「うわぁ!?」
慌てて飛び起きた俺は、慌てて周囲を見渡す。
「はぁ……はぁ……はぁ……誰も、いない?」
俺がいるのは、寝る前と同じ氷川さん達によって新たに用意された部屋だ。
(服も……変な所はない)
続いて自分の着ている服も確認するが、こちらも特段おかしな所はない。
「あれは……夢?」
乱れた呼吸を整えながら、俺はつぶやく。
あの情事は、目を閉じればつい先ほどのことのように思い出せるほど、はっきりと覚えている。
それほどまでにあの情事はあまりにもリアル過ぎたのだ。
まるで、本当に起ったかのように。
(いやいや、あり得ないし)
俺はすぐにその考えを否定した。
氷川さん達が俺の一物に群がってフェラチオをしていたなんて、どう考えても現実ではありえないだろう。
白金さんならばあり得るかもしれないが。
きっと何かの見間違いか、俺の煩悩のような物が妄想を見せていたに違いない。
「……っ!」
そう自分に言い聞かせていたところで、俺は嫌な予感がしたので布団を跳ね除ける。
「やっぱり……」
俺の予想通り、ズボンの上からでも分かるほどに俺の一物は勃起していた。
「……出ては、ないようだな」
どうやら夢精という最悪の事態は免れたようだ。
しかし、俺の一物は未だにその勢いを保ったままだ。
「仕方ない、処理するか」
無意識のうちにそうつぶやいた俺は、勢いを保った一物の処理をしようとズボンに手をかけたところで、はっと我に返った。
(って、何俺は自然な動作でやろうとしてんだよ)
ごく自然動作で始めようとする自分の思考回路に、羞恥心を抱きながら布団から出る。
(とにかく、水でも飲んで落ち着こう)
俺はそう思い経つと、足早に部屋を出て台所に移動する。
「あれ、湊さんに氷川さん?」
台所に移動すると、そこには氷川さんと湊さんがいた。
二人はここに元々置いてあって一度洗った湯飲み茶碗を手に持っていることから、二人も水を飲みに来たのだろう。
「あら、斉藤君。どうしたですか?」
「え? ああ、ちょっと喉が渇いてな」
そう言って二人に挨拶をしながら、棚に洗って乾かしておいた湯飲み茶碗を一つ取り出すと、二人の横に立って桶に入れられた水を汲む。
それは、近くの川から汲んだもので、一度沸騰させてそれを冷やしておいたものだ。
沸騰は、そのまま飲むのはどうかと思ってしたものだ。
気休めではあるが、おかげで飲み水として何の躊躇もなく使えるのだ。
「そうですか、私たちは夢見が悪かったので、水を飲みに」
「……?」
俺は、氷川さんの言葉に首を傾げた。
「ええ。内容は、よく覚えてないのだけれど、あまりいい感じの夢ではなかったと思うわ。さっきまでリサも夢見が悪かったって水を飲みに来てたわ」
「……」
氷川さんに続いて、湊さんがそう言った。
そんな二人につられるように、俺は自分の見た夢の内容を思い出していた。
(俺のあれは、淫夢だったよな?)
少なくとも氷川さんや湊さんに今井さんとの行為は、俺にしてみればかなり衝撃的な内容だった。
「ところで斎藤君……随分と、その……お元気そうですけど」
「え?」
そんなことを考えていると、氷川さんが頬を赤くしながら言った。
その視線は、俺の股間に注がれている。
氷川さんの視線に導かれるように俺も自身の下半身を見ると、俺はようやく自分の一物がズボンの上からでも分かるほど膨らんでいるのに気づいた。
(しまった!)
慌てて前かがみになって手で隠すが、時すでに遅し。
「ま、まあ。斎藤君も男の子ですから、その、仕方ないですよね」
「そ、そう言ってもらえると……助かります」
氷川さんの言葉に俺は更に恥ずかしくなった。
思いっきり”破廉恥な”と罵られた方がまだ良かったような気がする。
とはいえ、罵られるのを覚悟していた俺にとっては、氷川さんの反応はある意味救いではあったのは事実だけど。
一方の湊さんは
「……? 二人は一体、何の話をしているのかしら?」
と、頭上に疑問符を浮かべるように首を傾げていた。
(あれ、湊さん気づいてない?)
「そ、それじゃあ。俺はもうひと眠りするよ。お休みっ」
「あ、待ち―――」
なんとなく、湊さんの性知識に不安を抱きつつも、俺は俺は水を一気に飲み干すと、氷川さんに説明を押し付けて、逃げるようにその場を後にするのであった。
部屋に戻った時には、冷たい水が喉を通って火照っていた体を冷やしてくれていて、それと同時に頭も冷静になっていく。
(自制しないとな)
無人島に漂着して俺達しかいない状況下で、わだかまりを作るのは得策じゃない。
できる限り仲良くするためにも、無用なトラブルは避けるべきだ。
(まあ、色々と手遅れ感はあるけど)
既に白金さんに手を出しているのだから、今更なのかもしれないけど。
「それでは、今日の割り振りを始めます」
日が昇って、いつものように(今日も白金さんが俺の横に座ったけど)朝食を摂り、後片付けを終わって今に集まった俺たちに、作業割り当てをしていく。
「食材の調達はこれまで通り、今井さんと湊さんの二人でお願いします」
「オーケー。今日もたくさん採ってくるからね☆」
「ええ、任せて頂戴」
今井さんが、ウインクをしながら頷き、湊さんはどこか胸を張るようにして相槌を打った。
「次に、調査のほうですが」
その時、白金さんはどこか期待に目を輝かせているように見えた。
「白金さんと宇田川さんでお願いします」
「はいっ!」
「え……」
氷川さんの指名に、元気に答えるあこさんとは対称的に、白金さんは間抜けな声を上げていた。
「どうかしましたか?」
氷川さんが不思議そうに白金さんを見つめている。
「あの、斎藤君は……その、調査ではないんですか?」
「ええ。彼には私の手伝いをしてもらうつもりですが、何か問題でも?」
「いえ……その」
氷川さんの返答に、白金さんはどこか歯切れの悪い様子だった。
「ひ、氷川さんはここで休まれないのですか?」
「ええ。ここで休ませていただきますけど、”ずっとここにいなくてはいけない”とは一切言っていませんよ」
「そ、それはそうですが……なら、どうして斎藤君を手伝わせるんですか?」
氷川さんになおも食い下がる白金さん。
「私一人で行くよりも、男手があったほうが安心なので」
真剣な表情を浮かべてそう言う氷川さんだが、実際のところ俺が必要なのかどうかは行ってみなければわからない。
「そ……それを言うなら、今井さんか私でも良かったはずです」
「今井さんは、ほんの調べ物の要です、今井さんも食材を調達できている功績があります」
なおも食い下がる白金さんだったが、氷川さんにそう返されてはそれ以上何も言えなかった。
だが、何かを言おうと口をもごもごとさせる白金さんに、氷川さんはどこか鋭い視線を送る。
「先ほどからの白金さんの言動、何の意図があるのですか?」
「い、意図なんてそんな……私はただ氷川さん達が心配で」
氷川さんの指摘に、白金さんは肩を震わせて視線を泳がせる。
「私たちが心配、ですか? 貴女が心配しているのは、私ではなく彼のほうだと思いますけど?」
「そ、そんなことは……」
白金さんは、俺と二人きりになりたかったということを、氷川さんは見抜いているのだろうか?
もし見抜いているのだとしたら、どこまでわかっているのか?
いろいろな疑問が、俺の頭の中を駆け巡る。
「白金さん、貴女のしていることは和を乱す行為です。私は看過できません」
「……氷川さん、そう言って斎藤君を独り占めするんですか?」
「なっ!? ち、違います! どうしてそういうことになるのですかっ」
白金さんのどこか攻撃的な視線を向けながらの指摘に、氷川さんは声を荒らげる。
「ち、ちょっと二人とも、いったん落ち着こう。ね?」
あまりにも険悪な空気に、今井さんが割って入るが、二人は睨み合ったままだ。
「り、りんりん、どうしちゃったの?」
にらみ合っている友人の姿に、あこさんが不安そうな表情を浮かべていた。
(これはまずいな)
この島にいるのは俺を含めて六名。
生き残るためにも、全員で力を合わせる必要があるのは言うまでもない。
そんな俺たちは今、仲違いの危機に陥っていた。
(こうなったら、俺が仲裁に……)
そう考えた俺は―――
いかがでしたでしょうか?
いよいよ新しい局面に入ろうとしております。
そして、ここでいつも恒例のアンケートに入らせていただきたいと思います。
主人公に取らせたい行動をお選びください。
得票数の多い選択肢の行動を主人公が採ります。
期限は二週間後の11日までとさせていただきます。
皆様の貴重な一票をお待ちしております。
下記にヒロインのステータスを記載いたしますので、よろしければご参照ください。
・湊友希那
【欲情】:通常
【親密度】:中立
・氷川紗夜
【欲情】:通常
【親密度】:緊張
・今井リサ
【欲情】:通常
【親密度】:中立
・白金燐子
【欲情】:過敏
【親密度】:緊張
・宇田川あこ
【欲情】:過敏
【親密度】:友人
主人公の選択は――――
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白金さんをなだめる
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氷川さんをなだめる
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