんだね。トリニティでもそんな感じだし、私たちがおかしいことをしてたら、ちゃんと叱ってくれるもんね。先生と仲のいいゲヘナ生だったら、いくらか気が合うかも?」
中立も何も、目の前でおかしいこと言ってる奴がいたら、そっちに注意してるだけで当たり前なんだがな。まあ、しがらみのない第三者じゃなきゃ言えないことばっかりだからしょうがないか。表で活躍しなさすぎて、シャーレの存在意義なんてそれくらいだし、トリニティに来るようになったのも……まあ、ああいう事があってミカと個人的に仲良くなったからだし。言ってもいいなら言っておこう。
「実際は、立場上難しい相手ばっかりなんだけどな。所属してる組織のしがらみが多い奴ばっかりだし。理想と現実のすり合わせってのはなかなか……」
「じゃあさ、ゲヘナ生と仲良くしたら、何かご褒美くれる? ……キス、してくれるとか」
「ダメだっての。モモトークでその話したばっかりだろ。何でそうなるかな」
「でも、仲良くするの自体はいいことでしょ? 先生が嫌なら、そういうご褒美じゃなくてもいいからさ☆」
「そういう言い方をする時は、表面だけ取り
「えー、そんなこと言ってたら、一生ゲヘナとなんか仲良く出来ないよ? 私はそれでもいいけど」
これだから。こういう悪い意味でのトリニティっぽさは、どうにかならないんだろうか。カヨコなんかいたって素直だったし、ミカはそういうところはゲヘナを少し見習った方が……いや、ゲヘナ……? カヨコ以外のゲヘナか……
「まあ、あまりにもゲヘナらしい奴らは、多少アレなのはいるけど」
「でしょ?」
多少どころじゃない。真っ先に思い浮かんだのが、美食研究会、温泉開発部、
「うん、ミカはよくやってる。アリウスだけでも大変なんだから、ゲヘナは置いておこう。俺がもうちょっと大人しくさせるから」
「先生も大変そうだよねー。お気楽そうに見えて、こういう立場ってすっごい難しいしさー。その割に、あんまり分かってもらえないしー。こうやって、たまに先生に話を聞いてもらえなかったら、やってられないよ」
「理想を
「達観した気になって、疑心暗鬼になって話が済むんなら、苦労しないよね。トリニティなんてそんなのばっかりだしー」
「あんまり心をすり減らさないようにな。何かあったら、すぐ言えよ?」
はーい、と答えるミカを見て、やっぱり一度きっかけでもあれば、ゲヘナの方がさっぱりしてて、上手くやれるんじゃないかなあ……なんて思う。苦労をしている分、ミカもだんだん俺と似てきちゃったみたいだし、たまに
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「うーん、楽しかった! まあ、先生に無理言って来てもらって、デートが楽しかったから、満足かな!」
「そうか? なら良かった」
「ふふっ。事前に約束なんかしてなくてもこうやっていいことがあるなら、これからも普段から頑張っちゃおうかな」
「そうしなさい。これくらいのデートならいくらでも付き合うから、その調子で……——」
「本当⁉︎」
……いやいや、気軽にデートはダメだよ。何を言ってるんだ俺は。しかし、普通に二人で会うだけにしてくれとは今さら言えないし。ああもう、こういう
ふと、聞いてみたくなった。
「ミカは今の生活、楽しいか?」
「? 楽しいよ? ヒフミちゃんやコハルちゃんみたいな子と仲良くなれたし。私、結構やっかまれてるからさ。そういうのを嫌う子がいてくれると助かるし、単純に嬉しいからね。それに、一番はもちろんアズサちゃんやサオリのためなんだけど、アリウスの受け入れなんてやってると、私みたいなおバカさんでも『ティーパーティー』の一員として働いてる感じがして、やりがいを感じるんだよね」
「そうか、なら良かった」
ミカにとって、今の状況が『メインストーリー』より悪いってことはないだろう。事情があるので、内容は忘れたまま教えてもらっていないとはいえ、ブルーアーカイブのストーリーが、プレイヤーだったらみんな感動するようなものだってことは俺も覚えている。同時に過酷なストーリーだってことも知っているが、それと引き換えにするなら、やっぱりいい人生であって欲しい。
「頑張ったら頑張っただけ、いいことがあるって言うのかな。世の中って、理不尽な事だらけでしょ? 自分がそういうのとは
「実際、ある意味ではそうなんじゃないか? 前に言ったろ?
「私が、
「そうそう。そういう考え方でいいの。実際、今は俺が何者だろうと、この世界に大した影響はなくなってるし、それより——」
「私にとって大事なのは、「先生が私にエッチな事をしたいと思ったら、その通りになっちゃう」って話☆」
「それかい」
大事なのって、それですか。大事というか、俺としてもそれが一番頭が痛いんだけど。
ノノミという正式な「彼女」が出来て、それが自分の中でも周りに対しても、強力な抑止力になっているのだが、無意識だろうが望んでしまえば、エッチなイベントも起きる時は起きる。向こうもそれを望んでいる時は、さらに起きやすくなる。大体、ラッキースケベが現実に起きて、嬉しくない奴がいるか。せめて、ハッキリとそういうのが起きて欲しいと思った時に、限定してくれればいいんだが。
「そういうことは思わないようにしてるから、大丈夫だ……多分。ミカと最初に会った時の話だってな?」
「うーん、あれはハナコちゃんにハメられた気もするし、カウントするか微妙なんだけど。ていうかそれって、別に私の裸なんて見たくなかったって事じゃない? 女の子相手に、「お前じゃ興奮しない」みたいなこと言うのって、最低だと思うんだけど?」
「うぐ」
いろんなところから、それは言われている。でも、興奮しないものはしないんだから、しょうがない。大体それで言うと、ミカは興奮してしまう方であって、だから必死にそういうのを意識しないように……って、おい。何をおもむろに、上に着てるケープみたいなやつを外してるんだ。
「ん……しょ。じゃーん☆ どうどう? 結構、色っぽくない?」
ミカが下に着ていたのは、やけに露出度の高いノースリーブ。むき卵のような、つるっとした肩と、これぞお嬢様と言わんばかりの、白い上品な肌。なまじいつもがっちりガードしている部分だけに、肩と腕が見えているだけなのに、妙になまめかしい。そして、服で強調されているのか、そもそも大きいからか、やたらと胸が大きく見える。
「先生? エッチな目になってない? そうだよねー。先生、一度は私の胸、バッチリ見ちゃってるもんね? 想像しちゃったでしょ?」
ミカは両手を後ろに伸ばし、たわわに実った美乳を、こちらに見せつけるように突き出す。そうとも。初めて会った時に、水着に着替え途中の裸の上半身をバッチリ見てしまったのだ。しかも、目がそらせなくて、まじまじと見てしまった。胸の膨らみだけでなく、ちょん、と乗った乳首まではっきり見てしまった。あー、あのお
「ふふっ、先生さえその気なら、エッチなことしてもいいんだけどなぁ?」
ミカが人差し指を唇に当て、可愛く片目でウインクして、いたずらっぽく微笑む。天然なんだろうけど、これ、完全に男心をくすぐる仕草を知ってるやつだ。恐ろしい。天使の羽なんてつけておいて、悪魔の誘惑か。
「しないしない。その程度では動じないし」
「そうなの? なーんだ、つまんな……あっ!」
いかにも危なっかしいハイヒールのせいか、ミカが転びそうになる。反射的に、よろけるミカの身体をつかんで……そりゃあ、そうなるよなあ。ぐにゅっ、手のひらにおさまりきらない、ミカの乳肉の弾力を感じる。思いっきり、わしづかみにしてしまった。服もブラも薄い生地なのか、かなりダイレクトに感触が伝わってくる。以前、上半身裸の生乳を見てしまった時に想像した通り、ゴムまりのように指を押し返す、しっかりした触り心地。
案の定すぎる展開というか、本当にエロゲーの主人公みたいな運命から逃れられないんだな。だからこれは、不可抗力。もうちょっと触っていても、しょうがない……などと
「せんせ☆ 誰かに見られちゃうよ?」
ミカが俺の手を掴んで乳房から離す。くっ、もうちょっと触っていたかっ……いや、すぐ手を離すのが当たり前なんだけど、ここで生殺しにするか? ていうか、その余裕たっぷりのニコニコ顔は何だ。これ、もしかして、俺のラッキースケベとかの問題じゃなくないか? ミカがこけそうになることだって、何でだか知らないが不自然なほどよくあるし。そのたびに下着が見えそうになるし。
「もしかして、わざと転ばなかったか?」
「えー? 私って、そんなあざとい女に見えるー? 心外だなぁ」
そう見えるから言ってるんだってば。
「第一、誰かに見られるも何も、周りに人なんていないんだけど?」
「わーお☆ 先生ってば、大胆なこと言うね? じゃあ……♡」
「ちょっ……何……!」
抱き止めた時に密着したままだったミカが、俺の首に腕を回し、背伸びするようにして抱きついてきた。そして、ちゅっ……ミカの柔らかい唇の感触がした。それに、いい匂いがする。かすかに、ふわっとしたピンク色の前髪が触れる。それを、ちょっともったいないな……と思いながらも、ミカの肩をつかんで身体を離す。そして、
「よし! キスしたかったんだよな? キスしたな? じゃあ、終了!」
「終了、じゃないんだけど⁉︎ ていうか、普通女の子がキスしようとして、そこまでして避けないよね⁉︎」
首をひねって、唇にキスされるのを避けたもんだから、ミカが怒り狂っている。いや、唇にではないけど、ちゃんとほっぺたにはしてもらったから。はぁ、ミカの唇、柔らかかった。よし、あとは美味しいとこどり、ってことで逃げ切ろう。
「ほっぺにチュー、なんかで満足するわけないって分かってるよね? もう一度……! ちょっ、逃げ……」
「いや、ティーパーティーの
「えっ? 嘘、それはちょっとまずいかも……え? どこどこ?」
人なんて、来てません。そして逃げます。近くの路地に入って、
「誰も来てないじゃん……って、先生どこ⁉︎」
こうして一度路地に入ってしまえば、この『十六夜流
というわけで、俺は遁甲盤に従って、生門の方角にダッシュした。本家本元の「主人公」の「ご都合主義」と、ノノミの出した道具に勝てると思うなよ……っと、
「ん?」
「いたっ!」
「あれっ⁉︎」
目の前に、立ちはだかるようにミカがいた。何でだ⁉︎ 慌てて引き返す……よし、こっちの方角なら……!
「って、また出た!」
「逃がさない☆」
どういうわけか、行く方向、行く方向、先回りされて、その日もミカとはいつもと同じように、追いかけっこをして終わったのだった。
結局、それも含めてストレス解消になったんだろうな、と思ったのは、帰ってからスマホを開いた時のこと。ミカから『楽しかったよ』『また遊んでね☆』とモモトークが届いているのを見ると、たまにはこうやって頭を空っぽにしてやらないとな、などと思うのだった。
実際のところはミカに特別何かある訳ではないのですが、実質トリニティの主人公のようなものです。
ミカの望むトリニティの未来、ハッピーエンドの形、その辺が周りの望みと重なった時に実現しているので、そういう意味では先生(主人公)と似たような存在ではあります。