「はっ!?」
俺は気がつくと公民館の自分が寝ていた居間にいた。
「はぁ……はぁ……」
荒い息づかいで、辺りを見回すが、そこには誰の姿もない。
縁側の窓から差し込む光が、今が朝であることを告げている。
(あれは夢……なのか?)
夜に見たあこさんと白金さんの行為を、俺は鮮明に思い出せる。
あれは夢じゃない、現実に起こったことだと確信できるほど、生々しいものだった。
(でも……)
今俺は布団の上にいる。
まるで何事も無かったかのように。
(まさか、そんなはずは……)
そんなはずはないと思いつつも、俺は昨日の夜のことを思い出してみる。
(二人に見つかって、それで二人のところに近寄って、それで……あれ)
そこからの記憶がすっぽりと抜け落ちている事に気づいた俺は、もう一度昨日の夜のことを思い出す。
だが、何度思い出そうとしても、どうしても思い出すことができない。
まるで記憶に靄がかかったように、昨日の記憶が曖昧だった。
「あれ? 茂さん、もう起きたんですか?」
とりあえず、片付けだでもしようと思った俺が布団を畳んで着替えを済ませると、ちょうど起きていたのか、あこさんが居間に入ってくる。
「おはようございます」
「あ、ああ。おはよう」
あこさんは笑顔で挨拶してきたので、俺も挨拶を返す。
「斉藤君、おはようございます」
「ああ、おはよう。白金さん」
続いて白金さん達も今に入ってくる。
こうして、いつも通りの朝を迎えた。
(……いや、無人島にいる時点でいつも通りじゃ無いか)
そんなことを考えながら、俺はとりあえずテーブルの用意をすることにした。
「そういえば」
食事中、俺は昨夜見たことを聞いてみることにした。
「皆ちゃんと寝てるのか?」
「え?」
「それは、どういう意味ですか?」
俺の問いかけに、皆が不思議そうに聞き返してきた。
「いや、こんな所に来ちゃったし、皆ちゃんと寝れてるかなって」
俺は、言い訳をするようにそう答えた。
「アタシ達はちゃんと寝れてるから、全然大丈夫だよ。それに、何かあっても斉藤君が守ってくれるもんね♪」
「そ、そうか」
(何だか、調子狂うな……)
ウインクをしながら答える今井さんに、俺は少し戸惑いながら返事をした。
「ふふっ、斉藤君って心配性なんですね」
「そ、そういうわけじゃ……」
今日も隣に座っている白金さんにそう言われて、俺は恥ずかしくなってしまう。
そこで、俺は今度はあこさんに聞いてみることにした。
「あこさんは、昨日はちゃんと寝れたのか?」
「はい! ぐっすりでした!」
「そっか、なら良かったよ」
(やっぱり、アレは俺の夢のようだな)
笑顔で答えるあこさんに、俺は安堵する。
あこさんは嘘をつかないタイプの人間だし、嘘をつけばすぐに表情に出るので分かる。
だから、今の返事に噓は無いと思う。
もちろん、そうならないほどに成長しているのかもしれないが。
なので俺は、昨夜見たそれは夢だったのだと思うことにする。
きっとあれは、俺の妄想が生み出したものに違いないのだから。
「茂さん、どうかしましたか?」
「いや、何でもないよ」
白金さんに声をかけられてそう答えると、俺は残りの食事を平らげたのだった。
食事を終えてしばらくした時。
「それでは、今日の組み分けですが……」
氷川さんの言葉を受けて、俺達は今日の行動について話し合うことになった。
「とりあえず、これまでのようにくみ分けましょう」
氷川さんの提案に全員が頷く。
そして、これまで通り湊さんと今井さんの二人が食糧の調達ということになった。
「斉藤君は私たちと一緒に図書館でこの島について調べてもらいます。それと、今日は白金さんに待機してもらいます」
「え……」
氷川さんの言葉に、白金さんが驚いたように声を上げる。
「あ、あの! どうして、私が待機……なんですか?」
「それは、白金さんはこの島について調べるのに、重要だからです。白金さんなら効率的にこの島について
調べることが出来ますから、休養をかねて待機してもらうんですよ」
氷川さんは淡々と、白金さんの質問に答えた。
その理由は、何となくわかる。
この島について何も知らない状態というのは、俺たちにとっては非常に危険だ。
ぶっちゃけると、調べ物については白金さんの方が誰よりも優れているので、白金さんに一度休んでもらう方が、白金さんが疲れてダウンするよりも一日調べ物が捗らなくなる方が効率的だからだ。
「で、でも……」
「何か問題があるんですか? 白金さん」
「いえ、その……別に……」
納得できない様子で食い下がる白金さんだが、氷川さんの有無を言わせない口調の問いかけに対して、反論することが出来ず、白金さんは黙り込んでしまった。
「わ、わかりました……私、
そして白金さんは、弱々しくそう呟いた。
(今の待ってるって……俺に言ったんだよな?)
俺を見ながら言ってきたので間違いないと思うが、その時の表情が気になって仕方がなかった。
まるで、何かを求めているような……懇願しているような表情だった。
「……」
ふと、白金さんと目が合うと、白金さんはクスリと笑みを浮かべた。
その微笑みはどこか儚げで、艶めかしく感じられた。
(もしかして……そういうことなのか)
俺は、白金さんが何を求めているのか何となく察することが出来たので、俺は白金さんの方に視線を向けると、意味深に頷いたのだった。
「それで、調べ物って一体どの辺まで進んでるんだ?」
図書館に着いた俺は、氷川さんに聞いた。
「とりあえず、この間斉藤君が見つけた本の解読を進めてます」
「ああ、あれか……」
この間見つけた本というのは、この島の歴史について書かれたものと思われる本だった。
だが、その内容はほとんどが掠れていて読めない状態になっている。
「まだ三分の一程度ですが、解読を進めましたので、これから読み進めていくつもりです」
「そうだな、まずは読めるところだけ読んでいこうか」
「あこもがんばります!」
氷川さんの説明に、俺とあこさんは頷いた。
そして、俺たちは手分けしてその本を読み進めることにしたのだった。
だが、当然そう簡単にはいかないわけで……
「ダメだ、読めん……」
「あこもです……」
俺だけでなく、あこさんや氷川さんも解読には苦労しているようだった。
(でも、収穫はあったな)
微かに読める所と写真から、この島について少しではあるが知ることが出来た。
まずこの島が、日本には存在していない島……ようするに、地図には載っていない島であるということ。
まあそれは調べる前から分かりきっていたことだ。
何せ、この島の環境が実在していたのであれば、ニュースにもなっているはずだ。
現に、歴史的な島が国の遺産として認められているという実例もある。
だがここがそんな風になったというニュースは出ていない。
もちろん、俺が知らないだけかもしれないが。
(地図にない島って、なんだか都市伝説みたいだな)
俺はふとそんなことを思った。
そして二つ目が、この島は観光などで栄えていたらしいと言うこと。
詳細までは写真からでしか読み取れなかったので分からないが。
そして、神社などでのお祭りとかも行われていたらしい。
(そういえば、神社ってどこにあるんだろう)
俺が知る範囲では、神社などは無かったし、そういうのがあったという話も聞いていないので、もしかしたら俺達が足を踏み入れていない所にあるのではとい思う。
「すみません、私ちょっと席を外しますね」
その時、氷川さんが突然立ち上がって言った。
「どうかしたのか?」
「ええ、ちょっと気になることがあるので、外に行ってきます」
俺の問いかけに、氷川さんは真剣な表情で答える。
「そうか、気をつけてな」
「はい」
俺は深く追求せずにそう言うと、氷川さんは軽く返事をして図書館の外へと歩いていってしまった。
「紗夜さん、何が気になるんですかね?」
「……さあ」
あこさんの問いかけに、俺はそんな返事しか出来なかった。
(気になることって……何だろう)
気にはなるが、考えても仕方が無いので、とりあえず調べ物に取り組むことにした。
そして、三十分程が経過した時。
(そろそろ抜けるか)
俺は朝の公民館で、白金さんの口にした『待ってる』という言葉。
それに応えようと思ったのだ。
だが、問題は
(どうやって抜けるか、だな)
今ならあこさんだけなので、抜け出すのは簡単だ。
正攻法でも、ずるい手段でも取り放題だ。
そんな恵まれた状況に、俺は―――
いかがでしたでしょうか?
早速ですが、アンケートに移らせていただきたいと思います。
主人公に取らせたい行動を選択してください。
得票数の多い選択肢の行動を主人公が取ります。
なお、期限は二週間後の8月9日までとさせていただきます。
皆様の貴重な一票お待ちしております。
下記にヒロインのステータスを記載いたしますので、よろしければご参照ください。
・湊友希那
【欲情】:通常
【親密度】:中立
・氷川紗夜
【欲情】:通常
【親密度】:緊張
・今井リサ
【欲情】:通常
【親密度】:中立
・白金燐子
【欲情】:過敏
【親密度】:中立
・宇田川あこ
【欲情】:過敏
【親密度】:友人
主人公の選択は―――
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あこに嘘をついて抜け出す
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やっぱり止める
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作業を早く進めて早く帰れるようにする