※この作品はR-18です。

【完結】「助けてノノえもん!」~ブルアカの世界でノノミとエッチしまくるダメ先生~   作:春画屋@二次創作R18

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直接繋がりがあるもの:
ホシノ等まとめ → 56回 → 今回(前編・中編・後編)です。

☆ホシノ等まとめ
→https://syosetu.org/novel/350152
☆第56回:「東京にて」
→https://syosetu.org/novel/308525/71.html



第59回:「白」(シロコ)と「黒」(シロコ*テラー)、二人の「先生」、そして(後)

 

 シャーレに集まった私たちは、クロコちゃんとプラナちゃんをノノミちゃんの「力」で無事呼び出すことができた。そして……その後、私はいろいろあったわけだけど、それも何とかなった。とりあえずは、だけど。今後も私の人生につきまとう問題だ、気長に付き合っていこうと思う。

 

 私と先生がシャーレの執務室に戻った時には、もう部屋の雰囲気は、すっかり明るく活気のあるものになっていた。……まあ、そう表現しても問題ないだろう、多分。まだ一時間ちょっとしか経っていないと思うんだけど、クロコちゃんもプラナちゃんも、すっかり馴染(なじ)んでくれたみたいだし……。

 

 …………。

 

「えっと……つまり、この世界のせんせ……じゃなくて、『現実世界』から来た、あの人は襲っちゃダメってこと?」

「ん、こ(・)の(・)世界では、ノノミが彼女だから。無理矢理エッチしようとしたら怒られる。正式な彼女になる前だったから、私はセーフだったけど」

「でも……私ぐらい胸が大きかったら、終わった後に同意は得られる気がする」

「それ、嫌味?」

「自分はエッチしたことあるって、先に勝ち誇った顔をしたのはそっちの方」

 

 二人のシロコちゃん——シロコちゃんとクロコちゃんは、『彼』を襲うの襲わないのと、物騒(ぶっそう)な話をしている。やめてあげて。あと、銀行も襲わないで。

 

「——というわけで、私はパパが望んでノノミママが生み出した存在なので……」

「肯定(こうてい)できません。あなたが『アロナ』と別個体であることは理解しました。ですがその誕生過程に、「彼らの娘である」という主張と何ら関連性を認めることは出来ません」

「うわーん! 娘ったら娘なんです!」

 

 プラナちゃんは、スマホから出てきた『彼』の娘さんと話している。……まあ、「パパ、パパー。遊んでくださいー」、「ちょっと仕事が終わるまで、本でも読んでなさい。こないだ電子書籍でマンガ買ってあげたでしょ」、「はーい!」とかやり取りしてるのを見たら、その内納得するでしょ。理屈はともかく、あんなのどう見たって娘だよ。

 

 ——って、それにしても、二人とも馴染むの早すぎ! もちろん、いいことなんだけど! ああもう、シロコちゃんたちは早速、何かの勝負しようとしてるし! 元気なのは結構だけど、平和なやつにしてよ?

 

 そんな彼女たちをよそに、少し離れたところで、『彼』はヒマリさんと電話で連絡をとっている。

 

「——……じゃあ、ヒマリの見解では「色彩」関連は全て終了、完全に消滅か。…………。……ああ。プレナパテス関連の理屈は後で聞く。黒服にも話を聞いてから……え? ああ、そうそう。ホシノの相棒の、あいつのこと——」

 

 目立たないけど、こうしてテキパキと必要な連絡を取っているのを見ると、やっぱり有能なんだなと思う。記憶が戻ってからはやるべき事が明確になったからか、すっかり「先生」らしくなってしまった。大した事はない、なんて言っているのは謙遜(けんそん)というだけではなく、『現実世界』での仕事がキヴォトスのものとだいぶ違う、というのもあるんだろう。「大人」なら人それぞれ事情も違う。家庭がある人だっている。そんな大人たちが集まって、ただ仕事だけのつながりで働くわけだから、子供ばかりの学園都市キヴォトスとはいろいろ違う。彼は、そこで実力を発揮出来るタイプではなさそうだし。良くも悪くも、まず欲がないんだから。

 

 そうは言っても、『彼』のデキる男っぽいところを見ればノノミちゃんだって悪い気はしないんじゃないかな……と思って聞いたところ、「カッコよくなくていいんです。ダメなぐらいでいいんです。その方がライバルも少なくてすむし、可愛いですし♪」だそうだから、女心というものは(私も女だけど)分からないもんだね。

 

 そのノノミちゃんと、少し離れたところで二人だけで話をする。そういえば、この子とこんな風に話をするのは久しぶりかも知れない。

 

 ノノミちゃんから聞いた話は、だいたい予想通りのことばかりだった。

 

「——やっぱり、結婚を断ってたのって、そういう理由だったんだ。でも「こっち」にいる限り、『彼』がその理由に気付くことはないのかな。だって、ノノミちゃんの「実家」がな(・)い(・)なんて言われても理解できないよね?」

「はい。今のホシノ先輩のように、な(・)い(・)というのが感覚的に理解できないと無理だと思います。それにしても……ふふっ。私、結婚しようって言われるたびに嬉しくなってしまうんです。つい、新婚の私たちのことを思い浮かべてしまって。二人で一緒に住むところを探して、家具を選んで、日用品も買って……なんて♪」

 

 ——嬉しそうな顔をしちゃって。そりゃ、好きな人に結婚しようなんて言われて、嬉しくないわけないよね。毎回断られるんだから、『彼』にはかわいそうだけど。

 

 叶(かな)わないと分かっている夢を語りながらも、ノノミちゃんの表情は穏やかだった。今なら、その理由が分かる気がする。ノノミちゃんは、もう全てを知って、それを受け入れたんだろう。

 

「つまり、結婚は「しない」じゃなく、「出来ない」ってことだったんだね。それだけじゃなく、やっぱり『彼』にはどうしても元の世界に帰ってもらわなきゃいけないから、一緒にはいられないし……」

「え? 違いますよ?」

「あれ? だって……」

「まあ、理由はそうですけど……「出来ない」なんて諦(あきら)めじゃありません。私はあの人に幸せになって欲しいんです。だから、あの人にふさわしい世界で、あの人を幸せに出来る、私よりふさわしい誰かと結婚してもらうんです。だから自分の意思で、結婚は「しない」んです」

「……うへ〜、やっぱりおじさんには一生分からなそうだなぁ〜。まあ、ノノミちゃんが強くなったのは分かったよ」

 

 いけない、いけない。理解した気になって、すぐに決めつけてしまうのは、私の悪い癖だ。気をつけないと。他人の気持ち——特に「恋愛」が絡(から)む話は、やっぱり分からなそうだ。

 

「それにしてもさぁ、水くさいんじゃない? 全部は説明できなかったにしても、おじさんとノノミちゃんの仲でしょ? それに、『彼』のことを心配してるのは、ノノミちゃんだけじゃ——」

「ふふっ、あの人と一緒になって無茶なことを考えてた人には、相談出来ませんよね☆」

「うへ、バレてたの? それ」

「……でも、そうですよね。アビドスは、私たち2人から始まったんですもんね。そこにシロコちゃんが加わって、セリカちゃんとアヤネちゃんも……ずっと、そうやってやってきたんですから」

「……うん。間(・)違(・)い(・)な(・)く(・)そうだよ。それにもう一人、これからはクロコちゃんだって、きっと加わってくれる。『彼』を元の世界に送り返すのは、いつにするか、もう決めてあるの?」

「もう、いつでも大丈夫です。今回のことが終わって、シャーレの仕事にも一度区切りをつけるようなことを言ってましたから、「こちら」でやる事がほとんどなくなった頃を見計(みはか)らって、二人の時に……って思ってます。やり残しがなければ、「あちら」に戻った後も納得するでしょうし」

「「こっち」に残ろうとする力が一番弱まってる時を狙(ねら)って、油断したところを、ってこと? 恨まれるかもよ? タイミング的に、用済みになったからお払い箱、みたいな風にも見えるし」

「構いません。あの人ったら、残された後の私が一人でも大丈夫なんだって確信しなかったら、絶対に帰らないつもりなんですから! あんな無茶なことまで考えて……。ね(・)、ホ(・)シ(・)ノ(・)先(・)輩(・)?」

「うへ〜、悪かったよぉ〜」

「だから、今度は泣いたりせずに、ちゃんと笑顔で送り返すんです。もう私のために何かする必要はないんだ、って。自分がちゃんと幸せになることを考えなきゃいけないって」

「ま、それはそうだろうね。どこかで区切りはつけなきゃいけない。次に進むための、一つのエンディングとしてね」

 

 どれだけかは分からないけど、クロコちゃんたちを呼び出した時期がかなり前倒しになったことを考えれば、『ブルーアーカイブ世界』それ自体のエンディングまでは、かなりあるはずだ。『彼』が帰った後も、ノノミちゃんの人生は続く。もちろん『現実世界』の『彼』の人生も。

 

「それに……」

「?」

「恨んでくれた方がいいのかも知れません。帰らせる理由が、あの人の幸せを本当に望むから——なんて知ったら、あの人、恨むどころか、私を褒(ほ)めたりしそうで……。私、「一緒にいてくれて嬉しい」とは言っても、「いて欲しい」とはほとんど言わずに来ましたから……。そんな私がはっきり意思表示を出来るなら、きっとそれが一番いい、なんて」

「ああ、言いそう……。別にカッコつけたいわけじゃないんだろうけど、そういう時こそ、みっともなく「やだやだ、ノノミ捨てないて」とか駄々こねればいいのにね」

「ふふっ、いつもそうなんですよ。その方が相手が幸せになれるって思ったら、自分がどれだけつらくても、あっさり身を引いちゃって。優しいんですけど、そういうところだけ心配で……。ちゃんと幸せになってくれればいいんですけど」

「その性格が直らないとねぇ〜。あの人、どこの世界に行っても、生きてくだけなら、しぶとく生きていけそうだけど、一生貧乏くじばっかり引きそうだもんね」

 

 だから、本当は私が一緒にいてあげたい——ノノミちゃんは、そんな顔をしていた。それはそうだ。嫌いだから追い返すわけじゃないんだから。

 

 ——とはいえ、やっぱりノノミちゃんの決意は固いみたいだよ、先生。ノノミちゃんのため、なんて他人任せの理由はもう通用しない。その上あなたには、この世界に残らなきゃいけないと思う理由は、もう何も残ってない。その上で、この世界にずっといることは出来ない「絶対のルール」を知っても、この世界に残れる? それに、私もノノミちゃんに協力させてもらう。私たちは手強いよ?

 

 『強制帰還』——『彼』が帰りたいと思う意思、あるいはこの世界を離れたいという意思をトリガーとして発動するそれを、ノノミちゃんは自力で発動させるつもりだ。彼がこの世界に残ろうとして抵抗しても、それがノノミちゃんの力を上回らなければ、もうどうにもならない。さらに私がノノミちゃんにつく事で、それがひっくり返ることはないだろう。

 

 ——でも、分かってるよね、先生? 私がノノミちゃんの側につくのは、あなたを信じてるからだよ。世界の理(ことわり)だとか「絶対のルール」だとか、そんなものに縛られた「まあまあ悪くないハッピーエンド」。それを私たちが押し付けても、納得出来なければ、きっとあなたが何(・)と(・)か(・)し(・)て(・)くれる。私たちの力が大きくなればなるほど、反発する力は大きくなる。そうすれば、きっと何かが起きる。文句なしの「真のハッピーエンド」への道へは、あ(・)な(・)た(・)自(・)身(・)が(・)望(・)む(・)ことによって切り開いてくれる。「先生」ではなく、ただの普通の大人が、自分自身のしあわせを望んで、それを叶えるところを『あなた』が見せてくれる、そう信じてる。だから、全力でぶつからせてもらうよ。

 

「ところで、ノノミちゃん」

「はい? 何です?」

「元の世界に帰ってもらって、幸せになってもらうとして、彼がノノミちゃん以外の人と結婚して、本当に平気?」

「えっ、そ、それは……」

「エプロンつけて、彼のためにご飯作ってあげてさ〜、はーい、出来ましたよー、食べさせてあげよっか? 後でエッチしようね〜、なんて言ってイチャイチャして〜」

「あの、その、ホシノ先輩?」

「その内、子供も出来て、みんなでお出かけしよっかー、なんて三人で遊園地行ったり、家族みんなで美味しいものでも食べに行って〜……」

 

 ノノミちゃんの目に、じわりと涙が浮かぶ。

 

「うう……嫌ですぅ……。出来れば一生結婚せずに、私のことだけ考えて欲しいです……」

「うへへ、本音が出たね? まあ、ノノミちゃんと結婚出来なかったら一生独身で遊んで暮らしたい、とか言ってたし意外と……」

「ダメです! あの人、一人じゃ何にも出来ないんですから、誰かしっかりした人がついてなきゃダメなんです! 私……じゃなくて、私より、私より……うぅ……」

「ごめんごめん、ついいじめたくなっちゃって。さ、まだ独占出来るうちに、気がすむまでイチャイチャしてきなよ」

 

 先生が、君たち、後輩たちをほっといて何やってんのー、なんて言いながら、こっちに来る。ノノミちゃんの背中を軽く押す。

 

「? ノノミ、どしたの?」

「もうっ! もうっ! あなたがいけないんです! あなたがしっかりしてないから!」

「突然、何⁉︎」

「ごめ〜ん、先生。例の「器」の件、バレてたぁ〜」

「バレてた⁉︎」

「そうです! 私に相談もしないで無茶なことを考える人には、お仕置きです! この後だって、みんなを送った後は、ちゃんとデートには連れて行ってもらいますからね! それで……——」

 

 ノノミちゃんは『彼』の耳元に、こちらに聞こえないよう小さな声で、「その後、エッチしましょうね♡」とささやいた。いや、そのつもりなんだろうけど、思いっきり聞こえてるからね? 全く、こっちが恥ずかしいよ!

 

 

------------------------

 

 

 そして、『現実世界』、『東京』——

 

 スマホに映る、青い髪の少女。その前で正座する青年。その青年——キヴォトスでは『前の先生』と呼ばれる存在は……説教をされていた。

 

「あれほど、無茶はしないように言いましたよね⁉︎」

「いやー、今回は本当に死ぬかと思ったっていうか、戻ってくるのしんどくってさー。幽体離脱って怖いよねぇ〜。まいったまいった」

「まいったまいった、じゃありませんよ! 次、また無茶をしたら、今回のことも含めてホシノさんに言いつけますからね⁉︎」

「そ、それは、言われてもホシノも困るやつでは……でも、結果的にアロナの体だって、そうやって元に戻ったし。いやぁ、アロナの声懐(なつ)かしいなぁ〜」

「誤魔化さないで、ちゃんと反省してください!」

「はい! すいません!」

 

 ずっとこんな感じである。

 

「でも、ホシノさんのおかげで、きっと条件は揃(そろ)いましたよね?」

「うん、ホシノ——いや、もう立派に「ホシノ先生」かな。あの子がついていてくれれば、もう心配ない。きっとノノミの『彼』の幸せを望む力は、限りなく大きくなる。それだけじゃない。ノノミ、ホシノ、黒服やカヨコ、ヒナ、アリス、彼に関わってきたみんなの、それぞれの望みが一つの形に重なりつつある。それから、君と私——「アロナ」と「先生」がいて、「大人のカード」がある。真のハッピーエンドを作り上げるための条件は全て揃った。あとは、『彼』次第かな。全てを知った瞬間、『彼』も私と同じ発想に行き着くはずだ」

「でも、あの人を疑うわけではないんですが、大丈夫なんでしょうか? 本当に難しいのは「手段」ではなく、「心」……ですよね?」

「大丈夫さ。『シャーレの先生』じゃなくったって、ただの大人でしかなくったって、こ(・)の(・)『ブルーアーカイブ』の「主人公」は彼だって、みんな思ってる。そして、「主人公」っていうのは、みんなの期待に応えるから「主人公」なんだから」

「ふふっ、そうですね! 「主人公」はそうでないと!」

 

 ノノミと『彼』の運命が決まる日まで、もう後少し——

 

 




作中にもありますが、最終回までに必要不可欠だったものは全て揃いました。
二年前(嘘だろ…)に考えたベタなラストなので、盛り上がりとか感動とかは、ハードルを下げておいて下さい…いえ、頑張って書きます。
軽い話ははさむと思いますが、早めに最終回を投稿したいと思います。
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