1話
チュン…チュン…チュン…
朝日が昇り自分が眠れなかったことを理解させる。
隣で寝息を立てる亜美の存在が玲奈を唯一安心させていた。
(夢じゃないよね…)
寝ていないのだから当然現実なのはわかっているが、それでも夢であって欲しいと願はずにはいられない玲奈は布団の中で必死に目を瞑る。
だがその日は結局心休めることは出来なかった。
そして始まった合宿2日目
練習が始まると必然的に練習に集中するため嫌な記憶を忘れることが出来たが…
「玲奈!?」
睡眠不足のせいか玲奈はプールサイドに倒れてしまう。
「速水!下瀬!救護室まで連れって行ってくれ」
「はい!!」
2人は水泳の先生の指示に従い玲奈を救護室に連れて行く。
「失礼します!」
「あら!!どうしたの?」
救護室の先生が慌てる2人を見て驚いたが担いでいる玲奈を見て、事態を把握する。
「そこのベットに寝かせてあげて!!」
「はい!!」
ベットの上に大きなタオルを敷き濡れた玲奈をそのままベットに寝かした。
そして救護室の先生が玲奈の症状を確認した。
「ただの寝不足ね!!私これから先生に報告するから貴方達どっちか見ててあげて!」
そう言って救護室の先生は部屋から出て行った。
「速水さん…どうしよう?」
「たしか!下瀬君って玲奈ちゃんと幼馴染だったよね?」
「うん!!そうだよ!!」
「歳上のの私が居るより下瀬君がいた方が安心でしょ!」
「わかった俺残ってるね!!」
「よろしく!!」
そうして速水も出て行った。
(速水さん本当綺麗だな)
2つ上の速水は6年生の中でもダントツで成績も良く容姿端麗でまさに男子の憧れの存在だった。
だが、今の下瀬は目の前で眠っている玲奈が気になって仕方無かった。
あれはまさしく一目惚れだった。
幼稚園の頃から知っている幼馴染に恋をしたのは水泳教室の見学に連れて行かれたあの日。
しなやかな腕、激しく水面を叩く足、波間にたゆたう髪
彼女を構成する全てが眩しく輝いて見えた。
だから、玲奈の一番近くに居たくて、水泳教室に通い始め、少しでも長く彼女の近くにいる時間が欲しくて何でもした.結果より仲良くなった自覚もある。
そして、この合宿で告白しようと決意していた…
昨日の惨劇を見るまで。
就寝時間が来るまで告白する勇気が出なく、部屋の前をウロウロしていると、当然ドアが開き亜美と玲奈が出て行った。
後を追う様に着いたそこは、地獄と言うには生温かった。
乱暴に脱がされ、幼い肌を晒した玲奈の純潔を奪われる悲鳴
まるで、彼女から輝きを奪われていく様な行為は、俺の初恋を踏みにじるには十分だった。
そして、下瀬の目の前にいる意識の無い玲奈はスク水のまま無防備に目を瞑っている。
(あの事件は誰も知らない、だが俺は知っている)
初めて見たアノ行為に下瀬は魅了されていた。
女の子の尊厳を貶め、強引にねじ伏せるあの行為にどうしようもなく惹かれてしまった。