※この作品はR-18です。

好きでもないアイドルに告白をしたらどうなるのか?   作:なおちー

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蘭子ちゃんが調教され、夕美が拘束される

「あうあうあ~~~ヽ(^o^)」

 

蘭子は、以前の蘭子はなくなっていた。

 

数話前での一件から新田美波の嫉妬の対象は神崎蘭子に向けられてしまい、

天使の生まれ変わりのような美貌を持つ蘭子が

愛する夫であるPと会話をすることさえ脅威となっていた。

 

その脅威を取り払うために、田辺三菱製薬だが住友ファーマだか忘れたが

どこかの製薬会社からお借りした新薬の実験台として彼女を使うことにした。

 

「神崎さんはさっきから椅子に座ったままよだれ垂らしてるけど

 大丈夫なのか? 食事は自分で採れるのか?」

 

「たぶん大丈夫じゃないですかね」

 

美波が蘭子の方を見ずに言う。アーニャも同じで蘭子をまるで

いないもの(Anotherを思い出す)のように扱うのだった。

 

「お、おい美波。あの子にいったい何をしたんだ」

 

「ちょ~~っと調子に乗ってるのがムカついちゃったので

 新薬の実験台になってもらったんです」

 

「なんてことを……。まさか本当にこんなことをするなんて」

 

「まあいいじゃないですか。ほら。神崎さんも普通にご飯が食べられるみたいですよ」

 

 

蘭子はサラダを食べようとしていた箸を落としてしまう。

指先が小刻みに震えているせいだろう。プロデューサーは蘭子ちゃんの

哀れな姿を見てポロポロと涙を流してしまう。

 

(ああ、なんでこんなひどいことに。あの子は何も悪くないんだ。

 ただ俺と関わってしまったばかりにこんな目にあってしまって、

 ああかわいそうな蘭子……できるなら今すぐ抱きしめてあげたい)

 

「ニィエート、ニィエ、パニマーユ、プロデーサ!!」

 

「なんだって? アーニャ、心配いらないってどういうことだよ」

 

「プロデューサーが蘭子を可哀そうだと思うなら、お薬有りまーす。

 このお薬で蘭子の病気、治りまーす」

 

「その怪しそうな注射器でか?」

 

「そうでーす。美波が用意してくれました」

 

 

美波さんは「えへへ」といたずらっ子のように笑うが、目はマジだ。

 

本来の予定では蘭子を廃人同然の状態に追い込む予定だったが

愛する夫に嫌われてしまうのなら考え直さないといけない。

その時のために用意しておいた「解毒剤」だ。

 

「蘭子ちゃーん。ちょっとチクッとするわよ?」

 

「うぐっ!!」

 

蘭子は痛みのあまり気絶してしまう。美波は蘭子への嫉妬からか

注射の刺し方が荒々しかった。解毒剤の副作用は強いため

数時間眠りについた後に効果が徐々に表れると説明してくれた。

 

美波は蘭子を抱きかかえながら寝室へと連れて行く。

 

 

「ところでプロデューサーは」

 

アーニャが口を開く。

 

「蘭子の事、好きですか?」

 

「好きだけど、それは異性としてじゃなくて妹みたいなものだよ」

 

「蘭子のことは妹。ですね。わかりました。

 プロデューサーは、私と美波と夕美のことを女性として愛してます。そうですね?」

 

「……。そうだな。そんな分かりきってること今さら聞くんじゃない!!」

 

(いつの間にアーニャもこのハーレムに加わったんだ?

 前までの流れからすると、夕美と美波が俺と結婚してアーニャは仲間外れ

 だったはずだが、色々めんどくせえから細かいことは考えないようにしよう)

 

 

「私のことも愛してるならさぁ……」夕美が怒りで震えながら口を開いた。

 

「私のこの邪魔な手錠を外してくださるんですよね? あ・な・た?」

 

「も、もちろんだ夕美。不自由させちゃってごめんな。いますぐ手錠を」

 

「ダメでーす」

 

アーニャが彼の手を強く握った。

 

「まだ夕美へのお仕置きが終わってません。

 夕美が自由になるのはお仕置きが終わってからです」

 

「あなた。このロシア人の言ってることはよく分かりませんけど、

 早く手錠を外してください。今までのことは謝りますから」

 

プロデューサーはまた脱走しようと考えてしまった。

これでもう何度目になるか分からない修羅場が

始まるのだと察してしまったからだ。

 

いっそ性的に愛してる美波だけを連れ、このふたりを裏切ってしまおうかと脳裏に

浅い考えが浮かんでしまう。もちろん脱走することなど意味がないと知ってはいるのだが。

 

パタパタとスリッパを鳴らしながら美波が戻って来た。

 

「ただいま戻りましたよ。蘭子ちゃんを寝かせるのに少し手間が

 かかっちゃいました。さーて、お昼ごはんの続きにしましょうか?」

 

夏だからか、美波が髪の毛をいつもより高い位置で後ろにまとめてるのが

プロデューサーには色っぽく感じられた。その姿に見とれている

彼の間抜けな顔を見て夕美の顔つきがまたしても険しくなる。

 

そんな夕美に対して美波がミニトマトを指したフォークを彼女の口元へ運ぶ。

 

「夕美ちゃん。はい。あーん」

 

「……何の真似よ?」

 

「だから、食べさせてあげるのよ。

 夕美ちゃんは両手がふさがってるから自分で食べられないでしょ」

 

「それより手錠を外した方が早いと思わない?」

 

「思わない」

 

「あ、そう」

 

「うん」

 

「……」

 

「……」

 

「これさ、何の罰ゲームなの? 私には女同士で食べさせっこする趣味とかないから。

 もしかして美波ちゃんってそっちの気があるの?」

 

「そんなのあるわけないでしょ。夫が誤解するといけないから変なこと言わないでよ。

 私とアーニャちゃんは夕美ちゃんにお仕置きをしてあげたいと思ってるだけよ」

 

「お仕置きって何?」

 

「あなたにもね、プロデューサーさんの気持ちを分からせてあげたいのよ」

 

美波がなおも夕美に食べさせようとするが、夕美が頑なにそれを拒むので

プロデューサーに代わりにやってもらうことにした。

 

「ではお願い増しますね」

 

「おう。任せてくれ」

 

と美波に笑顔で答える夫。しかし内心ではこう思っていた。

 

(別にやりたくもねえしめんどくせえ。かといって断ったら殺されるかもしれねえ流れだ)

 

 

「さあ夕美。良い子だからお口を開けような?」

 

「あーん」

 

美波の時と違って素直な子になったものだ。

美波が小さく舌打ちするのをアーニャは確かに見ていた。

 

「美味しいか、夕美?」

 

「もぐもぐ……うん。おいし。もっと食べさせて」

 

「分かったよ。ほら。あーん」

 

「あーん」

 

なんていうか、ノリノリだった。いつもとやってることが逆になっただけなのだが。

 

(あれ? なんだこの感覚、夕美が可愛いぞ)

 

プロデューサーは思わず夕美の胸を揉んでしまう。

 

「あんっ。お食事中なのにそんなところ触ったらダメだよ」

 

「ご、ごめんな夕美。君が可愛かったのでつい」

 

「え、可愛い? え、えへへ。あなたに可愛いって言ってもらえるなんて幸せ」

 

 

そう言って照れている夕美は愛らしかった。

普段のヤンデレモードが夫の脳裏に焼き付いているだけに

ギャップ萌えの破壊力はすさまじい。

 

「そうだっ、夕美。口移しをやってみるか。

 いつもは夕美からされてるから今回は俺の方からってことで」

 

「えーっ、口移しで食べさせてくれるの!? ……うん。いいよ。やって」

 

プロデューサーは何にしようかと思った。

テーブルには食後のデザート向けと思われるココナッツクッキー(タイ)が

あったのでそれを口に含み、夕美の元へと運ぶ。

 

夕美は乙女の顔で口を大きく開けて待っていてくれた。

プロデューサーの唾液がたっぷりと含まれたクッキーを、夕美は愛おしそうに

食べてしまう。ふたりの唾液が絡み合い、ネチョネチョとやらしい音を立てる。

 

プロデューサーは興奮してきたので夕美のノンスリーブのTシャツをまくりあげ、

可愛らしお花柄のブラジャーを触る。

 

「んっ……」夕美の吐息が荒くなる。今日の夕美は抵抗できないので

めずらしくプロデューサーが責める側だ。夕美の首筋にキスをすると

少しだけ汗の匂いがした。季節は梅雨明け目前で今日も暑かった。

 

 

「夕美。今日は良い子だな」

 

「あなたがこんな風にちゃんと愛してくれるから……」

 

「ごめんな夕美? 夕美は俺がちゃんと相手をしてあげなかったから

 今まで寂しかったんだよな。これからは毎日たっぷりと可愛がってあげるからな」

 

「あ、あ……まだお食事中なのにそんなに触ったらダメ」

 

プロデューサーはブラ越しに遠慮なしに胸を揉んでいく。

夕美の胸は大きくて弾力があるのでプロデューサーの手のひらの中で

自在に形を変えていく。夕美が文句を言いそうになったらキスをして黙らせる。

 

なんていうか、ふたりは食事をしなくてもある意味お腹いっぱいの状態だった。

 

これは結婚したばかりのカップルとしては理想的な仲直りなのだろうが、

あいにくこの場にはアーニャと美波がおり、

 

ドン!!

 

テーブルを叩く音がしたのでプロデューサーの血の気が引く。

肩越しにねっとりした殺気を感じたので恐る恐るそちらを振り向くと

 

「いま、テーブルに蚊がいました」

 

「アーニャ……。怒ってるのか?」

 

「怒るって何がですか? 私は怒ってなどいませーん!!」

 

そう言いながらもアーニャはテーブルをどんどん叩く。

太鼓の達人をプレイしてる人のようだ。

 

(どう見ても怒ってるじゃねーか。めんどくせえな。何で怒るんだよ。

 夕美に口移しで食べさせる案はお前らが考えたんじゃねえのかよ)

 

「プロデューサーさんが夕美ちゃんを口説いちゃってるから

 アーニャちゃんが怒ったんじゃないでしょうか」

 

美波が無表情で言う。いつも笑顔で底抜けに明るい美波との差がすごい。

 

「口説くって何のことだ? 俺はただ夕美がいつも怒ってばかりで

 かわいそうだと思ったから仲直りの意味も込めて愛情を……」

 

「たぶん逆の立場に立って考えて見ればわかると思いますよ。

 プロデューサーさんが大好きな女性が他の男性と公然と

 イチャイチャしてるのを見たらどう思いますか?」

 

「それは……まあそうだな。嫉妬するし腹が立つんじゃないのか」

 

「アーニャちゃんも同じですよ。もちろん、わ・た・しもですけどね。

 ねえプロデューサーさん。私はあなたに夕美ちゃんのお食事のお世話を確かに

 頼みました。でも口移しで食べさせてあげるように頼んでませんよね。

 それにどうして夕美ちゃんの胸を触ったりしたんですか」

 

「そんなの興奮したからに決まってるだろ。夕美は可愛いからな」

 

「ついさっきまで夕美ちゃんのことはウザいって思ってましたよね」

 

「さっきまではな。でもこうしてわかったこともあるぞ。

 夕美は俺からの愛情が不足してるからヒスっぽくなっちゃうんだ。

 だったらこうしてちゃんと愛情をそそいであげれば元の良い子に戻るんだよ」

 

「プロデューサーさんは、女の子をその気にさせるのがお上手です。

 いっそホストなどに転職されてはいかがでしょうか」

 

プロデューサーは思った。

 

(めんどくせえ)

 

アーマード・コア【プロジェクト・ファンタズマ】の登場キャラクターである

「スティンガー」の台詞を、彼はヤンデレ美波に対して言ってしまう。

 

 

「俺は面倒が嫌いなんだ」

 

「はい? いきなりなんですか」

 

「美波。俺が夕美と多少いちゃつくことくらい我慢してくれよ。

 俺達はみんなで夫婦だってことで一応納得してくれてるんだから

 今日みたいなことでいちいち嫉妬してたら切りがないだろ」

 

「……」

 

「そんな顔するなよ。君は賢い女の子じゃないか」

 

プロデューサーは自然と美波を抱き寄せるが

 

「今そんなことされても全然嬉しくないです……」

 

「いいからキスしよう。な?」

 

「やめてくださいってば。夕美ちゃんと口移しした口で私と……」

 

「いいから」

 

彼に真剣な瞳で見られると美波は自然と抵抗できなくなってしまう。

 

「好きだよ美波」

 

「嘘つき……。本当は私の事なんて体だけの女だと思ってるくせに。

 プロデューサーさんが好きなのは私の体だけなんですよね」

 

「そんなことないよ。君を一人の女性として愛してる」

 

「……っ」

 

「美波。俺の目を見てくれ。俺は君のこと、すごく可愛いと思ってるよ」

 

 

美波は自分が単純だと分かっていながらも彼に口説かれたことがうれしくて

仕方がなかった。この現象をプロデューサー・マジックと名付けることにした。

彼に優しく抱かれて髪の毛をなでられるだけで全てを許したくなってしまう。

 

やはり彼は拘束されてない方がいい。こうして彼の手で自分の体に触れてくれるのだから。

それに女が一番に求めてる愛の言葉をプレゼントしてくれる。

彼は本能的に女をどうやって虜にするかを心得ているのだ。

 

 

パリーン!!

 

皿が割れた。

 

「アーニャ、何してるのよ」

 

「手が滑ったんです」

 

「手が滑ったじゃないよ。あんた、割れたお皿、自分で掃除しなさいよね」

 

「そんなこといちいち夕美に言われなくても分かってますよ」

 

「素手で触ると危ないから手袋しなさい。キッチンの一番下の棚に入ってるから」

 

「はーい」

 

アーニャが二重にしたビニール袋の中に割れた皿を入れていくと、

 

 

「アーニャ。俺も手伝うよ」

 

「シトー?」

 

プロデューサーが彼女の背中を抱きしめる。

美波は彼に口説いてもらったばかりなので

顔を真っ赤にしてうつむいており、文句を言う気配はない。

 

夕美がまた嫉妬して「ちょっと」と言いそうになるが、プロデューサーに

笑顔で微笑まれるとこちらも頬が赤く染まり、うつむいてしまう。

 

女子大生のふたりは、すっかり良い子になったものだ。

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