好きでもないアイドルに告白をしたらどうなるのか? 作:なおちー
19歳といえば、民法(22年に改正)では成人したことに
なっているが、30歳のプロデューサーからすればまだ子供だ。
文香は内気な少女であり、あまり自分の考えを表に出すことはない。
悪く言えば自分の気持ちを押し殺してしまう。
本屋で叔父さんのお手伝いをしてる彼女をスカウトして以来、
プロデューサーは一度だって彼女の本心を聞いたことはない。
「こんなとこで、やめてください」
「でも、こうしないと君は逃げるだろ?」
プロデューサーは抵抗しようとする文香の腕を押さえつける。
そして唇を近づける。文香は諦めたのか、そっと目を閉じた。
エレベーターはどんどん下の階へと降りていく。
三城プロで彼らの事務所は32階にあるから、1階までは
まだまだ時間が掛かる。とはいえ、途中の階で誰かが乗ってこないと
も限らない。そんな危機的な状況が、プロデューサーをさらに興奮させてしまう。
涙目の文香が、プロデューサーをにらみつける。
「私以外の女にも同じことをしましたね」
「夕美のことか? お前も見てただろ。あの時はああするしかなかったんだ」
「そうじゃないです。私が怒ってるのは愛梨ちゃんのことです」
エレベーターが11階を過ぎた。プロデューサーはさすがに
不味いと思ったので文香の手を取って立たせる。
ロングスカートがしわになってないかと思い、手でほこりをはたく。
その際にプロデューサーは遠慮なく文香のお尻を触った。
「あっ」
「どうした。少し触れただけじゃないか」
今度は胸を触る。ストールが胸にかかっていて少し邪魔だったが、
ピンク色のセーター越しに胸を揉みしだく。文香の胸は
見た目以上に大きく弾力があるのでブラ越しでも感触が楽しめる。
「んっ……はぁっ……」
文香の火照った顔がたまらなく愛おしいのでプロデューサーは
彼女の唇を自分の唇でふさぐ。文香は顔が真っ赤になって「苦しいです」と言う。
「ごめんな」プロデューサーは彼女の頭をなでる。頬をなでる。
文香は、あんなショックなことがあったばかりなのに
彼に触れられることがうれしくて子猫のようにおとなしくしていた。
それは彼に対して性的に屈服してしまっている証拠。
文香にとって大嫌いな別の女の匂い(夕美)
がすることでさえ、どうでもよくなるほどに。
(ああ……この肌の柔らかい感触、アーニャにそっくりなんだよな)
驚くべきことに、彼は担当アイドルの鷺沢文香にこれだけの
ことをしておきながらも文香のことを愛してはいなかった。
さらに驚くべきことに、プロデューサーが文香にセクハラをしたのは
今日が初めてじゃない。今から3か月も前の
秋シーズンの初めから肉体関係を持ってしまっていた。
あれは10月の初めだった。
プロデューサーはもう夏も終わる時期だと言うのに季節外れの
水着撮影の仕事を持ってきた。異常気象が続く昨今では
確かに残暑がまだ厳しいと言えなくもないが、水着を着るアイドル達にとっては
楽しい仕事ではない。そもそもほとんどの女性は人前で水着を着ることに抵抗がある。
「水着を着るお仕事ですか?」
「すまいな文香。先方さんがどうしても文香の水着が良いってうるさくてな」
最初はもちろん文香は良い顔をしなかった。
だがプロデューサーは得意の話術で丸め込む。
――新しいことにチャレンジする冒険心は、新しい本のページをめくるのと同じ。
例え困難な事でも立ち向かおうとする君の姿は誰よりも美しい。
俺はそんな文香のことが誰よりも大好きだ。
俺は大好きな文香をこれからも裏方として陰で支えていきたい。
と告白まがいの事(現に文香はそう思ってしまった)まで言ってしまった。
文香は試着したビキニ(それなりにきわどい姿)を
撮影前にプロデューサーに披露した。実は試着室で二人で選んだ水着なのだ。
試着室にそもそも男が入ること自体が厳禁なのだが、文香が許可した。
(やべえ)
と彼は思った。やばいのは彼の劣情だった。
アーニャに手を出したくても出せないこのもどかしさを、
目の前の女の子で満たすことはできないかと本気で考え始めた。
文香は普段は地味なイメージの子だが、色鮮やかな舞台衣装や水着を着た途端に
化ける。プロデューサーが今まで見てきたアイドルの中でも衣装ひとつで
ここまで印象が変わる子は見たことがない。それだけ元が美しい証拠なのだ。
人気のない千葉県の半島沖での撮影が終わる。
とうにシーズンオフの季節なので撮影にはむしろ適切だったと言える。
問題なのは、予想以上に気温が低めで風も吹いていたこともあり、
1時間半に及んだ写真撮影で文香が体調を崩して休んだことだった。
プロデューサーは、罪悪感を感じた。
実は例の撮影の件は、出版社からではなくプロデューサーが自分から
頼み込んだものだった。その理由とは単純で、文香の水着姿を堂々と
見てみたいという、もはや社会人失格ともいえる理由からだった。
はっきり言おう。彼はゲス野郎だ。
しかしそのゲス野郎がこの作品の主人公であるために、
この時点で彼を見限った人は小説を読むのをやめた方がいい。
彼のゲスは、これでもまだ初歩の段階だ。
プロデューサーはお見舞いの口実ができたので遠慮なしに女子寮に足を運ぶ。
言うまでもなく男子禁制の場所だが、
「担当プロデューサーだから」と言えば寮から許可が下りる。
プロデューサーは表向きは礼儀正しく、なにより見た目が良い。
中肉中背。黒髪で前髪が長い。堀の深い顔立ちに琥珀色の瞳が特徴だ。
スーツのようにフォーマルな服装をしているといっそう男前に見える。
彼はその日も寮の管理人の女性にさわやかに挨拶をした後、
女子寮のエントランスを抜ける。途中、廊下で前川みくとすれ違う。
「ななな? なんで男の人がこんなとこにいるにゃ!?」
「前川さん。お久しぶりですね。私は鷺沢文香のプロデューサーです」
うるさい小娘だと不快に思いながらも太陽のような笑顔で事情を説明すると、
みくは少し顔が赤くなってしまう。すぐ納得してれたので助かった。
みくが騒いだので同じく女子寮組の白川小梅と新田美波もこちらにやって来た。
(あれが噂の新田美波か……)
小梅のような小娘に関心はないが(彼はアーニャ好きだが決してロリコンではない)
男性プロデューサーの間で定評のある新田美波には前から目を付けていた。
美波は自分で意識してるわけではないのだろうが、全身からエロオーラを
発散しており彼女の担当のPはそれはもう自我を抑えるのが大変らしい。
プロデューサーはその子らとも適当に挨拶をし、いつものように深く頭を下げると
向こうも恐縮して頭を下げてくる。いつものやり取りだ。
(壁際で隠れるようにこちらを見ているのは……)
神崎蘭子だった。プロデューサーにとって目に悪い。
あのすき通るような肌の白さ。色白というより色素が薄い。
唇の細さも日本人離れしていて、どうしてもアーニャを思い出してしまう。
蘭子は、プロデューサーと目が合うとパタパタと音を立てて
奥へと逃げて行った。人見知りなのだ。仕事には慣れてきたとはいえ、
女子寮の中で男性と合うのが恥ずかしかったのかもしれない。
(しかしこれは……)
彼が苛立ったのは、目当ての文香の部屋に入ってからというもの、
入口のすぐ外からアイドル達の気配を感じることだ。
息をひそめてるのだろうが、プロデューサーにはバレバレだ。
彼女達は野次馬よろしくプロデューサーと
文香が恋愛の関係になることを見抜いているのだ。
実際には恋愛ではなくおままごと。プロデューサーが体目当てに
文香を利用していて、文香自身はそのことに気づいてないだけなのだが。
「文香。今日は邪魔しちゃってごめんな」
「いいえ。お見舞いに来てくださってすごくうれしかったです」
「熱は微熱でよかった。今は痛いところとか有るか?」
「いえ。とくには。夏から仕事が立て続けに入っていたから
少し疲れてたのもあるんじゃないかとお医者様が……」
「……眠そうだな。薬が効いてきたんじゃないのか」
「そうかもしれません」
「じゃあ、俺はそろそろ」
プロデューサーが立ち上がろうとすると、玄関の前にある気配が
急に慌て始める。いっそこのまま突撃して覗いてる子達の姿を
確認してやろうかとさえ思う。
「待ってください」
文香は彼のスーツの裾をつかんだ。
「私が寝付くまで……もう少しだけ一緒に居てくれませんか?」
「いいよ。大好きな文香がそう言うなら」
プロデューサーは自然な流れでキスをしてしまう。
まさかキスされると思ってなかった文香は驚いて息が止まりそうになる。
「あう……そ、そんな」
「ご、ごめんな文香!! 嫌だったよな。ごめん。やっぱり俺はもう行くよ」
「いいえ!! 嫌じゃなかったです。全然。その、むしろうれしくて」
「文香。俺は君のことが好きだ」
「……私もです。でもアイドルとプロデューサーじゃそういう関係にはなれませんよね」
「陰で付き合っちまえばいいんだよ。バレなければいいんだ」
「そうでしょうか……」
「文香。辛い顔するなよ。そうだ。文香の具合が良くなったらさ、
休みの日に外で会わないか? 美味しい店を知ってるんだ」
「いいですね。楽しみにしてます」
その2週間後、二人は申し合わせたようにスケジュールを平日の同じ日に
明けておき、互いに念入りに変装した上で高級ホテルで会合した。
まだトップアイドルになってない文香には上等すぎるホテルだが、
プロデューサーが是非にと言うので足を運んだ。
プロデューサーは髪側をオールバック、やくざ風のスーツに身を包み、
文香は大きな丸眼鏡と派手過ぎない紺色のドレスにヒールを履いている。
髪型は前髪を大きく分けておでこを露出している。
ハイソな人々が集まる場なので長野県出身の文香は居場所がない様子だったが、
プロデューサーが笑顔で何気ない話題をふる。二人は恋人と言うより
夫婦のような感じで豪華なフレンチを楽しんだ。そのあとは、別のホテルに移動した。
「あっ!!あっあっあっ……だ、だめっ……」
「少し触っただけでもうこんなに濡れちゃったのか?
文香はエッチな子だなぁ~」
文香を後ろから抱きしめ、ベッドの上で股を置きく開かせてパンツの中に
手を差し込む。割れ目のあたりを優しく撫でてあげると、どんどん濡れてくる。
すぐにパンツはびしょ濡れになった。プロデューサーの手のひらが
文香の愛液でねっとりとする。無防備に露出した乳首をそっとつまむと
「あ~~~~っ」
「ほんとに感じやすいんだな。なら、もっと触ってあげるからな」
「んっ、んっ。ダメっ……あはっ……気持ちよすぎっ……」
文香の大きなお尻をこちらに突き出すように命じるとその通りにする。
文香のお腹のあたりに枕を置くと四つん這いの姿勢が維持される。
プロデューサーは顔を近づけて、たっぷり時間をかけてアナルから
あそこまでを舐めつくす。文香は恥ずかしくて顔を真っ赤にしていたが
プロデューサーには見られていない。
体の火照りが止まらず、彼の舌の動きに合わせて体が小刻みに震えていた。
「指をおまえの奥まで入れたらどうなるんだ?」
「あっ!!」
「文香。どうだ~?」
「あぁぁ!! いやあぁ!!」
「さっきは1本だった。今度は2本入れて見るぞ~」
「ああっ!! あっ、あっ、いやっ……」
文香は脱力してしまい、うつ伏せに寝てしまうが、
プロデューサーにちゃんとお尻を持ち上げるように命令された。
従順な文香は快楽に震えながらも言われたとおりにする。
その日の夜、文香は4回もイカされた。
感度が良すぎるからなのか、あるいはプロデューサーのテクによるものか。
挿入する前の段階で潮まで吹いた。
むしろプロデューサーが挿入を始める頃には
文香はとっくに疲れていて、あまり感じてはいないようだった。
プロデューサーはゴムをつけ忘れてることに発射寸前で気づいたので
急いで文香の中から息子を出してしまう。
「あっ……」
文香は残念そうな顔をした。プロデューサーの分身から
飛び散る白濁益が、文香の引き締まったお腹の上を汚していく。
文香には、なんだかそれが無性に悲しかった。
プロデューサーが本当に好きなのは自分じゃなくて実は別の女性で、
本当に大切な瞬間はその人のためにとってあるんじゃないかと。
その嫌な予感はすぐに的中することになる。