好きでもないアイドルに告白をしたらどうなるのか? 作:なおちー
「プロデューサーさ~~~ん♡」
なんだい、みなみ?
とプロデューサーは口にすることさえ許されなくなっていた。
彼は前回またしても逃走を図ったことによる罰として
体の自由を奪わるだけではなく、猿轡(さるぐつわ)まで嚙まされていた。
猿轡は夕美の提案によるものだ。彼は例え手足の自由を奪ったところで
口先だけで蘭子やアーニャを口説く可能性があるとして美波も納得してしまう。
「んふ。ちゅっ。プロデューサーさんの胸板って素敵です。
すっごく筋肉質で男らしくて」
美波がその細長い人差し指をつーっと彼の胸の上ですべらせると、
プロデューサーは妙に感じてしまい体を小刻みに震わせる。
美波は彼の乳首をいやらしい顔をしながら舐めるのだった。
火照った頬。三日月上の目つき。その顔はまさに
(エロすぎワロタ……)
プロデューサーのあそこがフルボッキする。
完全なる監禁生活が続いてもう3か月は経つだろうか。
正直プロデューサーは夕美の体には飽きつつあるが、新田美波嬢の
何とも言えないこのエロさには慣れることがない。しかしこれはむしろ幸いと言えるだろう。
「プロデューサーさん。そんなにギラギラした目をしちゃって
そんなに私が欲しいんですか? ふふ。いいんですよ。
言わなくても分かってます。え? 私のおっぱいが欲しいんですか?
いいですよ。でもその前に、その邪魔な猿轡を外さないと舐められませんよね~~」
プロデューサーが「うんうん」とうなずく。
ついでにこの邪魔な手錠も外してくれと目だけで訴える。
彼はベッドに万歳する形で両手が手錠で固定されているのだ。
「でも、どうしよっかなぁ~。夕美ちゃんの許可もなく勝手にやっちゃうと
後が怖いんですよね。夕美ちゃんって本当に嫉妬深くてしかも用心深いから、
あなたの目隠しを外してあげるのに1か月もかかりましたよね」
そう。彼には手足の自由や言葉の自由だけではなく「見る」ことさえ許されなかった。
彼の瞳はどこか女性的で宝石のように美しかったので、彼と目が合っただけで
蘭子のように勘違いする雌犬が現れないとも限らない。
夕美は彼から奪えるものは何でも奪った。
彼はすでに人権が保障されない立場だが、トイレと風呂に行く以外で
拘束具が外れることはない。仮にお風呂に行く時は、十分に充電切れの状態に
追い込むか弛緩剤を飲ませる。それでも不安な時は彼の暴行を加えて
弱らせるなどして自由を奪った。
夕美は光を失った瞳でこう言った。
【プロデューサーに人権なんて必要ない】
満面の笑みを浮かべた美波は、彼の顔にそっと手を伸ばした。
「プロデューサーさんのお口が自由じゃないとキスもできないですから今回は特別ですよ」
「ぷはっ……!! み、みなみ。猿轡を外してくれてありがとう」
「どういたしまして。私が好きでやったことですから。さっそくキスしましょう」
目の前に美波の綺麗な顔がある。この鼻にかかる吐息、唾液の味。
やはり新田美波は性的に最高な存在だった。
彼は認めざるを得なかった。アーニャとやってる時でさえここまで興奮しないことを。
手が自由だったら今すぐ美波の胸を揉んであげるのに。
彼の露出した下半身が勃起しながらそれを訴えていた。
「うふ。そんなにおっぱいが好きなら、たーくさん舐めさせてあげますからね~~」
美波は彼の頭を膝に乗せ、赤ん坊をあやすかのように乳房を彼の口にそっと近づけた。
プロデューサーは夢中になって乳首に吸い付いた。美波は相変わらず満面の笑みで
彼の頭をなでる。するとプロデューサーは快楽と安心感から頭がバカになってしまい
「ふわぁ」
と阿呆の顔で言った。美波はそんな彼の姿さえ愛おしく思った。
(うふふふふ。やっぱり彼は私の体に一番反応してくれる。
体の愛称が抜群なのは間違いないわ)
美波の瞳の裏に宿る感情は、どす黒かった。
彼のいきり立ったアソコが苦しそうなので美波は彼に乳首を吸わせたままに
自分の手でしっかりと彼のソコを握り、じらすように上下に動かす。
「あ。あ……みなみ。すごく、気持ちいよ……」
「うふふ。気持ちいですか? いつでもイッちゃっていいですからね。
飛び散ったら私が綺麗にお掃除してあげますよ~~」
「あぁ。美波……俺はやっぱり君のことが大好きだ……愛してる……」
「はい……。私も愛してますよ。あなた♡」
勢いよく飛び出た精子が美波の手のひらを汚すだけでなくベッド周辺に飛び散る。
鼻につんと来る匂い。美波は怪しい笑みを浮かべながら自分の手を愛おしそうに舐める。
茶色の長い髪を耳の片側にかきわけ、大きく口を開けてペニスをしゃぶる。
生暖かい彼女の吐息、口の中の感触によりプロデューサーのアソコが一気に元気になる。
先ほど達したばかりなのにもう2回戦目に入ろうとしてるのは驚異的だ。
「ん~~~。ちゅっ。ちゅっ。ちゅばっ……ぷはっ」
美波が一度大きく息を吸い、うつろな目でプロデューサーをチラ見してから
今度はペニスの先端を舌の先でぺろぺろと舐める。その間も彼女の細い指先が
強すぎるくらいに彼のアソコを握っており逃がさないとでも言いたげだ。
「みなみ。みなみぃ……気持ちよすぎるよ。もうすぐ……出そうだ」
「あらあら。もう出ちゃうんですか? 我慢しなくていいですよ。
出したい時は好きだなけ出しちゃいましょうね~~」
もうそのセリフだけで我慢の限界が来てしまう。
「うあっ」
プロデューサーは短くうねり、腰を浮かす。
美波はぱっくりと彼の男性器を口にくわえて先ほど多い量の精液を口で受け止めた。
口から零れ落ちるほどだったが、彼女はためらいなく口に含んだ分を飲み込んでしまう。
「ごちそうさまでした。いつもより味が濃かったです☆」
「はぁはぁ……」
プロデューサーは脱力感と疲労により言葉を返す余裕もない。
美波がティッシュで飛び散った分の精子をきれいに掃除していくのだが、
真っ赤なエロ下着がプロデューサーの目につくのでまた勃起しそうになる。
彼女と同棲を続けてからというもの、彼女が掃除をしていても勉強をしていても
食事をしていても何をしていてもエロく感じてしまう。
仮に露出の多い衣装を着てなかったとしてもつい服の中が見たくなってしまうほどに。
プロデューサーはかつてあれだけ新田美波の束縛から逃げたいと思っていたが、
こうして完全なる監禁生活を続けてしまうと、たとえ愛人関係でも良いから
美波と一緒にいたいと本能で思ってしまう。男とは哀しい生き物なのだ。
「美波。俺は君のことが好きだ。愛してる」
何気なく空に向けてつぶやいた言葉。もちろん美波の耳には入ってる。
「ありがとうございます。私も愛してますよ。
急な告白でびっくりしちゃいましたけど、すごくうれしいです」
美波はそう返しながらも時計を気にしている。プロデューサーは
彼女のその仕草で何となく次の展開を予想で来てしまう。
トントン。ノックの音。
(ついに来たか)とプロデューサーが嫌な顔をする。
美波の許可を出す前に夕美が部屋に入ってくる。
「うわっ、すごい匂い……私がする前に二人で楽しんでたでしょ」
「えへ。ごめんね」
「えへ、じゃない。私今日は午後からオフだから
13時までには家に戻るって伝えたじゃない」
「もちろん忘れたわけじゃないんだけどね、
今生理前だからいつもよりもムラムラしちゃって」
「そんなの理由にならないよ。美波ちゃんのことだから私に隠れて
彼の子を宿してそうで怖いんだけど」
「そんなことするわけないでしょ。私と夕美ちゃんはふたりで彼の奥さんなんだよ?
私だけが抜け駆けするなんて最低だと思うし、私がそんなことする人間に見える?」
「うん。見える」
「あはははっ!! 夕美ちゃんったらはっきり言うのね!!
おもしろーい。ねえプロデューサーさん?」
(そこで俺に振るんじゃねえよ。バカ美波)
プロデューサーは引きつった顔でそう思ったのだが、
「そこで俺に振るんじゃねえよ。バカ美波……ですか。
大好きな人にバカって言われると胸にグサッときますね」
「は!?」
「今のはなんとなくです。
プロデューサーさんがそんなことを考えてるんじゃないかな~っと」
「は、はは……。美波、何を言ってるんだ君は」
(バカな。いくらこいつが頭の回転が速いとしても俺の思ったことを
一字一句再現するなど有りえねえぞ)
「いえ私は別に頭の回転が速いわけじゃなくて、なんとなく
プロデューサーさんの考えてることが分かってしまうんですよね」
「え……」
「驚きました?」
「……」
「実はさっきエッチしてる時にプロデューサーさんが考えてることも
全部聞こえちゃったんですよね。夕美ちゃんの体には飽きちゃったけど
私の体だけは最高だって思ってること」
その一言は致命的だった。
美波の特殊な能力のことはともかく、夕美の体の件は、
夕美自身がそうなんじゃないかとうすうす気づいていたからだ。
6月の梅雨の時期になると彼はどうも夕美に対する
態度が事務的になってしまっていた。
それは倦怠期を迎えた夫が妻に対する態度としか思えなかった。
「ふーん。そうなんだ」
夕美はプロデューサーに事実を確認することもなく感情のない声でそう言った。
彼の監禁部屋にある花瓶を持ち上げた。
「ちょっと待ってくれるかしら夕美ちゃん。その花瓶で彼を叩くの?」
「いっそ殺してあげようかな」
「人を殺すのは良くないことよ」
「うん。知ってる」
「だったら一時の感情で自分の人生を台無しにするのはやめなさい」
「美波ちゃんはいつもそうやって上から目線でモノを言うよね」
夕美の怒りのボルテージがぐんぐん☆と上がっていくが、
この後の展開を予想した美波がここで奇襲に出るのだった。
「そうやってすぐ感情的になるから彼に飽きて捨てられるのよ!!」
「なっ、なにいきなり怒鳴ってんの!?」
「いいから聞きなさい!! 夕美ちゃん、あなたねえ、自分がどうして
彼に嫌われてるのかその理由に気づかないほどのバカじゃないわよね!!
あなたがそうやって彼を束縛しすぎるから逆に彼の心が離れていくのよ!!」
「……束縛って、どの口がそれを言うのかな。
確かあなたと話し合ったうえで彼の自由を奪うことに決めたはずなのに、
バカなのはそっちのほうじゃないの」
「私が言いたいのはね、彼に飽きられないように努力をしなさいってことよ!!」
「だったらあんたも抜け駆けして彼を独占しようとするのをやめてよ!!」
それから怪獣大運動会(昭和)の様相を呈してしまった。
仮にゴジラを美波とするなら夕美はガメラだった。
妻ふたりが一人の夫を巡って乱闘を繰り広げるという、
ムスリムでもない日本の一般家庭では考えられない光景が繰り広げられていた。
「さっきからごちゃごちゃ、ごちゃごちゃ、うるさいでーす」
エプロン姿のアナスタシアがやってきた。
普段は温厚な彼女にしてはすごく怖い顔だ。
「みーなみ。また夕美がヤンデレヒステリーを起こしたのですか?」
「そうなのよ。アーニャちゃん。女の嫉妬って嫌よねぇ」
以上の会話を新田美波は、荒れ狂う夕美さんの花瓶攻撃を紙一重でかわしながら答えた。
夕美の攻撃(花瓶を振り回す)はどうやっても美波には当たらず、
逆にすきをみて足払いされるなどしてダメージを蓄積していた。
「夕美!! 悪い子にはお仕置きでーす!!」
「あいたっ……?」
フライパンで頭を叩かれた夕美。
その一撃は全力だったので涙目になって痛みに耐えている。
「今よっ!! アーニャちゃん!!」
「はい。それでは手筈通りに」
ふたりは急いで夕美をダイニングのテーブルへ運び、
高そうなウィンザーチェア(大塚家具)に座らせた。
夕美がおとなしくするように後ろ手に手錠をしてあげた。
「これはどういうつもりなの!?」
「もうお昼の時間が過ぎちゃってるけど、アーニャちゃんが
作ってくれた焼うどんを皆で食べましょう」
「美波……。私の焼うどん、まだ3回目ですので自信ないですけど」
「アーニャちゃんが一生懸命作ってくれたんだもの。美味しいに決まってるわ!!」
「無視しないでよ美波ちゃん!! 私の手錠を外してよ!!」
「夕美ちゃんは、ちょっとうるさいから黙ってなさいね?」
「いたっ!!」
美波にデコピンされた夕美がまたしても涙目になる。
さきほどまでのヤンデレモードとのギャップがあり最高に可愛らしい。
「みなみ。プロデューサーも呼んできてください」
「そうね。たまには愛する夫に食卓でお昼を食べさせてあげたいものね」
美波が監禁部屋にスキップしながら向かっていくので
「ちょっとちょっと!! 私がここに居るのになに勝手に話を進めてるのよ!!」
夕美が吼えるが、もう誰も気にしてなかった。
手錠を外されたプロデューサーは美波に肩を貸してもらいながら
食卓に着いた。もう半年ぶりになるだろうか。こうしてテーブルについて
食事をするのは。そもそもこのマンションの部屋は彼がローンを払ってるのだが
家主であるはずの彼に自由がないのが何とも奇妙な話だ。
「今日はプロデューサーさんが解放された記念日ってことで
蘭子ちゃんも呼んできましょうか」 美波が歌うように言った。
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