こんな据え膳、あってたまるか。
お互いそれぞれ2台のベットに座り、向かいあっている。
美咲ちゃんは、ビックサイズの白いパーカーに青のGジャンを着て黒のワイドパンツにコンバースのスニーカーを合わせている。
とても可愛いと思う。でも、きっとこれは防御だ。
当然の事なんだろう、あんな事があったのだ。自分の中の女を守るために、いつもより、わざと男の子っぽい恰好をしているように感じた。
これから美咲ちゃんの人生を賭けたセックスをしなくちゃいけない。
今までそんなセックス、した事は無い。
ぐるぐると思考を巡らせる。
いつも、自分はどういう風にしていたのだろう。
でも、思案しはじめるのを止めた。
考えた所でしょうがない。所詮自分は取るに足らない寂しがり屋だ。求められた事に応える事しかできないのだ。
美咲ちゃんは、自身を体毛の薄いケダモノと称して、それが許せないと言った。じゃあ一つ一つ丁寧に教えて、自分が出来る最大限の、ちゃんとしたセックスの仕方を教えればいい。
「美咲ちゃん。手、貸して。」
ピクリと美咲ちゃんが動く。
そして、おそるおそる手を差し出す。
それを、ぶつければすぐ割れてしまうようなガラス細工の置物を扱かうように、丁寧に包み込んだ。
ゆっくりとパーカーの袖をめくって、痛々しく赤く腫れたロープの跡を表に出す。
手首の内側に、そっとキスをする。
このロープの跡が僅かでも良い思い出に変わるように願いを込めて祈るように、キスした。
「可愛い手だね」
そう言いながら、美咲ちゃんの瞳を見つめ、手の甲にキスをしてから、骨の間を舌でなぞり、人差し指を優しく口に含んだ。
髪を耳にかけ、耳の近くや、首筋に優しくキスをする。
意識が外れているうちに、美咲ちゃんの防御壁になっている服を脱がしにかかる。
ゆっくりとGジャンを脱がし、パーカーを脱がす。
ほっそりとした肢体に小ぶりの双丘があって、白いブラジャーをしていた。
少し心配そうな表情が見て取れたので、
「大丈夫」
とだけ言って、頭を支えながら、ゆっくり倒す。自分も横に倒れ抱き寄せた。
「キス、された?」
美咲ちゃんはコクリと頷いた。
今日の思い出が、美咲ちゃんの体に残りますように。そんな、祈りのキスだ。
小手先は使わない。ただただ、優しくゆっくりキスをする。
美咲ちゃんの体に、優しい感触だけが残るように上書きするように触れる。
ゆっくりとブラジャーを外す。
「ここはどういう風に触られたの?」
「鷲づかみされて、痛かった」
小ぶりな胸を、外側からほぐすように触れ、キスをしながら唇が胸まで降りて行く。
外側から中心へ向かうように丁寧に胸を愛撫した。
人生勉強真っ只中のアホな大学生が触れた所が残らないように。何度も何度も丁寧に。上書きした。
乳首が硬くなり、背中が反れる。優しく焦らし時に乳首を舐める。
硬くなった乳首の味を確かめるように、口に含み舌で転がす。時間をかける。安心させるように。
ユキオ君はただただ優しい。長いキスが胸に染み込んでいくようだった。
きっと安心させてくれようとしているんだろう。優しく、優しく触れてくれる。
ああ、なんだ、そんな簡単な事だったんだと気付いた。
胸を愛撫してくれているときに理解した。
「どうして欲しいか分かってくれる。」
ユキオくんと前にしたと言っていた友達の言葉を思い出した。
そういう事じゃない、乳首の周りを触られると乳首が切なくなる。
それを、ゆっくり、ゆっくりされると、もっと、もっと切なくなる。
そして触れられた瞬間に、一気にボルテージが上がり、その気持ちが爆発するのだ。
ユキオ君は他の人より少しだけ、女の人の体を知ってるんだ。
セックスってそういうものだったんだ。と、気付いてしまった。
ユキオ君は痛くしない。笑わない。気持ち悪いなんて言わない。カッコつけなくたっていい。
そういう男に抱かれていると、分かってしまう。男として信頼出来るのだ。
なら、思った事を言って、したい事をすればいい。母親に抱かれる赤ちゃんみたいに、わがままになって、泣きたければ、カッコ悪く泣けばいい。それでもユキオ君は喜んで受け入れてくれる。
私を見つめる優しげな瞳から、それが伝わってくる。
私の乳首を舐めるユキオ君の頭を撫でる。同じように指でユキオ君の乳首の周りを円で描いた。
すると、ユキオ君がビクッと体を跳ねさせた。
「気持ちいいの、もっと、もっと舐めて。」
自分の言葉じゃないみたいだった。でも気持ちを伝えるって、気分が上がる。
私も責めたい、そう思ってユキオ君を横に転がす。
初めて自分から積極的にキスをした。気持ち良い。
ユキオ君の乳首を指で弄りながら、パンツの上から爪を立てていじる。
こういう事なんでしょ?直接触って欲しいって思ってるんだよね?
ユキオ君がビクンッと動く。ユキオ君も私の乳首を弄りながら、膣穴とお尻の間辺りからクリトリスの下あたりまで、指でゆっくり撫で上げる。
ああ、クリトリスを弄って欲しい。切なくなる。けど、もっと焦らして欲しい。焦らしてくれた方が気持ちよくなるから。
二人で切なくなって、一緒に気持ちよくなろう。キスしてるけど、目が合ってる。
今お互いの考えてる事を、多分、お互いが分かってる。たった二人だけの世界で、私たちは一つになってる。
お互いの吐き出す熱い息と、唸る声が止まらない。
我慢出来なくなって言う。
「ねえ・・・・・舐めあいっこしよ?」
こんな事、自分で言葉に出来るなんて思ってもみなかった。大人のお姉さんみたいだ。
今までは、流された事を理由にして、責任を相手に押し付けて、文句を言っていただけなんだ。
体だけ差し出して、心は守って。馬鹿な事をしてたんだな。心を通わせないで、性器を擦り付けるだけなんて、ただ、意味も無く傷付け合ってるだけみたいじゃないか。
ユキオ君はクリトリスをペロペロ舐めてる、我慢できなかったのかな。
肉棒の側面を根本から亀頭の下までゆっくり舐め上げる。
ユキオくんが「ングッ」って言ってビクンと震えた。亀頭をくわえて欲しいんだろな。
するとユキオ君は、クリトリスを舐めながら膣口をこちょこちょとくすぐってくる。
そんな事されたら入れて欲しくなっちゃう・・・。
すると今度は、指の先っぽだけ入れて入り口を広げるみたいに撫でてくる。
それはダメだ・・・・切ない。
「早く入れて・・・・」
なんていやらしい事を言っているんだ自分は。そんな恥ずかしさも気持ちが良い。
耐えきれなくて亀頭をくわえ込んた。ユキオ君みたいにゆっくりやさしくフェラチオをした。
唸るユキオ君の声を聞いて、もっと濡れる。
ユキオ君がクリトリスに吸い付いてくる。そして、硬くなったクリトリスを口の中で舌で舐めまわされてる。そんなやり方しらない。
「や、やばいよ・・・・・」
さらに指を一本入れて、気持ち良い所でやさしく揺らされる。
もっと激しくして欲しいのに。とにかくじれったい。でも、気持ちがいい。
徐々に圧力を感じる、それと同時にいきたい感じが近づく。
「お願い・・・・・いかせて・・・・・・」
圧力がグッと上がる。くるっ・・・
「い・・・・・・・いっくっ・・・・・・・・」
美咲ちゃんは、急に大人の女性みたいになった。
さっきまで、触れるのすら怖かった筈なのに。それがいつの間にか、今じゃ積極的に楽しもうとしている。
女の人には敵わないなと、最近はよく思う。
「お願い。入れて。そのままでいいから。早く。お願い。」
やっぱり女の人には敵わない。
あんまりピストン運動が起きないようにというのと、安心感の為に、対面座位にする。
美咲ちゃんの腰を抱え足の位置を調整したりしながら、少しづつゆっくりと挿入していく。
「痛かったら言ってね。」
じわりじわり挿入し、入り切ったところで止める。
止めたまま、抱きしめてキスをする。
キスが熱くなる程に、美咲ちゃんの中が動く。本当に入れているだけで気持ちが良い。
顔を離し、美咲の目を見つめ言った。
「美咲ちゃんの事、好きだよ」
美咲は返す。
「私も大好き」
瞬間、自分のムスコが膨れ、美咲も締め付けてくる。
そのまま、恥骨をクリトリスにこすり付けるように、ゆっくり前後にグラインドする。
「や、やばい・・・・」
頬を赤らめ、美咲が呟く。
「もっと、もっと、お願い・・・」
体重がかかるように、体を倒し、美咲を立てる。
ベットが一定のリズムで「ギィ ギィ」と鳴く。
じわりじわりと美咲の中が締まる。ビクッビクッと痙攣が始まる。
「な・・・なんか、くる・・・」
「好きだよ」
抱きしめてキスする。
「う・・・・・あ・・・あ・・・」
「い・・・・・・・・くっ・・・・・・・」
ビクッビクッと断続的に美咲が揺れる。
女性を満足させるコツがあるとしたら。二つだけだと思う。
安心してもらうって事と、焦らないって事だ。
それでもどうにもならない人が居るって事もまた事実だ。
体を繊細に、上手に動かすのと同じで、神経が成長してなければ、快楽物質は脳に送られないだろうから。大事なのは成長だ。
生物は自分の遺伝子を残すために生きる。
そして、セックスを上手にする事は、受精の確率を上げるって事と同義なのかもしれない。
人間は万年発情期だ。そして、受精してから出産するまで10か月かかる。
脳がでかいばっかりに、妊娠出産のリスクは計り知れない。名実供に命がけだ。
しかも、そこから生物として一人前になるのは15,6年はかかる。
メスは個の価値観における優秀だと思われる遺伝子を選び、オスは受精の確率が低いのだから、数を打たなければならない。
あくまで一般的な考えは、メスが優秀な遺伝子を持つオスに発情し、オスがオスには無い体の特徴に対し発情する。発情すれば勃起して射精し、それをする事で快感を得る。
所詮生物は遺伝子の入れ物なのだ、快感は「遺伝子の意思」によるご褒美で、目の前にぶら下がるニンジンだ。
女性の膣内は基本弱酸性だ。酸は雑菌を抑え、必要以上の妊娠を避ける。妊娠は負担だからだ。
女性が興奮すると膣内が弱アルカリ性になり、ある程度感じると子宮口が動き、精子を吸い上げる準備が始まる。
神様のいたずらなのか、オスとメスじゃ、受精に至るメカニズムが違いすぎるのだ。
痛くされたりで安心できなければ興奮は醒め、焦れば準備の間に合わない女性を置いて行く。
射精して興奮が醒めるのはオスが外敵から身を守るためだが、メスがあっと言う間に興奮が冷めたオスを寂しく感じるのは、気持ちが冷めると弱アルカリ性の状態を維持出来なくなって、妊娠の可能性が下がる。
男と女は、うまくいかないように出来ている。違いすぎるから。
違うのだから傷つけ合い、傷が付くから、その先も続く人生を生きる為に成長するのだ。
人生はいずれ終わる。明日より今日は一日若い。
でも、ユキオは成長から逃げる。それは欺瞞だ。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
初めての小説でしたが、書き始めると面白く、あんまり細かい事を気にせずにノリと勢いで一気にここまで書きました。
不慣れで稚拙な文章ですが、少しでも面白がってもらえたら嬉しいです。
まだ、物語は中盤なのですが、少しペースダウンする予定です。
ポツポツと続きを書いたり、加筆修正をしていく予定です。
もしよければ、感想など貰えると喜びます。よろしくお願いします。