※この作品はR-18です。

【完結】「助けてノノえもん!」~ブルアカの世界でノノミとエッチしまくるダメ先生~   作:春画屋@二次創作R18

79 / 81
最終回、後編です。
前半4000字ほどがエロシーンになります。

最終回
(前編)8000字
(中編)8000字
(後編)8000字【♥100】←



[終]- 第62回:…に転生したけど、二人がずっと一緒なら!(後)【♥100】

 

 白いブラウスのボタンを、上から一つ一つ外していく。抑えめな装飾の、落ち着いた感じの上品なブラウスだ。女子大生とかが着てそうだな……と思ってから、そういえば、のの美がもう十八歳だと言っていたのを思い出した。

 

「今日着てたの、キヴォトスにいる間は、こんな服だって気付かなかったな。もうちょっと違う印象の……」

「ど、どうです? 似合ってます?」

「うん、すっごく可愛い」

「やだ、もうっ♡ 聞いたのは似合ってるかどうかですよぉ♡」

「ははは、実はわざとー」

 

 バカップルである。自覚はある。なきゃヤバい。でもやめない。

 

「あ……、え、と……」

 

 のの美が、少しためらうような小さな声を出したが、構わず、ぐいっとブラウスの前を大きく広げる。きゃっ、とノノミが小さく叫び、白い胸元と、ブラの上からでも分かる圧倒的なボリュームの乳房が現れる。

 

「あ、あんまりじっくり見ないで下さい。恥ずかしいので……」

「恥ずかしい? 胸を見られるのが?」

「い、いえ、それもそうなのですが、うぅ……こんなことなら、ちゃんと下着を選んでくれば良かったです……」

「ああ、そういう……」

 

 顔を両手で覆(おお)ってしまった、のの美のブラの端(はじ)っこを、指でつまむ。薄い水色のブラジャーは白いフリルで縁取られ、真ん中には小さなリボンがついている。最近の傾向を考えると、もっと大人っぽいのを見せたかったんだろうけど……

 

「でも、可愛いよ?」

「そ、そうですか? あなたがそう言うなら……えへへ」

 

 へにゃっと笑った。可愛いというか、チョロ可愛い。変に大人びた雰囲気を目指さなくていいのに。まあ、今日は油断していたのだろう。そりゃそうだ。いきなり異世界に転生して、その直後にエッチするとは思わないだろう……いや、キヴォトスに行った直後の俺はそうだったか。まあ、そういうことも稀(まれ)にある。

 

「ほ、ホック外した方がいいです? あと、スカート……」

 

 のの美はもう、ブラウスを脱いでしまって、背中のホックに手をかけていた。プツンと外れる音がして、少し食い込むほどに締め付けていたブラから、大きな肉塊がぶるんと震(ふる)えてこぼれ出る。重そうな乳房は、生で見るとさらに迫力がある。これで胸が小さくなったとか、ありえないだろ。淡い色の乳首はもう勃(た)っているようだ。立派なおっぱいだなあ……。

 

 ……何か、変なところに視線を感じる。

 

「ふふっ、やっぱり、おっぱいは大きい方がいいんですよね〜? あなたも反応しちゃってますよ? ほら☆」

「ちょっ、あんまり見ないで。いや、恥ずかしいんだってば。恥ずかしいの!」

「だって、あなたばっかり私の裸を見てたら、ずるいです。ふふっ、あなたのパンツ、下ろしちゃいましょうか♪」

「脱ぐ! 自分で脱ぐ! 待って、やめて! やめっ……」

「このまま、押し倒しちゃいますよ〜……あ、あら?」

「ふふふ、どうやら、力は普通の女の子並みのようだな。キヴォトス人に散々おもちゃにされてきた分の仕返しをしてやる」

「きゃん☆」

 

 押し倒そうと体重をかけてきた、のの美の身体を、逆に押し返して床に押さえつける。馬のりになって見下ろすと、悪戯(いたずら)っぽく、のの美が笑っていた。

 

「あぁん、エッチなことされちゃいます♡」

「もうしてるでしょ」

「襲われちゃいますね☆」

「今から襲うよ〜」

「……身動き取れなくて、抵抗出来ませんね……」

「……何をされちゃうんだろうな?」

「…………」

「…………」

 

 見つめあったまま、そんなやり取りをしていると、それだけでも興奮してしまうのか、のの美の目は熱を帯びてきた。息がだんだん荒くなり、小さな唇を軽く開いて誘ってくる。はぁっ……と、艶(なま)めかしく吐息をもらす。それを塞(ふさ)ぐように顔を近づけていき……二人の唇が触れ合う。そして……

 

「は……ふ、んっ……♡ ん、む……ンっ♡」

「ぁ、んむっ……ん、くちゅ……んっ、ん……」

「はふ、ンっ、ちゅっ……♡ ぁン♡ ぁ、ん……は、ふ……♡」

「あむ、んん……はむ……ちゅっ……」

 

 お互い、貪(むさぼ)るように相手の唇を求める。ぬらりと、舌と舌が絡(から)み合い、唾液を交換する。そうやって激しいキスをしながら、床との間に手を差し入れて、のの美のむき出しの背中に触れると、あっ……♡ と、のの美が軽く身体をそらす。そのまま背中から腰へ、さらにお尻の方へと撫でるように手を移動させていくと、のの美がビクンビクンと反応する。

 

「ン……あ……待って、スカートのホック……」

「うん……」

「ちょっ……ん、今、外します……」

 

 のの美が器用にスカートを下ろしていくと、上とおそろいの、薄い水色の下着が現れる。やはり中央に小さなリボンをあしらった、可愛いやつだ。その薄い布に覆われた、ふっくらとしたお尻を、下着の中に手を入れて直接撫(な)で回す。

 

「ンぁ……あぁ……は、ぁ……」

 

 のの美が気持ち良さそうな声をもらす。そして、俺の首に両手を回して、自分の方に引き寄せる。なすがままに顔を近付けて、またキスをしようとして、のの美が涙を浮かべているのに気付いた。

 

「泣いてる?」

「ん……だって、夢みたいで……。でも、夢じゃなくて……。あなたに触られて……気持ち良くて……ちゃんとそこにいるって……」

「一緒にいるって、そういうことだよ」

「嬉しいです……。ずっと……別の世界から見ているだけだと思っていて……。ずっと片想いのままだって……」

「うん……うん……」

 

 のの美の涙をぬぐい、軽いキスを繰り返しながら、実感する。

 

 ——これ以上はないってくらい、好きだと思ってた。だから、自分の世界まで連れてきた。でも、多分もっと好きになる。手放せない存在になる……。

 

「ちゅ、ん……。あなたと……一つになりたい、です」

「分かった……」

 

 のの美が下着の両側に指を引っかけて、この先の行為までの時間を惜しむように、じわじわとゆっくり下ろしていく。その間に俺も、トランクスまで全て脱いでしまい……二人とも全裸になる。のの美が、俺の全てを受け入れるかのように両足を広げ……股間の叢(くさむら)が目に入り、既に硬くなっていた俺のモノが、さらに大きくなる。それを、のの美の中へと侵入させ……ゆっくりと動き始める。のの美の身体と、少し横に流れた大きな乳房が、軽く前後に揺れる。たぷんたぷんと、音が聞こえてきそうだ。のの美は、もう我慢しきれないのか、ぁ、はぁ……と、色っぽくあえぎ始める。

 

「お願い……ンぁ……んっ、んっ……ぁ、んっ……もっと、動いて……」

「……避妊した方が良かった? んっ……」

「はぁ……、ンっ♡ や、やですぅ……直接、あなたを感じ……ぁ♡ ン、あぁ……♡ あ、あなたを、んっ……」

「もっと……激しく、していい?」

「はいっ……、あなたの、ンンっ♡ わ、私が……帰っちゃわないように……ンンっ♡ エッチして、縛りつけて、離さないで、くださ……あぁんっっっ♡ はぁっ、はぁっ、ンあっ♡♡♡」

「そ、そんな締め付け……は、うぅっ、はぁっ……」

 

 俺のモノは、のの美の内部にキツくくわえ込まれ、熱い肉が締めつけてくる。はぁ、はぁ、と、のの美の激しい息づかいを感じ、もう何も考えられなくなる。俺は硬さを増した剛直を夢中で突き込んでいき、それに合わせて、のの美も腰を動かし……

 

「の、のの美!」

「ンっ、あっ、ああっ、ンンっ、一緒……、あなたと、あ、ンンっ、ずっと……」

「もう……もうっ……!」

「あ、あンっ、ああっ、あっ、ンっ、あぁっ! あっ、あっ、あっ、あっ、んっ、あぁ〜〜〜〜〜♡♡♡」

「……っ!」

 

 精を全て注ぎ込み、ぐったりと俺はのの美の上にのしかかった。重いだろうと、すぐに身体を起こそうとすると、ぐいっと、のの美が抱き寄せる。耳に唇を寄せてきてささやく。

 

「ふふっ、私のこと、逃がさないで下さいね♡」

「別の世界まで連れてきちゃったのに、まだ疑う? 逃げられたって、追いかけて連れ戻すよ」

「本当ですか? 絶対ですよ☆」

「心配なら、もう一度エッチする?」

「えーっと……。あ、あはは……す、少し、休みません? ちょっと激しすぎた……かも、なのですが……」

「実は俺も……」

 

 そう言って、二人でクスクス笑う。こんなに幸せだと感じても、自分がどこかへ行ってしまう心配はない。こ(・)こ(・)こそが、俺が幸せになれる場所なのだから。

 

 

------------------------

 

 

 ——次の日。

 

 目が覚めれば、そこは東京、俺が元住んでいたマンション。そして横には、のの美(転生済み)がちゃんといる。あくびなんてして、のんきだな。俺なんか、あんな強気なことを言っておいて、結局不安になって眠れなかったというのに。だが、オッケー! ふわっとした、いい感じの「ハッピーエンド」で終わらずに、俺はその先の日常を生きている。小心者と言わば言え。心配なんだよ。

 

「ん、む……どうかしました? 金之助さん。……ぁふ」

「いやなに、幸せをかみしめてただけ」

 

 さて、やることをやってしまうか!

 

 

 まずは近所のコンビニに行き、二人で買い物を。買ってきた弁当やサンドイッチに、冷蔵庫を漁って出てきたもので二人で朝食。それから、その辺に雑に積んであった教材やら、脱ぎっぱなしのスーツやらを整理する。『前の先生』はもうちょっと生活臭のない状態で俺と交代してくれないか。別にいいけど、のの美に呆(あき)れられてるぞ。

 

「「こちら」のコンビニにはやはり、銃器類とか弾薬は売ってないんですね〜」

「外国はどうだか知らないけど、日本のコンビニには売ってないなぁ。その代わり、ブルアカコラボやってたな」

「ブルーアーカイブって人気あるんですねぇ。『ノノミ』は人気あります?」

「あるんじゃない? んー、ノ、ノ、ミ……と。へー、今度フィギュア化されるらしい……アイドル衣装?」

「アイドルですか? 私にも見せて……あら、かわいい☆ 私、アイドルになっちゃいました!」

「イタズラ☆ストレート……ああ、昔エイプリルフール企画か何かでやってたっけ? ノノミいたっけか?」

「アリスちゃんのアイドル衣装、やっぱり可愛いですね〜☆」

 

 などと、検索して出てきたネットの記事を見ながら、のの美と『ノノミ』の話をする。変な感じだな。ちなみに、のの美がアイドル衣装の『ノノミ』と『セリカ』と『アヤネ』をいたくお気に召したらしいので、その内に公式に「アビドスアイドルプロジェクトが見たいです☆」って要望でも送ろうと思う。

 

 それから、お互いキヴォトス以外の記憶で、だんだん思い出してきたことを情報交換。のの美の方は、このまま生活しても特に問題なさそう。一応、記憶と現実がどの程度一致しているかは確認しておく必要があるだろうけど。

 

 で、俺の肉体に残っていた『前の先生』の記憶だが……いつか『俺』が帰ってくる時のために、いろいろ制限付きで生活するのは結構大変だったようだ。まあ、仕事は限られてくるし、結婚はおろか彼女も作れないし、『ブルーアーカイブ世界』を見守るのが一番大事だしと、そりゃ大変だっただろう。生活が乱れててどうとか責めるのはかわいそうな気がしてきたな……。

 

 その気もないのに職場の女性からの好感度を片っ端から上げてるのも、今のところ逃げ切ってるから良しとしよう。要注意の相手の名前もメモしてあるし。もう俺とあいつに関しては、こういうのは宿命みたいなもんだろ。えーと、中山さんには住所を知られてる、前田さんは押し倒されそうになったことがある、この人たちとは二人っきりで飲みに行かないように……と。

 

「さて! これからここで暮らすのでしたら、いろいろお買い物もしなきゃいけませんよね? まずは着替えの服と、下着と、パジャマと、あと洗面用具とかタオルとか……わぁ、何だかもう新婚さんになっちゃったみたいです☆」

「ああ、えー……えーと、無駄遣いは……いや、買っていいんだけ——」

「はい! 二人で安いものを探しましょうね! うんうん! 二人ならお金がなくても頑張れます!」

「……そうだね」

 

 気前のいいことが言えない自分が悲しくなってきた。自分は良くても、金がないとのの美が使えない(当たり前だ)。人はこうして真っ当になっていくのか。金稼ごう……。

 

「あとは誰か知り合いで、いろいろ教えてくれそうな奴を探して……大丈夫そうなのは、あの辺かあの辺……。メール入れとけば誰か返事くれるだろ。それから……休めないかダメ元で聞いてみるか。この時間だったら、多分社長はいるはず……」

 

 近所や駅の周りも案内しなければいけないし、のの美を一人にしておくのも心配なので職場に電話したところ、バイトの子とシフトを入れ換えて、一日休みにしてくれるとのこと。今の職場の社長はいい人っぽい。給料を理由に簡単に転職してしまうのはちょっと惜しい気もする。

 

『夏目くん、結婚するの? 女性陣がガッカリしそうだなぁ。どこで知り合った人? キヴォトス? それ外国? ああ、そうなんだ。まあいいや、おめでとう』

 

 というわけで、俺がのの美とキヴォトスで出会ったというのも信じてくれた。やっぱり、いい人だ。何、興味がないから適当に流しただけじゃないかって? それならそれでいいです。

 

 よし、やることは全て終わった! のの美と一緒に出かけるか!

 

 

 荻窪から中央線で数駅、吉祥寺で下車。南口を出て、少し歩く。オシャレっぽい(そして高そうなのでスルーする。悲しい)店が立ち並ぶ、ゆるい坂道を二人で下る。そして——

 

「わぁ! 木がいっぱいで、森の中みたいです!」

「すごいだろう」

「見てください! 池にボートまで!」

「空気も綺麗だなぁ。やっぱりいいところだ」

 

 せっかくなので、散歩がてら少し寄り道して、井の頭公園に来てみた。のの美がはしゃいでいる。うん、連れてきて良かった。『現実世界』にだって、綺麗なところはいっぱいあるのだ……いや、だからと言って俺が偉いわけではないが。むしろ、「いやあ、懐かしいな。東京の空は相変わらず汚い」なんて言ったものだから、自分の故郷を悪く言うなと怒られたので連れてきたんだが。だって俺の中の東京のイメージってそうなんだもん(偏見)。

 

「それにしても、私を見ても「あっ、『ブルーアーカイブ』の『十六夜(いざよい)ノノミ』だ!」……なんてことにはならないみたいですね、やっぱり」

「そりゃあ、知らなかったら俺だってピンとこないもんな。パッと見がそれっぽいなってぐらいで」

 

 そもそも「現実の世界にノノミがいるわけないだろ」ってのが普通の感想だろう。ヘイローもないし、どう見たって日本人だし、それどころか戸籍だってあるし、十八歳だし。俺のことだって、キヴォトスでならともかく、間違っても今の姿を見て「先生」などと思う奴は……まあ、「ブルアカの先生」だと思う奴はいないだろう。その「先生」だと思う奴は。

 

「知った気になっていても、世界について俺たちが知ってることなんて、ごくわずかだしな。『ブルーアーカイブ世界』のことだって、意外とう(・)ち(・)の他にも繋がってるところはあるんじゃないかって気がしてきたし。実はその辺に、星乃(ホシノ)さんとかいたりしてな。「現実的」じゃないから、アホ毛があったり髪がピンクだったりはしないだろうけど」

「『現実世界』ですもんねぇ」

 

 のの美いわく、東京は「現実的なもの」しかないのが少し不思議らしい。どこまでを「現実的なもの」と表現するのかが難しいところだが、キヴォトスの場合「ゲームの中」って表現できるぐらいだから、戦車が走ってようが、ゴミ箱の中に人がいようが、「何だありゃ」、「まあキヴォトスだしな」で済んでしまう。……いや、それは俺だけかも知れないが、みんなあんまり細かいことは気にしないと思う。

 

 何にしたって、どっちもそ(・)う(・)い(・)う(・)世界ってだけだろう。その世界の理(ことわり)に従って生きていく分には特に問題もない。

 

「だとするとやっぱり、私みたいに『ブルーアーカイブ世界』の人間だったのかどうかの見分けって、つかないんでしょうか?」

「つかないんじゃない? どっちにしたって、出身が違えば赤の他人なんだから、見分ける必要もないでしょ。おじさんなら『ホシノ先生』として「画面のあちら側」にいるもんな」

「うんうん! そうですよね! 私たちのホシノ先輩は一人しかいませんから☆」

 

 と、おじさんの話で思い出した。

 

「『あいつ』——『前の先生』もちゃんとおじさんと会えたよな?」

「『先生』ですか? 特に問題はなさそうでしたけど、何か心配事でも?」

「そういうわけじゃないんだけどさ。俺たちだけ「ハッピーエンド」ってわけにもいかないだろ。特に、おじさんに関しては。あと、黒……俺の友達も「こっち」にちゃんと来られたかなとか、「あっちの世界」の話だって、アビドスとかゲヘナとか……」

「ふふっ、気になります? 大丈夫、きっとみんなそろって「ハッピーエンド」ですよ。でも、そういうのが気になるのって、やっぱり「こちら」に戻ってきても「先生」ですね☆」

「だから「先生」じゃないって。元の身体だし」

「「先生」って思われるの、嫌なんです?」

「いや、どう思われてもいいんだけどね。訂正してるだけで……これ、昔っから同じこと言ってるんだよなあ」

「昔から……キヴォトスに来るより前から、ですか?」

「そうなの」

 

 フルネームを聞いたら大体分かるだろう。「夏目金之助」って、明治のあの文豪の本名だもの。案の定というか、授業で「こころ」をやった時なんか、「先生」だの「夏目先生」だのとからかわれ。先生じゃないっつの。

 

「その名前が好きじゃないって言ってたの、それでなんですか?」

「いや、名前はいいんだけどね。つけられた経緯がね」

 

 ——俺の生まれる少し前。うちの父親が友達を集めて飲んでいた時のことだ。「夏目んとこ、子供できたんだってー? んじゃ、金之助にしときなよ」、「それでいっかあ」。誇張(こちょう)なしで、このやり取りだけで決まった名前なのだ。

 

「その話を聞いて以来、酔っ払いがノリで決めた名前というイメージが抜けなくて……。ていうか、せめて自分で考えろ」

「あはは……お酒を飲んでいる時にというのは、確かに……」

 

 まあ、そんな親が素面(シラフ)で自分で考えたら、もっと酷いことになった気もする。

 

「それにしても、何だか不思議です。私、昨日までは、私たちの恋愛ってどうやっても離れ離れになる運命の「悲恋の物語」なのかな、って思ってたんです。あっさり諦(あきら)めちゃって、ずっとそんな気持ちで付き合っていたなんて、何だかもったいないですよね」

「そんな風に思ってたのは、のの美だけでしょー? 全く、最後まで信用してくれなかったんだからさぁ。俺は最初から最後まで「ずっと一緒にいる物語」だと思ってたから、予定通りの「ハッピーエンド」だよ」

 

 ……なんてのは、嘘。「現実の物事が、そうそう物語みたいに都合よくいくわけないだろ、振られる時は振られるんだから。ああ、怖い」とビクビクしてたわ。そんな自信満々に生きられないわ。カッコ悪いから言わないけど。

 

 ただまあ、俺から考えれば「バッドエンド」でしかない結末を、無理に「ハッピーエンド」だと思おうとしながら、ずっと一緒にいたんだとすれば——のの美はもったいないことをしたのかも知れない。先のことを決めつけちゃうとね。

 

「——でも、それも今日で終わりだ。……ああ、そういやアリスと、現実でもハッピーエンドならハッピーエンドと分かるように、せめて専用スチルぐらい欲しいよな、なんて話をしたことあるなぁ」

「そうですねぇ……。ちゃんとあったら、ホシノ先輩やセリカちゃんやアヤネちゃん、他のみんなにも見せられますもんね☆」

「だな。んじゃ、撮(と)るか」

「そうしましょう! うんうん! やっとたどり着いたハッピーエンドなんですから、撮らなかったら損です!」

 

 俺はスマホを取り出した。身もふたもないことを言えば、ちょっと公園に散歩に来て、思いつきで撮っただけの写真だ。でも、そのぐらいのささやかなものの方が、エンディングスチルとしては俺好みだ。

 

 パシャ。

 

 ——その写真のデータは、後日、俺たちのあ(・)の(・)『ブルーアーカイブ世界』のみんなのところにも届けられたそうだ。どうやって? その辺は、俺はどうでもいい……と思うのだが、一応、「やってみたら意外と簡単だった」とだけ言っておこう。

 

 でも、大事なのは、そこに写っていた俺とのの美の二人が、心の底からの笑顔だったこと。それを見た『ブルーアーカイブ世界』のみんなも笑顔になれたこと。当たり前のようでいて本当に難しい、そのことだと思う。

 

 そして、俺とのの美がやっとたどり着いた、本当の「ハッピーエンド」のその先の物語がこれから始まろうとしている——なんてな。

 

 

 

——シーズンFinal完——

 

 そして、エピローグへ続く——

 

 





ここまで二人を見守って下さった方、ありがとうございました。
シーズン1の最終回が「ずっと上手くいってほしい」、2が「これからもきっと大丈夫」ときて、シーズン3最終回……そこから長かったですが、「やっぱり大丈夫だった」までたどり着きました。

主人公たち二人、ホシノ、(元)黒服、カヨコ、その他みんな、その後日談みたいな内容でエピローグがまだありますので、よろしくお願いします。

引き続きアンケートを設置しておきますので、まだ押してない方がいたら、ご協力お願いします。
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