※この作品はR-18です。

マシロが撃つ!   作:春画屋@二次創作R18

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エピローグと言いながら長くなりました。
申し訳ない。
これで完結です。


第四話:エピローグ

 

「……で、何でこんな無茶な攻撃を仕掛けてきた? 兵糧が尽きてやぶれかぶれにでもなったか? そんな感じじゃなかったが」

 

 マシロとコウガ、それに討伐隊の隊長による、山賊の頭目スザクの尋問が始まっていた。牢に拘束されたスザクは大人しく、もはや戦意を無くしているようだった。

 

「捕虜を……」

「うん?」

「捕虜になった奴らを助けたかったからだ。俺を慕ってくれる奴らを、一刻も早く……」

「捕虜を助けたかっただと⁉︎ 山賊風情が、よくもそんなご立派なことを!」

「落ち着け、コウガ」

 

 激昂したコウガを制したマシロは、既に薄々勘付いていた。スザクはときとして、他人のために自分の身を顧みず行動できる男であると。それは、指揮官としては欠点かもしれないが、人の上に立つ者としては美点でもある。

 

「俺がヘマやっちまったからな、今回は。相手が女だったから頭に血も上っちまった」

「だからって……! そんなに部下思いの立派な奴なら、何でこんなことをする! 何で民を苦しめる! ただでさえ帝国のせいで苦しんでいる民を! それとも、自分の部下以外の人間はどうでもいいとでも言うのか!」

「俺たちだって、好きでこんなことをやってるんじゃあねえ! みんな食い詰めた奴らだ! それだって悪いのは帝国だ! 俺たちだって、力があれば帝国と戦うぐらい……!」

「何だと!」

「コウガ!」

 

 鋭いマシロの声が、二人を止めた。

 

「……スザク、私はお前のように義に厚い男は嫌いではない。それにお前には話し合う余地があると思った。だから銃は使わず、生捕りにした。……私にはお前の言うような「力」があると自負している。だからこそ、その「力」で反乱軍の一員として帝国と戦っている」

 

 低く落ち着いたマシロの声には、信念に基づいて戦ってきた者が持つ重みと、説得力があった。そのマシロの言葉に、コウガとスザクは圧倒されて黙り込む。

 

「だが、仮に私が弱く、力がなかったとしても、私は帝国と戦うだろう。そのことに何ら変わりはない。スザク、お前は違うのか? 自分に力があるかなしかで、戦う相手を選ぶのか?」

「…………」

「…………」

 

 厳しいマシロの言葉に、その場にいる誰もが口を開くことが出来なかった。そして、その沈黙を最初に破ったのは当のスザクだった。

 

「……命乞いをするつもりはない。だが、もし生かしておいてもらえるなら、反乱軍に協力したい。マシロさん……だったか? 俺もあんたと同じ旗の下で帝国と戦いたい」

「だそうだ。私としては、この男の今の言葉は信ずるに足ると思うが……いかがかな? 隊長殿」

「……うむ。私もそう思う。他の者には、私がかけあおう」

 

 こうして、ハクバの街および反乱軍は、スザクとその部下たちを受け入れた。彼らは、表向きは今まで通りハクバ山を拠点とする盗賊に戻ったが、その実体は反乱軍として活動、ハクバの街もそれに支援を惜しまなかった。そして、彼らが悪徳商人や役人たちを排除することによって、街も少しばかりの平和を得られたという。

 

 一方、マシロとコウガは……

 

「コウガ、もう行ってしまうのか?」

「ああ。これから世話になるところは、表向きは旅芸人の一座ってことになってるらしいからな。早く合流しないと迷惑をかけてしまう」

 

 コウガは自らも帝国と戦うことを決意。旅芸人の一座を装って諜報活動を行う、『サバティーニ一座』の一人として反乱軍に参加することになった。

 

「……次はいつ会える? 私は……私はスザクにあんな偉そうなことを言ったが、そんなに立派な人間ではない。私が国を変えたいのは、コウガ、お前と二人で平和に暮らせる世の中にしたいからだ。崇高な大義のためなどではない……」

「それは俺も同じだ。お前と違うのは、一歩踏み出すのを今日まで伸ばしていたことぐらいだ。俺はお前が、人間らしい理由もなく、漠然とした大義のために戦う奴じゃないのを知っている。だからこそ、俺もお前と同じように戦いたい」

「……わかった。二人で共に戦い、きっとこの国を変えよう」

 

 言いながら、マシロは涙ぐんでいた。

 

「でも、もう一つだけ約束してくれ、コウガ。絶対に死なないと。お前は戦いに疲れた私が帰る場所なんだ……」

「死なないさ。お前ほど強くなくても、俺には俺のやれることがある。そう気付かされた。前線で直接戦うわけじゃないが、これが俺の戦いだ」

「コウガ……」

 

 コウガはマシロを抱き寄せ、キスをした。二人が無事に再会できることを信じて……。

 

 

 ——時は流れる。

 

 残酷な運命は、人々に等しく訪れる。崇高な大義も、恋人たちの愛情も踏みにじって。

 

 コウガのいるサバティーニ一座は、新人の旅芸人として潜り込んだ『アカメ』と『ツクシ』の裏切りにより、ゴズキ率いる帝国暗殺部隊(選抜組)によって全滅する。アカメによって斬殺されたコウガの最期の言葉は、「この国を変えると……約束したのに……」であった。彼は、死ぬ寸前までマシロを、そして彼女と交わした約束を忘れなかった。

 

 コウガの訃報(ふほう)を聞いたマシロの形相は、その場にいた兵によればまさに修羅であったという。

 

「もはや大義などいらぬ! 私は……私は恋人と国を変えるという夢を奪われたのだ! コウガと一緒に、国を変えるという夢を!」

 

 こうして、恋人の仇を討つため復讐鬼と化したマシロは反乱軍を抜ける。そして、彼女と同じく、アカメが所属する帝国暗殺部隊に恨みを持つプトラの墓守や、オールベルクの残党姉妹らと共闘することとなる。

 

 彼らが狙う帝国暗殺部隊のターゲットは、スザク率いる現反乱軍の拠点ハクバ山だった。反乱軍が山塞にこもり膠着状態の中、帝国の焼却部隊はハクバの街へ焼き討ちをかける。その非道な行為は、反乱分子への見せしめでもあったが、ハクバ山の反乱軍を誘(おび)き出す罠でもあった。それを知りながらもスザクは街を救うためあえて出陣し、非業の死を遂げる。しかしそんな彼を、残された部下たちは生涯誇りに思ったという。

 

 同じ頃、マシロらは仇である帝国暗殺部隊と対峙。彼女の圧倒的な強さは、『臣具(しんぐ):サイドワインダー』や、『帝具(ていぐ):村雨』を相手にしても全く引けを取らなかったという。そして、『臣具:桐一文字』によってマシロにとどめを刺したのは他ならぬ、コウガを斬殺した『アカメ』であった。

 

 戦乱の世はその後も続き、理不尽な死を、悲しみを生み続ける。帝国の圧政は続き、罪なき人々の苦しみは終わらない。しかし、コウガとマシロの死は二人を手にかけたアカメの心に深く刻み込まれ、その後の彼女の行動を変えていく。そしてそれは、彼女を通じて、反乱軍の暗殺者集団『ナイトレイド』へも影響を与えていく。

 

 マシロやコウガ、スザクや数多(あまた)の反乱軍の兵士たち、彼ら一人一人の救国の思いは全て、のちの帝国打倒へと繋がっていく。それは、決して無駄ではなかったはずである。

 

 

——完——

 




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

しかしこれ、コウガ竿役にしてマシロさんのエロ書きたかっただけなのに、長くなっちゃったなあ…

この作品を読んで、全体に対してのエロシーンの長さはどうでしたか?

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