二日目の夕方パートになります。
「茂さんがいれば百人力ですねッ! 友希那さん」
隣を歩いているあこさんが湊さんに笑顔でそう言った。
「そうね。頼りにしてるわ。斎藤君」
あこさんの言葉を受けて、湊さんが俺にそう言う。
「任せろ。俺がいれば大丈夫……とは言えねえけど、できる限り力になるようにするよ」
結局、俺は湊さん達と一緒に食料の調達に行くことにしたのだ。
俺たちが向かったのは、森のほうだった。
そこには山菜など、食べられるかもしれない食料があることは、今井さんたちによって明らかになっている。
(できればたくさん見つかるといいんだが……)
そんな期待をしながら、俺たちは目の前に迫った森の中へと向かっていくのであった。
森の中は木々の葉が生い茂っているせいか、太陽の光はほとんど差し込んでこないため、全体的に薄暗かった。
それでも、木漏れ日のおかげで真っ暗というわけではなかった。
サバイバル映画であるあるな、森の中で迷うという心配はしなくてもよさそうだ。
「な、なんだか闇にはびこる暗黒の……何とかの気配がしますね」
「……?」
そんな中、あこさんの発言を聞いて、湊さんは意味が解らないのか、首を傾げていた。
かくいう俺もだが。
「あ、見てください。キノコがありますよっ」
森の中に入ると早速、キノコを見つけたのか、あこさんが嬉しそうにそう叫んだ。
「お、本当だ」
あこさんの言う通り、木の幹のところに赤色の傘をしたキノコが生えていた。
「毒があるかもしれないから迂闊に触らないほうがいいのでは」
「そ、そうですね」
湊さんの言葉に従うように、あこさんはキノコに手を伸ばしていた手を引っ込めた。
(ぱっと見、食べられそうなんだけどな)
そうは思うが、素人の俺たちだけで判断するのは危険だろう。
俺は後ろ髪を引かれる思いを抱きながら、その場から離れることにした。
「斎藤君。これなんてどうかしら?」
少し歩いたところで、その場にしゃがみ込んだ湊さんが声をかけてきたので、俺も湊さんが見ているものを見るために、その場にしゃがんだ。
すると、湊さんの視線の先には山菜と思われるものがあった。
それは、緑の葉の中に赤い小さな実のようなものがついているものだった。
「これって、タラの芽じゃねえか?」
その山菜を見た俺は、山菜の名前を口にする。
前にテレビで見た食べられる山菜を扱った番組で紹介されていたのを思い出したのだ。
「タラの芽? これは食べれるのかしら?」
「ああ、食べられるよ。炒め物でも、天ぷらにしても」
俺の言葉を聞いた湊さんが首を傾げながら聞いてきたので、俺は頷きながら答えた。
「そう。なら、これをいくつか持っていきましょう」
そう言うと、湊さんはタラの芽を採り始めた。
「あこも手伝いますっ!」
そしてあこさんもそれに続くように採り始めていく。
(一応念のために、白金さんに確認してもらうか)
図書館に行った白金さんなら、何らかの情報が記された本を持ってきているかもしれないと思ったからだ。
その後、色々な山菜などを採った俺たちは拠点へと戻るのであった。
「ただいま」
「戻ったわ」
「お、あこに友希那に斎藤君。おかえり~☆」
拠点に戻った俺たちを、今井さんが出迎えてくれた。
どうやら、白金さん達はまだ戻ってきていないようだ。
(まあ、まだそんなに時間は経ってないしな)
「それって、山菜?」
そんなことを考えている俺の耳に今井さんが声を掛けてくる。
「ええ、そうよ」
今井さんの問いかけに、そう言って頷いたのは湊さんだった。
「へぇー、結構たくさんあるじゃん♪」
言いながら、今井さんは湊さんとあこさんの持っている山菜を覗き込んだ。
「うん♪ あこと友希那さんと茂さんとでたくさん集めましたっ!」
「そっかぁ、偉いぞ三人とも~」
「えへへ~♪」
今井さんに頭を撫でられて、嬉しそうな顔をするあこさん。
「ところでリサ。その格好は一体」
と、そんな時、今井さんの格好を見た湊さんが口を開いた。
今井さんの姿は腕まくりをしている状態だった。
「ん? ああ、お風呂場の掃除をしてたんだ」
「お風呂……ああ、なるほど」
今井さんの言葉を聞いて、俺は納得した。
確かにそれなら納得できる服装だ。
「疲れた時にはお風呂でゆっくりしたいじゃん? だから掃除をしてたんだけど、これはちょっと大掛かりかも」
(まあ、そうだよな)
昨日ちらっと見た浴室の状態を思い出した俺は、今井さんの言葉に心の中で同意する。
かなりの汚れだし、何より水が出ないので、少し離れたところにある川から水を汲んでくる必要があるので時間がかかるのは目に見えていた。
「じゃああこ、お掃除手伝いますッ」
そのとき、あこさんがそう言い出した。
「そうね。私も手伝うわ。リサだけにやらせるわけにはいかないものね」
それに続いて、湊さんもそう告げた。
「もちろん、俺も手伝うぞ」
「三人とも……ありがとうね」
俺達の申し出を受けた今井さんがお礼を言った後、俺たちはお風呂場の掃除を始める。
結局、俺達四人がかりでも終わることはなかったが、かなり掃除は進んだような気がした。
『ごちそうさまでした』
日が暮れて行燈が部屋を照らす中、俺達は食事を終えた。
「ふう……湊さんたちが採ってきた山菜のおかげで、食料のほうはなんとかなりそうですね」
夕食を終え、一通り食器を片付けた後、一息つきながら氷川さんが呟いた。
「はい。山菜が食べられるので……良かったです」
あの後、戻ってきた白金さんに採ってきた山菜の確認をしてもらったところ、どれも食用だったこともあり、二日ぶりにお腹が膨れるほど食べられたかもしれない。
「食料のほうは、あまり心配はいらなそうだね☆」
「そうだな。これで当分の間は大丈夫だろう」
今井さんの言葉に、俺も頷いて同意する。
(海や川とかからも食材になりそうなものがありそうだしな)
最初はどうなるか不安だったが、これなら何とかなりそうだ。
「少しいいでしょうか?」
そんなことを考えていると、不意に氷川さんが声を掛けてきた。
全員の視線が氷川さんに注がれる中、氷川さんは口を開いた。
「図書館に白金さんと言ったのですが、この街に関する情報が一切載っていないんです」
「え?」
「どういうことですか?」
「どういうこと?」
俺を含めた全員が首を傾げる。
「それが……この街の郷土史のようなものもなかったんです」
「でも、建物に名前とか書いてあるんじゃ」
「いいえ、ありませんでした」
俺の言葉に、首を横に振ったのは燐子だった。
「そ、そうなんだ……」
(一体、ここはどこなんだ)
居間をなんとも言えない雰囲気に包まれていく。
環境のほうは何とかなっても、謎のほうは尽きることがなかった。
「ん?」
ふと俺は目を覚ました。
あの後、昨日と同様に眠りに就いたのだが、今日もまた目を覚ましてしまったようだ。
「俺、やっぱり気疲れしてんのか?」
昨日に続いて今日もまた目を覚ましたことに、俺はそう思いながら、もう一度寝ようと目を閉じる。
しかし、一度覚醒した意識は中々眠ることを許してくれない。
(また散歩に行くか……でもなぁ)
ふと、昨日のことを思い出す。
今日と同じように目を覚ました俺が散歩に出た結果、俺は白金さんのあられもない姿を目撃したのだ。
(あれはあれで目の保養になったけど……さすがに身が持たねえんだよな)
そう思って、俺は無理にでも寝ようとした時だった。
「……っ!?」
突然聞こえた物音に、俺は慌てて飛び起きる。
(い、今の音は何だ!?)
誰かが歩くような物音に、俺の心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
湊さんたちは全員寝ているはずだ。
(まさか……俺たち以外の誰かがいるのか?)
頭の中で考えを巡らせていると、再び足音が聞こえてきた。
その足音は、心なしか窓の外から聞こえたような気がした。
(くそっ! どうするッ)
この足音が誰のものであるのかを調べるべきであるのは間違いない。
だが、もし危険生物とかであればかなり危険だ。
(だからと言って、このままってわけにもいかねえしな)
もし脅威が迫っているのであれば、男である俺が対処しなければならないだろう。
考えを巡らせた俺は―――。
いかがでしたでしょうか?
改めまして、前回は大変失礼しました。
そして、早速ですが、アンケートに移らせていただきます。
主人公に取らせたい行動をお選びください。
得票数の多い選択肢の行動を主人公が取ります。
期限は二週間後の5月4日までとさせて頂きます。
*なお、夕方パートのアンケートは、選ばれた選択肢によっては夜パートが発生しない場合があります。
下記に現在のヒロインのステータスを明記いたしますので、よろしければご参照ください。
・湊友希那
【欲情】:通常
【親密度】:中立 ↑↑
・氷川紗夜
【欲情】:通常
【親密度】:緊張
・今井リサ
【欲情】:通常
【親密度】:中立
・白金燐子
【欲情】:過敏
【親密度】:友人
・宇田川あこ
【欲情】:通常
【親密度】:友人 ↑↑
主人公の選択は―――
-
皆の安全を確認する。
-
外に出て確認に行く。
-
公民館の敷地内を確認する。