好きでもないアイドルに告白をしたらどうなるのか? 作:なおちー
文香の携帯から不愉快な番号からの着信があった。
(あの泥棒猫からの着信とはめずらしいこともあるものです)
文香は姿勢を低くして講義室から出て女子トイレに行く。
彼女は教員を目指していたので文学部の教育学科に在籍している。
今日は大切な必修授業の日であり普段なら電話など無視するが、
憎い新田美波からの直々の電話となるとそうも言ってられない。
今日は少人数制のクラスなので退席する文香の姿がより目立ってしまう。
文香は授業中だったので着信を切ってから折り返した。
「鷺沢ですが。新田美波さん、一体何の御用でしょうか」
「文香、俺だよ!! 君の元プロデューサーだ!!」
「なっ……なぜあなたが新田さんの携帯から電話を」
「そんなことはどうでもいいんだっ!!
頼む。文香。俺にはもうお前しか頼れる人がいないんだ」
「一体何が起きてるのですか!?」
「説明はあとでする。文香。今から会えないか?
俺は病気だから移動できる距離に限りがあるんだ。
できれば君に今すぐマンションの近くにまで来て欲しいんだが」
「……分かりました。私は今大学にいますが、ここからなら
あなたのマンションまでそんなに離れてません。
今すぐタクシーに乗ってそちらに向かいます」
「ありがとう文香っ!!
最初に落ち合う場所を決めようか。
○○駅前にあるローソンだ。あとで地図を送る。
そこで俺は待ってるから君もすぐに来てくれ!!」
「了解しました」
電話を切る。これで脱走ルートは確保した。
まずは着替えだ。もう1週間以上も同じパジャマを着てるので少し匂う。
適当な上着を着て靴を履く。
財布がないことに気づいたが探してる時間が惜しい。
「待ってくださいよぉ!! どうして逃げるんですか!!
くそおっ、この手錠、全然はずれない~~!!」
寝室にいる美波が何か言ってるが構ってられない。
(はっ、いつものパターンだとそろそろ夕美が現れるんじゃ……)
プロデューサーは背後を振り返るが誰もいない。
そもそも玄関に彼女のお出かけ用の靴がないのだ。
この時間の夕美はまだ大学に行ってるはずだ。帰ってくるわけがない。
念のため玄関を開けて左右を確認。エレベーター内も
エントランスの周囲にも怪しい人影がない。
プロデューサーは心臓が止まりそうになるくらいの
恐怖を感じながらローソンに入る。美波の携帯は持ったままだ。
まずは目立たないように化粧室に入る。しかしいつまでも
中にいたら他のお客の迷惑になるので頃合いを見て外に出る。
文香からの連絡はない。
あの子だって急いでのだろうが、こんなに早く連絡が来るわけがない。
マンションを出てからまだ10分しか経過してないのだ。
プロデューサーはお菓子売り場の棚に身をひそめながら
何気なく美波の携帯を開く。
女の子の携帯を除くなんて最低だと自覚はしてるが相手が相手だ。
(今気づいたがなんで美波の携帯は普通に開けるんだ?
普通は待ち受け画面はロックされてるはずだ)
グーグルの検索履歴には
・意中の相手を洗脳する方法
・男性を体で誘惑する方法
・男の人が好む仕草
とても偏差値の高い大学に通う人とは思えない履歴が並ぶ。
女の子らしく占い系のアプリが多い。
LINEを開くと父親との連絡が多くて驚いた。
はたして研究者の父とはどんなやり取りをしてたのかと
詳細を確認しようとしたが、その前に文香から着信が来た。
「あと5分でそちらに行けます。お店の前で待っててください。
そのままタクシーで拾って別の場所まで移動します」
「分かったよ文香。ありがとうな」
「まだ電話は……切らなくていいです」
「あ、そうか。脱走するのに都合がいいもんな」
「そうじゃありません」
「はは……分かってるよ。ひさしぶりに文香と電話したもんな」
「はい。これが新田さんの携帯じゃなければもっとうれしかったのですが」
「それについてもちゃんと説明する。
まずは脱走に成功することに専念しよう」
「今日は信号がスムーズなのでそちらに早めに到着しそうです」
「助かるよ。俺はもう店の前にいるよ」
「どんな服装をしてますか?」
「職場にいた時と同じコートを着てる。
実は上着の中はパジャマなんだけどなw
着替える時間がなくて」
「今確認しました。プロデューサーから見て右手方向の
タクシーを見てください。それに私が乗ってます」
プロデューサーは急いでそのタクシーに乗った。
文香はあえて一番近くにあるビジネスホテルに入ることにした。
他県へ逃げる方法もある。しかし下手に遠くに逃げるよりも
灯台下暗しの理論で自宅から最も近い場所に身をひそめるのが
時間的にも金額的にも最適だと判断した。
「ホテルにチェックインをする前に携帯を捨てましょう」
文香が美波の携帯を走行中のトラックの荷台に投げてしまう。
これで仮に携帯からGPS信号を発信していた場合にも安心だ。
そのトラックのナンバーは「春日部(埼玉)」になっていた。
ビジネスホテルはツインルーム2名用だった。
安いホテルなのでなんとも飾り気のない部屋だ。
「はぁはぁ……本当に死ぬかと思ったぞ……」
プロデューサーはベッドに寝転んで動かなくなる。
そんな姿を文香はくすくすと笑いながら見ていたが、
どうやらプロデューサーは電池切れのようで自分からは
動けなくなってることを悟ると焦り始めた。
「こういう時はどうすれば体が楽になるのですか?」
「治療方法は特にないんだ。ただベッドで安静にしてるしかない。
体は動かないけど頭はしっかりしてるんだが」
「会話は大丈夫と言うことですか。
でも動けないのは気の毒なので明日にでも
アナスタシアさんに会わせてあげますね」
「いやそれはもう意味ないんだ」
プロデューサーは事情を説明した。
「あの女はそんな薬を手に入れていたのですか……。
全く許せませんね。そんな薬でプロデューサーさんを
自分のものにしようだなんて考えが浅はかすぎます」
「新田さんの強引さには失望したよ」
「おや名字で呼ぶのですか」
「だって元々俺の担当じゃないしな」
(やはりこの人は冷たい人です)
文香は一度彼に捨てられたことを思い出し胸がチクリと痛む。
「プロデューサーさん。色々と大変な思いをされたようで
お疲れさまでした。私達も色々ありましたけど、あなたは
最後はこうして私の元に帰ってきてくれたわけですから、
もちろん相応の覚悟はしてくださってるのだと思います」
「覚悟だって? 君は何を言ってるんだ」
「つまりプロデューサーさんは夕美さんと正式に分かれて
私と結婚されると考えてよろしいですよね」
「……」
「今日は大学を早退してまであなたの命の危機を
救ってあげたつもりなのですが」
「これからもよろしくな。文香。今日から君は俺の妻だ」
「ふふっ。今度こそ本当なんですよね。信じていいですよね?」
「俺はもう新田さんや夕美のことは忘れる。
これからは文香だけを愛すると誓うよ」
「ふふっ」
文香は手を口元に当てながら照れる。
本当は飛びあがりたいほど喜んでいるのだ。
(ちょっと待ってくれ。これって冷静に考えたら病んでる女の子から
別の病んでる子へ移っただけで意味ないんじゃないのか)
プロデューサーは決して馬鹿ではないはずだが、
美波の束縛から解放されたい一心で文香を頼ってしまった。
少し考えれば文香もまた病的に自分を愛してたことが分かるはずだが、
当時の彼は混乱の極みにあり、そんな簡単な事にさえ気づかなかった。
(こうなったら腹をくくるしかねえ。文香を新しい妻にすることを
選んじまった以上は文香と暮らすことを考えよう。だが問題がある)
充電だ。
今の彼は美波がいないと五体不満足になってしまう。
まさか今さら美波に頭を下げて充電を頼むわけにはいかない。
「これは私の推測ですが、アナスタシアさんでも充電は可能かと」
「え、でも」
「そのウイルスについて私なりに調べてみたのですが、
どうやら治療薬となる女性はあなたが過去に強く性欲を抱いていた女性に
限定されるようです。アナスタシアさんは結婚したいほど好きな人でした。
新田さんはあの容姿ですから多くの男性の性欲を刺激することでしょう。
そしてあなたは私のこともスタイルが良くて綺麗だと褒めてくれました。
ホ、ホテルに連れて行った回数も私が一番多かったのではないですか?」
「現役時代に文香を一番に意識していたことは確かだ。
(アナスタシアの代わりとしてな)」
「これも私の推測ですが、性的に強く意識した時が
一定期間経過するとその人が治療薬となるようです」
「その理論だと、どうして夕美は治療薬にならなかったんだろうな。
俺と一緒にいた期間は一番長いはずなのに」
「それは彼女に魅力がないからでしょう」
不敵に笑う文香。悪い笑みだ。
(たぶん途中から夕美の束縛が嫌になったからか?
それとも新田さんの体に夢中になったからなのかな。
よく分からん)
「説明はこの辺にして、さっそく私と握手してみましょう」
プロデューサーは感激した。
なんと文香からもしっかりとエネルギーが供給されるのだ。
探索地で新しいガス田を発見したのと同じくらいの喜びだ。
「文香。お礼にキスしてあげるからこっちおいで」
「はい!!」
文香はふらふら~~と夢遊病者のように彼にしがみつく。
文香はあまり自分から積極的に動く方では
ないのでプロデューサーの愛撫に身を任せる。
プロデューサーは黒のセーター越しの張り出す
大きなおっぱいを見てさっそくフルボッキした。
文香の体に触れるなんていつ以来だろう。
セーターを脱がせ、ブラも外させてぴんと張った乳首に吸い付く。
「あ……あっ……あ……」
文香は甘い吐息を吐きながら細かい刺激に耐えていた。
プロデューサーは彼女の前髪をかき分けた後におでこにキスをする。
その際もしっかりと彼女の乳首を指でつまんでいた。
そのままベッドに押し倒し、プロデューサーが文香の
両手を強く押さえつけながらキスをした。
文香の唇からはリップの感触がする。
熱い吐息、髪の毛の香り、もちもちのお肌。全てが懐かしい。
今日の文香は変装用のダテ眼鏡をしたままなので少し新鮮だ。
「さあこっちはどうなってるのかな?」
「あ、だめぇ」
プロデューサーの手がスカートの中に伸びる。
文香のパンツを上からまさぐる。
文香はその感触がくすぐったくて身をよじるのが最高にエロい。
プロデューサーの手がさらにパンツの中まで侵入してきて文香の恥毛を触る。
もうすでに秘所は濡れ濡れになっているのが触る前から分かってしまう。
「あ、あーっ……いやっ……んーっ……いやっ」
プロデューサーの指が彼女の繊細なクリトリスをなで始めたので
文香がたまに腰を浮かせる。割れ目がどんどん濡れて来て
太ももにまで愛液が滴り始めたのでそろそろ挿入しても良い頃合いになった。
文香の携帯に着信があったのはその時だった。
まだ日中だが楽しい時間を過ごしていたふたりは興ざめする。
「出る必要はありませんよ」
「ああ」
「するのが終わった後で番号を確認しましょう」
「そうだな」
着信が止まる。もう一度鳴ったら困るので毛布の中に携帯を入れてしまう。
気を取り直して二人は熱烈に抱き合った。
文香はプロデューサーに言われた通り騎乗位になり
大きな胸を上下させながら可愛い声を出し続けた。
文香が疲れてきたのかイキそうなのか次第に声が小さくなっていくが、
その前にプロデューサーが達する。ゴムなどしてないので
文香の秘所の中にプロデューサーの遺伝子がたくさん流れ込んだ。
「はぁはぁ」
文香は彼に腕枕してもらいながら休憩をした。
今日は逃避行をして疲れているので急激に眠気が襲ってくる。
プロデューサーの方はもう寝息を立てていた。
文香もどうせならとプロデューサーに身を寄せながら瞳を閉じてしまう。
彼らが目覚めたのはそれから20分後。時間にして14時を回ったところ。
相葉夕美からの執拗なLINEメールによってだった。