【完結】お家とおち○ちんお取り潰し 残されたのは好敵手と子孫を残す為の優秀な血統だけ? 生意気ぼっちゃまTS孕み嫁修行 作:あかん子を説法
「……するぞ」
いつもよりワントーン低い声に上から見下ろされ、小さく丸まって座る肢体はその影に入る。
雰囲気の違いに俄かに竦み、「お、おう」と戸惑った少女は遅れて立ち上がろうとした。
矢先、脚が立つ前に細腰を持たれ、半ば持ち上げられる様な形で湯から出される。
「んおっ、ちょっ、急にっ……っ!」
軽々と後向きになる様に回されて、濡れた熱い肌と肌は湯煙の中密着した。
ゴツゴツとした身体を背中で感じ、少女は一瞬反射的に抵抗する。
が、岩肌に挟まったかの如く、びくともしない。
大きくて硬い掌から伝わる意志と、自身の肉体の小ささ、非力さを味わい、甲高い声は徐に振り返って穏便さを求め軟弱に震える。
「ぁっかってにっ、勝手にっ、触るのは、はんそ」
「散々勝手にした側が何を言う?」
が、少し威圧的な低い声に遮られ、末尾は「く、だぞ……?」と消え入っていく。
その時、覗き込み、冷ややかな笑みを浮かべる彼の顔を見てしまった少女は理解した。彼が相当、腹に据え兼ねている事を。
そして思い出した。こんな表情をしている時の彼を敵に回すと、必ず背筋の凍る様な思いをするという過去の教訓を。
「もっ、もうっ、もうしわけありまひぇっ⁉︎」
腰を挟んでいた両手の一方が下腹部を抱え、もう一方が乳房横に不意に回された。そろりと謝った声が跳ねる。
手つきから伝わるは女衆達以上の熟練と慣れ。そして壊れ物を扱うが如き気遣い。
予感に強張る肢体に、彼はふっと一層サディスティックに笑う。
「女の扱いを知らない奴だと侮っていたか?」
「ぅ、ぁ……ぁぁっ」
「あり得ないだろう。教育はきちんと受けている」
少女の精神的余裕はみるみるうちに剥がれていく。泣きぼくろのある目尻を下げ、頭髪と同色同柔な白銀の眉をハの字にして、言葉は哀願するが如く切なげに絞り出される。
「なあっ、ちょっと待っ……てぇっ……!」
乳房に添えられた大きな手指が、ふわふわと横乳を弄ぶ。
今まで感じた物とは全く異なる大きさと力強さに包まれ、敏感な柔肌はそれだけでこそばゆくもじんっと官能に痺れ、下腹部奥で常に燃える淫熱に薪を焚べる。
臍下が激しくそわつく。抱く腕に伝わってしまう。
(自分でするのともっ、女衆とするのともっ、ぜんぜんちがっ、っ……なんれっ、こんなっ…………!)
軽い刺激なのに、恐ろしい程に腰はガクガクと痙攣し、膝が笑ってしまう。背筋をぞくり、ぞくり駆け上がる、悪寒と似て非なる熱を持った震えが走って止まらない。
「ぁっ……まっ……はぁっ…………!」
「お前は待てと言われて待たなかっただろう?」
「んっ、はっ、わるかったっ、からぁっ……!」
「都合のいい奴め……!」
彼の声が猛々しさを増し、桃尻に付けられた男根が熱く硬くなり、その圧迫感が徐々に高まる。
あまりの昂りに紅の瞳の奥の景色が回り出す。女声は淫靡な吐息の割合を増し、取り留めを失う。
擦り合う肉付きの良い内腿が、股倉から大量に伝い落ちる滑りを覚えた。拒絶する言語は悦びに震え、表面上だけ嘲る。
「はっ、んっ、ふへっ、へんたぃっ……」
「ああ?」
「もう勃ってるっ……ならぁっ、ぁっ、さっさとっ、いれろよっ……せっくすっ、だけでいいんだっ、ぞっ、ぉんっ!」
舞い戻ったいつもの土俵と同居する、全く異なる現状。
悪辣な態度に混じる、愛い喘ぎと甘美な雌の香り。
チハヤの心理は、一層複雑に軋んだ。
「習わなかったのか? 前戯は大事だと」
「ふっ、ふひっ……いらないっだろ、も、じゅんび、できへっ……んへっ」
「出来上がっているのに弄り腐っている。故に変態だと?」
「んっ、そーらっ、へんたいっ、ボクで、コーフンするっ、へんた」
「ああっ、そうだっ」
開き直った答えとして、しゅるんっ、んにっ。掌が柔肉の上を滑り、ぷっくりと膨れ浮き出た桜色の乳輪を捉えた。
瞬間女体は強張って背筋を強く逸らし、「ひゃんっ!」と素で恥ずかしい嬌声を上げる。
首元まで逸れて、小さな顎が上がった後、乳房を抱く腕にしなだれた。
その真っ赤な耳元に、チハヤの低く甘い美声が吹き込まれる。
「俺は確かに、お前に欲情させられている。狂わされている。変態なのかもしれん」
「ふーー……んっ、んんっ……!」
「だがそれはお前が悪いっ」
「っっ、っ〜〜〜〜!」
丁度掌一杯に収まった乳肉に指が沈んだ。ぷちゅっ。埋没した乳首が乳汁を漏らし、そんな音を立てた。
愛くるしい童顔は茹で蛸の様に赤く染まり、柔い唇を強く結んで、甘い嬌声を口内に押し留めて耐える。
柔肉は捏ね回された。上手に、的確に肢体の弾む場所を指圧して解していく。
「お前は、常に分かっていて揶揄っていただろう? 蠱惑的な肉体の魅力を理解し、此方の好みを把握し、色香を振り撒き、嘲っていただろう? 元は計算高い男だ。昨今の振る舞いは、最終的に此方から襲う様に仕向けてたんだろう?」
「んっ、ぅっ、ちが、ぅっ、っっ」
「目論み通りだ。俺は歪められた。全く腹立たしい限りだ」
だが、と前置きして、彼は下腹部を抱く腕を蛇の如く這わせ、くちゅり。その指先を、しとどに濡れそぼり果てた秘裂へと滑り込ませ、数回捏ねた。
「んっ! ぅ、あぁっ……!」と悶える女体が内股を締める中、意趣返しと言わんばかりに挑発する。
「そんな恥ずべき行為を行って、その末この様に女陰を濡らしている。そんなお前は、なんと呼ばれ、蔑まれるべきなんだろうな?」
捏ね回し掬い取った滑りを、彼は少女の目の前に向かわせ、わざとらしく指を開き、ぬちゃぁと糸引く様を見せびらかした。
紅の瞳は瞬く間に涙が溢れ、蚊の鳴くような声が震える。首は横にゆるゆる振られて、最早まともな答えは返りそうに無かった。
(薬は、効いているんだろうが……)
虐め過ぎたか。滲み出る痛ましさに、チハヤは一瞬我に返った。
しかしながら、その刹那。胸を圧する掌が感じた、蕾が徐に顔を出す感触で、慈悲の心は露と消えた。
激る破壊衝動に等しい嗜虐心と愛おしさ。同時に冷めて終わりゆく、対抗心と敬意。
「……まあいい」と全ての感情を押し留めて呟き、彼は一度愛液で濡らした指先を、その晒されたばかりの突起に触れさせる。
「はっ、ぁっ、ぁ……!」
走った強烈な刺激に耐え兼ね、女体はくの字に折れ曲がった。過剰に飽和した快楽を逃す様に、くんっ、くんっと。
指先はそれを許さず、もう片側の乳首も捉えんとパフィーニップルをなぞり上げ、同じ様に引っ掛かる痼りを見つけた所で捕まえて、責め立てる。
引けた腰は浮き上がり、腹筋は引き攣れる。腹奥で淫熱が暴れ、口元から心底心地良さげな嬌声を漏らし、舌を突き出して善がり狂う。
「ぁーーっ……ぁっ、ぁ゛ーーっ、んぁっ、もっ、やっ、ぁぁっ」
「この様な身体に、なりたくてなった訳では無いだろうからな」
振り切れた憐れみと劣情。双方の籠った、丁重で容赦無き愛撫。
少女の瞳は上擦って淫蕩の色に染まり、白み、飽和していく。
追い詰められ、逃れられず。切迫し、暫しじたばたし、その末。
「ぁっ、らめっ、っくっ、ぃきゅっ、とめっ、ぃ゛っ…………ぅ゛っ! っ! っ〜〜〜〜!」
少女は耐え兼ね、呆気なくその身を絶頂の波の中へ投げ出した。
腕の中、はしたない声を上げて痙攣する華奢な女体。
愛おしくも何処か蔑視し、大事に、尚且つ乱暴に抱き留める。ギラついた青の瞳の奥。混沌の炎の渦を揺らめかせながら、彼は告げた。
「これからは、お前をただの女として抱く。それでいいか?」
双方が一つ、苦しみから解放される為の免罪符、最終通告。
虚な間が場を支配する。
広い浴場に木霊すのは、悩ましげで苦しげな少女の吐息のみ。
迫力ある鍛え上げられた男体は息を殺し、その唇が言葉を紡ぐのを待つ。
「ーーっ……ぁっ、っ……」
呼気が俄かに整った。直後、掠れたソプラノは湯煙と心を震わす。
「かんちがいっ、っ、すんにゃっ……ボクはっ、ただのおんなっ、なんかじゃなひっ……」
「……は?」
抱く腕は反射的に湧き上がった意図を反映し、むぎゅっと胸の性感帯を刺激した。
忽ち「んぅっ」と甘ったるい雌声が上がって、言葉が途切れる。
「良く聴こえなかった。もう一回言ってみろ」
「はっ、ぁっ……もう、そのとしで、
なんだ、今更。
ここに来て未だ、この様な態度が続けられるとは。
ただただ腹立たしくて、チハヤは手元の乳首を虐める。
「たらっ、はぉっ、ぉっ、おんな、じゃなぃっ……」
「どこがだ!」
「んにっ゛!」
更に再び股の間の割れ目に指を這わせ、今度は滑ったその先を、一際敏感な陰核へ滑らせた。
「この豆の様に小さな物をペニスとでも呼ぶつもりか? それともこの豊満な胸を、ただの肥満による物だと言い張る気なのか?」
「ぁ゛っ、ぅぁっ、ぁぁ〜〜っ……っひぁあっ!」
「どう考えてもただの淫乱女だろう! それとも何だ? 美少女だ、とでも自称したいのか?」
「っ、いじがっ、わりゅっ」
「意地が悪いのはお前の方だこの畜生め!」
「ん゛ぃっ、ふっ、っ゛、っあぁ゛っ! っぁ゛っ、あぁ゛っ!」
にちにちにちにち、肉豆を転がされ、肢体は大きく畝り、腰をガクつかせ悶える。
(ぁっ、くっ、やばっ、なんっ、こんなっ、ぅまぃ゛っ……!)
開いたり閉じたり、ひくつきを繰り返す蜜壺。そこから漏れ出す蜜は泡立ち、白く濁り出す。
更には潮が噴き出され、ぷしっ、しっと一際浅ましい音を立て始める。
「いい加減にしてくれよ、なぁ!」
「ぁ゛ぁっ、ぁっ、やめっ、へぇえっ、んっ、ふっ、ふぁ゛あっ!」
「俺はもうっ、割り切って先に進みたいんだ……煩わされたくないんだよ……!」
迫り上がる。また、イかされる。
このままゆだねるのも────悪くなくは、ないっ……!
極限状態。視界が明滅を繰り返しながら白んでいく中、少女はチハヤの迷いを肌で感じ、淫蕩の淵で力を振り絞って言った。
「っ゛〜〜……! はっ、ぁっ、よりよぃっ、みちぃっ!」
「…………っ」
責めの手が止まる。
「さがし、つづけろっていったのっ……おまえらろっ……!」
「……そうだが、それと何の関係がある」
偏に、対抗心。そして、野心。復讐心。
淫熱で溶け落ちた心の蝋に残る、最後の芯。
頼り無いか弱き女体に、ほんの一時の力が張る。
「しょうぶ、しろっ……! そっしたらっ、はなすっ……」
「……ふっ、そのザマで……か?」
逸物はか細い手に掴まれた。かと思えばぐっと体重を掛け押し下げられ、濡れそぼった少女の股間に跨がられる。
「んんっ! っ!」
「うぉっ⁉︎ なにをっ……!」
「っはっ、かんたんらっ、これからっ、さきにぃっ……っ、さきにっ、イったほうの、まけなっ……!」
「何を、馬鹿な事を言っている……?」
そんな物、勝負にならない。
呆気に取られるチハヤ。それを悪戯な笑みが嘲る。
「まけたほうはっ、んっ、かったほうのいうことっ……なんれもひとつキくっ、てっ、ことでっ」
「それはっ、俺に何のメリットも無いだろうがっ……!」
「ぁっ、はぁっ、っ、まだボクがっ、かちこしてるっ、はず、だぞっ……んへへっ、いいのかっ? まけっぱなしっ、でぇっ……!」
割れ目が肉竿を圧迫、往復しながら、徐々に鬼頭へと近付く。
「くっ、んっ、びびってんのっ、かぁ? それでもっ、
「っ、お前はっ……!」
「こんなじょーきょーからっ、まけをそーぞーしてっ……」
良いだろう。
美丈夫の額に青筋が立った。
今度は逸物側からその先端を向かわせ、割れ目を捉え、そのままぐっと押し込んだ。
「ふゃっ、ぁ゛っ⁉︎」
挿入っていく。奥へ、奥へ、ずっ、ぬうううううぅ…………。
「ふっ、ぅっ、っ…………!」
「引導をっ、渡してやるっ……!」
ぶちちちっ、ズンッ!
「ぅっ! っ、っ〜〜〜〜!」
浅い肉壺は熱り勃った肉棒を最奥まで咥え込んだ。刹那、ぷしいぃっ! と潮を噴いた。
細腰は弾み浮き、背筋は逸れ、突き出された下腹部の怪しく輝く淫紋が、臍下の激しい波打ちに合わせて揺れる。
涙で滲んだ瞳はくりんっと上擦って奥で火花を散らし、口元から舌を突き出し喘ぐ。
(や……ば…………ぁ)
肉の充足。過剰な多幸感。
少女の意識は一瞬飛んだ後、身を抱く腕の優しい圧迫により舞い戻る。
「……くぁっ! ぁっ、あぁっ!」
「っ……あ……?」
震える桃尻。痙縮する極上の肉壺。
迫り上がる強烈な射精感を必死に堪える中、チハヤは目敏くその違和感に気付いた。
「っ、おいっ、お前! 何故血がっ……しかも啖呵切っておいてもうっ……!」
「っはぁーーっ……っ、らいじょぅ、ぶっ……いたくない、しっ……イって、んいっ、んっ、ぉぉっ……」
「何を、強がってっ……」
接合部から滲む鮮血。痛みは無い。されど男根を抱く肉膣は絶頂時特有の蠕動を繰り返し、強くキツく締め付けている。
半分は真で、半分は嘘。ただし、どちらも他者に分かる様な物では無い。
少女は汗と涙と鼻水でぐちゃぐちゃの蕩け顔を引き攣らせながら、不敵な笑みを作った。
「いまのれっボクがっ、イったかどうか、なんへっ……なにれ、わかるんらぁっ……?」
チハヤの綺麗に通った鼻筋とシャープな顎を汗が伝い落ちる。
ふっと、不意に浮べてしまった自身の笑み。
それを自覚し、俄かに動揺してしまった。
「……成る程、なっ」
「んはぁっ!」
冗談じゃない。まんまと嵌められた、などと笑ってなるものか。
一層険しい顔に戻り、抽送運動を開始。
たちゅっ、ぱちゅっ、ぷちゅっ。
「ぁっ、あっ、んっ、っ、ふっ、あぁっ!」
波打つ湯船。リズミカルに木霊す濡れた肌と肌の打ち合う音と、淫靡な喘ぎ声。
それらを憤りの男声が切り裂く。
「そんな愚かな勝負は無いだろうっ? ふざけるのもっ大概にしろっ……!」
「ぁっ、ぅっ、ふあけてなっかっ……はっ、はぁっ、んんっ!」
反駁の言葉は、甲高い艶声に呑まれて失せていく。
抜かれて、貫かれて、また抜かれて、また貫かれる。ヒクつくGスポット、締まる痼った前立腺肉輪を経由して、男根は最奥を幾度も突く。
その圧迫感と衝撃だけで快感の雷が脳天を突き抜け、全身に官能の熱が通り、飽和したそれらが少女の口元から溢れて止まらない。
(しらなっ……こんな、の゛っ……)
拓かれ切っているにも関わらず、機械的な刺激しか知らぬ初心な肉壺は、新鮮な快楽を脳に届ける。
耐えられない。苦悦に悶え、潮が噴かれる。何度も、何度も。
(こわれ、ひゃっ……!)
「ぁっ、ぁ゛っ……っ゛! ぁへぁっ、っぁ゛っ、ぁ゛ぁっ!」
抗いようも無く、一突き毎に達してしまう。
瞳の奥の光が瞬きを繰り返しながら、淫らな色に染まっていく。
微睡み、沈み行く意識。
(ちがうっ、まけ、なぃっ……まけっ……っっ゛!)
それを、少女はひたすらに気力で持ち上げ耐えた。
彼の前でだけは、何としてでも強く在りたい。
そんな意地で耐えて、耐えて、耐え続ける。
「くっ、強情なっ……はぁっ……!」
(マズイっ……出そうだっ……って、何で俺はっ)
最初から限界の男根がペースを落とすのに、そう時間は掛からなかった。
チハヤの腰の動きが緩慢になり、やがて止まる。
が、少女の腰は違う。
「ぁぐっ、っ゛、っ、んん〜〜っ」
「ぅっ! おいこら待てっ、動くなっ……!」
意図せず無意識に、浅ましく痙攣を繰り返しながら唸り、その桃尻を男体に擦り付け続けてしまう。
「動くんじゃない!」と彼ががっしり腰骨を掴んで止めようとしても、「んぉっ、ぉぉっ!」とより悦楽に狂い果て、肉壺が精を搾り取らんと蠕動する。
ならばと引き抜こうとしても、強い締め付けがそれを許さない。無理矢理やろうとすれば、どの道果ててしまいそうで彼は動けない。
「このっ……くっ」
別に吐精してしまえばいい。この様な不成立の勝負などに付き合わず、ぶち撒けてしまえばいいのに。
何故か悔しくて、堪らなくて、チハヤは必死に堪えてしまう。瞳に涙を浮かべ、声を震わせてしまう。
「お前はっ……何なんだっ……」
「っ、ん〜〜……っはぁっ、ぁっ、んんっ」
「何者なんだっ……」
かの好敵手の面影で、態度で、淫乱に振る舞う雌。
最早彼には、その真意を推し量る事叶わず。
ただただ心折れて問い、そして嘆く。
「何者でもないならっ、せめてっ……」
せめて、
「っ、ボクはっ……おまえ、らっ……!」
「はっ……?」
それは、あの夜チハヤが遮った、ひび割れた言葉の続きでもあった。
「んぉっ、ぉまえのっ、にせものらんぁよっ……!」
か細い声が、必死にそう絞り出された。
何を、意味の分からない事を。
青の瞳が無理解に見開かれた刹那、少女の下腹部の淫紋や、薄れていた各所刻印までもがドクンッ! と強く脈打ち、桜色に輝きだす。
「ぅぁっ⁉︎ ぁっ、らめっ、ゃっ、ぁ゛っ、っ゛」
「おい、おいよせっ、またそれかっ!」
「ちがっ、まっ、っめっ゛、っっ゛……!」
大きな波が迫る。ドクン、ドクン、ドクン!
脈動は徐々に大きくなっていく。肉壺はそれに合わせて唸り、懐かれた男根もまた絶頂へと導かれる。
ドクンッ!
「くっ、うっ!」
「ぁ゛っ! っ────!」
刹那、両名の意識は明るい桜色の閃光の中白み、果てに同様の、一つの光景を垣間見た。
──俺……か?
────っぁ……。
燦然と輝く盤術戦場。そこに堂々たる立ち姿で佇む、在りし日のチハヤの、まだ小さな背中。
周囲の大人達の称賛を浴びるその姿を、二人はある一つの視点から眺め、そしてある感情を湧き上がらせる。
────あの子みたいになりたい……!
それは、胸の内が焼け付く様な強烈な羨望だった。
体感した瞬間、当時幼少のチハヤの意識が重なっていく。
強烈な上昇志向と責任感、潔癖さ、聡明な思考パターンの数々。
(これは、魔法っ……なのか……⁉︎ 過去の記憶の、追体験……?)
チハヤがそう認識した瞬間、フッと景色はまた白んだ後、現実の浴場へと戻る。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
「っはぁっはぁっっ゛……っ、ぁ゛っ、っはぁっ……」
方や大型動物、方や小動物の呼吸間隔で荒々しい吐息が吐かれる中、双方の接合部は蕩ける様な熱感を訴え、官能に微睡んだ。
どろりどろり、灼熱が溢れて、湯船へと落ちた後、繋がった二つの身体はそのまま膝を折り、湯へと沈む。
背中を預けてくたりとしなだれる少女を胸元に抱いたまま、彼は先に呼吸を整え、その耳元で静かに言葉を紡ぐ。
「お前はっ……昔、その魔法で、俺の潜在意識を映し取った、というのか……?」
「っーー、はぁっ、っ……」
小首が幅の広い肩の上で転がり、少しばかりバツが悪そうな頷きを返した。
悶々とした熱を吐き出した後の、冷やされた彼の頭脳が回る。
前のただ乱雑に発情を伝播させる様な物とは異なる、形を帯びた過去の情報と、感情の送信だった。
発動原因は不明。意図した魔法を放てる様な状態では無い。余計な物も多かった。故に恐らくは、此方側が取捨選択して拾った物か。
奇跡の様な確率。だが伝わって来て、理解してしまった。
────だからだと言うのか? だからだと、言いたいのか?
「くっくっくっ……ふざけるなよ……その割に全く、似ていた試しが無いではないかっ……!」
彼は、込み上げる皮肉っぽい笑いを抑え切れなかった。
一瞬読み取れた術式からして、その頃は未熟で発動が不安定かつ不完全だったのかもしれない。幼少の彼の願いを叶える程の物では無かったと思われる。
しかしだからこそ驚いた。純然たる才覚に。この者はそれすらもあの時映し取ったが為だと思い込んでいる様だが、そんな筈は無い。
憧れ? お互い様だろう、これは……。
術式演算不要の固有魔法であるという事と、魔力の動きが多い場所だったという都合を差し引いても、チハヤ含めその場の腕利き魔術師の誰にも気付かせなかった程に出力は迅速であり、瞬間的に要したであろう純粋な魔力量は推し量るのが困難な程膨大だった。
瞬発力という点に於いてはあの時点ですら人外。チハヤは、自身の焦がれた好敵手の真価を垣間見て、改めてそれを痛感した。
しかしそんな存在が、これほどまでに自身に焦がれ、拗らせていたとは。思いもよらず、笑うしかなかった。
「っ、れもっ……ボク、は……」
「大馬鹿物がっ……はぁ……気にする事自体、間違っていたんだっ……」
兎も角、先程伝えられた物こそが、紛れも無く確かな、この腕の中の朧げな存在の核である。
絶対に無碍には出来ない。確かに感じた羨望に、向けられた敬意に。
疑う余地は無く、彼はもう、答えずにはいられなかった。
「男だの女だの、偽物だの、嘘だの……どうでも良いっ。俺の前には確かに、お前が居る」
「ぅっ……っ……」
「お前が自分をどう思おうと、俺はお前の存在を認める。だから、言えっ……」
滲み蕩け、気を抜けば湯に溶けてしまいそうな紅の瞳に、彼の真摯な顔が映る。
「お前はどうしたいんだ? 望みを言えっ……!」
その水晶は淫蕩の色に濁り、最早まともな受け答えはままならないかに思われた。
「ぼく、は……」
が、そこに俄かに知性の光が灯り、哀切する様に答える。
「ボク、は、おまえと……またおまえとっ、ならびたつもので、ありたいっ……!」
そして真っ赤な柔頬を綻ばせて、健気にも笑みを作って見せた。
「はぁっ、いまの、しょうぶ……んっ、ひきわけらったし……いいよな……?」
「……ふっ、馬鹿言えっ」
締め付けられる様な胸の痛みも、何も解決していない。
寧ろ一線を越え、互いの想いはより歪な物へと変化してさえいる。
しかし二人とも不思議と、前を向いていた。
「それは許諾を取るものじゃないだろ? やってみせろよ。出来るものならな」
「っ、イったにゃっ……? らったらっ、このまま、もういっかぃっ……」
「ぁっ待て! そうじゃないっやめろ!」
「ぅあんっ! っ、まへっ、なんれにげっ、っ…………!」
「このままだとお前のぼせて死ぬぞ! ほらっ、まず風呂から上がって……」
「っ? ……?」
(あれ? なんか、あれ……?────)
「……はぁ、啖呵を切るならもう少ししっかりしてくれよな……あぁ、もうっ────」
名状し難い関係性。そこに確固たる名前が付く日は、果たして。
全部脱いで、ようやく伝わったね……伝わってしまったね……
でも凄くはじゅかしいよこれどうなっちゃうの
って事で更なるクライマックスへ向かいます