※この作品はR-18です。

エクスティア×FGO 異界魔導帝国ロギア・アース~堕ちた人理の希望~   作:王天君

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エクスティア×FGOシリーズ第10話。
燃える世界樹の根元で敵と対峙するモルガン。
現れた女怪人達に弄ばれる藤丸とマシュ。
今回で北海道も終幕。物語は終わりへ向けて加速していきます。


第10節 異聞平定

可愛い娘のバーヴァン・シー

━━札幌 世界樹麓━━

北海道の天へ続き、そこに住まう人々を守っていた世界樹。

空想樹の例に漏れず地球の植物系統に由来しない異質な雰囲気を持っていたが、この地を統治するロギア皇帝によって帝国の軍勢を阻む役割を果たしていることが知られることで人々には守りの樹として敬われていた。

しかしモルガンが駆け付けた時、すでに炎は世界樹全体へ広がって黄金の輝きは見るも無残に黒い炭へ変わってしまっていた。

そして根元。樹の守りを任されていた衛兵たちが縦横に切り裂かれた死体になって転がり、奥には一人の少女が佇む。炎を背にしているせいかその姿は黒く塗りつぶされたみたいで細部がはっきり分からない。しかし大切にしてきたワインレッドの髪は見間違えようがなかった。

 

「っ!」

「きれい……きレイだわ。ホら沢山燃えテる」

『うんうん、よくやれたねー。きっとお母さんも褒めてくれるって』

 

ヒソヒソと話し声が聞こえる。一人はやや掠れつつもよく聞いた声、そしてもう一人の作り物めいた軽薄な声にも覚えがある。

急いで駆け寄っていくと少女が振り向き、その肩乗った人形がニヤァと笑った。

 

「待て!」

「あ、おかアさま……お母様ァ♡」

『来たキタ☆空想樹を燃やす方法を知ってる人なんて限られるもんね』

 

想像通り、想像したくなかった通り振り返った少女は大切な娘、バーヴァン・シー。

そして肩に乗る人形はミニソラ。

だが、

 

「本当に、お前なのか……」

 

娘の姿は記憶にある形からかけ離れてしまっていた。オシャレを気にかけいつもドレスを着て着飾っていた美しい姿の面影は一切ない、黒くぴっちりした体のラインが浮き出るボディスーツ。均整の取れた体も突き出した胸や尻の形までくっきり見えている。違うといえば履いているのも以前ならまず履かないような金属質で硬そうなブーツ。

首から上以外、バーヴァン・シーの特徴を全て奪ったような服装。背後に燃える世界樹の炎に照らされて光沢を放つ姿は妙に艶めかしかった。

 

「きレいでしょ。こノ服、私、とってモ好キになったの。

ミニソラが、私をもっトお母様と仲良ク出来るようニしてくれタの」

 

うっとりと語るその顔も既に以前と違っている。

唯一露出した顔は青白く死人のように染まり、瞳が無くした服の色を補うかのように鈍い赤色。

衣装と同質なのか、首とスーツの境界はドロドロと泥のような何かで不気味なことこの上ない。

自らの体を抱くようにスリスリと肩や太もも、首を撫でると快感の声をあげた。

 

「ヒャイイイ……ああ、イい……♡体、どコ触ってモ気持ちいヒ……」

「止めろバーヴァン・シー!!」

 

余りにもだらしなく淫らな声で体を撫でる娘。たまらず制止しても彼女の手は止まらない。

ラバー物質を掬いとって頬や口にまで入れると泥が塗られたように固着。さらに彼女の身体を黒い物質が覆って上がる嬌声も大きなものに。

 

「んウぁ♡いい……いイのっ……この服、きもヒぃい……♡ヒゃぃいい」

(正気ではない。仕掛けは間違いなくあのラバー状の物資。素肌を覆い、その上から服を……? 

ミニソラの仕掛けた拘束具か何かなのか?)

『何か考えてる顔だね。残念だけどどうやっても正解は当てられないって先に言っとくよん』

「……答えろ、その子に一体何をした」

 

気持ちよく呻くだけの娘では埒が明かない。主より数段嫌味っぽい笑みで見ていたミニソラに問うと、ククッと喉を鳴らして笑った。

 

『何をって聞かれると難しいんだよねぇ。全身をたっぷり触手で愛撫したり、見ての通りで素敵な素材の服で気持ちよくしてあげたり……色々やって今はボクの言う通りに動く人形になっちゃった♪」

「ふざけるな!!」

『わぁ怖い♪ ボク殺されちゃうかも~♡

……ま、要点だけ話すなら彼女には実験台になってもらったんだ。ボクらの新開発洗脳用具の一つ、ロギア細胞の』

「ロギア細胞?」

『そ。前にもらったゾークだかミファーだかいう細胞を帝国仕様に改造したんだけど……これを塗られると体が全身性感帯になっちゃうんだ。それもちょっと気持ちいいとかじゃなくて触っただけでイケるえっぐいレベル♡

━━こんな風にね!』

「イ……ヒャイイイイイイ!!!」

 

無造作にバーヴァン・シーの胸元へ腕を突っ込むとそのまま乳房を掴んだ。それだけで最愛の娘は狂ったような喜びの声を上げ、細胞とやらに覆われた太ももと靴へ愛液をたらしながら痙攣。

舌を突き出し、白目を剥いての痙攣は誰が見ても分かる絶頂した証拠だった。

妖精國とは別の意味で変わり果てた娘の姿に感じる絶望。

今度こそ守れると思った希望を奪われた悲しみ。

どうにか無表情を保っても、内心は足元の地面が崩れて消えたような衝撃が襲っていた。

 

『そうやって気持ちいいの全開で頭をトばして壊れた所をボクが色々やって洗脳しちゃった。真っ白な頭に快楽と帝国への忠誠を書き込んで便利な兵隊の出来上がり!』

「この子を……よくもそんなことに……!」

『そんなことって酷いなぁ。結構大変なんだよ? 

ボクらのギムリアン(量産兵)はそろそろ型落ち気味だし。戦闘力もエクスティアに一人じゃ敵わない程度、何より可愛くない……そこで今回の新デザインってわけ。肌は全部ロギア細胞で作ったラバースーツが張り付いてる。どれだけ気持ちいいかは今説明した通りで最高の服だよ♡

ねぇバーちゃん?』

「は、ひゃイ……帝国ノ、細胞着ルの、とってもいいのぉ♡」

『クスクス! そうだね、それでいいよ。本当にバーちゃんはいい子だね。

この通り! あのじゃじゃ馬妖精騎士トリスタンも今じゃ従順な変態戦闘員ってわけ』

 

馴れ馴れしく娘の頭を撫でる姿にふつふつと後ろ向きでない感情が湧く。

打ちひしがれている場合か。

ここで下を向いていても何も変わらない。

 

(お母様!)

 

召喚されてから過ごしたわずかな日々。そこで見た彼女の笑顔を覚えている。

もし正気を取り戻しても自らの醜態をきっと受け入れられない。とても傷つくだろう。だとしても恥を重ねさせ続けるよりはいい。

 

(……カルデアへ連れて戻ればあるいは……そのために)

 

傷つけたくない。殺せはしない。

それでも

そしていい様に娘の尊厳を踏みにじって嗤うこの悪魔にツケを払わせなくては。

もう救えない最愛の娘への弔いと手向けだ。

 

「……無事で済むと思っていないだろうな」

 

絶望と悲しみが怒りに変わる。

モルガンの強さの一つは感情と理性を切り離せることと自覚していた。今もただミニソラの言うことを聞いていたわけではない。既に攻撃用の魔術を組み上げ、展開した6門の魔術砲塔がバーヴァン・シーとミニソラを取り囲む。

 

『へえぇ、動揺しないんだ。一度死んだときみたいにずっと固まるかな~って思ってたのに』

「っ……戯言は終わりか。今すぐ貴様を殺し、その子を取り戻す」

『アハハ! そんなに大事ならちゃんと見ときなよ。手遅れになってから後悔してどうすんの』

「黙れッ!!」

 

吠えながら砲門から魔術弾を斉射して炸裂。世界樹の火災に負けないほどの爆炎と煙が立ちこめる。

狙いは全て正確に娘の肩に乗ったミニソラ。戦闘力もないあれなら一発当たっただけで死ぬはず。しかし煙が晴れるとそこにはどちらの姿もなかった。

 

「うフ……きゃはは……コの服、やっパり素敵……お母様とも戦エる」

『さすがは最強の魔術師~♪ 帝国の為にもよく働いてくれそうじゃん』

「くっ!?」

 

声は背後から。杖を向けながら振り返ると相変わらず不気味に笑う娘とミニソラが変わらぬ様子で立っていた。

ラバースーツは特に破損無し。髪や顔にも全く影響を与えられていなかった。

 

(対魔術加工。カルデアに魔術を使うサーヴァントはいない……私対策ということか)

 

妖精國で自分の期待に応えようと四苦八苦していた娘を思い出す。避けたか受けたか分からないが、モルガンの魔術に耐えた今の姿を見たら果たして彼女はどう思うだろう。

 

『スーツの防御力を知ってもらえたところで始めようか。もう分かってるだろうけどボクの目的は君の捕縛。これで全員がナイオーロ様のしもべになるからね』

 

その言い回しに何か引っかかったが、問いかける前にミニソラが良いことを教えてあげると指を立てた。

 

『バーちゃんはこの通り全身をロギア細胞で覆われてるけど、実はまだ堕ち切ってないんだ。だから連れ帰って君が治療すればまだ戻るかもしれないよ』

「……そうやって今度は煙に巻くつもりか」

 

わざわざ不利な情報を明かす理由はない。どう考えても自分を焦らせるためのブラフだ。しかしそんな時でもニヤニヤと含みある笑いを消さない。

 

『ふふ! どうかな~。ねえバーちゃん、君はこの服脱ぎたいかな?』

「い、や……こノ気持ちいいの……ずっト……ずっと着てタい……」

『だって! どうするのかな、お・か・あ・さ・ま?』

「どこまで侮辱すれば……!」

 

本気で抵抗する娘から細胞をはぎ取る苦行。自分の楽しみの為だけにこの趣向を用意したのなら本当に性格が悪い。

握った杖が思わず曲がりそうなほどの怒りが全身に満ちるようだった。

 

『にゃは! 困ったねぇ。早く炎を止めないと空想樹も燃えちゃう。でもそのためには大切な娘と戦わないといけない!! 頑張って細胞を引き剥がせばこの娘だけは助かるかも!? 

親子の絆を引き裂く愛の試練! なかなか面白いでしょ! 早く助けてあげなきゃね!!』

「嬉しイ……やっと……やっトお母様、ずっト一緒……!! 細胞デ染めてアげるの!!」

 

弓を出現させ、ラバースーツ姿のバーヴァン・シーが突っ込んでくる。

構えた杖で彼女の糸を弾いたのが開戦の合図だった。

 

◇

 

戦い始めてしばらく。

戦況は徐々にバーヴァン・シー優勢へと移りつつあった。

 

「オ母様! お母様! お母様ァアアア!!」

『さすがの冬の女王サマも愛娘は攻撃できない? 

アハハ! アズ姉ちゃんに仕込んでもらった甲斐があったよ!』

「っ!」

 

繰り出される一撃が重い。蹴りも魔術も威力が妖精國の彼女以上。

障壁を作り出して弾けているが、余裕があるのはバーヴァン・シーも同じ。骨に響くような重さを感じるこちらより、けらけら笑う彼女の方がどうみても優位。

 

「モルゴース!」

 

杖を一振り。大地に染み渡った魔力が隆起。波濤となって渦巻くと一斉に娘へ襲い掛かる。妖精國随一を誇る自分の魔術、防げる奴などそうそういない。

━━以前ならだが。

 

「キャハハハハ!!」

 

こちらの魔術が組みあがるより早くバーヴァン・シーが弓を弾くと彼女の周囲を糸が取り囲んで結界を展開。波が結界ごと呑み込んだかと思うと内側から弾け、中からはまったく無傷の姿が現れる。張られた守りがこちらの魔術を受けてもビクともしないほどの強度だと示していた。

先ほどからずっとこうだ。

 

(私の魔術一つ一つに的確な対策を……)

 

溜めが必要な魔術には遠隔射撃で妨害され、威力の低い魔術は守るか避けられるかして終わり。しっかりと対策が考えられている。

肩に乗ったミニソラが逐次指示を出しているようだが、モルガンの魔術そのものを教えたのは紛れもなくバーヴァン・シーだろう。いつもそばで期待に応えようと戦いを見てきた彼女だ。杖の降り方や詠唱の語り出し間で覚えていても不思議ではない。

こんな形で娘の成長など感じたくはなかった。

 

(手心を抜きにしても、くっ! やりにくい)

 

防御だけでなく攻撃のセンスも以前より上がっている。

弓から放たれる斬撃魔術。指先の射撃魔術。そして本体に意識を向けすぎると、張り巡らされた糸が死角から迫るトラップ技術。

どれもこれもがこちらの動きの癖を熟知しているからこその脅威。加えて確証はないものの、ミニソラが指示しているなら攻撃を受けることもかなり危険なはず。毒の一つは仕込んでいてもおかしくない。

 

『にゃはっ!! 本気出しなよモルガン! 分かってるでしょ。いくら強化したところでバーヴァン・シー(こんな落ちこぼれ)、君ならいつでも殺せるってさ!!』

「羽虫がっ!!」

「お母様!! もっと、モット!! 私、お母様と戦えテるの! ヤっと女王の娘として……!! 

嬉シい! すごく嬉しイの!!」

 

無邪気に笑うその声が痛々しい。

自分と並びたてるようにいつも努力していた過去を知っているから。彼女の叫ぶ狂喜も偽りのない本心が混ざっていると分かるから。

 

『健気だねぇ! 一人で細胞の誘惑に耐えなきゃって頑張って! 結局無意味! 今じゃ最愛のお母様を傷つけるために戦わされてる! ぜーんぶ君のせいさモルガン!』

(これも罰か。娘一人笑える國を作りたいと……そのために犠牲にした命の報いを受けろと……!)

 

ミニソラの罵声が心に突き刺さる。身に覚えのないことではないだけに一層。

最後の代だったバーヴァン・シーを救い、女王の後継者として育てたのも自分。

誰にも傷つけられないように悪逆になるよう育てたのも自分。

期待に応えて優しい本性を取り戻してしまわよう、いつまでも冷たく接し続けたのも自分。

そうやって遠ざけた結果、彼女はミニソラの策略に一人で立ち向かい、敵の手に落ちてしまったのかもしれない。自分に幻滅されないようにと相談せずに。

 

(バーヴァン・シー……どうして。どうしてそうなのだ。助けを求めてくれれば━━)

『細胞侵蝕は関門海峡の時から始まってたんだよ? 

そこから今までの2週間、お母様にだけは嫌われたくないからってずっと必死に勝ち目もないのに耐えてさ。結局最後は細胞に侵蝕されて体をほとんど乗っ取られちゃった。

可哀想に思うなら降参してこの子と一緒に堕ちちゃいなよ』

 

関門海峡。

四天王と怪人に押さえつけられていた彼女を救ったあの時だ。あれからずっと耐えていたのか。苦しみを訴えもせずにずっと。

どれほど心細い思いをさせてしまったか。彼女の心中を思うと辛い気持ちでいっぱいにさせられる。

飛びあがったバーヴァン・シーが回転しながら繰り出した踵堕としを杖で受け止める。身体強化を施された足の一撃は牙の氏族にも匹敵する力。思わず折れそうになる膝を必死に耐えた。

 

「ッ! ……だからこそだ」

『うん?』

「だからこそ、私が助ける。この娘の……バーヴァン・シーの母親として!!」

「きゃッ!?」

 

杖を跳ね上げて体を押し返し、拘束魔術で娘の四肢を縛り上げる。

強化された彼女には時間稼ぎにしかならないがこれでいい。

状況を打開するために頭を回す時間さえ手に入れば。

 

(何ができる。もっと強力な術……宝具を使うしか……)

 

宝具【はや辿り着けぬ理想郷(ロードレス・キャメロット)】を使えば娘も倒せるだろう。しかしアレは威力の細かい指定ができない。地形ごと吹き飛ばすような大技だ。手際よく彼女を行動不能にしつつも生き残らせる……そんな加減は出来そうにない。

だとすると行動不能に追いやる手はもう一つ。

 

「アコーロン!!」

「う……フ……吸わレてる……お母様ニ私ガ……これモ、いひィ♡」

 

掲げた杖の先に迸る青い光。誘蛾灯に集まる蛾のようにバーヴァン・シーの体からいくつもの球になって吸い出した魔力がモルガンの下へ。

 

(傷つけられなくてもこれなら……グッ!?)

【……ヲ……帝国……忠誠……】

(わざわざ近づこうとするとはな。クク、焦らなくても娘と一緒にオレのものにしてやるよ)

 

杖を通して体に魔力が通った瞬間から頭に響く妙な声。さらにねっとりじっとり下腹を疼かせるもどかしいような気持ちよさが広がる。

頭にはピンク色の霞がかかったように思考が散発的になり、魔術を編み上げることさえ困難に。

遂には片膝をつき、術が解けたバーヴァン・シーとミニソラが再び挑発的に笑う。

 

「アのお母様ガ私に膝を……そうダわ……ずっと見たカった……!! 憧れで大切なお母様を私が追い詰めて細胞でドロドロに……!」

『魔力切れに追い込む作戦だったの? 

目の付け所は悪くないけど止めといた方がいいよ~。この娘の中に入ってる魔力はロギア細胞とナイオーロ様の因子で侵蝕してるからね。君だってここまで異聞帯の中で過ごした分、ナイオーロ様の因子を取り込んでるんだし、そりゃ動けなくなるって』

「この……程度……!」

(何千年と耐えたあの頃の苦しみを思えば、大したことは……んぁ!?)

 

杖が魔力を吸うのは継続、というかバーヴァン・シーから進んで魔力が注がれている。おかげでこちらの体の中に汚染されてしまった彼女の魔力がスポンジに落とした水のように広がってきた。

対魔力で防ごうとしたが逆にその魔力さえ侵蝕して絡めとってくる。本質的にモルガンの知る魔術とは系統が違う。違いすぎる。

手足が痺れ、杖を握る力も失われて遂には手を彼女に握られる。触れた掌から性器に触った時みたいな快感が生まれて思わず体が固まる。

 

「お母様ァ……私……ヤっと……」

「バーヴァン……んぶっ!?」

 

逃げられないまま唇が重ねられる。彼女の舌から流れてくる唾液より明らかに重い粘液の感触が口に。防ごうと舌や歯で拒んでも、粘液が触れた部分から性感が生まれて力が入らなくなっていく。

 

「れろぉ、んちゅぅ、べろろぉ♡お母様、ロギアの細胞飲ンで♡体の中カラ気持ちよくナレルわ。こウやって指をスリスリするだケでも♡」

「ふっ! うっ! うっく! ……なっ、ふにぃいいいい!!!」

 

かみ殺した喘ぎ声の代わりに息が口から洩れる。声を発しようとすれば口に溜まった粘液が喉に落ちる為に仕方なかった。

ボタボタ音を立ててバーヴァン・シーのラバースーツから粘液が体に垂れてくる。こちらの衣服に落ちると黒い染みに変わって、やがて体内にも口や掌と同じ快感が繋がりだす。

 

『細胞は触れた所をどこでも性感帯にするから耐えても意味ないよ。歯は細胞を噛むのが気持ちよくなるし、舌は細胞を至高の味に感じるよう変化する。そのうち内臓だって。堕落と快楽に特化したボクらの技術、舐めてもらっちゃ困るね』

(まずい……!)

 

繋がれた掌からもラバーの粘液が擦り込まれて気持ちいい。口も拒み続けて行き場を失った細胞が頬や舌を侵蝕して、粘液を舐めるだけで少しずつ快感を覚えるようになってきている。

女王として君臨してから、それ以前に生まれてから一度として感じたことの無い心を堕落に誘う快楽の誘惑は思わず肝が冷えるような恐怖を感じるほどだった。

このままでは自分もバーヴァン・シーのようになってしまう。そう危惧した時に新たな声がやってきた。

 

「やっと追いついたと思えば何がどうなっとるんだね!?」

「分かんないよ! とにかくモルガンを助けないと!」

 

像を結ぶのがやっとの視界で目を向けると追ってきたらしいシャドウ・ボーダー。そして中から降りてくるレオナルド・ダ・ヴィンチとゴルドルフ・ムジークの2人。

彼らを見て、押し潰されかけていた抵抗心が戻ってくる。

 

「っ!!」

「ア?」

 

また娘を跳ねのけて杖を握りながら立ち上がる。口に溜まっていた粘液を吐き出しても美味しく感じてしまう残滓は取れてくれなかった。

服も黒い染みがあちこちに。一方で細胞が集中的に垂らされたおかげで、粘液以外で濡れた股間の染みに気づかれなさそうなのは不幸中の幸いか。

 

「ダ・ヴィンチ……なぜ……」

「なぜって1人で行かせるわけないでしょ!」

 

自らの武器を構えて当然のように横へ立ってくれるダ・ヴィンチ。あくまで自分の問題だからと言っておいたのに。

 

「ミニソラ、そしてあっちは妖精騎士トリスタン……なの?」

「……帝国の技術で操られているようです。詳しい仕組みまでは分かりませんが触れられただけで感染する危険がある。接近戦は避けた方がいい」

「みょうちきりんな技術を次々出しおって! 力の使い道が間違っとるだろう!?」

 

数歩下がったバーヴァン・シーは踊るように体をくねらせながら弓をまた構える。ミニソラも笑みを深くして新たな敵の出現を出迎えた。

 

『やっぱり来たね。ロリンチちゃん』

「すんごい不名誉な呼ばれ方をされた気がする。それでミニソラ、後ろの世界樹を燃やしたのは帝国の侵入を助ける為?」

『ピンポーン。あの光の壁がウザくてさぁ。ボクの本体は入れるけど他は入れないから攻めるのも楽じゃないし、ボク一人じゃどうにも壊せないし……空想樹の燃やし方なんてピンポイントな情報を知ってるサーヴァントが召喚されたのは幸運だったよ』

「待ちたまい。じゃあ何だね、私達が北海道へ辿り着いたのも君らの狙い通りだと?」

『当ったり前じゃん。これまでの綱渡り的な幸運は自分たちの努力と運命だなんて思ってた? 残念でしたー、単純に見逃されてただけでーす。

ま、面倒だった日々も今日で終わり。君たちカルデアは我ら帝国へ屈し、日本異聞帯こそが正当な人類史として地球上に浮上する』

「……させないよ。トリスタンも汎人類史も君たちには渡さない」

『あはは! 威勢がいいねぇ。でもさ、一ついいこと教えてあげる。

━━ボクの戦力がバーちゃん1人だなんて言ってないよね』

「何だって━━」

「ダ・ヴィンチ後ろへ!!」

 

ミニソラが上を仰ぐ視線から嫌なものを感じた。小柄な同僚を後ろに引っ張って杖を地面に突き立てる。

連鎖結界展開。ワンアクションで周囲に6枚の魔術障壁を構成。速度優先で一枚ごと強度が落ちるが贅沢は言ってられない。

直後、予想が間違っていなかった裏付けがやってきた。

 

『『『仮想連帯宝具展開【誰も知らぬ、無垢なる鼓動(偽)(ホロウハート・アルビオン)】』』』

「っ!!」

「うわぁっ!?」

 

結界形成と前後して空からいくつもの光の槍が周りに降り注ぐ。モルガンとカルデアを囲う形で静かに降ってきたそれら。アスファルトや石畳の床へ切っ先を音もなく刺さる姿が異様なまでの切れ味を物語る。

続けて刺さった刃が大爆発。込められた魔力の爆圧や炎、破片や瓦礫、更に仕込まれた魔力刃が次々結界へ殺到。

 

「う、ぐぁ……!」

 

やはり強度が足りなかった。結界を喰い破った刃が杖を握る腕、沸き上がりそうになる情欲へ耐える足を次々切り裂く。

剥き出しの刃が胸や胴にも深々と突き刺さり、逆流してきた血が口から溢れた。

久しぶりの肉を割かれる痛み。いつかの死を迎えた時のと同じだ。また自分以外の為に傷を負っている。

髪をまとめていたリボンも千切れて本当に死の前を思い出す。

しかも嫌なことに気が付いてしまう。

 

(この宝具……まさか)

 

刺さった槍の形状や魔力。そこにわずかな記憶と繋がるものを感じて降ってきた天空を仰ぐと、灰色をした人影が次々にバーヴァン・シーの前へと降り立った。

その顔に外れてほしかった予想が覆らない。

 

「メリュジーヌ……なのか?」

 

その人影はよく知る騎士達。

肌が金属っぽい銀色になり、鎧が紫色主体に変質している以外は妖精國で騎士として振舞っていたメリュジーヌ。

表情からは彩が失われ、極めて機械的な声がその口からは飛びだす。

 

『目標捕捉』

『モルガン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、洗脳対象捕獲スル』

「妖精騎士ランスロットが何人も!? 何かの宝具、幻とか……でもこの魔力の気配は……」

 

まるでメリュジーヌを何体も機械の枠にハメて量産したような姿だ。どいつもこいつも喋り方は機械的なくせに声は本物そっくりで、意地悪そうに口元を歪める醜悪さまで見せる。

 

(異聞帯でカルデアが敵対した存在の紛い物を出してきていたが……まさかサーヴァントまで)

 

多多益善号や巨人種、モースと前例はある。しかしよりにもよってメリュジーヌ。ブリテン最強と呼ばれた彼女をコピーした上、自分に戦わせようとする性格の悪さが際立つ。

同じ答えに行きついたらしいダ・ヴィンチも傷を負った体に苦々しい表情で非難を飛ばす。

 

「こっちの仲間と同じ姿の敵を出すなんて……しかも量産したのか。ずいぶん嫌なことしてくるね」

『いーやー? 

仕える駒だから出したってだけで君たちの元仲間かは関係ない。そんなことより早く止めないと全部手遅れになっちゃうよ?』

 

燃えていく世界樹を指差しながら煽るミニソラ。

どうする。どうすればいい。

至近距離で食らった宝具のダメージがひどい。片腕には力が入らず、足も立ち上がるのがやっと。魔力だけはあるが細かい制御も危うい。こめかみから流れた血のせいで片眼も塞がれて戦闘力は確実に低下している。

それに偽メリュジーヌがここにいるだけとも限らない。連中の腹部には全員が薄ぼんやりと光る数字を宿しており『080』『081』『082』と十体以上並びで数字が続く。もし型番なら最低でも後79体同じような姿の存在がいる。

しかも壁の消失後に現れた彼女らはおそらく外からの敵。世界樹だけに戦力が集中しているとも思えない。

 

(……そもそもバーヴァン・シーを使ったのは私をおびき寄せるのが目的だとすれば……うぐっ、ストーム・ボーダーも危うい。せめてダ・ヴィンチを艦へ戻さないと……マスターが危険だ)

『味見シタイ』

『白クテ綺麗ナ体、イイ』

『マンコ冷タイ?』

 

本物とは似ても似つかない下品な言葉。存在そのものがメリュジーヌへの侮辱だ。

大きな音を立て世界樹がパチパチ爆ぜ始める。もはや修復も消火も困難。

 

(こうなれば……)

「ダ・ヴィンチ……宝具を使い、ます。世界樹ごと……その隙……艦へ」

 

杖で体を支えて顔を隠しつつ後ろへ耳打ち。脇腹がひどく痛み、喉に戻る血が言葉を発することさえ上手くできない。

 

「何言ってるのモルガン! 今の体で宝具なんて……」

「……」

 

ダ・ヴィンチの言葉は正しかった。魔力はあっても重傷の体で宝具使用は危険が大きいだろう。反動でこちらが動けなくなる恐れもある。

なにより治療に回す魔力も残らなくなれば待つのは消滅だけ。

だとしてもここでやるべきことを見誤りはしない。

 

「問答を……している……時間……ありません。早く……!」

(バーヴァン・シー……救えないなら……せめて)

 

そして。

 

「【はや辿り着けぬ理想郷(ロードレス・キャメロット)】……!!」

 

杖とモルガンの体を媒介に発動する大魔術。

空から降り注ぐ11本の聖槍のレプリカ。

いまや夕焼けの色に染まる世界樹、取り囲んだメリュジーヌの偽物たち、そして愛しい娘のバーヴァン・シー。3者を巻き込む形で発動されるモルガンの宝具が、レプリカの宝具よりもはるかに大きい群青色の大爆発を引き起こして空を染めた。

 

◇

 

遠ざかる土煙と排気音。

シャドウ・ボーダーが遠くなっていくのをミニソラは見つめる。

 

『あーあ、逃げられちゃった。ま、何しても意味ないけどねん。ねえバーちゃん』

「そうネ……うふ、フフ……」

(……うーん。ムード作りには最適だけど話しにくいんだよねこの洗脳状態。早く連れてって再臨させないと)

 

まだ細胞が完全定着前なので剥がせば思考力は戻るがギャアギャアうるさいので戻していない。

ノリノリで攻めているように見えて案外裏事情というのはあるものである。

 

(まぁ目の前の状況を見せて絶望させるのも愉しいけど……それはまた今度かな)

「ぐ、う……」

 

ミニソラは無傷、バーヴァン・シーも同様。

モルガンの宝具は凄まじい破壊力を誇った……はずだった。

実際クローンズは30体以上いたのが撃滅され、クレーター型に大きな穴が開いて爆撃でも受けたようなひどい状態。そこで生き残れたのは奇跡でもなければ偶然でもない。

その答えが目の前で弱ったモルガンを踏みつける。

 

「ミニソラ様へ抵抗なんていけませんわモルガン。私達は等しく皆様の配下で奴隷となるのが運命」

「君には抗う権利以前に死を選ぶ自由もない。身の程を弁えなよ」

「が、はっ……おまえ、たち……!」

 

バーゲスト・オルタとメリュジーヌ・オルタ。呼び寄せた彼女らにモルガンの宝具を相殺・吸収、無効化したのである。

黒い猟犬と赤き竜がかつての主を踏みつけ、虐げている。見上げるモルガンの瞳に映る絶望の視線と見下ろす2騎の堕ちた視線のコントラストがたまらない。

 

『あぁいいなぁこの光景。元主を貶める堕ちた従者ってとっても魅力的、すっごい感じちゃう……♡

もっと2人ともモルガンを傷つけてあげて! 完璧人間の壊れる顔、見てみたいなぁ♡』

「うふふ、心得ましたわ。モルガン(元主)のこの胸、眷属となってからしゃぶってみたかったんですの♡」

「じゃあ僕はアナルだ。モルガン(弱虫)、ケツ穴ハメ尽くして壊してあげる」

「ぐ、ぁぎっ!!」

 

本体に劣らない恍惚の笑みで嗜好を楽しもうとしたところで脳にノイズ。

 

(っ……本体に異常? 

不味いな、ボクも顕現が保てなくなる……いいとこだったのに)

『……ゴメン、やっぱり中止』

「そんなぁ。まだ一口も食べてませんのに」

「僕だって弱虫ケツまんこでアナルセックスしたかったのに」

『ボクだって見たかったの! 

とにかく君たちはこの2人を城へ運ぶ手配! その後は北海道全域の制圧ね。人間は好きにしていいからヨロシク!』

 

不承不承と言った感じだが眷属奴隷は四天王に逆らえない。

大きなため息を吐きながら、それぞれ怪物となった体で他所へと向かい始める。

 

「命令では聞く他ありませんわ。人間共のつまみ食いで我慢いたします」

「モルガンの魔力全部食べたくせに。

……僕も適当に人間を捕まえて遊ぶかな」

 

その姿に誉れ高い騎士だったころの面影はまるでない。

本体の仕事ぶりに満足しながら、ミニソラもバーヴァン・シーから離れて本体の元へと引き戻された。

 

◇

 

3怪人の力

━━小樽市街━━

 

小樽の街に爆発音と閃光が響く。

運河を埋める太さの大蛇が避難民ごと街を押し潰し、建物も大地も引き裂き爆ぜる黒い雷が誰彼構わず焼き焦がし、ミサイルと光線と可視化した斬撃が人も物もまとめて吹き飛ばす。

カルデアとエクスティア対堕ちた未来の創真達の戦い。

共に本人であって別人の戦いは熾烈を極めた。

 

「くっ……そ」

 

藤丸は体を襲ったダメージに耐え兼ねて片膝をつく。隣では懸命に戦っていたマシュも盾に寄りかかるようにして息を整えている。お互いに制服や装備のあちこちがすり切れ、体が真っ二つにされそうな攻撃も何度か受けた。生きているのが不思議なくらいの惨状。

対して目の前にいる勝者たちはいずれも余裕の表情だった。

 

「つまらんのう。サーヴァント? とやらになってずいぶん弱くなっておるではないか。

妾のリース(妹)はもっと美しく強いというのに」

 

ずるりと巨大な白蛇に変異させた腕を元に戻しつつ嘲笑うソアラ。先端だけを隠した豊かな胸をたゆんと揺らして笑う姿は昔話に出てくる怪異みたいだ。

彼女の視線の先では両脚を潰されたシュヴァリエが虫の息。分裂して襲い掛かった蛇の群れを捌きそこない、足を縛られて何度も地面に叩きつけられたためだ。仕上げとばかりに締め潰されたせいでもう動くこともできないだろう。

どうにか助けられないかと思うのも空しく、彼女の身体が粒子状に消滅していった。

敗れたのはシュヴァリエだけじゃない。

 

「キヒャハハ! つっまんねえなぁオイ!! 

そんなんでアザリン? 

オレの女はテメエみたいな雑魚でも腰抜けじゃねェぞ!!!」

 

笑ったかと思えば表情を一変させて怒りを見せるリベレイター・ソーマ。

全身に帯電した黒い雷はエクスティア・マギカの体を焼いた所。複数の黒雷球を周囲に浮かべた奴にはマギカの光弾が次々に弾かれ、逆にその攻撃が抵抗の目を折るみたいに一つずつビットを落として追い詰めた。そして指鉄砲の要領で撃たれた雷撃を受け、止めを刺されたマギカは小樽運河へ仰向けに浮かんだあとで消滅していった。

 

「惰弱・貧弱・脆弱・虚弱……!! 天久保百合、エクスティア・フローラ。完璧で誇り高いあの方の汚点……存在自体許せない」

 

フローラを引きずって飛び回っていたイプシロンもまた相手が消滅したのを確認しておりてくる。

両腕の手甲、腰に下げた2本の剣、全身の装甲に内蔵されたレーザー砲やミサイルポッドの数々から煙を上げつつも息は僅かも乱れていない。

そう、ソラエルを含めて4人の敵を相手に藤丸達は敗北した。

それも圧倒的な力の差を見せつけられて。

 

「さて呼び出した小娘はまだ手こずっておるようじゃが……」

 

ソラエルだけはまだ憎悪の言葉を吐き散らしながらエクスティアを追い、運河から生まれた泥人形を巻き込んで町中で爆発を起こして戦っている。

分かっていた所で助けに行くことも、逆に助けてもらうことも出来そうにないが。

 

「オレらの中で一番弱えからな」

「収獲。それよりもこの2人が大事」

 

3人の視線が一斉に自分とマシュへ突き刺さる。絶対的な強者が上から見下ろしてくるあの感覚。関門海峡でルクスリアが向けてきたのと同じ邪悪さしかない視線。

横のマシュを見ると既に肩で息をするほど疲労し、鎧も何カ所か砕かれている。片足から力が抜けて膝をつき、自分が信じられないという気持ちと強い不満を混ぜた表情で詫びる。

 

「……すいません先輩。私……まだやれるのに……!」

 

元々原因不明の体調不良で苦しめられていた。多少調子が戻っただけで四天王級の敵と戦うのは無茶だったのだ。

エクスティアはソラエルと交戦中。ダ・ヴィンチたちは戻らない。近くのストーム・ボーダーにいるはずのキャプテンやバーヴァン・シーとは連絡がつかない。

万事休すだ。

今すぐに何かできるような手といえば令呪くらい。しかしここまで傷ついた彼女にこれ以上戦わせるなんてできるはずもない。倫理的にもだが、勝ち目のない戦いをただやらせるのはバカだ。

 

(俺の判断ミスだ。エクスティアさん達となら勝てると思ったのに……! 

せめてマシュは……俺が守らないと……)

「ふむ?」

「あァ? 何のつもりだよ」

「不理解。非合理的な判断だと推測する」

 

戦闘の余波で切り裂かれ、感覚のない右足を引きずりながらマシュの前へ。

ほとんど動けない彼女と違って時間稼ぎくらいならまだ可能だ。

キツイが魔力回路をフルに循環。シャドウサーヴァントの俵藤太、ディルムッド・オディナ、レオニダスを召喚。元からよろしくない体調に無理をしたせいで手足を引き抜かれるような痛みが襲う。

それでもせめてマシュは守らないと笑顔を作って強がった。

 

「マシュ、ストーム・ボーダーまで下がって。隔壁を閉じれば時間稼ぎはできる。ダ・ヴィンチちゃんもすぐ戻ってくるはず」

「先輩、でもそれでは……!」

「いっつも守られてばかりだから……俺だって、ね」

 

徐々に女へ蝕まれ、先輩として見てもらえなくなる可能性に怯えていたのかもしれない。

1人だけ逃げろなんて言っても彼女が聞かないのは分かっていたはずなのに。

気づけば一瞬でシャドウサーヴァントを蹴散らした3騎が目の前にいた。

 

「いかな英霊の御仁といえど影ではのう」

「つっまんねえ小細工やめろやガキ。手間かかるだけだろが。

それとも何か、お仲間が死ぬのを見るのが好きな変態かァ? 

キヒャハハ!!」

「無為。貴方は抹殺対象に入っていないのだから落ち着くべき。リソースの無駄遣いは目に余る」

「っあ!」

「先輩……きゃっ!」

 

ソアラの腕から伸びた大人の腰くらいの太さがある蛇に俺もマシュも捕まった。

ただの蛇のはずなのに鋼鉄のように固くて外れない。マシュの力でもまるで動かないのが異常だった。

 

「召喚者殿(小娘)よ、助けは必要かえ?」

「助勢。手を貸す必要は?」

「いらない! ボクの敵はボクが殺す! 邪魔しないで!!」

「……だ、そうじゃの。いらんと言われて助ける必要もあるまい」

「んじゃァ戦利品の分配といくか。どっちがいい?」

「美麗。盾の少女一択」

「オレもそっちだな。姉御は?」

「無論、カルデアのマスター殿じゃ♡

妾が独り占めさせて頂こう」

「良答。綺麗に割れた」

 

勝手に分配を決め、自分を気に入ったらしいソアラが髪から蛇を生やして体を持ち上げるとどこかへ運ばれる。

逆にマシュは残り2人に群がられ、強制的に引き離される。

 

「っマシュ!」

「先輩!」

「心配せずともよいのじゃ」

「また会わせてやるからよ」

「嘲笑。お互いを認識できるか分からないと覚悟するべき」

 

離れたほんの数十mくらいの距離をあまりに遠く感じながら、伸ばした手だけが空を切る。

恐ろしい気配を宿した3人の女の笑い声が耳に木霊した。

 

◇

 

蛇女の両性攻め調教

ソアラを名乗った蛇女に掴まった俺はマシュの姿と声がわずかに見えるかってくらいに離され、そこで。

彼女が指を鳴らすと周囲に蛇が這いまわって円形に陣を形成。周りと接続が立たれ、薄紫色の霧で満たされた結界空間へと置き換わる。かつて英霊剣豪と戦った屍山血河の死合舞台、キャスター・リンボこと蘆屋道満の用いた手法を思わせる邪悪な気配で満ちていた。

下に蛇が何匹も敷かれて簡易的なベッドみたいになるとそこへ仰向けに放り出された。

 

「さぁさぁ愉しもうな。可愛らしい童(わらし)殿♡」

 

見下ろす色白の表情に紅が差す。

戦っている最中は観察する余裕のなかった顔をはっきり見る機会。とにかく敵の情報を得ようと必死になって目を走らせる。

頭部には金で出来た太陽を連想する髪飾り。瞳はまさに蛇のような縦長の瞳孔をした金の瞳。シュルシュル音を鳴らして出入りする二股の舌。新雪が積もった冬の大地のように白い肌。唇だけは鮮やかな赤色をしつつ、どこか暗い黒色を帯びている。

落ち着いた雰囲気の語りとこちらから一切目を離さない鋭い眼光は捕食者の気配を併せ持っていて……

 

(話し方は違うけど……伊吹に似てる? 服装は怖い方のコヤンスカヤに似てるか。

彼女も蛇だし、こいつも蛇神系のサーヴァントかも)

 

ソアラの名前には全く覚えがない。しかしじっと見ていると顔もサーヴァントの伊吹童子とどことなく似ている気がした。もちろんお姉さんっぽい彼女とはだいぶ雰囲気が違うが。神威を解放した状態の彼女とは近いかも。

とにかく良い悪いは抜きにして、得体の知れないバケモノより似ている相手を重ねた方が少しでも落ち着ける気がした。

引き離してまで何をするか分からないが、ここはダ・ヴィンチたちが来るのを信じて待つ方が得策。例え一欠片の希望でも必ず捕まえて生き残らないと。

そうやって気を抜かずに見ていると耳まで引き裂くような笑いで応えてきた。

 

「心配せずともとって食ったりはせぬ。小娘のお気に入りのようじゃしな。

……じゃがつまみ食いくらいの役得はあってもよかろうて」

「え、ちょ!?」

 

すっと胸だけで留めていた着物の紐をほどくと隠れていた胸が露に。元から体は着物で乳首しか隠していなかったのに脱いだのを見た途端にまた強い衝撃が襲う。

真っ白い肌の胸に2つだけ浮かんだピンク色。冬から春に移って芽吹く桜みたいで、乳首がエロさと美しさを両立させていた。

残った白のロング手袋とストッキングに黒の紐ショーツという格好もまた、ただ裸になるよりも扇情的に見える。

ソアラはその伊吹みたいに大きな胸も体も一切隠さずに見せつけるように見返してきた。

 

「くふふ。もう妾の艶姿に見惚れておるのか。女性器(ほと)も見ぬうちから気の早い」

 

気分良さそうにして白い頬が少し赤く染まり、口から垂れた舌がこちらの服へ伸びて器用にボタンを外していく。

マシュとのセックス後に雑に着た制服の上が脱がされ、飛び出た胸に奴の白い指がするりと巻き付く。変化したわけでもないのに動きの一つ一つが蛇みたいで無駄がない。

人の指と少し違う鱗のざらつきと人らしい厚みの混ざった指。しなやかで滑らかな動きはまるで骨が無いようで変幻自在に藤丸の胸へ絡まり、刺激していく。

 

「ふっ……あぅ……」

「よい反応じゃのう。まだ揉んだだけなのに甘く鳴きおって。こちらも期待しておるではないか。

さては早く負けて弄ばれたいと思っておったか?」

「そんなわけ……」

 

一瞬、本当に一瞬答えに詰まる。

繰り返されたいくつもの凌辱と調教の記憶がフラッシュバックし、また気持ちいいのを味わえると思うとなぜか体が熱くなるのを止められない。

 

「うあっ!?」

「隙ありじゃ♡」

 

もぞもぞする股間への感触。見れば膨れ上がった股間を覆うズボンへも舌が伸びていた。すぐに剥がさず、ズボンの生地越しにゆっくり上下へ二股の舌が挟んで扱きあげてくる。直接触れないもどかしさと下着の生地が擦る感触が今までにない快感。加えて舌の動きも絶妙で竿を上下に舐める役と鈴口をズボンの上からクリクリくすぐる役に分担。

ペニスの扱いに長けたその腕前にあっさりズボンへ独特の匂いがする染みが生まれる。

 

(これ……すごっ! 手や尻尾とも違う! なんで俺の体、こんなに弱いんだよっ!)

「愛い顔と胸をしてちんぽ(ここ)は男(おのこ)らしいの。

くふふ、ええのう♡受け入れられぬ快楽と苦渋の狭間に揺れるお主の顔……実に妾好みじゃ♡」

 

跨る姿勢で腰を浮かせ、ソアラが紐ショーツをゆっくり解く。黒い布に金色の装飾が施された高級そうな下着が糸を引きつつ脱げていった。

そうして脱いだ下着を拡げ、付いた水糸の跡をこちらに見せつけてくる。

 

「見よ妾の昂りの証を。まだちんぽを見ておらんのに滾っておるのじゃ。童のせいじゃぞ」

「俺って……?」

「妾達が呼ばれる前にちんぽを使ったじゃろう。残り香がぷんぷんしておる♡

じゅる……くふ。オス臭くてメスを100人でも発情させそうなかぐわしい香り……主を持つ妾さえ魅了するなど不敬なちんぽめ♡責任、とってもらわんとの」

 

マシュとのセックスの事を言っているんだろう。興奮も本当らしくて、まだ上品な気配を残しつつも瞳はいよいよ人外サーヴァントと同じ獲物を見つめる捕食者のものに変わる。

やがて先走りと涎で汚れたズボンと下着が舌に脱がされ、正直に勃起してしまっていた肉棒が上を向いた。

 

「主(ぬし)のちんぽ、ギンギンに滾ってはち切れんばかりではないか。異形の妾にこうも欲情しおって……素質があるぞえ。実に嬉しいのじゃ♡

ほれ妾の嬉し涎が主のちんぽへ……たら~っと」

 

わざわざ体を起こして秘裂を開く光景を見せつけてくる。綺麗に刈り揃えられた陰毛の奥にあるワレメ。男慣れしていそうな振る舞いとは裏腹にピッタリ閉じたそれを指が開くと、膣内から透明な液が本当の涎みたいに肉棒へ降りかかってくる。

 

「うっ……」

 

垂れた水糸が亀頭にかかり、竿、玉と伝う。

マーキングみたいな行為に腹が立つ一方、快楽を覚えこまされ続けた体は愛液を掛けられるのにも興奮して肉棒がさらに固く張りつめる。

情けない体に腹が立っていると急に両手で下から顔を挟まれる。

 

(くそっ……って!?)

「やはりいい顔をするのう♡こちらの妾が気に入るのもわかるのじゃ。悶えつつも快楽に逆らえぬよわよわの体……乱れれば楽になれるのを堕ちぬ精神……主のような童は堕ちる前と後で二度美味しい故大好きじゃ」

「人を何だと……っああああ!?」

 

勝手な言い分にムカついて何か言ってやろうとした瞬間、ソアラの腰が肉棒へ一気に落とされる。奥までぐちょぐちょに濡れ解れ、柔らかい入口の蜜壺に咥えられた。マシュの鍛えられた筋肉を感じる締め付けとはまた違う心まで包み込まれるような奥深いマン肉。

そしてそれでいて、

 

「んっ、あぅっ! いいちんぽじゃ! まんこを拡げる太さも肉を削ぐようなカリも子宮を殴る長さも……くふふ! 呼ばれて正解じゃったのう!!」

「ぅ急に! なんで!?」

「くふふ。蛇まんこの具合はどうじゃ? 

キツく締め付けながら襞が亀頭を舐める感覚、たまらぬのではないか?」

 

ペニスを全て咥えた途端、空気が抜けるみたいに一気に内部が密着。柔らかい包み込みが嘘のように身じろぎしただけで快感になるほどのくっつき具合だった。

しかも内部の襞が自在に蠢き、舌でするようにぺろぺろと亀頭が舐め回される。いれたばかりで動いていないのにたちまち射精しそうなくらい、強くヌルヌルした気持ちよさが襲ってくる。

そして熟練の攻め手は慣れる時間も与えてくれない。

 

「ほぅれ動いてやらんと気持ちよくなかろう? とーんとん、ぱーんぱん♪」

「あっ、ひっ!」

 

上がった声は快楽より恐怖の度合いが強かった。

動いていない時でも十分気持ちよかった。それが動けばどうなるかなんて言うまでもない。

本当に股間からちんぽが引き抜かれたか、皮がめくれたんじゃないかと錯覚する締め付けのままに腰が動かされる。

 

「男らしくない乳房がぶるんぶるん揺れておるぞ♡」

「やめっ、ひぃん!!」

 

ぎゅむッと今度は指が沈むほど強い力で胸が揉まれる。

すっかり感覚の繋がった胸はソアラの指攻めでも簡単に性感へ繋がり、みっともなく可愛らしい声を上げてしまう。

 

「女同士の部分もよかろう? 

同じ女の感じる所などお見通しじゃ」

 

胸全体を締め付けるように握られ、一方で乳首だけは触られない。スリスリ、コスコスと乳輪や胸の大部分から刺激を集めるように撫でられ、あっという間に固く張り詰める。

それでも乳首は放っておかれる。爪を立てるようにしてより刺激が細かいものに変えられ、乳首ギリギリまで寄りつつも決して触れない距離で触られる。

 

「見てみよ。主の乳首、まるでちんぽのように固くなっておる。触ってくださいと泣いておるわ」

「……っ」

 

ソアラの言う通りだった。意図的に触られないまま焦らされた乳首は胸の快感を押し付けられ、爆発寸前みたいに張り詰める。不意のそよ風、いたずらっぽく笑ったソアラの吹きかける息さえ快感になるくらい敏感。

相手が敵だと分かっていても触れば間違いなく気持ちいい乳首。女の部分とか関係なく触ってみたい衝動がゆっくり育つ。

そんな内心を見透かしたような笑いのまま、ソアラは笑みを深くするばかり。

 

「ああええのう。押し寄せる快楽の波に抗えぬ童の顔、とても可愛いのじゃ♡もっともっと気持ちよくして、頭がトぶような最高のイキ方をさせてやろうな。

そのために次は……んっ」

「むごっ!?」

 

指の動きが止まらないままに今度は唇が重なる。

散々肉棒や体を舐めた舌はここでも力を発揮して舌を舐めると喉の奥へと入り込んでくる。

 

(嘘だろ!? 舌が喉……もっと奥へ!)

「蛇の舌持つ女子(おなご)との接吻は初めてじゃろ? 

口などただの通り口。食道も胃も妾にかかれば一舐めじゃ♡そら内臓を……ぞ~りぞり♡」

「っぃ♡♡!?」

 

ソアラの舌が触れた所が次々に敏感になっていく。唾液に興奮作用でもあるみたいで息が上がり、舌先が触れれば触れるほどにじんわり熱いものが広がっていく。

食道や胃の壁までディープキスの延長みたいに快感が走る。細長い舌は気道を塞ぐこともなく、どこまでも奥へ奥へ入り込む。

 

「唾液に媚毒を混ぜてやった。妾の舌で臓腑を舐める感覚が伝わるじゃろう」

 

到底気持ちよくなんてなれないはずの刺激が毒のせいで快感に。ありえない快感が生む混乱でソアラが敵だとかの大事なことまで頭が回らなくなる。

内臓の襞をなぞられるのがまるで肉棒にされているような悦び。あまりに異常で悍ましく、自覚しても気持ちよさは消えてくれない。

変わらずペニスを締める肉壺も胸を攻め立てる白い指も変わらず体に快楽を流す精で尚更頭を回せない。

 

(こんな気持ち悪いのに……なのに……なのになんで舐められて気持ちいいんだよ……)

「ここまでは食前酒のようなもの……本命はここからじゃ。魔の快楽へ妾が導いてくれような。

プチュッ……んっ」

「うっ……」

 

また妖しく笑ったソアラが一瞬顔をしかめ、その後に口へ何かが入ってくる。

舌で触れればあまりに苦くて吐き出しそうな謎の液体。しかし吐くための口をソアラに塞がれてどうにもならず、無理やり喉まで流れて正体に思い至る。

 

(これ……血?)

「唾液と混ぜれば飲みやすかろう。魔の蜜……よぉく愉しむのじゃ♡」

 

頬の外側を伝う液の感触。少し視界を移すとソアラの口から血が流れていた。自分で口の中を切って飲ませてきたらしい。

派手に切ったみたいで流れは止まらず、無理やり注がれた液が尽きることなく口へ。

 

「ただ飲んでもつまらぬ。もっとよく味わうのじゃ。

生き物の命に舌を当てる感覚……舌先に意識を集中させてみよ」

 

ふざけた話だ。血なんか好きじゃない。錆臭くて苦いし生温かい感じも最悪。そもそも飲み物でもないだろ。

 

「ふむ、少し手助けしてやろうかの」

(……え……なんか味が)

 

口まで戻ってきた舌にこちらの舌も捕まり、2本でかき混ぜていると感じ方が変わってくる。

舌の上で血が跳ねるようと言えばいいのだろうか。濃く固まったエネルギーや魔力が感じられる。同時に古いチーズでも舐めているみたいに旨味のような深い味わいが舌全体に広がりだす。

匂いもそう。金木犀やジャスミンといった強い匂いの花を思い出す、不快でないリラックス効果のある香り。ソアラの舌へ自分の舌も絡め返し、口から鼻へ突き抜けるその味と匂いがさらに頭を麻痺させる。

 

(変だ……こんな、の)

「くふふ、血に当てられおったな。頭の中まで血の味が染み込んできたじゃろう♡」

 

強い酒でも飲んだみたいだった。注がれるままに血を飲み、飲めば飲むほど体が芯から温まる。ソアラの体をより強く感じられて、挿入したままの肉槍も撫でられ続ける乳輪も触れる体へ吸い付く。

蛇の交尾はお互いの体を巻き付ける形で行うってどこかで聞いたことがある。

だったら蛇を使役しているソアラのセックスも今みたいに強く抱き着かせるのが当然だったのかも。

手が勝手に動いて彼女の胸へと寄せられて揉み、口でも唾液と血のブレンドをお互いの舌で攪拌しあうディープなセックス。

ぱちゅんぱちゅん激しさを増す彼女の腰使いに、一時間前に後輩へ射精したばかりのちんぽも既に早く吐き出させろと熱く頭を焼く。

しかしここで口から舌を引き抜いて窘めるように鼻先を舐めると色っぽく笑った。

 

「さぁて最後の快楽を刻んでやろう。この……尻の穴にな♡」

 

するると髪が変化した蛇たちにズボンと下着がずり下ろされる。

そのままの勢いでシュルルと舌を鳴らす音や息遣いがある生物がゆっくり尻回りに近づいてくる気配。

こちらも女性化が進んだ今となっては鍛えた筋肉に程よい肉が乗った、男の目を寄せる形のいいヒップに育っている。蛇たちも上質な獲物を見つけたと興奮して舌の出入りを早くしたのが分かった。

そしてそのうちの一匹がゆっくり穴へ舌を触れさせた。

 

「ひゃう!?」

「感じるかえ? 

妾の蛇が主の尻穴を舐めておる。ぴちゃぴちゃぺろぺろと……細い舌が小刻みに触れる感触、人間では味わえぬ。感想は……くふふ! その切なそうな顔を見れば一目瞭然じゃの♡」

(また敵にこんな……でもっ!)

 

小さく細い二股の舌。犬や猫より細くて何も感じないようなそれも、毒が回って敏感になった体には十分な快楽。それも複数。初めてのアナル舐めを蛇にされていながら、体に流れるのはいくつもの舌で入り口をこじ開けるような深い蛇たちによる快楽。

体内を丸ごと犯されるような舐めプレイに飲血、さらにはアナルへの愛撫と未曾有の刺激でも気持ちよさしか感じない。

 

「この締まり……お主初物ではないか♡

くふふ。未開拓の新雪を踏み荒らすが如き凌辱……ほんにええ子を引き当てたのじゃ」

 

気を良くしたらしくて笑うと首元へ口を近づけてくる。ぷつっと短い痛みがしたかと思うと体から力が抜けた。

離れた彼女の口元には真新しい赤色。首を噛んで何かしたとまでは考えられたが、それより早くお尻に熱い疼きのような熱が生まれた。

 

「筋肉の締め付けを緩める特殊な毒じゃ。心の臓に食らわせればたちまち死ぬがの。

初物の尻穴へ妾の蛇が入ってゆくぞ。ほぅれ、ずぷぷぷ……」

「あ……あっ……」

(蛇が……中、入ってっ!!)

 

それは不思議な感覚だった。出すための器官であるお尻に蛇が逆流してくる。動く度に擦れるざらざらの鱗や肛内を尻穴と同じように舐めるいくつもの舌の感触。

気持ち悪さとその中に隠れた確かな快感。特にアナルへ入る為、キツイ入り口を次々抜けるぬるりとした蛇の感覚が入ってくるのがいい。

初めてのアナルでありながら、ソアラの女陰に振り回される肉棒とはまるで違う快感。爆発しそうな射精の快感とは違った、温かさが体全体に広がるような気持ちよさだった。

 

(こんな、尻なんかで……)

 

僅かに拒否感で身じろぎするもそれが限界。

憐れな藤丸(獲物)の抵抗はソアラ(捕食者)を愉しませるスパイスになるのみ。

 

「ほう。少し正気を戻したか。尻穴を犯されて男のプライドでも刺激されたかの?」

「う……うるさい……!」

「そう拒まずともよかろう? 恥ずかしいことなどないではないか」

「何言って……」

 

手が顔の前に突き出されてぼやーっとした光が灯る。その光からは目が逸らせず、ソアラの語る言葉がするすると胸の中に落ちてくる。

 

「快楽は愉しむものじゃ。余計な良識で拒んでばかりでは世界を縮めるばかりじゃぞ。

男が尻で感じてなにが悪い。女がまんこで感じるのを恥じるか? 

恥じぬじゃろう。故に受け入れよ、快楽の悦びを。肉欲に浸るのは決して恥でない」

「恥じゃ、ない……?」

「そうじゃ。快感は人間の体が感じるようにできておる。気持ちよくなることも、快楽を求めることも何もおかしくないのじゃ」

 

少しばかり抵抗した頭の中へ彼女の言葉が溶け込んでくる。

反発や疑問の意志が見つめた光に吸われ、代わりに囁きが真理となって置き換えられる。

 

(気持ちいいのは……恥ずかしくない?)

「くふふ。ハイラギルの能力はやはり便利じゃの。長持ちはせんじゃろうが……ま、遊戯の間さえ持てばよいわ。

━━さぁ正直に答えよ。尻を犯されて気持ちいいか?」

「…………きもち、いい」

 

導かれるまま相手の望む言葉を言ってしまう。

でもこれは恥じらいや倫理を無くした俺の言葉なら、今言っているのは本心なのかもしれない。

それに本当に蛇が次々とアナルを犯してくれるのは気持ちよかった。

 

「うむうむ、よく言えたのじゃ。良い子にはご褒美をやらねば」

(ふっあぁ♡お尻の中で蛇が一杯ガブって!)

 

腸内へ進んだ蛇たちが一斉に牙を壁に突き立ててきた。肉を抉られているのに感じるのは痛みより圧倒的な快感。アナルがさらに柔軟で気持ちのいい性器のように変わっていく。

 

「どうせ小娘もやるつもりなら少し早めても変わるまい。ほれもっとかぷかぷか~ぷ♡」

「ふあっ♡お、お尻の中キュンキュンって……でもジンジンってぇ♡」

(蛇に齧られるのいい♡鱗の固いので沢山お尻をかき混ぜられるのもいいの♡もっと、もっとたくさん欲しい♡)

 

意識が混濁し、また女のような嗜好が自然とできる。

気持ちよくなりたくて、もっと気持ちよくしてほしい。

男だからとか敵だからとかのつまらない考えは俺━━私の頭からこの時消えていた。

 

「妾を犯しているのか、それとも妾に犯されているのか……くふふ。自分でも分からなくなっておるのではないか? 

正気なぞ快楽の宴には無用の長物。ただ胸にある熱い衝動に突き動かされるままに求めるのじゃ。一匹の獣に堕ちてこい♡」

 

一瞬幻覚を見る。

大きく口を開けたソアラの舌に絡めとられ、彼女の口へ堕ちていく幻覚。

形容を抜きにして食べられるのではって直感が体を突き抜けた。

なのに、肉棒は期待しているみたいにまた熱く硬くなってしまう。

 

「そろそろちんぽも可愛がってやらんとの」

「あっ……う♡」

 

蜜壺の締め付けが変化。

ゆったり包み込むのでもキツく締めあげるのでもない、射精を求める襞の一つ一つが亀頭やカリ首へ殺到して舐めてくる。蛇まんこと笑った例の襞操作が鈴口と亀頭を一斉に刺激してくる。

 

(っあ! たくさんの舌で……私のちんぽが……ぺろぺろって……! もっと、もっと舐めて! んんぅ♡れろる♡ちろっ♡長い舌と一杯血を飲んでベロキスするのいい♡たくさんキスするの♡)

「んちゅ。れちゅりゅ、むちゅる、ちゅぶりゅるる♡

こうしてちんぽを犯しながら血を飲ませ、尻を犯し、可愛がってやるとの……くふふ! 頭がそれぞれを気持ちいいことと覚えるのじゃ。さ、魂が抜けるような激しい射精させてやろうぞ♡」

 

ラストスパート。

舌がまた口の中を舐め回し、互いの血と唾液のカクテルをかき混ぜ合い、胸も乳首の付け根をシュッシュッと擦られ、アナルへは何匹もの蛇が入り込むと広げながら媚毒を擦り込みつつ時折噛んでくる。

古代ギリシアのウロボロスの蛇を彷彿とさせる光景。互いが互いの体を貪るように絡みつき、相手から性感を得ようと刺激し合う。

いまや未知の刺激の全てが快感に変わり、いよいよその時が近づいてきたのが分かった。

 

(もう……射精る!! 胸も喉もお尻も全部気持ちいい!! こんなの壊れる! 頭耐えられないぃいいい!!!)

「くふふ跳ねたのう。もう我慢できぬか。

はぁぁ……来い! 妾のまんこに主の精を吐き出すのじゃ♡頭を快楽で染めて稚児のように可愛らしくイクがよい♡妾が全て受け止めてやろう♡

……なんなら今の主をすべて吐き出しても構わぬぞ♡精と一緒にな♡くふふふ!!」

 

そしてスイッチを押すみたいに固くしこった乳首を指で弾かれ、一際奥に進んだ蛇の頭が前立腺をコリっと抉る。

それが最後の一押しになった。

 

「イッ━━!!」

 

ずっと焦らされ、待たされ続けた肉棒から精子が吹き上がる。

締め付けていたソアラのまんこから抜く余裕なんてあるはずもなく、欲望と悦びの全てを叩きつけた。

どっぷどぷ音を立て、粘っこくて重たい精子の波が尽きずに出ていく。

止まりそうになる度、蛇や指が動いて軽い絶頂に持っていかれては射精。舌なめずりする音が至近で聞こえ、体液の一滴残らず搾り取る執念が垣間見えた。膣襞も本領発揮で蠢き、下から上へ搾りだそうとにゅぽにゅぽ蠢動。

約10分にも及ぶ強制射精。終わった頃には身も心も全部ザーメンになって排出された感覚さえあった。

 

「来た♡熱い熱い迸り♡主の命の熱そのもの! 

━━ああ妾もイク! イクのじゃ! 犯されながら犯して童の心を歪める快感、たまらぬ♡ふぅうううう♡♡」

 

そして猛りの全てを受け止めたソアラも絶頂。ビクビク痙攣した膣圧にやられ、また精子を絞り出されてしまう。

そしてその全てを逆流も漏らしもせずに飲み込む秘裂。身悶えしながら引き抜いてもピッタリ閉じて漏らしたりしなかった。

 

「ごちそうさまじゃ♡」

「はぁー……はぁー……!!」

(また淫紋……じわじわって中に……クルぅ……♡)

 

忘れていた淫紋がまた成長。太ももから膝の部分まで妖しい模様に彩られ、誰かの魔力が流れ込んでくるのを感じる。

でもそれもベッドの中でうたた寝するような心地よさで拒むことなんて考えられなかった。

 

「くふふ。聞く余裕もないといった感じじゃな。実によかったぞ其方のちんぽ。愛するガルゾム様以外でこうも感じさせてくれた男など初めてじゃ。

感想を聞かせてほしいのう」

「……」

(気持ち、よかった……けど……しっかりしないと……うう)

「くふ。気をやって正気に戻ったかの。じゃがその表情は……くふふ、乱れた心は覚えておるようじゃの」

 

絶頂の余韻が抜けきらない体に我を失った記憶ほど惨めなものもない。本当に心の中から色々と大切なものが一緒に抜けていってしまったんじゃないかって思う虚脱感。

どうにか気合を入れて体を起こそうとすると、不意にソアラが今までとは違った悪戯っぽい笑みで顔を近づける。

 

「のう主よ。妾のものにならぬか?」

「なに……言って……」

「妾も欲しがりでの。よき男もよきちんぽも、なによりよき血が好きじゃ。気に入ったものは手元に置いておきたい。

ただでは嫌か? 妾のものになるならこの場、逃がしてやっても良いぞ」

「……アイツ、ソラエルの味方じゃないのか!?」

 

あっさりと呼びだした相手を裏切る発言に驚いたが、ソアラの方はぷっと噴き出した。

 

「ぷっくふふ! 愚かなことを。妾達は求められた分力を貸すだけ。そうなんというか……びじねすぱーとなーという奴じゃ。

利が転がれば態度も変わる、当然よ」

 

こんな時なのにわざとらしくカタカナ発音。

にやにやと赤い舌をのぞかせながらソアラの手が体に乗ってくる。

 

「ま、細かいことはどうでもよい。主にとって重要なのは妾があ奴のしもべでないことよ。命令は受けんし縛られてもおらん。

それでどうするのじゃ」

 

首元を撫で、乳輪をなぞり、乳房へ沈みこませるようにゆっくり握る愛撫。

蛇の舌を思わせる繊細な指使いが絶頂した後の体に染み込む。唾液を塗られるとじわじわ性感が呼び起こされ、味見をされている心地。

頭から丸呑みされるんじゃという不安に襲われるが、同時にこのまま身を委ねてしまいたくなる誘惑が心の底に生まれだす。一度味わった強烈な絶頂が互いの間に主従の快楽関係を作ってしまっていた。

 

「妾のものになるがよい。男の快楽と女の快楽、どちらも味わわせて可愛がってやろう。

尻穴に妾の蛇を入れられるのも、ちんぽをキツキツの蛇穴で搾られるのも、どちらも気持ちよかったじゃろう? 

何より妾の教えた血の味、忘れられぬと思わんか?」

「そ、れ、は……」

「催眠では言わせぬぞ。主は自らの意思で堕ちる。それでこそ芳醇な味わいになるというもの」

 

ただ快楽の沼へ引かれるだけならまだ抵抗はしやすい。

それを見越したように、仲間の為という理由を用意するソアラの悪辣さが恐ろしい一方、最善の選択肢だと自分の心が傾いていく。

 

「くふふ、よいぞよいぞ♡存分に悩むがよい。妾の如き邪悪の甘言に揺れる童の顔というのも実に稀。血を食むような蜜の味。ほれほれもっと良いことしてやるからよく考えるのじゃ♡」

「ひぅ!?」

「主は頭が堅そうじゃからな♡脳を蕩かして手伝ってやろう」

 

いつの間にか胴へと巻き付かれて身動きが封じられ、頭が抱きかかえられると右耳からソアラの舌が入ってくる。耳たぶに吹きかかる熱い息、顎まで伝ってくる唾液の感触、するすると耳奥へ進んでくる舌の異物感、全身から漂う甘い毒の香り、異常で異様な強烈な快楽がゆっくり頭を侵蝕する。

 

(溺れよ。委ねよ。全てを差し出して妾のものとなれ)

 

脳に声が響く。頭蓋骨に反響し、言葉が力を持ったみたいに思く脳を揺さぶる。

 

「何を迷っておる。ひとまず口約束で妾を使い、窮地を脱すればいいではないか。後で仲間が来れば約定なぞ反故にして袋叩きにしても良し、令呪とやらで自害を命じても良し。魔術師とやらなら考えるまでもない話と思うがの。

……というか、敵の妾にここまで話してもらうのはどうかと思うのじゃが」

 

それほど悪いものではないかもしれない。

一度彼女の誘いに乗った方がいいかも。

そんな考えが頭に浮かびだすくらい頭へ徐々に誘惑の魔力が強くなりつつあった。

だがソアラの嘘でもいいからという言葉でわずかに正気が戻る。第5特異点、北米で同様の窮地に見舞われた時のエジソンとの対話の記憶。

 

「……ダメだ」

「む?」

「例えお前が敵でも……そんな口約束は……できない……! 守らないのに約束なんかするのは……間違ってる」

 

相手が誰であっても口先だけの関係は作りたくない。ずっと続けてきた愚直さがここでも意地を張らせた。

唐突な反発はきっとソアラの怒りを買うだろう。殺されるかも、と固めた体に降りかかったのはそこ抜けたような大笑いだった。

 

「……くっふふふふ!!! まったくどこまでも真っ直ぐな愚か者じゃの♡妾を袖にすれば先はないと分かっておろうに……ああいかん、こうも面白いとますます欲しくなってしまうのう♡

どうせ迷った時点で妾の誘惑からは逃れられぬ。主が満足するまで存分に愉しみ、悶えて悩めばよい。くふふふ♡」

 

またぞりぞりと拡張される感覚を伴いながら、アナルの中へ蛇が入り始めた。

 

◇

 

直視させられるもう一人のマシュ(自分)

 

「先輩!」

 

ソアラと名乗った蛇女によって先輩が連れ去られ、離れた所でぐるぐるとこれも蛇が渦巻く結界に包まれて見えなくなってしまいました。

追いかけなくてはと盾も忘れて駆け出そうとしましたが、私に目を付けた2人の怪人がそれを許してくれません。

肩を掴まれて振り向かされると男性のような話し方をする方と小柄なお人形のような方がそれぞれ私に手を伸ばしています。

 

「あ!?」

「おいおいつれねえ真似すんなよ。オマエはこのソーマ様と」

「遊戯。玩具が逃げちゃダメ。私エクスレイヴ・ε(イプシロン)が可愛がってあげる」

「離して……むぐっ!?」

 

扇情的な衣装に最低限の武装で固めた男性的口調のソーマ。

小柄で人形のような体に腕や腰、背中に足と様々な装備を付けたイプシロン。

どちらもエクスティアさん達を撃破した強者で、いくつかの事情からかなり力の落ちた私では相手になりません。先輩とセックスをした直後は以前と同じくらいの力を出せていたのに。

ソーマの流れるような動きで腰に手を回され、反対の手が顎を持ち上げて無理やりキス。手は後ろから抱きしめる姿勢になったかと思うと胸当てへ伸び、頑丈なはずの鎧がお菓子のように壊されてしまいます。

 

「きゃっ……!?」

「リードされんのが好きって面してんなァ。オラ、舌だせ!」

「むっきゅ!?」

「んんぶじゅ! れろりゅ。れちゅぅ」

(っ! な、何かビリビリって!!)

 

私の口に舌が入り込んだ瞬間、全身の細胞を貫く鋭い刺激が走りました。思わず息を忘れるほど強烈な何か。

正体が分からないまま、少しずつ正気に戻ってくると舌に絡むソーマの舌に異物を感じます。舌にキラリと光る何か。よく見るとそれはピアス。それが歯や頬の内側や歯茎に触れる度、コリっとした柔らかい刺激と小さな振動みたいな感じが流れてきます。

 

(この方とのキス……頭がピリピリして……なんだかふわふわ……)

「分かるかこの舌ピ。ここから電気を流しこんでんだ。強いのを一瞬与えて、後は弱いのと交互に流す。だんだん強いのが欲しくなってオレに自分から舌を絡ませちまうんだ。

キス焦らしプレイ、アザリンもやみつきなんだよ。相手の口をしゃぶるの大好きなキス魔、キス中毒になっちまうかもな♡」

 

言葉は事実でした。一度流れた背筋が伸びるような刺激に比べるとずっと弱い電流が舌を介して流されます。弱い電流が流れるほど、強い電流との違いがくっきり感じられるのです。

そして強い電流が来ると自慰でイク直前のように勝手に手足が伸び、逃げ場のない快楽電流が全身を駆け巡るのです。電流の快楽は蓄積して最初は抑えられていた声も、ピアスでなぞられる時間が増えるほど電流以外にぞわぞわって産毛が逆立つ感じに思わず漏れてしまうようになりました。

 

「うっ! んぅっ!」

 

ぐちょぐちゃと激しい舌と舌の混ざり合いと程よく気持ちいい電流の刺激。

私が感じているのを見透かしたソーマの笑みが不愉快でした。せめて聞かせないようにしようと口元に手を伸ばすと、εが両手に付けた手甲から機械的な触手を伸ばして動きを封じられました。

 

「不満。私までビリビリしてる。静電気鬱陶しい」

「しゃあねえだろオレ様の能力なんだから。文句言うなら引っ込んでろっつーの」

「納得。では私も好きに楽しませてもらう。帝国の叡智を結集した快楽技術、味わうと良い」

 

手足を磔の姿勢で止められ、頭には紫色のバイザーが装着。耳元にもヘッドフォン型の装備が付けられて稼働開始。ブィィインと重々しい音が頭の中にまで響いてきます。

 

「洗脳。ソラエルがナイオーロの眷属化を進めているのは知ってる。だから手伝う」

(……よく分かりませんがこの道具、とても危険なものの予感がします。でもどうすれば)

「レクスティア(マスター)に与えられたエクスレイヴ改造システム。自分からも攻撃されて耐えられるか見物」

 

唇を片方だけ釣り上げたεの笑い合図にバックパックからも機械が飛び出しました。注射器の先端とした触手やモニターのついた端末と続き、最後に彼女自身の胸に付いた宝石から管が出現。私の頭に付いたバイザーへ接続するとどの触手も不気味な紫色に発光し始めました。

 

(うっ、胸部や臀部にも触手が……)

 

顎を掴んでキスを繰り返すソーマと違い、εは全身へ触手を伸ばしてきます。磔にされた四肢をニュルニュルの体が火照る不思議な液を纏いながら這いまわり、胸を1つずつ強調するようにグルグル巻き、お尻の肉は両側から広げられて肛門を彼女に見せつける形にされてしまいました。

背後でククっと嗤う声はきっと私の醜態を嗤っているのでしょう。見ていないのに視線が突き刺さるのが分かります。取り出した端末を動かす音と含み笑い、そして唇を犯される水音だけがしばらく続きます。

 

「感嘆。おっぱいもアナルも一級品。私ももう少し欲しくなる」

「んあっ!」

 

子どものような小さい指で乳首が摘ままれます。触手に擦り込まれた粘液で敏感になった胸は単純な攻めでも感じさせられます。

 

【嬉しい。私のお尻、褒めてもらえた。もっともっと褒めて欲しい。それに触手でヌルヌルにされるのも欲しい】

(━━え?)

 

頭に声? 

少しノイズ交じりに女性の声が頭に響きます。εに褒められた体を誇っているような口ぶり。

しかしその言葉はまるで私の中から聞こえたようだったのです。

それに

 

(なんだか聞いたことのあるような……あうっ!)

「れろれろ~……おいおい、オレがキスしてるのに上の空かよ。普通の女ならもうトロットロな目でオレに体を預けてくるってのに……クク、思ったより図太ェなオマエ。ますます気に入ったわ」

「んむる……けほっ! 私は気に入られても嬉しくなんて━━!」

【嘘ですよ】

「━━ありま……っ!?」

 

少しバイザーから音がしたかと思うとまた頭に声が。

ソーマでもεでもありません。口は動いていませんでした。それに2人とは声の高さが明らかに違いました。

ハスキーで低めなソーマ、子どもらしい甲高さの残るε、両者の中間みたいな音。

でもやっぱり聞いたことがある気もします。

 

「キヒャハ! 始まるな」

「刮目。そろそろ聞こえてきた?」

「ひゃ、ぁん! 触手が、動き……っ!」

 

全身を締め上げていた触手が動き始めます。より興奮を与える液を擦り付けながら、少し強い締め付けも痛みの中に快感らしい熱を覚えてしまうのです。

片方ずつ強調して縛られた胸も今は全体が巻き付いた触手で隠され、唯一ぽっかり空いた隙間から覗く乳首は弱点を丸出しにしているみたいで恥ずかしい。キスしながらあからさまにその部分を見るソーマの視線をはっきり熱として感じるほど、私の乳首は敏感となっていました。

いえ、液を塗られなくても今の私の体は男女の情交に熱い疼きを覚えてしまうのですが。

そしてまた音。

 

【気持ちいい。ソーマさんのキスもイプシロンさんの触手もとても気持ちいい。もっとおまんこもアナルも触って欲しい】

(な、えっ! この声……私!?)

 

ようやく気付きます。聞こえてくる声は私のもの。

信じられず、間抜けにも問い返した私へ声も笑いながら答えたのです。

 

【はい。私は私ですよ、貴方自身。マシュ・キリエライトです。

……今の貴女よりもっと正直で自由な、ね】

 

バイザーの中、ソーマの向こうに私が立っていました。

格好はギャラハッドさんを宿していた頃の鎧と瓜二つ。ただ手袋や鎧には魔術的なピンク色の光のラインが走っています。それに目つきもなんだか険しく、私よりも胸やお尻が大きい気がしました。

なんというか自分では絶対にしない邪悪としか呼べない笑みでこちらを見つめます。

 

【どうして自分を縛るんですか? 

ソーマさんもεさんも貴方を感じさせてくれているのに。私ならもっとべろちゅーして触手でブチ犯してもらいたくてたまらないですよ。

ほら……んっ……見てください】

 

鎧が一部消滅して胸と股間の装甲だけが消滅。嫌な予感がしましたが全身を縛られキスの痺れに体を支配された私は目を背けることも出来ません。

やがてもう一人の私が胸を軽い声を出しながら持ち上げ、秘所にも指を入れてかき混ぜ始めます。

 

【聞こえますよね。キスと触手だけで私のまんこ、こんなに……ふふっ♡ぐっちょり濡れています……なんてはしたない】

 

その声は耳だけでなく脳に染み込むようでした。意識を逸らそうとしても体に感じる刺激はソーマのキスか触手の締め付け。後は全てバイザーから流れる信号に支配されています。

動きが早くなってクチュクチュと指の動く速度が速くなり、女性器を混ぜる水音が聞こえてきます。

 

【少し混ぜただけで泡立って……垂れるくらい糸引いちゃう♡はぁ……んっ、もっと、奥に……】

 

声に合わせて触手が私の股間に触れました。細く枝分かれしたそれが膣壁に触れ始めると、また身悶えしたくなる快感と幻ではない音が聞こえます。

それは言うまでもなく愛液。ぐっちゅぐちゅ鳴る音は穏やかでも流れてくる快感は少しも優しくない。

キスの刺激が積み重なって濡れた秘部を示されると、凌辱行為で感じている変態だと言われているようでした。たまらず悲鳴のような声が出ます。

 

(止めて下さい! 聞きたくありません!)

【嫌です。感じて喘ぐのは私達の義務ですから。ほら貴方もしっかり感じて理解して下さい。自分がどれだけいやらしい体をしているのか】

 

胸に伸びていた触手やお尻を締め付けた触手も変形。人の掌型になるとぎゅむっぎゅむっって音が聞こえそうなくらい強く握ってきました。

それだけでまた達してしまいそうな肉悦。

 

(ひゃんんんっ!!)

【可愛い声ですね。こんな牛みたいなおっぱいしているのにしっかり性感帯として機能してる。お尻だって鍛えたおかげでハリもツヤもあって、叩くといい音がしそうです。えいっ!】

 

ペシンと乾いた音を立てて掌型の触手がお尻を一打。すると叩かれた箇所からじわぁっと緩い快楽から一気に燃え上がった熱が子宮へ届き、膣を蹂躙していた触手を締め付けてしまいます。

子宮に宿った熱は頭にも延焼して、赤くなった頬も見逃してもらえません。

 

「そろそろメススイッチ入ったか」

「肯定。影の言葉と刺激で影響を受け始めている。愛液の分泌量も42%増加。確実に発情状態」

「どうせなら薬も一本いれといてやれよ。後の為に。オマエだって気持ちいい方がいいよなァ?」

「了解。媚薬液投与。快楽信号装置も起動する」

(媚薬……それに快楽信号とは……)

 

背中へ痛みのない針が刺さる感覚。続けて何かが流し込まれると子宮の熱がより強く激しい大炎に。

それだけではありません。

 

(ち、膣に入った指がより強く……どうして)

 

膣の触手で感じる快感が倍以上に。襞をカリカリひっかかれるのも、入り口をなぞるように触られるのも、一瞬否定を忘れるほど気持ちいい刺激でした。

 

【簡単ですよ。今貴方にはεさんが使った装置で感じる快感を強化されているんです。それも脳に直接。私が感じる分も追加して】

「そ、そんな……あむんっ! ちゅぶ! むっちゅる!」

「れりゅ、れっちゅ! はっちゅ! んっちゅぅ……テメエを攻めてるのはオレもいるって忘れんなよ」

【ソーマさんの舌と舌を絡めるキス、頭が痺れるみたい。本当に痺れているんでしたね。電流がパチパチ流される刺激的なキス。強いのと弱いのの繰り返し】

 

その私に言われて思い出します。ソーマの電流キスは刺激の強弱を交互に行うものだと。

今も舌が絡む度に声が出てしまっていて、てっきり例の快楽信号のせいと思っていましたが……もしソーマが性感強化後にまだ強い電流を流していないのだとしたら。

 

(うっ♡)

【くすくす。想像しただけでおまんこ締めちゃいましたね】

(ち、違っ━━)

「キヒャハハ! 壊れんなよ……オラッ!!!」

「━━!!!」

【ふふ、私の快感も一緒に流してあげます】

 

もう一人の私の言葉に動揺してキスする彼女から目を離した瞬間、舌ピアスが上顎に押し付けられます。

それは答え合わせ。パチッて脳が爆発したんじゃないかと錯覚する強烈な快感が全身を襲いました。

 

「んひぃいいいいい!! ♡? ♡?」

 

余りに下品で女性らしくもない声を上げ、たまった性感をすべて使って絶頂してしまいます。プシャァと愛液が零れる音も聞こえました。

まだ抵抗感や不快さもありましたが、それらを思わず忘れてしまう快感の波にのまれました。

産毛が逆立ち、体中に取りついた触手を握り、膣を混ぜる触手を強く強く感じて快感が高い所へ上っていく。

恐ろしいことに絶頂は終わりません。押し付けられたピアスから電流は止まらず、さらにバイザーから流される信号も止まらないので際限なく絶頂させられ続けるのです。

もうどういう顔をしているか、全く分かりません。そんな余裕ありません。

 

【どんな顔かって決まってるじゃないですか。こんな顔ですよ】

 

目の前に付きつけられた私の顔。目は理性を感じさせない闇に呑まれ、表情もだらしなく崩れ、みっともないとしか言えません。

なのに私は、

 

(すごく……幸せそう……)

 

なんて思ってしまいました。

尊厳も誇りも失くしたあんな表情なのに。見惚れてしまうような色気と幸福感に満ちていたのです。

 

【あなたは間違ってません。だって気持ちいいことにメスは抗えないんですから】

「私はメス、なんかじゃ……」

【いいんですか、そんなこと言って。

ほらソーマ『様』とε『様』を見て下さい】

「え、あれは……男、性器……?」

 

尊称に気づくことなく視界を動かされて見えたのは屹立した雄々しい男性器。

それぞれクロッチをずらしたり、ハイレグの間から取り出して私へ見せつけてきます。口を離したソーマはいわゆるふたなりで肉棒の下にワレメがあって、εは取り出した機械を装着してできたペニスバンドタイプでした。

 

【大きいですね。まるでそう、さっきまで楽しんでいた先輩のちんぽみたいなたくましいちんぽ様】

(楽しんでいたわけじゃ……)

【また嘘。さっきから嘘ばっかりです。調教してもらえないのに耐えられなくなって先輩を襲ったくせに。北海道に来てからずっと先輩に気づかれないようにちんぽを見てましたよね。会話する時もちんぽしか見てなかったんじゃないですか?】

 

思わず心臓が止まりそうでした。彼女の語る内容に心当たりがあったからです。

 

【ほら固まってないでもっとちんぽを見ましょう】

「い、嫌です。もうこれ以上……」

「嫌がるなよ。ほら臭い嗅いでみろ」

 

鼻先に擦りつけられる肉棒。濃密な筋肉と精の込められたオスの臭い。プルと震えて垂れた先走りが鼻にかかると━━当然ってみたいに舌で口へ入れました。

 

【あーあ。舐めちゃった♡】

(あ、あ……う、これ……体、何か、膣……)

【おまんこでしょう。言い方、教えてもらってますよね。

あのお方の眷属に相応しい下品で淫らな呼び方を】

(……おまんこ……そうおまんこです。おまんこの中、すごく、切ない……! お尻……けつまんこも!)

 

促された言葉を使ってしまいますがそれどころではありません。

絶頂させられても消えない熱や触手の快感があまりに物足りなく思えてしまいます。

 

【だって知ってますから。ちんぽの快楽を。大きくて固くて熱い肉の塊で自分を征服される快楽を】

「それ、それは……」

 

ドクン。

つい先ほどまで先輩の肉棒━━ちんぽが入っていたおまんこから愛液が流れます。触手も気持ちいい。でもすごく頼りなくて、欲しがっている媚肉の全部を埋めるにはとても足りません。

 

【欲しいんですねちんぽ。発情させていただいたおかげで、今挿れてもらえばとっても気持ちいいですよ。おねだりしたらきっとすぐ入れてもらえます】

「うぇ……う……くっ……でも……」

 

知らなかったならなんとも思わなかったでしょう。

でも先輩と生ハメセックスをした私は、ちんぽがどれだけの快楽を恵んでくれる存在か知っています。

先輩とは(……)まだのお尻も同じ。触手が入り口を拡げ腸壁を舐めるように動いてくれますが気持ちいいだけ。もっともっと激しく動いてもらわないと辛いだけ。

喉はずっと乾いているのに、蛇口から垂れる水滴を延々と垂らされているような感じ。

もっと太いちんぽで満たされたい。

もっと熱いちんぽで突いて欲しい。

先輩がここにいらっしゃったらきっとまた浅ましい表情で襲っていたと思います。

でも先輩はソアラに捕まっていてあのちんぽも手に入りません。

かといって敵に犯されるのを望むなんて許されるわけもない。

だから出来るのは目の前でぶらぶら揺れる、先輩に劣らないちんぽ様を生唾を飲んで見守るだけでした。

転機はつまらなさそうにもう一人の私が表情を歪めたことです。

 

【そうですか、いらないんですね】

「いらねえってんなら仕方ねえな。ε、ハメてやろうか?」

「不要。私に入れていいのはマスターだけ。装備回収。私もカルデアのマスターを調教しに行く。貴方はここで一人我慢していればいい」

「あ……」

 

拘束していた触手が解かれ、まんこやアナルを弄っていた触手もεの所へ戻っていきます。

もう電流の余韻も抜け、弱弱しくても刺激をくれた触手もなくなると、私はいよいよ飢餓状態。

頭の中はもう宝物のようにキラキラ光って見える2つのちんぽで一杯でした。

 

(おまんこ……おまんこにちんぽが……先輩……助けてください、先輩……)

 

助けを求めても先輩は助けてくれません。本来は私が助けるべきですから当然。

我慢の限界で自分でするならと言い訳をし、指をおまんこに入れます。

触っていて邪魔だった下着を外し、中指と人差し指で膣内をひっかきました。もう耐えられないのでお尻にも指を入れます。

 

(あ、ああ……これ……やっぱり引っかくだけでも……気持ちいい……浅い所をジュブジュブ……でも、でもでも……)

 

触手以下の刺激はむしろ逆効果。入れてもらっていた触手さえ恋しくなってしまいます。でも目先の飢えを癒すことしか浮かばず、何度も何度も引っかいて自分を慰めようとしました。

敵の前だということも忘れ、自分で犯すオナニーショー。滑稽だって分かっていたって我慢できません。

 

「だめ……こんなのじゃ足りない……指なんかじゃ……」

【当り前ですよ。ちんぽの快楽を知ってオナニーなんて辛いだけ。毎日やったのに忘れてしまったんですね。

貴方の欲しいのは目の前にあるのに何を我慢する必要が?】

「あ……う……」

 

私のオナニーで興奮したのか、ソーマの勃起はより持ち上がって垂直に。浮かんだ血管や撒き散らされるオス臭もとても魅力的。

気づけば顔を擦り付け、思いっきりその臭いを嗅いでしまっていました。

 

「はっ! すぅっ! すぅー! はぁっ!」

【クスクス、やっぱり欲しいんじゃないですか。ほらもう我慢なんて止めましょう。お慈悲を下さいってちんぽ様に縋るんです。それだけで貴方は救われるんですよ。その辛いだけの飢えから。

もう一回やってるのに我慢なんて無意味です】

「キヒャハハ。結構耐えるなァ。気に入ったわオマエ。ちっとばかし助けてやるよ」

「同調。ただのおっぱいお化けじゃないのは好感。開発度からは堕ちるだけの快感を与えたのに予想以上に耐える」

 

ちんぽに釘付けになっていた顔を掴まれ、強引に目線を会わせられます。そんな乱暴な仕草も今の発情した私は快楽の一部として受けてしまいます。

 

「あうっ!」

「オレらは所詮ここで呼び出されただけでロギア帝国の人間じゃない。ちんぽ下さいって言ったところでマスターには聞こえねえし、裏切りでもないわけよ」

「明快。今の状態じゃマスターは助けられない。でも私達が射精すれば隙が生まれるかもしれない。それにちんぽですっきりした方が貴方も戦えるはず」

 

都合のいい言い訳です。

射精させても彼女らが油断する保証はなく、私が動けなくなる可能性もあります。

でも今の私にとってその言葉は天から垂らされた救いの糸にも思えたのです。

 

「これはお前のマスターの為だ。疼いたまんまじゃ助けられねえんだから発散するしかねえだろ」

「追加。これは経験を積む必要行為。ナイオーロのちんぽに強くなるためにセックス経験は重要」

 

理由があれば裏切りじゃない。

これは先輩を助ける為。

相手を油断させ、私自身が回復するための必要行為。

張り詰めていた理性の糸が甘い誘惑によって断たれました。

 

【お二人の言う通りですよ。先輩は私が助けに来るのを待ってるはずです。ちんぽを求めるのもその一部ときっと理解してくれます】

(そ、そう……仕方ない、仕方ないんですから……この熱を沈めて先輩を助けるためには……ちんぽ……必要なんです)

【ではお願いしないといけませんね。だってわざわざ犯してくださるんですから】

 

もう一人の私と意見が合ったことも問題に思えません。

震えながら体を起こし、ソーマとεお尻を向けて思いっきりまんことアナルを拡げました。

 

【さあ正直になって】

「お、お願いします……この……いやらしくヒクついて……ちんぽを我慢できない……騎士失格のメスまんこに……ソーマ様とε様のお慈悲を……恵んで下さい」

 

遂には敵に縋る言葉を口にしてしまいます。でも大丈夫。これは先輩の為、先輩を助ける為にしているんですから。

胸に湧く辛い罪悪感を自己弁護で消し、広げた膣と尻穴にちんぽが入ってくるのを心待ちにしました。

 

「キヒャハハ!! 自分から求めやがった! これがメスを犯す醍醐味ってなァ!!」

「好感。いい子。だからご褒美」

 

ソーマが膣へ、そして再展開した触手で体を持ち上げたεがアナルへそれぞれの肉棒を挿入。

触手と指で慣らし終わっていた2穴は抵抗することなくちんぽを迎え入れたのです。

 

「あっはぁ……はぁあああああ!!!」

 

挿入と共に叫び声のような声が出てしまいます。

 

「わ、私イク……ちんぽ、まだ入れられただけなのにぃ━━イックぅうううう♡♡」

 

両側から襞一枚を隔ててちんぽが擦れる感触。

それは私の予想よりずっと気持ちよく、入れられただけで絶頂してしまいました。

でも溜まった性欲は一度で発散できるわけないです。

 

「う、ごいて……」

「あん?」

「動いて、下さい……もっと奥まで大きくて逞しいちんぽのピストン、欲しくてたまらないからっ!!!」

「ククっ! いいぜ『マシュ』。たくさん感じろよ。オラァ!!」

「あ”、ぎだっ!! ちんぽ、ふひぃ! ピストンきたぁ”っ♡」

 

とてもはしたない声が出てしまいます。

でもソーマの男らしい腰使いで突かれるとまんこの深い所まで届いてくれます。蕩けたマン肉でも熱くなる速度の激しいピストン。

ドチュ、ドチュンって音もまるで先輩やあの人に犯されているようで、子宮をグリグリと簡単に抉ります。

しかも、

 

「お”ぉ”っ”!? な”、ちんぽからも電気流れ……ふひ♡ひぃ♡んひぃいいい♡」

 

子宮を突かれる度、亀頭から電流が伝わります。それも一番強いのが。

バチッ、バチチッと体が破裂するのではと思う電流ピストン。

しかし快楽に飢えた私は強すぎる刺激も快楽に変換。もっと痺れる感じを味わいたくて深く腰を落とすようにしました。

それにマシュと呼ばれると先輩とした時を思い出し、心の中まで温かく満たされる気持ちにされてしまうのです。まるで違う顔の相手なのに先輩としているみたいなドキドキ感。

 

「でたソーマの垂らし。メスが感じるタイミングで名前呼びとか鬼畜。でも私もしてあげる。たくさん気持ちいいこと覚えて悪い子になるといい」

「はぅ♡ひっう♡あ、にゃるのちんぽが!? ひ、開いてぇ♡」

 

εのペニスも入れただけで終わりません。

内部で先端が開き、いっぱいになっているアナルの中をぎゅるるる~と広げられます。返しになった部分が入る時はスムーズに、そして抜ける時は引っ掛かり、腸が丸ごとシェイクされるみたいです。

 

「こ、これぇ♡アナル混ぜ混ぜちんぽしゅごっ、しゅごいですっ♡♡」

「当然。マスターと私で実用性は確認済み」

 

体の性感帯が一つずつ気持ちよくさせられ、バイザーの力で快楽は耐えることを許さない脳への直結。

取り繕うとか恥じらいとかの余計なものが削ぎ落されて快楽を求める純粋な心だけが残っていく。

 

「体ぷるぷる振るわせやがって。でけえおっぱいしゃぶってくださいってか? 

いいぜ━━あむぅ!」

「あっ……ふぁああああ!!! 乳首ちゅぱちゅぱのびりびりぃ♡きっくぅううう♡♡」

 

むしゃぶりつかれたおっぱい。ソーマのピアスが乳首に当たれば当然のように電流が流れます。

子宮と乳首の電流リズムが合ったり外れたりを繰り返し、ランダムすぎて慣れることも出来ません。交互にパチっ、パチっとクるのも、稀にシンクロしたバチチッと爆ぜる強烈さも性感に。

 

「あぁたまんねえ。コイツの体マジでヤベエわ。怪人女共でもこんなドスケベな体してる奴そうそういねえっての。オレのふたなりちんぽ、出て行かないでーって吸い付きやがる……ったくこの淫乱がよっ!!」

「ふひっ♡お尻、ぺちぺちいいでしゅ♡叩かれるの気持ちいいぃ♡」

「ケツ叩かれて感じやがってこの変態が。どこまでオレを誘うんだよお前は♡」

 

もう私は快楽の奴隷。

自分が気持ちよくなることしか考えられません。

前後からまんことけつまんこを押し潰されるようなサンドイッチピストン。抉られるのも引っ掻き回されるのも気持ちよさしかないのです。

もう理性なんてなくなり、下品な言葉遣いだってできてしまいます。

 

「お尻♡おっぱいぃ♡まんこぉ♡もっと、もっひょビリビリ、じゅぽじゅぽくだしゃぃいいい♡」

【ちんぽ欲しいですよね?】

「そう! ちんぽ! ちんぽズポハメせっくしゅ気持ちいいでしゅ♡もっと、もっと突いてくだしゃいぃいい♡」

【クス、いいですよ。それじゃあ最後までしちゃいましょうね。

精子だって欲しいですもんね?】

「欲しいです♡熱い精子、じゃーめん♡私のナカにたくさん出してぇえええ♡♡」

「キヒャハハ!! やっぱ淫乱だなオマエ! 素直な女は好きだぜ! 可愛げがあるってもんよ。

そろそろぶちまけてやる!」

「堕落。今の貴女、とても輝いている。もっと正直な自分を受け入れるべき。

女はちんぽに抗えない。それはただの事実。何もおかしくない。

祝福ザーメンでしっかり覚えるといい」

 

3人に導かれて求めた精液の熱。

それはほどなく叶えられました。

 

「射精……る!」

「あ、ひゃああああああ♡♡」

 

どぴゅどぴゅっとこの数時間ですっかり聞きなれた音と一緒に白濁液がまんこに。

火傷してしまいそうな熱さの中でも電流は止まらず、もう気持ちいい機能以外は何も感じません。

そんな刺激を少しも見逃したくなくて両穴を力一杯締め付けて快楽に耽る。

熱と電気を流され、バイザーの力で引き上げられた快感、なによりおちんぽ様の存在に感謝しながら絶頂してしまったのです。

 

「イきます♡精液注がれて私……おちんぽ様大好きぃいい(イックぅうううう)♡♡」

 

子宮は白濁液でパンパン。アナルも同じように限界まで注がれて要領越えた分がぐぎゅるるるなんて音と一緒に大腸と小腸まで流れてきます。

尊厳を余さず破壊される絶頂はとても気持ち良かったんです。

 

【おめでとうございます。本当の私。ちんぽ貰えて幸せですよね】

「はいぃいい……ちんぽ、素敵でしたぁ♡」

【クス、また一歩優秀なメス奴隷に近づけました。前よりおねだり上手ですよ】

 

もう理由があればちんぽを求めて憚らないメスの心が根付いた瞬間でした。お腹と腰に浮かんでいた淫紋がより大きく成長して、もう少しで鎖になるように成長も遂げました。

射精を終えたおちんぽ様がゆっくり穴から抜けていきます。そんな喪失感もまた快楽に結び付け、容易く絶頂してしまうのです。

 

「っああ……ちんぽ……ちんぽがお尻から……まんこからも引き抜かれて……また私……これだけで……っ!! ♡♡」

 

どうしてもっと早く先輩とセックスをしなかったのでしょう。

どうしてもっと快楽に貪欲にならなかったのでしょう。

今の私には与えられるちんぽ(恵み)を拒んでいた過去の自分がひどく愚かに見えて仕方ありませんでした。

ナニカが決定的に変わったと自覚。そして2度目の絶頂を迎え、両穴からザーメンが零れてしまうのをもったいないと感じながら私は意識を手放すのでした。

 

◇

 

マシュの堕落が進んだことを確認したソーマとεはバイザーと触手を回収。

互いに選んだメスの良さと射精の感想を口に出す。

 

「っキヒャハハ!! あー射精(だ)した射精(だ)した。いいまんこしてるぜ。このまま持って帰りたくなっちまう」

「共感。マスターへのご奉仕に並ぶ気持ちよさ。程よく肉のついたお尻、とても美味。ちんぽを誘うとても悪いケツまん」

「んぁぉ♡」

「称賛、お尻撫でただけでまたイった。もう正気に戻っても以前ほど快楽には強くなれない。絆なんて不確実な感情と違う、欲望と理性の狭間で結ばれる本当の信頼関係を結べる。私とマスターのよう」

「完全にちんぽ狂いの頭になってんじゃねえの。ま、それが一番幸せだけどな」

 

とはいえ最後に堕とすのはこの世界の住人であるソラエルの役目。

あくまで途中のおこぼれに与っただけに過ぎない。

そろそろ彼女を呼んで本格的に堕とすかと周囲を探すと、未だにエクスティアを追って街で激戦と繰り広げる召喚者の姿が見えた。

 

「ンだアイツ、まーだ殺ってんのかよ」

「遅滞。最弱でも時間かかりすぎ。そろそろ止めるべき」

「だな。ソアラの姉御も楽しみ終わっただろ。最後の一匹片づけて堕としてやろうじゃねえの」

 

そして一歩、雄汁と愛液に塗れた土に足を踏み出して気配を感じ取った。

 

「チッ」

「同意」

 

◇

 

ソラエルという少女

━━小樽市街━━

 

ソラエルはエクスティアを追いかけ、いつもの自分らしくない力任せな戦い方で相手を追う。ルクスティアの力を装填して魔力量や出力を上げた体に無理をさせ、光球や熱線を辺り構わず撃ちまくる。

残り3人は既に呼んだ連中が片づけたらしい。だから自分も早くしないと。

小樽湾の中心に開いた穴から際限なく湧き出る泥と泥人形のように、この胸の憎悪を吐き出し切らないと頭がおかしくなってしまいそう。

 

「はぁ……はぁー……! 

まだだ。全部、全部壊さなきゃ。何もいらない。こんな世界も人間も、ボクの好きなものだけあればいい!!」

 

何度目かの街を飛びながらエクスティアのエクスセイバーと鎌をぶつけあう。

お互いに腕、足、首と出血が体中から血か滴っている。エクスティアのはソラエルによる攻撃の成果だが、ソラエルは攻撃を受けたわけではない。

切り札であるルクスティア化の反動。全身の魔術回路を酷使させたフィードバック。文字通り燃えるような痛みが体を苛んだ。

それでも通常時に使ったならこうはならない。あくまで出力を押さえ、燃費の良さを優先するからだ。

だが今は泥人形が食らって吸収した魔力さえも自らの炉へ加え、限界を超えた鬼神の如き戦い方。冷静さを無くした自分が遠からず自滅するだろうと分かっていても止まれなかった。

 

「もう止めて! 貴方の方がボロボロじゃない!」

「うる、さいっ! お姉様と同じ顔でしゃべんな! ボクは、ボクはっ!!」

 

擦り切れるように魔力を練り上げ、反動で痛む体を押して立ち上がる。

不意に日記のページを紐解くようにしてパラパラ記憶の目次が紐解かれる。

それは古い、ソラエルがソラエルであり続けないといけない起源。

 

◇

 

生まれ変わってからずっと、前の自分が嫌いだった。

紫峰創真が弱いから皆は離れていった。

紫峰創真に男の魅力がないから皆はいなくなった。

当り前の幸せがいつまでも続くって信じてた馬鹿な自分を思い出すと殴ってやりたい。

そんな自分だからあの日、お姉ちゃん達に向けられた決別も当然だって思ってる。

だから生まれ変わらせてくれたご主人様には無上の愛を捧げるのも当然で……でも同時に何もしないのはダメだって焦燥にいつも駆られてた。

紫峰創真は男としても雄としてもご主人様に遠く及ばない負け犬だったから期待を裏切ったら捨てられる。

姉達も守ってくれるわけはない。

でも何ができるだろう? 

偶然ご主人様のお慈悲で生き残っただけのボクに。

姉に比べても弱すぎるし、いまさら男になんて戻れない。戻りたくない。

自分にできる価値を生む方法をずっと考えて……誰よりも可愛い女の子になればいいかって思いついた。

紫峰創真(何にもなれなかった男)はダメでも、ソラエル(皆に愛される可愛い女の子)ならお姉ちゃん達にも見捨てられないカナって思ったから。

 

「です、ですよね……う~ん、もっと可愛い感じの喋り方……だよね♪ うん、こんな感じかな」

 

怪人達の視線を誘導してみたり、兵士たちの前でも可愛らしく振舞ってみたり、そんなことをしてる内に愛想がいい四天王ってアイドルみたいに扱われだした。彼らの目線を意識してもっと可愛い感じを目指している内、可愛い振舞いも当たり前になっていった。

そして兵士たちをまとめ上げ、目覚めた他の世界の自分の元へ渡れる力で貢献できるようになるとお姉様も姉ちゃん達もとても喜んでくれた。

ボクが可愛くて優秀な妹のソラエルだから。

だからこれからも可愛いのも優秀なのも手が抜けない。

ずっとずっと頑張らなきゃ。

その代わりに皆が愛してくれるならもう何もいらない。

ソラエル(これ)ならずっとやっていける。

皆に大切に愛される人気者、四天王リリスティア・ソラエルとして在り続けられる。たとえ帝国が人の道に間違っていて、いつか報いを受けるとしても。2度と大好きな人達と離れずに済むならそれでいい。

それが俺を捨て、ボクが選んだ道だから。

 

◇

 

「ア……創、ちゃん……」

 

何度目かの交錯の後、芯を捕らえた大鎌がエクスティアを上下に両断。ようやく消えてくれる憎むべき過去。それでも胸は晴れてくれない。

 

(懐かし、いな……そうだね……ずっとそうだ……もっと……皆に、愛されなきゃ……)

 

古い記憶に思わず苦笑する。

そういえば最初はそんなことを思っていた。

いまではただ可愛い自分になるのが好きで振舞っているだけなのに、色々堅苦しく考えていたものだ。

すっかり女の子アピールが板についた今でもやっぱり心は変わらない。

もう一人の寂しさは味わいたくない。だから壊れたって姉達に捨てられないために頑張らないと。

皆には見せない本当のボクであるために。

だから腕が折れるのも構わず鎌を振り上げようとして……誰かに腕を掴まれた。

 

「何やってんのよソラ!」

「アズ姉ちゃん……?」

 

見慣れたちょっと抜けてるけど可愛い顔。髪型似ててお揃いだねって言ったピンクの髪。

やっぱり痴女い衣装。

でもどうして? 

だって姉ちゃん達は全員青森との県境から登ってきてるはず。まだ攻略開始してから数時間で小樽まで来れるはずがない。

 

「アンタが突っ走ってどうすんのよ。後先考えないのは私の特権でしょうが」

「いや特権じゃないし……アズ姉ちゃんのダメな所……好きだけどさ……」

「1人で頑張りすぎなんだ。お前は少し休めソラエル」

「リズ姉ちゃんも……」

「止める間もなく飛び込んで……心配すれば案の定だ。小さいから私に気づかないと言ったら怒るぞ」

「ユリ姉ちゃんまで」

 

気づけば姉達が揃って自分の手を取ってくれていた。

柔らかくて慣れ親しんだふにゃっとする皆の掌。

手を取ってもらえただけですごく安心する。

あれほど強烈だった怒りが少しずつ萎んでいく。

でもダメだ。

だってもっと頑張らなきゃ。

今だって邪魔なエクスティアを、あの勝手なことばかり言う裏切り者を殺すんだ!! 

アイツだけじゃない。全部殺さなきゃ。

そのために宝具まで使ったんだから!! 

 

「ボクまだやれるよ……全部壊すの……ボクのいらないもの……裏切るもの……嫌いなもの……怖いもの……全部全部全部!!!」

「もういいのよソラエル」

 

力が抜けるくらい甘くて優しい声。そして大好きな匂いがぎゅっと包んでくれる。背中に当たるモチモチすべすべしたおっぱいの感触。

首に回された腕から香る花の匂い。世界で一番大好きで大切なお姉様の匂いだ。

振り向かなくてもそこにルクスリアお姉様がいるって分かった。

 

「なん、で……もういらないの……? 

ボク、また一人ぼっちになっちゃうの?」

 

宝具を使ったのにエクスティアを殺しきれなかったから? 

それとも自分の醜い憎悪を知られたから? 

そんなの嫌だ。

でもお姉様の言葉は絶対。眷属の自分たちはそういう生き物。だからいらないって言われたら消えなきゃ。

胸に去来する穴が開いたような寂しさを嚙み殺して下される言葉を待った。

 

「ごめんなさいソラエル。貴方の心に気づいてあげられなくて。そうよね、ずっと辛かったんだもの。不安にもさせたわよね」

「え……」

 

どうして謝るの。

だってご主人様のメスになるのは正しいのに。

ボクが勝手に怨んでるだけなのに。

戸惑いながらも、気遣ってくれるその言葉はとても嬉しくて。

謝ってほしかったわけじゃないけど、あの時の悲しさや辛さを労わってもらえたって思うと胸の炎が縮んでいく。

 

「大丈夫。私達はもうずっと一緒、何があっても一緒だからね」

「私もだぞソラエル」

「妹を放っていかないわよ」

「ちゃんと姉妹だからな」

 

そうやってあやすように皆から頭を撫でられて言われると、嬉しかったり悲しかったり温かかったりって感情が洪水状態。

戦う気力がなくなって魔力供給が止まり、ルクスティアの外装も元のカードに戻る。

 

「姉ちゃん……お姉、様……ボク、ボクは……う、ううぅ……うわぁあああん!!」

 

熱い水が頬を伝う。

女の子になってから久しく感じたことのないナニカが形となって流れていく。

 

「怖い夢を見ただけよ。もう一度、ゆっくり眠って忘れましょう。

大丈夫、起きた時にはきっとすっきりしているわ。ちゃんとそばにいるからね」

 

心の炎は姉達の言葉により鎮火し、疲労と酷使で現界だった肉体もあってスイッチが切れるようにボクは眠っちゃった。

 

◇

 

絶体絶命

ソアラの蛇に抱き起されながら服を着せられ、精液や愛液も拭き取られて身なりを整えられる藤丸。

近くでは気絶しているマシュも鎧を元に戻されながらεの触手で運ばれるところだった。

 

「う……」

「やれやれここまでかの。口惜しいのう。妾と揃いの着物を着せるの愉しみじゃったのに」

「チッ、しゃあねえか」

「未練」

「ご苦労様、ソラエルの似姿たち。調教を進めてくれたこと、感謝するわ」

(そんな、ルクスリア……そうかソラエルを追って……)

 

搾り尽くされた肉棒は下着の中で萎み、舐められ続けた尻穴からは腸液が漏れてしまいそう。全身を認めがたいセックスによる心地よい疲労感に包まれながら、今はぶら下げられるしかない。

唯一の味方であるマシュは気を失い、敵はソアラを始めとした3人に、あちらも気絶したソラエルを欠いた四天王とルクスリア。

さらに泥人形にまで囲まれて逃げ場はない。

希望であるダ・ヴィンチが来るまで耐える手ももう間に合わない。

何をされるか分からなくても、ろくでもない手を使われるであろうことは簡単にわかった。

にこやかにソアラがルクスリアに引き渡せと言われているのを見るがままになっていると、縛っていた一匹の蛇が耳元へ寄ってくる。するとその蛇の口からソアラの声が聞こえてきた。

 

「さて童よ。孤立無援に立ち往生、万事休すに四面楚歌……言い方は何であっても絶望的な状態なのは分かっておるじゃろう。

最後のチャンスじゃ。妾のものになると言え。さすればあの泥の門の向こう、我らの世界へと連れ去ってやろうぞ」

「何度も言わせるなよ。俺は……」

「ではここで死ぬか。……いや死にはせんか。妾と似た輩が主のような獲物、殺すわけがないからのう。この良く実った胸や尻を可愛がられてメスに堕とされるだけじゃろう」

 

ソアラの提案も結局は同じだ。捕まる相手がルクスリア達かソアラになるかというだけ。

 

(どうすれば……)

 

必至に頭を回してみても逆転の手はない。

そう絶望しかけた所に聞き覚えのある車両の排気音が聞こえてくる。

 

「間に合った━━!!」

「藤丸! キリエライト! 両名無事か!!」

 

爆音で突っ込んできたのはシャドウ・ボーダー。

ソアラたちとルクスリア達の丁度間に転がり込む形で停車し、ハッチを開けてダ・ヴィンチとゴルドルフが飛び出してくる。

まさに間一髪。

ダ・ヴィンチの撃ちだした魔力弾を受け止めたソアラが拘束を外し、マシュも同様に解放される。

 

「マシュ!」

「んっひゃぅ♡あ、せ、先輩」

「しっかりして。ダ・ヴィンチちゃんが助けに来てくれたんだ! 急いで逃げるよ!」

 

手を引いてダ・ヴィンチちゃんの下へ駆け出す。

止めるんじゃないかと思ったソアラたちはただ見ているだけ。よく見ると3人の足元が光の粒子に変わり、少しずつ消え始めていた。

 

(退去現象? 

呼び出された方が消えかけなら……ひょっとしてあの沼みたいな宝具も消えかけてるのか)

 

雲霞の如く湧いている泥人形もあちこちで斃れ消えていく。ソアラたちもいなくなるならまだ絶望的という状況ではなくなる。

僅かに希望が見えた気がした。

 

「ゴルドルフ君! ストーム・ボーダーからの連絡は!」

「繰り返しているがうんともすんとも言わん! ええい何をしとるんだ!」

「ネモはずっと連絡が取れないんだ。ソラエルに襲われた時も艦内に現れたし……ひょっとしたらもう……」

 

ストーム・ボーダー自体は目と鼻の先に停まっている。だがネモが健在であればマリーンズや他のネモ・シリーズが気づかないわけがない。それにわずかだがカルデアスタッフだって乗っていた。

それが何も応答せず、艦が全く動かないのはつまりもう彼らは……ということなんだろう。

言外に発した意思をくみ取ったダ・ヴィンチちゃんが苦虫を嚙み潰したような表情になり、それでも毅然と指示を下す。

 

「~~仕方ない発進だ! 時間稼ぎするからはや━━」

「━━ダメだろうダ・ヴィンチ。ご主人様の邪魔をするのは許されていない」

 

よく通る少年の声。ストーム・ボーダーの甲板からこちらを見下ろす顔は覚えがあって、しかし表情はまるで覚えがないものだった。

 

「ネモ……?」

「そうだよ藤丸。愛する君のサーヴァント、ネモ。そして今はナイオーロ皇帝陛下に従属するスレイブ・サーヴァントの一体、ネモ・ポセイドン」

 

ポセイドンと名乗ったネモの外見は大きく変化していた。

髪は耳までかかるロングのストレートヘア。髪色もルクスリアと同じ淫魔の性を体現したような薄い桃色。

白かった水兵服は昏く落とした黒色に。青かったストッキングとショートパンツも黒色に変わり、パンツは裾を短く切ったホットパンツ。スラッと伸びた曲線美がストッキングで強調され、お尻と足は女性っぽい丸み。

頭にはヤギの様にグルグルと渦巻く形の角、お尻からは黒くぬめぬめ光る尻尾が一本。

肌の色はマリーン達と同じチョコレートっぽい褐色肌。

思わずごくりと生唾を飲み込むようなエロチックな雰囲気を持っていた。

 

「命令だダ・ヴィンチ。『君の使命を思い出せ』」

「え、あ……私!?」

 

突然頭を押さえて苦しみ始めるダ・ヴィンチ。しかし助けの手を伸ばすより早く、だらんと手を下ろすと顔を上げた。

もうその顔は知っている彼女ではなくて、元の無邪気さも天真爛漫さもない無表情。

 

「━━ああそうだったね。ありがとうネモ」

「ダ・ヴィンチちゃん……?」

「ごめんね藤丸君。私ももう陛下の、ロギア帝国のサーヴァントなんだよ。その陛下からのご命令、君を捕らえてくるように言われているんだ」

 

極めて機械的にこちらを見つめてくる彼女。

その瞳には躊躇いも迷いもない。冗談とかって笑い飛ばせる空気じゃないし、そんなこと言う相手でもない。

シャドウ・ボーダーから降り、こちらにゆっくり歩いてくる。

所長もあまりの事態に動けず硬直。さらにストーム・ボーダーからはネモと同じ肌色と衣装になったネモ・シリーズまで現れる。

 

「チェックメイトですねー」

「マスターも早く堕ちようよ!」

「もう負けたんだよアタシ達は。だったら楽になろうぜ」

「何も辛くないんですよ。ちょっとふわっとして後はずっと目くるめく快楽に溺れるんです」

「全てはお姉様の為にだからごめんね」

 

数の多いマリーンズの手にはカルデアスタッフが引きずられているのも見える。男も女も服を脱がされ、人間扱いされていないのは一目瞭然。なのに全員が恍惚とした表情で自分を引く相手に縋りついているのが不気味で仕方ない。

ただ分かっていることは一つ。

カルデアは気づかないうちに敗北していた。

ストーム・ボーダーも、ネモとダ・ヴィンチも失った。スタッフ無くして艦も動かない。聞いていないがモルガンとバーヴァン・シーにダ・ヴィンチが触れなかったのは、ここに来れない状態だと知っているんだろう。

 

「少し驚いたけどこれで終わりね。降参してくれるかしらマスター君?」

 

ルクスリアの余裕ある笑いにももう反発する気力が起こらない。

だって何ができるって言うんだ! 

サーヴァントと母艦も失くして今更! 

抱いていたマシュは何かを悟ったように潤んだ瞳でこちらを見つめ、盾を出すそぶりもない。ずっと一緒に戦ってきた彼女の心ももう折れてしまったのかも。だとすれば自分は……

 

(ここまでなのか……)

 

みっともなくとも礼装を使って戦うかってやけっぱちな考えが頭に浮かぶ。快楽を知ってもなお、自分が失われるくらいなら。

だがまったく予想していなかった声が聞こえた。

 

「主よ、まだ命運は尽きておらんかもしれんぞ?」

 

背後でのんびり消滅を待っていたソアラ。蛇が再度耳元に近寄り、それだけ耳打ちしてくる。

 

「……どういう━━」

「教えてやらぬ。妾のものにならなかった仕返しじゃ。くふふふ!」

 

そして3人は完全退去。

残っているカルデアの戦力は藤丸とマシュとゴルドルフ、そしてシャドウ・ボーダーの中でガタガタ震えつつもネモに興奮しているムニエルだけ。

もうカルデアはここまでと誰もが思った。

追い詰めるルクスリア達も追い詰められたカルデア側も。

だが藤丸だけはソアラの言い残した言葉が引っ掛かっていた。

また命運は尽きていないと。

そしてその言葉を裏付ける異変が起こった。

 

◇

 

小樽湾。

ソラエルの宝具で生まれた泥は宝具の展開終了に応じ、静かに閉じ始めていた。

無限に侵蝕を繰り返す泥人形たちもこの世とつなぎ留める入り口が無くなると存在を保てない。そもそもが妄執の塊である彼らは魔力の供給が途絶えるまで進むのをやめない。だから歩み続けたほとんどは建物に人型の染みを作ったり、泥溜を作ったりで消えていった。

しかし落ち着いていた沼より、黄金の稲妻が撃ちあがる。

既に閉じかけていた入り口を強引に開き、茜色の空さえ塗り替える強烈な光。太陽がもう一つ上ったのかと見間違えるような神々しさだった。

水面から撃ちあがった光はまさに雷のようなスパークを纏って伸び、一瞬の煌めきで北海道上空に残っていた世界樹の枝を砕き、さらに外の空想樹モンスターの天幕も一部を破壊。

柱にも見える太さをした光の束は直上から、角度を徐々に水平へ変えていく。

そしてそのまま━━

 

「嘘っ!!?」

 

横薙ぎに小樽の街を襲った。

3怪人の暴虐で人の住める場所ではなくなっていたがまだ景色としては見れた状態。

それを光は一切すべて薙ぎ払う。建物や木々を消しゴムでもかけるように消去、一掃。通った後には何があったか分からないごちゃまぜになった瓦礫の山。草木も生えない荒れ地状態にしてしまう。

超常の力で消しているのではなく、ただ一方的に桁違いの威力で焼き飛ばしているのだと誰もが理解。

アルトリア・ペンドラゴンの放つ【約束された勝利の剣(エクスカリバー)】を使った光景を思い出すが規模と威力は実にその数十倍はありそう。

一切合切をまとめて焼き払う閃光が当然藤丸達の下へも迫る。

 

「皆、下がりなさい!!!」

「お姉様こそお下がりを!」

「何よアレ!! ソラ、アンタだけでも━━」

「私達でも無事ではすまなさそうだな。上か下へ避けろ!」

「お姉様こちらへ! マリーンズ! 僕らの艦で全員を上空へ!」

 

ネモが離脱を先導し、ルクスリア達も動揺する規模の暴力の訪れに僅かだが包囲に隙が出来る。

その瞬間を見逃さなかった一人が瞳に意思を取り戻して高らかに叫ぶ。

 

「っ━━今、だっ!! 宝具【境界を超えるもの(ビューティフル・ジャーニー)】!!」

「ダ・ヴィンチ!?」

 

帝国側になったはずのダ・ヴィンチから号令を受けたシャドウ・ボーダーが遠隔起動。内部から現れたマジックアームで藤丸、マシュ、ゴルドルフの3名を回収すると即時発進。多元の海へとその車体を沈みこませ、虚数潜航を開始。

しかし使い手であるダ・ヴィンチはボーダーの外で微動だにせず、藤丸達もまた手を伸ばす余裕がなくて取り残してしまう。

 

「ダ・ヴィンチちゃん!!」

「藤丸君、後はお願い」

 

ルクスリア達もカルデアの動向に気づいていたものの、直近に迫った脅威を相手にしたせいで動けない。

 

「藤丸━━!!」

 

背中へ手を伸ばすネモの声だけが空しく響き、直後小樽市全域が光に呑まれた。

 

◇

 

藤丸達が虚数空間に脱出を遂げた数秒後、小樽全域を謎の光は焼き払ってなおも放出する勢いを上げようとする。

しかしここで門が完全消滅。供給源を無くした光も即座に消え、後には大量の瓦礫の山で出来た廃墟。

そしてルクスリア達が体勢を立て直し、怪人達も結集した頃にはカルデアの後を追うことは不可能となっていたのである。

 

◇

 

異聞平定

カルデアが北海道より消失した数日後、西暦2018年12月24日。

もうクリスマスを祝える人々はいなくなったこの日に北海道は陥落。

札幌市の北海道庁旧本庁舎にて前ロギア皇帝は自害。

僅かに抵抗を繰り返す人間達もアルテミスの光に焼かれ、恭順を示す以外の道はなくなった。

こうして日本異聞帯全域にロギア帝国、そしてナイオーロの旗が翻ることで乱れは統一された。

真に独立した歴史、特異点ではなく異聞帯としての確度が確かなものとなったのである。

ここまでの物語はカルデアが苦境に立ち向かう物語だった。

しかし立ち向かうとは逆転の目があるからこその言葉。

断言しよう、これより先カルデアに逆転の目はない。

ネモ、バーゲスト、メリュジーヌは眷属へと堕落し、北海道の戦いにてバーヴァン・シー、モルガン、ダ・ヴィンチが捕縛された。

戦うどころか脱出することも叶わない。

彼らが汎人類史を救うための物語は終わったのだ。

故にここから先は終わったカルデアが滅ぶまでの物語。

最後の1人、藤丸立香がナイオーロの眷属へと堕ちるまでの物語となる。

 

 

〈つづく〉




ここまで読んできた皆さまの頭には疑問が浮かんでいるでしょう。
バーヴァン・シーのラバースーツってエクスティアにあったっけ?
と。
これについては古い同人作品ですが今はもうないmacxe'sというサークル様のダイナレンジャーって作品のゾファー細胞ってのが元です。ネタ考えながら読んでたらエロかったのでちょっと入れてみた☆
・・・真面目に話すとバーヴァン・シーは服系統の調教でいく予定で関門海峡攻防戦でつけられたヴェステギルの触手もそれの一環です。しかしそれだけだとやや広がりがないので、服でエロと考えている内にゾファーでいこうとなって登場しました。
設定としてソラエルがソアラやらブラッドやらの異世界の自分を探してさまよっている時に見つけたということで。具体的には怪人化からのキメラゾファー化ノウハウを大首領へ渡した見返りに、ゾファー細胞の使い道を聞いたってことで脳内補完お願いします。

そしてエクスティアTSが発売され、公式としてのTS創ちゃんの回答が出ましたね。ソラエルとは違う形だったので今後の名前被りとかどうしようと悩んでいましたが別物で助かりました。スピカも紫織ちゃんもルクシエルちゃんも可愛い。
しかしハッピーエンドですらあれで・・・エターナル創真のようなビターエンドには涙が止まりませんでしたよ。ひょっとしたらエボルトかトリ子シリーズに彼女らも顔を見せるかもしれません。もうエボルトの店が一つの特異点化してるので何でも起こりえます。
本編ではヤンデレ気味でしたが公式キャラとしてマウント取ろうとメスガキ化してるルクシエルちゃん見たい。

最後カルデアが逃げるタイミングを作った人についてはこのシリーズじゃ触れません。pixiv版の当方の作品シリーズを読まれている方には分かるようになっております。
エロも関係もない他作品キャラまで出してられないので。とりあえず本人的にカルデアを助けたんではなくてまとめて殺そうとしただけです。
ソラエルの内面についても本題ではないですが一応帝国側主人公だし、今後も展開するかもしれないうえでちょっと触れておくかとなりました。

次回はバーヴァン・シー悪堕ち回。
北海道に来るまでの調教をプレイバックしつつ、最後に城で悪堕ちさせられてしまいます。
そしてバーヴァン・シーが堕ちれば次はモルガン、その後にダ・ヴィンチとエロ回が続きます。というか後真面目な回って1,2回しかないはず…色々とお楽しみに!
ではまた次回。
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