※この作品はR-18です。

とある御坂の超危険日   作:支配欲の塊

4 / 4
これにて完結ですm(_ _"m)


とある科学の学園都市

「何?」

「何ですの?」

「は?どうしてだ?」

 

 三人共、意味が理解出来ない……

 

「逆だろ?ビリビリの電撃が打ち消せるはずなのに、どうして触れたらバチバチしたんだ?」

「そんな訳ない。だって、私……」

「どういう事ですの?えっと上条さんでよろしくて?」

「あ、あぁ」

「上条さんの能力は?LVは?」

 

 もしかして……

 

「上条当麻。LV0の無能力者だよ!」

「嘘おっしゃいな!なら今のは!?」

「黒子!!」

「え?お姉さま。ど、どうしてですの……」

 

 私の回りには黒い風が舞ってた。

 

「地面の中から少しだけ砂鉄を抽出……懐かしいわね」

「ちょっとビリビリ?いや待ってくれよ!」

「え?一体何が……」

 

 フッと私は能力を解除。

 すぐに黒い風は地面に舞い落ちていく。

 

「イマジンブレイカー……そっか、そういう事か……」

「いやビリビリ。どういう事だ?」

「黒子。今すぐそいつ殴って!!」

「はい?なんでだ?」

「分かりませんの?ですが!」

 

 そうだ、私の読みが正しければ……

 

「ちょっと待ってくれ!」

「ごめんあそばせ!」

 

 黒子は上条に一発。

 私と同じ様に拳を放つ!

 すぐにバチバチ!と黒子の拳が上条当麻の右手、手の平に弾かれる!

 

「黒子、テレポート使える?」

「……やってみますわ」

 

 黒子も何かに気付いたんだろう。

 だって使えないはずの私の能力、それが一瞬で使える様になったんだから……

 

 私の意図を読み取ったのか、すぐに黒子は消え一瞬でテレポート。

 読み通りだ!!

 

「っ!使えますの!テレポートが使えますの!どういう事ですの?!」

「やっぱりそういう事か!黒子!」

「ちょっと待ってくれ!先に説明してくれ!!」

 

 そう上条に言われ私はほんの少し考える。

 だけど時間が惜しいんだ。

 

「言葉の制限は?えっとあいつはこの後別の女とする。いける!!」

「ワタクシにも説明がほしいんですが、今はその時間すら惜しいですわね!」

「うん、あいつは今も」

「なぁ御坂!」

「分かってるから!!!」

 

 これは最大のチャンスだ!

 

「黒子」

「分かっておりますの。お姉さまはここでお待ち下さいますか」

「私も行くから!」

「この件はワタクシが!それにお姉さまは万が一の為にここに残っていて下さいませ!」

 

 万が一。

 それは黒子に、またもしもの事があればという事だろう。

 

「分かった。その代わり食鉢と一緒に行って。っていうか一回連れてきて!」

「そういう事でしたら」

「おーい御坂?」

「ごめん、後で話すから。少しだけ協力して!」

「よく分かんねぇけど、まぁ」

 

 一気に情勢が変わっていく!

 そんな中、今優先するのは時間との勝負だ!

(もうあんな被害者は生んじゃいけない)

 そう思ってると黒子はどこかに電話を掛けだした。

 

「スピーカーにしますわ」

「うん」

「後で教えてくれるんだろうな?」

「分かってる」

 

 出来れば知られたくない。

 特にコイツには……でもそんな事も言ってられないんだ。

 

 プルル、プルルと2コールが鳴った時、黒子の掛けた電話の相手が返事をした。

 

「はいっ、って白井さんですか?あの」

「初春?お久しぶりですの。話は後でしますので、すぐに調べてくれませんの?」

「お久しぶりです白井さん。私も佐天さんも心配してたんですよ。急ぎ、なんですよね?何を調べればいいんですか?」

「理解が早くて助かる」

「その声は、御坂さん?」

「うん、まずはLV5、食蜂操祈の位置を特定して!今日の10時くらいに○○駅前にいたから。そこから追跡出来る?」

「それでしたら追ってみます」

「後は……」

 

(腹括れ!!)言葉を放つ!

 

「それからその男と私はホテルに行ったんだけど、その男の後の足取りも追って!」

「御坂さん?!どうし、いえ、分かりました!」

「お願い!!」

 

 それから必要最小限の事を伝えて一度電話を切った。

 

「正直助かったわ」

「俺は何もしてねぇよ。俺も今の時点で言いたい事はあるけど待つさ」

「ごめん、助かる」

「気にすんな!俺で良ければ手伝ってやる」

「……馬鹿」

 

 上条当麻、この男の存在がこんなに助かるとは思わなかった。

 無能力者ながら右手にイマジンブレイカーを持つ男。

(そう言えばコイツにはまだ一回も勝ててないんだっけ)

 普通に考えればLV5の私がLV0の人間に負ける理由がない。

 だけどこの男、上条当麻の能力には秘密があった。

 

 右手で触れた異能の力を打ち消す能力。

 それがイマジンブレイカー。

 私の電撃をこれまでことごとく無効化させた能力。

 かなり特殊な能力だとも思うけど、能力を封じ込められた私達を一瞬で解放してくれた。

 

「全部、話すから」

 

 もう戻れない。

 だって、言っちゃったから。

 

「そうですか。まぁ無理にとは言わないけどな」

「ううん、言うから」

「っと、初春からですの」

 

 黒子は私を見てくる。

 知られたくないけど、それは私の都合だ。

 だから私はうん、と頷く。

 

「スピーカーのままで」

「はいですの」

 

 すぐに通話に。

 

「白井さん。食鉢さんですが、今ホテルを男性と出たのを確認しました。えっと、別れて別々に歩いてます」

「行って。すぐに一度ここに」

「はいですの。初春!詳しい場所は?」

 

 そして黒子は通話しながらテレポートで一度飛んで行った。

 

「ふー」

「御坂」

「うん、お待たせ。話すね」

 

 それはいつからか私の初恋だったと思う。

 いつからだろう。

 LV0なのに強くて、カッコ良くて、それでいて不器用で……

 

 気付けば私はコイツ、上条当麻に惚れてたと思う。

 今も心臓がバクバクしてるのが分かる……

 だから、私は笑いながら言ったんだ。

 

「私、レイプされたんだ」って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉さま」

「うん、ちょっと待って」

「はいですの!」

 

 時間が流れた。

 季節は真夏。

 黒子は再転入で常盤台中学。

 そしてまた私と同じルームメイトになってた。

 

(本当に色々とあったなぁ)

 

 あれからの展開は本当に早かった。

 黒子と食鉢のペアはすぐにホテルの中に入ったばかりの一方通行を襲撃、というか瞬殺。

 黒子のテレポートからの頭部への蹴り。

 被害者女性の救出。

 それに食鉢の能力、メンタルアウトが炸裂!

 

 食鉢の能力はチートとすら言える。

 能力は記憶の読心、人格の洗脳、念話、想いの消去、意志の増幅。

 思考の再現、感情の移植など精神に関する事ならなんでもできる十徳ナイフのような能力。

 

 後手に回らなければこれほど嫌な相手もそういないと思う。

 

 それからは芋づる式に残りの2人も確保。

 そこから食鉢のメンタルアウトが本領発揮した。

 残りの加害者男性の洗い出し。

 それに伴い被害女性の保護。

 

 あの洗脳とも呼べる音のデータは完全に抹消。

 それと私達被害者の映像や動画の徹底削除。

 ネットには出回って無かったのが不幸中の幸いだった。

 

 加害者人数は例の男3人と、黒子を犯した男41人。

 被害女性としては私、黒子、食鉢、それと5人の女性。

 

(これで済んで良かったというべきか)

 

 一方通行と名乗ってたあの男の本名は馬場。

 どこにも一方通行と似た部分も無かった。

 

 今回の計画も主に馬場が考えたというのが分かった。

 

 最初に私じゃないLV4の女性に音を聞かせ実験。

 それが上手くいくと、次の標的は黒子だったと。

 

 話を聞くと黒子が憎い理由としては馬場の悪友が黒子(ジャッジメント)の公務中に捕まったという事で、要は逆恨みが発端だった。

 

 黒子の事を調べるうちに私の名前が出てきて、それで犯行に及んだという事。

 余りにも短絡的だと思うが、食鉢のメンタルアウトの前では嘘なんて付けるはずもない。

 

 

 元々LV0という事にコンプレックスがあったという3人は、今後の計画すらも立てていたという事だった。

 

 それは食蜂操祈を奴隷にするという計画。

 

 あいつらの今後の目標は食蜂操祈の精神を削りきって言いなりにしたかったという事だった。

 ならその目的は?という事になる。

 あいつらが狙ったのは、食鉢のメンタルアウトだった。

 

(ホントにあいつらは欲望に忠実過ぎたと思う)

 

 常盤台中学にはいくつもの派閥がある。

 その中で食鉢派閥というのは最大派閥だ。

 メンバーは常盤台中学の全校生徒の41%が参加するという巨大な派閥。

 

『女王』と呼称される食鉢に心酔する多くのメンバー。

 やつらはそれを狙っていた。

 

(食蜂操祈を完全に支配下に置いて、メンタルアウトで食鉢の派閥の女子を自在に操作。自分達に強い恋愛感情を植え付け、好みの女性を集め酒池肉林の日々を過ごしたかったと)

 

 今となっては笑い話にもならないけど、もしもあの時……そう考えるとゾッとする。

(もしもあの時、上条がいなかったら)

 恐らく私の『今』は無かったと思う。

 これが全ての顛末。

 

 いやまだあるけど。

 

「お姉さま?参りますわよ」

「うん!行こう」

 

 今日は平日。

 登校の準備を終え、私達は学園寮を後に。

 

「よっ御坂」

「もう、大丈夫だって言ってんのに。でも、ありがとね」

「気にすんなって。俺が好きでやってんだから」

「全く、今日もいるんですの。お姉さまはワタクシがお守り致しますのに!」

 

 学園寮の外にいたのは上条当麻。

 

 あの日私は全ての事実を包み隠さず告げた。

 レイプされた事、暗示を掛けられ脅され身体の関係を持ってた事。

 そして私の本当の気持ち。

 

 長い話だったと思う。

 でも上条は……いや当麻は……あの時から私を支えてくれてる。

 今でもあの時の当麻の言葉の数々は、こんな私を救ってくれてる。

 

「常盤台中学まで2名様ご案内っと!」

「うん!」

「お姉さま。余りお近づきになりません様に!」

「はいはい」

 

 あれから当麻は毎日私と一緒に登下校してくれる様になった。

 通う学校は違う。

 私の『彼氏』は高校生だけど、毎日こんな私を大事にしてくれる。

 

「それにしても早かったな。戻ってくるの」

「何ですの?ワタクシが戻ってきたら何かご都合が悪いんですの?」

「もう!当麻も黒子も喧嘩しないの」

 

 私は当麻の横に並んで歩く。

 黒子は私の横に。

 これが今の私達の日常。

(まぁ食鉢にも助けられたのはあるか)そう思い私は言う。

 

「食鉢にも、今となったら一応感謝してあげてもいいかな」

「例の件は、女王には助けられたのは否めませんわね」

「あーあのLV5の……ああ、そうだな。それにしても」

「え?」

「?」

 

 当麻の目線を追うと私の首の下を見て、次に黒子に目線を送ってた。

 

「ねぇ当麻?今何考えてるの?」

 

 私は確信を持って聞いた。

 

「同感ですの。今どこを見てましたの?」

「いや違うって!あの子の胸が気になったとかそういうんじゃ、あ!」

「当麻……」

「いや違うんだって!落ち着いてくれよ!な?」

「あんたって男は!そんなにあいつの胸が気になるって言うの?」

 

 凄くイラッとした!

 だから私は電流を纏わせていく! 

 

「あんた一回身体に教え込まないと分かんないみたいね!」

「いや待て!誤解だって。それに、な?そんなの喰らったら死ぬって!」

「うっさい!私がどれだけ電撃放ってもあんた防ぐじゃないの!!」

「当たり前だろ!こちとらLV0だぞ?」

「知るか!反省しろおー!」

「こんなの不幸だー!」

 

 私は数発当麻に雷を放ったけど、ことごとく消されたのだった。

 

 

 

 

 

 

「じゃ、また授業終わったら連絡してくれ」

「ふん、分かったわよ!」

「参りましょう、お姉さま」

「じゃ」

「ああ」

 

 私達と当麻は常盤台中学の前で別れた。

 

「行こう」

「はいですの」

 

 そうして校内に入っていく私達。

 

「今日も、ですわね」

「うん、でも気にしないでいいんじゃない?」

 

 私達が感じてたのは視線。

 私達を見てくる視線の多くは食鉢派閥の女子達だった。

(全く。当麻と付き合ってから食鉢派の子達にいつも見られてる気がする)

 それはきっと気のせいじゃないと思う。

 

(まぁ食鉢が当麻の事好きな訳でもあるまいし、気にしても仕方ないか)

 無視無視、気にしても仕方ないし。

 

「うん、今日も暑くなりそうね!」

「そうですわね。もうすぐ夏休みにもなりますし」

「海に花火に夏祭りも行かないとね」

「ですの!あとはお姉さま」

「うん?」

「ふふ、フヒヒ!今日もお姉さまと黒子は!」

「ちょっと黒子。今変な事言わないの。帰ってからね!」

「失礼致しました」

 

 あぁ、あとはささやかな変化が一つ。

 それは黒子との関係。

 

 黒子が戻って来て、割とすぐに私は黒子と一線を超えた。

 きっかけは私の自慰行為。

 

 黒子が寝たと思って、ある日の深夜私は布団の中で自分を慰めてた。

 今でもたまに思い出すけど、レイプされたのを思い出して感じた私もいたんだ。

 

 声を抑えて一人でしてたんだけど、夢中で気付かなかった。

 黒子は……私の布団に戻り込んできて私の右手に自分の右手を添えたんだ。

 

「お姉さま」そう言われ心臓が飛び上がるくらいに驚いたのを覚えてる。

 いつも傍に居てくれて私を支えてくれてる黒子。

 

 黒子が私に好意を持ってるのは知ってた。

 私の為に陰ながら尽くしてくれてたのも知ってる。

 身代わりにすらなってくれた黒子……

 だからかな、私は言ってた。

 

「しよっか」って。

 

 キスをして、胸を触り合い、アソコを舐めあい、一緒の布団で寝る様になるまでは早かった。

 

 今私は黒子と一緒に寝て、上条当麻と付き合ってる。

 これが私の変化。

 

「いつもありがとうね」

「お姉さま?!どうなされたんですの?」

 

 キョトンとした顔の黒子。

 そんな黒子の手を握って私は言った。

 

「これからもよろしくね」と……

 

 変わらない過去と変えられる未来。

 私達は立ち止まっちゃいられないから。

 

 これからも迷い悩み躓きながらも、それでも前に。

 

 私は空を見上げる。

 そこにあったのは悩みすら吹き飛ばす様な綺麗な青空。

 私は、私達は過去を受け止め、前に進むしかない。

 

「行こう黒子!」

「ちょ!お姉さま!」

 

 普段はしない、公衆の面前での手繋ぎ。

 私は黒子と恋人繋ぎの手を握ったまま、登校していくのだった。




お読みくださりましてありがとうございました(o_ _)o))
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。