※この作品はR-18です。

夢の中で従妹にやられるお話(仮)   作:natsu0000

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車を店のだだっ広い駐車場の隅に止める。

先日、店長のクラウンのミラーが折られていた。パチンコ店関係者が、なるべく目立たない所に車を停めなければいけないのは、世の常である。

常連客は、基本は店員には優しいのだが、店長のへの対応は厳しい。

直してもまたすぐ折られるかもしれない。ミラーがぶら下がったピカピカのクラウンが痛々しい。

 

広葉樹の赤くなった落ち葉が、ひび割れのひどい舗装の駐車場に落ちた。

店長とカワサキさんが、電光石火で騒ぎを起こし、あっという間に居なくなったが、それでも変わらずに店は営業し続けるし、季節は変わる。

 

カワサキさんの子供が生まれるまでは、あの関係は凍結状態らしい。

DNA検査でもするのだろうか。慰謝料だとかもどうなるのだろう。そして、あのヤンチャな彼氏の子供だったとしても、疑心暗鬼の状態できちんと結婚生活は続けられるのだろうか。

そんな傷だらけの新婚生活は、考えるだけでも恐ろしいと思ってしまう。

カワサキさん恋愛中毒って感じするもんなあ。

 

もしかすると風の噂に乗ってくるのかもしれないが、もう店長もカワサキさんもいない今、その先の事を知ることもないのだろう。

 

 

あれから10日経った。美咲は昨日、店を辞めたようだ。思う所があってそうしたのだろうが、何故辞めたのかは知らない。

あの、人生を賭けたセックスをした次の日に、美咲のマンションまで送り。

その後の連絡は無い。

 

あの二日間の出来事は、まだ自分の中にずしりと重量感を持って居座っている。

彼女の葛藤と、自ら殻を破り、羽を広げる様をまざまざと見せつけられ、眩しかった。

自分も、きちんと恋愛をするべきなのだろうと、思わされてしまった。

恐れを飲み込み、懐に飛び込んで傷ついて来いと言われているようだった。

 

いつまでも気ままなフリーター生活で、気に入った止まり木に一晩羽を休める為に身をまかせるだけのような日々は、そろそろ終わらせなくちゃいけない段階に来ているような気がした。

そろそろ大人になりなさいと、美咲に背を押されたのだろう。

 

美咲のこの先の人生、良い事が沢山ありますようにと願いながら、店の裏玄関をくぐる。

 

すると、熟練の雰囲気が漂う新人のお姉さんから挨拶される。

 

「おはよー」

 

「おはようございます。」

 

ミウラさんだ。女性で、髪型は金髪に近いような茶髪でボブぐらいの長さで年齢は30そこそこと言った所か。背は低いが少しふてぶてしい雰囲気がある。他店から流れて来た新人さんだ。

パチンコ店に一度入り仕事をある程度覚えると、条件の良い所へ流れて行く人は多い。

いつも咥えたばこで車乗ってるイメージ。

 

今回の出来事で、急遽アルバイトを募集し、アルバイトとして入った二人の一人である。

 

「おはようございますー」

 

ハラダさん。

20代後半の男性。

離婚して仕事をやめ、地元に帰ってきて、とりあえずでアルバイトを始めたようだ。

年齢よりいくらか老けて見える、苦労人なのだろう。

身長170cm位で中肉中背、歳下にもやたらと腰が低い人だ。パチンコ店で就職するタイプだろうか。

 

「おはようございます。」

 

こうして、人がいなくなってもあっという間に穴は埋まる。

長年大黒柱としてやっていた店長が突然いなくなった所で、何とかなってしまう。

店の為に自分が頑張らなくちゃなんて、心配する必要もないものなのだ。

フリーター生活もそろそろ潮時な気がする。少し真面目に考え無くては。

 

 

 

「今日暇?」

 

仕事終わりにケンジから連絡が来た。

 

「涼子と、TRASH行かない?」

 

TRASHとはいつもの500円バーである。

 

「分かったよ、後で寄って行くわ。」

 

ユナと会った時以来のケンジと涼子だ。あれから、意外と色々あったものだ。話せる話はほぼ無いのだが。

そんな訳で、家で軽く食べケンジの家へ寄ってTRASHへ向かう。

ケンジは相変わらず元気そうである。

 

「あー、ユナちゃんとは何も無かったのかー」

 

「タイミングがなあ」

 

「そのお姉さんと裸で寝てる時に鉢合わせって。軽く修羅場じゃねーかよ。」

 

「全然大丈夫だよ。付き合ってるとかでも無いし。」

 

「それで済むのがおかしいんだよ・・・・」

 

ケンジとTRASHに入り、涼子と合流。

涼子は黒いロングの髪で赤いリップを引き、青いシャツを着てデニムのワイドパンツを履いている。

なんというか、もちろん可愛くて似合っているのだが、ザ・大学生って感じがする。

 

「おつかれー」

 

「ユキオ久しぶりー ユナとはどうなったの?」

 

「聞いてるんだろ。何にもないよ。」

 

「あんな可愛い子ホテルに連れてって連絡先も交換しないなんて、ユキオはどうかしてるよね。」

 

「たまたま意気投合してホテル行ったってだけだからさ。」

 

「ほんと嫌な奴。死ねばいいのに。」

 

「ひでえ」

 

生理前症候群か何かだろうか。涼子はいつに無く辛辣である。

 

「ケンジはどうなの?」

 

「最近は涼子とぐらいしか会ってないからなー」

 

「涼子いいじゃん可愛いし。」

 

「死ね」

 

射貫くような視線をよこし、吐き捨てる。

やはり生理前なのだろう。

 

「まあ・・・・・なあ?」

 

なんだか煮え切らない返事である。

 

「ケンジとは無いっつーの。もっとシュッとした人がいいのよ。」

 

バッサリである。

 

「ひでぇ・・・・」

 

まんざらでもないケンジに比べ、涼子はいつまでも辛辣であった。

 

「あれ?涼子?」

 

中央通路に立つ見た事のない女性が涼子に声をかけてきた。

女性の二人組である。

 

「あれ?遥じゃんどうしたのこんな所で、めずらしー」

 

遥という女性は涼子の同級生っぽい。ここから車で一時間程の大学に通っているようだ。

それで、となりに居る女性と実家に戻ってきて、外でご飯を食べた流れでここに来たようだ。

 

「良かったらこっちで一緒に座る?」

 

ケンジが立ち話も何だからという感じで声をかける。

 

「うん、おいでおいでー」

 

と、涼子。

 

「うん、じゃあお邪魔しようかな。いい?ユカ。」

 

「あ、うん大丈夫だよ。」

 

「じゃあここ座ってー」

 

と涼子が言い。俺と涼子の間に二人で座る。

 

「このコがね、高校の同級生の遥で、ユカちゃんでいいの?」

 

「うん。ユカです。よろしくね。」

 

「こっちのおっきいのがユキオで、こっちのちゃらいのがケンジ。」

 

「よろしく」「別にちゃらくねえだろー」

 

 

こうして、イレギュラーな飲み会が始まる。涼子が居るとこうなりがちではあるが。

 

遥ちゃんは、少し小柄な女性だ。茶色のボブ、身長152,3cmくらいだろうか。ブラウンのロングワンピースに白いカーディガンを羽織って、スニーカーを合わせている。切れ長の瞳がなんとなく涼子に似ているイメージがある。

 

対して、ユカちゃんは身長160cmくらい。紺のプリーツスカートに白いシャツとジャケットを合わせていた。髪は黒のロングで色白である。丸い瞳にぷりっとした唇。ユキオ好みであった。

 

「あ、ユカちゃんを見る目だけなんか違う。」

 

涼子は目聡い。

 

「いや、まぁ可愛いなと思いまして・・・・」

 

「う・・・」

不意を打たれたのか、ユカが照れたような顔をする。

 

「ダメだよー ユキオなんて女の子泣かせてばっかのロクなオトコじゃないんだから」

 

「そ、そんな事は・・・・・」

 

「まぁまぁ、あんまりユキオいじめるなよー こいつも色々あるんだから。」

 

 

そんな感じで、いじられながらも飲み会は続き、夜は更ける。

いい加減皆酔っ払い始め、ユキオもなかなかの酔いっぷりを見せていた。

 

「本当にユキオ君て彼女いないの?」

 

「もう6年くらいはいないかなあ。」

 

「絶対モテるのに・・・・ノーマルじゃないとか?」

 

「ノーマルだよ・・・・高校生の時に初めての彼女が出来てね。なんか嫉妬とか束縛とかで嫌になっちゃって。なんていうんだろ、女性は好きなんだけどさ、深くなる前に身を引くのばっかりが上手くなっちゃってさ。」

 

「ユキオ君て、臆病なんだね。でも、そんな所もモテる所なのかもね。なんか掴みどころの無い感じっていうかさ。一晩の寂しさ紛らすのには丁度いい相手って感じじゃん。」

 

「確かにそうなんだよね。年上のお姉さんとかは、ぴったりと関係がハマる事が多かったかな。」

 

「ああ、なんか分かる。話してても妙に安心感あるし、羽休めに丁度いいって感じするかも。」

 

するすると会話が深まる。思わずフラットな感覚に驚く。感覚が近いのだろうか。つい口が回る。

 

「最近色々あってさ。仕事もそうなんだけど、そろそろそういう時期も卒業しなきゃなって思ってはいるんだよね。」

 

「いい加減飽きたって感じ?」

 

「んー、ぬるま湯も気持ちがいいんだけど、出るタイミングが近づいてる感じがするって感じなのかな。」

 

「そうか。誰かが羽ばたく瞬間でも見ちゃった?」

 

「・・・・・・」

目を丸くするとはこういう事なのだろう。リアクションを見てユカが微笑む。

 

「手伝ってあげたんでしょ?ユキオ君は自分を過小評価しすぎなんじゃない?」

 

「う、うん・・・・。か、過小評価って?」

 

「沢山女のコ泣かせたのかもしれないけど、女の子なんてそんな単純じゃないんだよ。打算が透けて見えるようでもね。一回セックスしただけの相手なんて、男には大事だったとしても、女の子にとっては良くなかった一晩の相手なんて、道端と石ころと大差無いのよ。それだけ、ユキオ君に価値があるって事だよね。」

 

「・・・・・」

 

「ユキオ君の言っている事を信用するとしたらさ。普通にモテるくせに一度の恋愛の失敗で6年も彼女作らないなんてありえないんだよ。求められてるの気づいちゃって、身勝手なふりして、相手の事ばっかり考えて身を引いて、それは欺瞞だよユキオ君」

 

「ユ、ユカちゃんは、なんでそんな所を思うに至ったの?」

 

「話を聞いていて、思った事を言っただけだよ。いくつか前提を取って付けた所もあるけど、大体あってるんじゃない?」

 

「自覚的じゃない部分は別にしても、ほぼ当たってるかな。ユカちゃんはすごいね。」

 

素直な感想だった。そして、彼女の言葉で自分の行いの正当性を説かれたのは素直に嬉しかった。

 

「一般論だったら、節操の無いクズ男なんだろうけどね。健康な体を持って生まれておいて、セックスの無い人生なんて誰の徳にもならないのに、禁欲的である事が美しいなんてどうかしてるよね。そんな価値観が根付いて増えるものなんて、パートナーのいない男女と、ゴミ箱のティッシュと不幸なセックスくらい?」

 

ユカちゃんは議論したいらしい。

 

「じゃあ、クズ男っていう立場を隅に追いやって意見を言うよ。そもそもセックスは、男は出せば終わりだけどさ。女性が負うリスクが高すぎるから禁欲的であるべきだっていう考えが生まれた可能性もあるんじゃないの?近縁での妊娠のリスクも高いわけだし。」

 

「性教育の時間とかで全部説明すればいいのよ。セックスも避妊も全部。ピルのリスクとそれによって得る利益もね。生理をコントロール出来る事で得る利益なんて日本全体においてもかなりのモノになると思うよ。」

 

「でも、現状学校の授業で性交について説明できなくて、確かどっかの学校でカブトムシの交尾で説明したとかなんとか話題になってなかったっけ。」

 

「カブトムシより下手なオトコが居たら日本の教育制度のせいにできるのね。」

 

「ブッ」

 

お酒を吹いてしまった。緊張と緩和というやつだろうか。彼女の発言は本気で付いて行こうとしたら負けらしい。

 

「ユカちゃんは今、彼氏とか居るの?」

 

「やっと私に興味持ったんだね。2年くらいいないよ。」

 

「いない理由はなんとなく分かるかな・・・・」

 

「すごい失礼な事言うのね。」

 

「ごめん、半分は冗談だよ。」

 

そんな感じで秋の夜長は朝まで続いたのだった。

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