※この作品はR-18です。

少女とサバイバル生活と   作:TRcrant

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本話の後書きにて重要なお知らせがありますので、よろしければお読みください。


十一日目(夕)

(ここは、氷川さんにフォローでもしておこう)

 

不仲はこういう状況ではよろしくない。

時間が解決してくれるかもだが、ここは氷川さんの所に行って話をしておくべきだと思った。

 

「となれば、行動あるのみだな」

 

決断したら即決行。

それが、この無人島にたどり着いてから大事なことの一つだと学んだ事の一つなのだが、今はそれは置いておこう。

そして俺は氷川さんの元に向かうのであった。

 

 

 

 

 

「確か、氷川さんはこのあたりに……あ、いた」

 

リビングを後にした時に、頭を冷やすといっていたのを思いだした俺は、彼女が向かいそうな場所で人気の無い所に行くと踏み移動をしていた。

尤も、ここは無人島なのだから人気など皆無に等しいのだが、それは言わない約束だ。

そうして、向かったのは最初に俺達が目覚めた浜辺だった。

海の波打つ音が、心地よさを醸し出す所で氷川さんは浜辺に立ちじっと海を見つめていた。

 

「氷川さん」

 

俺は気配を消すことなく後ろから歩み寄りながら声をかける。

 

「斉藤君。どうしたんですか?」

 

俺の呼びかけに答えるようにこちらを振り向きながら用件を聞いてくる。

 

「ちょっと、氷川さんと話がしたくて」

「……そうですか。でも、すみません、今は一人でいたいんです」

 

そう言って再び海の方に向かう氷川さん。

それは明確な拒絶の意思だった。

 

「……」

 

どうした物かと考えを巡らせる。

変に食い下がるのも悪手だ。

だが

 

「俺と話しても、何の解決にもならないことは分かってる」

 

このまま放っておくことはできなかった。

 

「でも、話を聞くくらいだったら俺にだってできる」

「………」

 

氷川さんからの反応はない。

ただただ海を見つめているだけだ。

それでも、俺は何も言わずに待つことにした。

ここからは我慢比べだ。

 

「……はぁ」

 

どれくらいの時間が経っただろうか。

しばらくして、氷川さんが一つため息をつくと、ゆっくりとこちらを振り返った。

太陽の光が彼女の横顔を照らし出している。

 

「……ほんとに、頑固なんですね」

 

深い溜息とともに呟くその声は、どちらかというと呆れているような感じだった。

 

「私たちがここに来てから何日経ったかわかりますか? 斉藤君」

「えっと……確か」

 

俺は答えることができない。

日にちを数えることを忘れていた自分に驚く。

 

「十一日目です」

 

氷川さんはきっぱりと言った。

 

「……やはり、あなたも数えていなかったんですね」

「いやー……その……悪い」

 

氷川さんの視線に負け、正直に答えて謝ると、氷川さんはもう一度ため息をつき、遠くの水平線を見つめるように海の方向を向いた。

 

「私は不安なんです」

「不安?」

 

俺の言葉に、氷川さんは無言でうなづきながら言葉を続ける。

 

「最近皆さん油断しているように見えます。確かに食料も水もある程度確保できますし、一応ではありますが寝るところもある。それこそ安心しすぎなくらいに」

 

彼女は両手を腰に当てて振り向く。

その姿勢には明らかな不安が込められていた。

 

「あなたなんて特にそうです」

「え?」

 

予想外の言葉に少し驚く。

 

「ここ数日、斎藤君と今井さんたちは楽しそうにていますよね?」

「あれは……そうだな」

 

否定できない。

リサと燐子の朝の一幕を見れば、どのように見られるかなんて火を見るよりも明らかだ。

 

「私は思うんです」

 

氷川さんは腕を組んで深刻な表情を作る。

 

「現状維持が一番危険だと」

「……」

 

彼女は一歩近づいてきて言う。

それはまるで俺に向けて言われているような気がした。

 

「今井さんもそうです。最初は真剣に脱出しようとしていたのに、最近ではその素振りすら見せてない」

「……」

「そして他のメンバーも同様です。この島から脱出をするという目的を見失いつつあります」

 

氷川さんの言葉に耳を傾けていると、その通りだと思えた。

 

「私たちはこんなところから一刻も早くここから脱出するべきです」

 

その言葉にはどこか焦りのようなものが見える。

確かに彼女の言うことは正しい。

しかし……

 

「でも、今井さんと言い争うのは……」

「わかっています! でもっ!!」

 

氷川さんは激しく首を振った。

珍しく感情的な口調になっている。

 

「氷川さんの言うとおりだと思います。でも、それをするには俺たちが一致団結していかないと……」

「一致団結ですか?」

 

氷川さんの声に俺は無言でうなづく。

 

「……まあそうですね。確かに全員で一丸にならなければ、できませんね」

 

俺の言葉に反論せずとも意味を理解してくれたらしい。

 

「すみません」

「いえ、別に謝らなくてもいいよ。氷川さんがそう思うのも当然なんだし」

 

俺の言葉に氷川さんは俯く。

その様子を見て思った。

いつもはキツイ印象の多い氷川さんだけど、本質はとても繊細なんだろうなと。

 

「ここに来るまで、あなたは無責任な方だと思ってました」

 

氷川さんは俺を見つめながらぽつりと言った。

 

「私が海を見ている時も、あなたは諦めずにここに居続けてくれました」

「それは……まあ」

 

言葉に詰まる。

そんな大したことではないと思っていたのだが。

 

「……私はあなたの事を誤解していました。私はあの軽薄な態度ばかり見ていましたから」

 

軽薄とはひどい言われようだ。

まあ、そう見られてもおかしくはないけど。

 

「でもあなたは、全員がバラバラにならないようにしていました」

 

氷川さんの声音がわずかに柔らかくなる。

 

「……」

 

図星を突かれた俺は、何も言えなかった。

他人から意図したことを言われた時に、どう反応すればいいのかがわ時からなかったというのもあるけど。

そんな俺に、氷川さんは深く息を吸い込むと、ゆっくりと吐き出した。

 

「私はずっと自分の事しか考えていませんでした。脱出する方法を考えることばかりに囚われて……」

 

”ダメダメですね”と言葉を漏らした彼女の瞳に影が差す。

 

「そんなことない」

 

そんな彼女に、思わず強い口調で否定してしまう。

 

「氷川さんはちゃんとみんなのことを考えてたじゃないか。それにリサとの言い争いだって、元は本来するべきことを忘れてた俺にだって問題がないわけじゃない」

「斎藤君……」

 

俺の言葉に、氷川さんは驚いたように目を見開かせる。

 

「その……ありが……とうございます」

 

ぼそぼそと呟くように氷川さんが礼を述べた。

俺はその声を聞きながらふと氷川さんが笑っていることに気付く。

本当に嬉しそうに小さく微笑んでいるその姿に不覚にも胸が高鳴ってしまう。

 

「私もこれからはもっとあなたを頼りにしていきますね」

 

その言葉と共に彼女は晴れやかな笑顔を浮かべて歩き去った。

俺は呆然としながらもその後ろ姿を見送ることしかできなかった。

 

(責任重大だな、これ)

 

何はともあれ、俺たちの間に訪れた分裂の危機は、何とか解決することができた。

……と思いたい。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

「今井さん、ちょっといいですか」

「……紗夜」

 

日が暮れる時間、戻ってきたリサに、氷川さんが声をかける。

 

「今井さん、朝は言い過ぎました。すみませんでした」

 

氷川さんはそう言うと、リサに向かって頭を下げた。

俺はその光景を静かに見守ることにした。

 

「紗夜……」

 

その謝罪に、リサは驚いたように目を大きく見開いた。

リサにとって朝の氷川さんの様子から、氷川さんの謝罪は相当意外だったのだろう。

 

「私は少々焦りすぎていました。今井さんの意見も尊重すべきでした」

 

そんなリサに、氷川さんは続けた。

 

「アタシも……ごめん。紗夜の気持ちも考えずにムキになってた」

 

リサもまた頭を下げる。

その表情には反省の色が見えた。

 

「よかった~!」

 

ひと段落したと思ったのか、あこさんが安堵の声を上げる。

 

「ほっ……」

 

燐子もまた胸を撫で下ろしている。

二人の和解はこの状況下では非常に喜ばしい。

だが、事態はまだ何も進展はしていない。

この島からの脱出という目的は、何一つ進展がないのだから

 

(早く、何とかしないとな)

 

窓の外に広がる夕焼け空を見ながら、俺は心の中で本来の目的であるここからの脱出を誓うのであった。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

「ねえ、茂」

 

夕食が終わり、各々がお風呂に入っているところで、声をかけてきたのはリサだった。

 

「うん?」

 

突然声を掛けられて振り返ると、そこにはリサが立っていた。

湯上がりでほんのり頬が紅潮しており、髪の毛は少し濡れているような感じだった。

 

「……なんか今日の紗夜さ、あの短時間であそこまで素直に謝ることなんてなかったのに……なんでだろうって思ってたんだけど……」

 

そこで一旦区切りを入れるように、俺をじっと見据えた。

 

「もしかして茂が何か言った?」

 

鋭い指摘に内心ドキリとする。

だがここで嘘をついても仕方がないだろうと思い、率直に答えることにする。

 

「まあ……ちょっと話しただけだよ」

 

正直に答えることにした。

 

「ふーん……」

 

すると何故かリサは眉間に皺を寄せ始める。

それは明らかに不機嫌そうな雰囲気だ。

 

「な、なんだよ」

「……別に~」

 

妙な含みのある言い方をしながら、リサはぷいっと顔を逸らした。

これは一体どういう状況なんだ?

 

「ちょっ! リサ?」

 

困惑する俺をよそに彼女は足早に立ち去っていく。

そんな彼女の後ろ姿を眺めることしかできなかった。

 

(何だったんだ一体……)

 

完全に取り残された俺はただ呆然と立ち尽くすしかなかった。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

「はぁ……」

 

夜、自分の部屋に戻った途端、盛大なため息が出てしまう。

 

(なんだか今日は色々ありすぎて疲れたな……)

 

布団の上に寝そべりながら天井を見上げる。

色々とありすぎてある意味濃密な一日だったような気がする。

 

(どうするべきか)

 

先ほどのリサの様子が気になる。

とはいえ、あまり触れない方がいいような気もする。

明日のことを考えると早く寝るべきだろう。

色々と考えを巡らせた俺は―――




冒頭で触れました重要なお知らせになります。

この作品を書くにあたり、時間がかかってしまい、申し訳ありませんでした。
投稿するまでの間に本作や別作品のプロットを紛失するという、凡ミスを犯しまして、いろいろと迷走をしておりました。
プロットのほうは新たに作り直しましたが、本作のように読者参加型の作品にはプロットの紛失は致命的なものでして……。
簡潔に申し上げますと、このまま進行すると、理論上到達不能となるエンディングが発生しております。
これは、私の管理体制が未熟なことが原因です。
目指していたエンディングを読みたいと、本作のアンケートにご協力いただいた皆様に、お詫び申し上げます。
今回の件を受けまして、次の2つの対応を実施することとなりました。

1:本作の概要を一新し、分かりやすい物に改善(アップデート)します。
既に骨組は出来上がっており、現在は細かい調整を行なっております。
こちらは15日目までにはお披露目できるかと思いますので、今しばらくお待ちください。

2:今回の件の補填としまして、達成できなかったエンディングの一つを
特別版として投稿します。
投稿するエンディングの種類はアンケートで決めさせていただく予定です。
詳細については、アンケート実施時にお知らせします。

この度は、こちらの不手際でご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。

そして、恒例のアンケートに入らせていただきたいと思います。
主人公に取らせたい行動をお選びください。
得票数の一番多い行動を主人公がとります。

期限は、二週間後の24日までとさせていただきます。
皆様の貴重な一票をお待ちしております。

下記にヒロインのステータスを記載致しますので、ご参照ください。

・湊友希那

【欲情】:通常
【親密度】:中立

・氷川紗夜

【欲情】:過敏
【親密度】:中立↑↑

・今井リサ

【欲情】:発情
【親密度】:中立↓↓

・白金燐子

【欲情】:過敏
【親密度】:中立↓

・宇田川あこ

【欲情】:過敏
【親密度】:友人

主人公の選択は――

  • このまま寝る
  • 気分転換に外に出る
  • 場所を考えて考える
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