本当にありがとうございます。
これからも、色々と頑張っていきますので、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、本篇をどうぞ。
「――るさん。―――い。げるさんッ」
「ん……」
耳元で誰かが呼ぶ声がして、俺は重たい瞼をゆっくりと開ける。
するとそこには見慣れた顔があった。
「ああ、やっと起きた。おはようございます! 茂さん」
「……おはよう、あこさん。悪い、寝坊だよな」
そう返すと、俺を起こしていたのか、あこさんは優しく微笑んだ。
俺は体を起こすと、辺りを見渡す。
どうやら俺が一番最後だったようで、他のみんなは朝の支度をしていた。
「茂さん、疲れてたんですよ。よく眠れましたか?」
「うん……ぐっすり寝れたよ」
あこさんが俺の顔を覗き込みながら聞いてくるので、俺は素直に答える。
実際、かなり熟睡できた気がする。
「そうですか、よかったです」
そう言って笑うあこさんの笑顔を見て、俺もつられて笑った。
「あこちゃん、顔洗い終わっ――――あ」
そんな時、廊下の方から白金さんが顔を出し、俺を見て固まった。
「あ……」
そして、俺もまた白金さんの姿を見て、ふと昨夜のことを思い出す。
(夢じゃないんだよな……)
俺は、昨日のことを思い出し、身震いする。
昨日、俺は白金さんを犯してしまった。
しかも、レイプに近い(いや、レイプそのものと言っても良い)形で。
もちろん、そんなつもりは無かったし、するつもりもなかった。
ただ、あの時は頭がおかしくなっていたんだと思う。
そうでなければ、あんな事にはならなかったはずだ。
だが、そんなのはただの言い訳に過ぎない。
俺は、罪悪感で白金さんから目を背けてしまう。
「茂さん、どうしたんですか?」
「あ、いや……」
突然黙り込んだ俺を心配して、あこさんが声を掛けてくれるが、上手く言葉が出てこない。
昨夜のことを正直に話すべきなのだろうが、俺にはそれができなかった。
話してしまった後のことを考えた時が怖くなったからだ。
「りんりんもどうしたの? ぼーっとして」
俺が黙っている間に、あこさんが白金さんに声を掛ける。
「な、なんでもないよ。あこちゃん」
訝しげに首を傾げているあこさんに、白金さんはぎこちない笑顔を浮かべて誤魔化していた。
しかし、その反応は明らかにおかしくて、不自然な物だった。
「ほんとに大丈夫? なんか顔色悪いけど」
「う、うん。大丈夫だよ、心配しないで。さ、斉藤君。顔、洗ってきて……ください。多分斉藤君が、最後……ですので」
「あ、ああ……」
白金さんにそう言われて、俺はあこさん達から逃げるように、顔を洗いに行くのであった。
「それじゃ、今日はどうする?」
「そうですね、昨日と同じく――――あの、いいですか?―――白金さん? ええ、良いですよ」
食事を終え、今日の予定について話し合っていると、白金さんがおずおずと手を挙げる。
「その、調べ物ですが……斉藤君と一緒で……いいでしょうか?」
「……え?」
予想外の提案に、俺は思わず聞き返してしまった。
「私は別に構いませんが……」
困惑する俺とは対照的に、特に驚いた様子も無く承諾した氷川さんに続いて、他のメンバー達も頷いて同意する。
「斉藤君も、それでよろしいですか?」
「あ、ああ……」
「では、調べ物は白金さんと斉藤君でお願いします」
最後に確認するように聞いてくる氷川さんに俺が頷くと、氷川さんはそのまま他の人に役割を割り振っていくのであった。
公民館を後にして、白金さんの案内で島の奥の方に向かっていくと、そこにはそこそこ大きな建物があった。
建物の名前を示す看板のようなものには『――図書館』と記されていた。
前半部分にはこの島の名前が入るのだとは思うが、掠れていて解読できなかった。
「ここが……この島の図書館……です」
白金さんはそう言って、どこか慣れた手つきでドアを開くと、そのまま建物の中に入る。
俺もそれに続いて中に入った。
室内はかなり広く、奥側には本棚がいくつも並んでいた。
また、入口の近くの受付カウンターのような所があったので、俺は何か情報が得られるかもしれないと思い、カウンター内入ることにした。
「何もないな」
「はい……」
カウンターの上や引き出しの中を探してみるが、何も見つからなかった。
まるで引っ越しでもした後のように、綺麗に何も置かれていなかった。
(そりゃそうか)
よく考えたらここには昨日、白金さんと氷川さんが来たのだ。
その時にここも探索しているはずだ。
その時に何かの情報が得られたのなら、昨日の夕方の時点で言っていただろう。
(まぁ、少し期待はしてたんだけどな……)
そう思いながら、俺はカウンタ内から外に出て、再び本棚を調べることにした。
「俺は何をすれば良い?」
「えっと……私と一緒に……本を探してもらえますか……?」
燐子に尋ねると、燐子は不安そうに尋ね返してくる。
「分かった。それで、どんな本が良いんだ?」
「そうですね……郷土史のような……そういう本がいいです……」
「了解」
俺はそう返して、早速本を探し始める。
(これとか良さげだな)
中を読むのは後回しにして、手当たり次第に気になったタイトルの本を何冊か手に取っていく。
そして、手に取った本を持って、読書用に置かれていたテーブルに移動する。
すでにテーブルには白金さんの姿があり、彼女の前には数冊の本が置かれていた。
俺は、とりあえず白金さんの向かい側の席に座る。
「斉藤君……もう、見つけたんですか?」
「あ、ああ……とりあえず目ぼしいのを少しだけ持ってきたけど」
俺はそう言って、白金さんの前に俺が持ってきた本を置く。
「わぁ……」
それを見た白金さんは感嘆の声を漏らす。
「こんなに……すごいです……」
「いや、たまたまだよ」
実際、俺が持ってきたのは白金さんの半分くらいの量なので、彼女と比べると大した量ではない。
「だって、斉藤君は本を読まないって……だから、すごく驚きました」
白金さんはそう言うと、尊敬の眼差しを向けてくるので、なんだか照れ臭い気持ちになる。
(確かに読む方じゃないけど……)
とはいえ、白金さんに比べれば大したことないと思うのだが、どうやら彼女はそう思っていないらしい。
「そんなことないよ」
俺は照れ隠しでぶっきらぼうに言うと、白金さんは首を横に振り、否定する。
「そんなこと、あります。苦手なことから逃げないで、一生懸命取り組むことは、誰にでもできることではありません……」
白金さんは真剣な表情で俺に言う。
「そ、そうかな……」
そう言われると悪い気はしないが、やはり面と向かって言われると照れてしまう。
そんな俺を見て白金さんは微笑む。
「そうですよ」
「……ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ」
「い、いえ……そんな……」
俺が素直にお礼を言うと、白金さんは恥ずかしそうに俯いてしまう。
このころには、朝のようなぎこちなさは嘘のように無くなっていた。
そんな白金さんを微笑ましく思いながら、俺達はお互いが選んだ本を読み始めた。
(やっぱり、どれもこれも関係の無い内容の本ばかりだな……)
どの本を読んでも、出てくる内容はこの島には関係の無い、昔の風習などばかりだ。
「そっちはどうだ?なにか見つかった?」
「いいえ……なにも……」
俺の声に、白金さんは残念そうに首を振る。
「そっか……こっちもダメだな」
俺は読んでいた本を閉じてため息をつく。
「そうですか……」
「ああ、どれもこれも全く関係の無い内容ばっかりだ」
「私もです……」
俺の言葉に、白金さんも残念そうな声を出す。
「とりあえず、読み終えたやつ片付けてくる……っと」
俺は椅子から立ち上がり、読み終えた本を元の場所に戻そうと持ち上げるが、本のバランスが上手く取れず、本を数冊程床に落としてしまう。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫」
床に落ちた本を拾うためしゃがみ込む俺に、白金さんが心配そうに声をかけてきたので、俺は返事をしながら本を拾っていく。
まだ読んでいない本も巻き込んで床に落ちたようで、開いていたりしてるものもあったが、ぱっと見で本へのダメージとかは無さそうだったので、俺はホッと胸を撫で下ろし、本を拾っていく。
「よし、これで全部だな」
拾った本をテーブルの上に置いて一息つく。
「ん?」
ふと、先ほど拾った本が目に止まった。
どうやら、何かの弾みで開いたようだ。
その開かれたページにあった写真に、俺は思わず目を見開く。
(これは……!)
そこに掲載されていた写真は、どこかの風景を写したもので、海岸沿いの道が写っている。
しかも、その風景に俺は覚えがあった。
それは、この島の海岸の道だったのだ。
(もしかして……この本って、この島に関することなんじゃ……)
「斉藤君、どうかしたんですか?」
そう思った俺に、いつの間にか隣に来ていた白金さんが声を掛ける。
「なぁ、白金さん。この本なんだけどさ、見てくれないか?」
俺はそう言いながら、その本を白金さんに渡す。
「は、はい……」
白金さんは俺から本を受け取ると、中を読んでいく。
そして、あの写真を見たのか、驚いた表情で俺を見る。
「これって……」
「ああ、間違いないと思う」
白金さんに渡した本を受け取りながら、俺は頷く。
あの景色は間違いなくこの無人島で撮られたものだ。
つまり、ここに書かれている内容は、この島に関する物であるとみて間違いは無いだろう。
「内容は……読めねえ」
肝心の本に書かれている内容は、ほとんどが掠れていて読めない状態になっているのだが、所々読める部分もある。
だが、読めるとはいっても、”ここ”や”そして”といった単語のみで、読み取るのが難しい状態だった。
「とりあえず、ここに関する本を見つけのはでかいな」
「そうですね……解読できれば、大きな手がかりに……なるかもしれません」
俺の言葉に、白金さんは大きく頷きながら答える。
「そうだな。それじゃ、他の本は片付け探して――うわ!?」
本を片付けようと横を見ると、向かい側席にいたはずの白金さんがすぐ近くにいたので驚いて声を上げる、
「――きゃ!」
その声に驚いた白金さんもまた、驚いた声をあげ数歩ほど後ずさって俺から離れた。
「び、びっくりしたぁ……」
「す、すみません……驚かせてしまって……」
「いや、大丈夫だけど……」
お互いに驚いたことに謝罪する。
「「………」」
そこでピタッと俺達は言葉を止めてしまう。
(どうしよう……何か話さないと……)
そう思えば思うほどに、昨夜の彼女との情事を思い出してしまい、言葉が出てこない。
「あ、あの……」
「な、なんだ?」
「その……昨日の、夜のこと……なんですけど……」
俺がどうしようか悩んでいると、意を決したように、顔を赤らめて、躊躇いがちに白金さんが口を開く。
(やっぱり、その話だよな……)
本当を言うと、彼女がその話をしてくるのは、予想は出来ていた。
そうで無ければ、朝俺と行動を共にしたいと言ってこないからだ。
(どうする?)
俺は頭を働かせる。
もしかしたら昨夜俺に襲われたことをみんなに言う話かもしれない。
無理矢理したのは事実だし、俺の自業自得なのだが、それでもみんなに知られるのが怖くないかと言えばそうではない。
ポケットの中にはいつもの癖で入れていたスマホがある。
例えば、だ。
このスマホで彼女が誰にも言えなくなるような弱みになりそうな写真を撮影して、彼女の口を塞ぐ手もある。
他にも、土下座をして許しを請う手もある。
白金さんも鬼じゃない。
真摯に謝れば許してくれるかもしれない。
もしくは、この場から逃げる手もある。
逃げてどうなるかは分からないけど。
(どうすればいい)
必死に思考を巡らせた俺は―――
いかがでしたでしょうか?
ここで早速アンケートに入らせていただきます。
主人公に取らせたい行動を選択してください。
得票数の一番多い行動を主人公がとります。
なお、期限は二週間後の21日までとさせえいただきます。
皆様の貴重な一票をお待ちしております。
また、下記にヒロインのステータスを記載いたしますので、よろしければご参照ください。
・湊友希那
【欲情】:通常
【親密度】:中立
・氷川紗夜
【欲情】:通常
【親密度】:緊張
・今井リサ
【欲情】:通常
【親密度】:中立
・白金燐子
【欲情】:発情
【親密度】:緊張
・宇田川あこ
【欲情】:通常
【親密度】:友人
主人公の選択は――――
-
逃げる
-
白金さんに謝る
-
白金さんに襲い掛かる