回想:愛してる 作:一人称苦手ぞ。
真夜中に窓から突撃して来おったこやつと、儂は結婚する。と言うか、した。まあ真の婚姻は六年後の話であって、今は儂と被身子の間だけで成立している結婚じゃ。ごっこ遊びと言われても否定は出来ぬ。
じゃけど、被身子も儂も本気じゃ。これからは本気で、夫婦として生活していくことになる。お互いまだまだ大人には遠く、何をするにしても自分達じゃ何も出来ぬだろう。
それでも……儂は被身子を嫁にする。
真の事は何も話していないけれど、それでもこやつは呪術師の儂と結婚すると言い切った。全てを伝えられないのは心苦しい。じゃが儂が平安時代の呪術師などと言っても、誰も信じはしないじゃろう?
事実を話して、こやつに否定されるのは嫌じゃ。けどいずれは、話さなければなぁ。
隠し事をして、子供と結婚か。反吐が出る。最低じゃな、儂。
なあ被身子よ。こんな儂でも真に良いのか? 良い男なら他にも山程居るじゃろう。女だってそうじゃ。なのに何故、こうも儂を好きで居る。こうも信じ切る。
分からん。こやつが考えることは、感じていることは、儂には何も。何も……分からん。
じゃけど。じゃけど……約束は果たさねばな。儂が言い出した事だ。それは守る。
それにまぁ……悪い気分だけでは無いんじゃよ。こやつが嬉しそうに笑うなら、儂は嬉しい。思うところはあるが、被身子とこれからを過ごしていくのは……良いことじゃ。そうして居たい。許されるなら、いつまでも。いつまでだって、共に在りたい。
ああ……。いつの間にか好きになってたんじゃなぁ。いつからこやつを好きになったかは、分からぬがな。
で。この状況はなんじゃ?
何で儂……はだけた寝間着姿で布団に押し倒されてるんじゃ? 何で両腕を押さえ付けられてるんじゃ?
おい、被身子。その顔はなんじゃ。顔を赤くして、潤んだ瞳で儂を見詰めおって。笑わんか、このたわけ。
ちょ、待て。何をじりじりと近付いてきておる。待たぬか。何をする気じゃ貴様。おいって、こら。
……。…………。……………………。
「……えへへ……。しちゃい、ました……。ほんとは……円花ちゃんからして欲しかったですけど。でも、したくなっちゃって……」
……。堪え性が無い。なんで、したいと思ったらお主は一直線なんじゃ。真に仕方ない奴よのぅ。して欲しいならして欲しいと言え。まったく。ほれ、仕返しじゃ。
「んっ」
柔い唇じゃ。温かくて、しっとりとして。少し、甘い香りがする。りっぷくりいむ……とか言うやつか? 唇が乾くのを防止するやつじゃ。
それにしてもこやつ……こうして改めて見詰めてみると……。
うむ。真に良い女に育ったの。可愛らしい顔をしおって。愛でてやろう。もうお主は儂の物じゃからな。
悪くない。心地が良い。ただ唇を重ね合わせてるだけなのに、胸が高鳴る。こんな感覚はいつ以来か。誰かと戦っている時とは違う。呪霊を前にした時とも違う。心を重ね合わせた者と触れ合うのは……何も考えず、何を気にすることもなくこうするのは……初めてかもしれんのぅ。
「んっ、ちゅ……っ」
「ん、……んん……」
重ねた唇を離そうとすると、直ぐ追い掛けられた。これ以上頭は引けぬ。首を動かせば逃れられるが、逃れたいとは思わない。
「ん……、んんっ」
「ちゅっ、ん……んん」
儂も被身子も、少しずつ息が荒くなる。心臓がが喧しい。顔が熱い。上唇が挟まれた。じゃから、下唇を挟み返してやる。したら儂の手首を押さえ付けるこやつの手が少しずつ上に上がって、指を絡めて来おった。……なんじゃ? 握り返して欲しいのか? ほれ、これで良いか?
……嬉しそうに笑いおって。ますます息を荒くしおって。真に仕方ないやつじゃ。
「んっ、んん……円花ちゃん……んっ」
「んん……っ」
唇を、舐められた。舌先で、優しく突かれた。今度はなんじゃ? 何がしたいんじゃ?
良いぞ。許す。今宵は好きなようにせい。したいようにさせてやる。舌を重ね合わせたいのか? 舌先を突き合わせたいのか?
……されたようにしてやると、被身子の舌が口の中に入って来おった。この時、背筋が震えた。儂の意思と反して、喉が震える。自分でも驚くくらい、甲高い声が漏れた。
「んっ、んん……! ん、ちゅっ、ぁっ」
う、あ……。これ、駄目じゃ……。ぞくぞくする。舌を舐められると、吸われると、挟まれると、どうしても息が乱れる。声が出てしまう。聞くな被身子、これ、……やじゃっ。やっ、待て……、駄目じゃって……っ。
「んっ、ぁっ、んん……っ! あ……っ」
声が、勝手に出る。抑えられぬ。頭が痺れて、背中が震えて……。聞こえてくるのはお互いの荒い呼吸音と、唾液が混ざり合う音。この音を聞いていると、胸が張り裂けそうなぐらい心臓が動く。つい呆然として、何も考えられなくなってしまう。つい、手を強く握ってしまう。
「んっ、ちゅっ……ふふっ」
……何じゃ。笑いおって。こっちは大変じゃと言うのに。もう逃げたいぐらいじゃ。でも逃げられん。被身子を押し退けるのは、簡単じゃけど。そうはしないでおく。
気恥ずかしいが、もっと欲しいとも思ってるんじゃよ。もっとされたいと、つい考えてしまって……。じゃから、じゃから止めるな。幾らでもして良いから、幾らでもしてくれ。
「んふふっ。円花ちゃん……えっちな顔です……」
……えっちな顔? えっち? ……ああ、淫らってことか。淫らなのはどっちじゃ。物欲しそうに人の顔を見ながら笑ってるお主の方が、淫らじゃろうて。
おい。今度は何をするつもりじゃ。人の耳に口を近付けて。息がくすぐったいから止めろ。
「あーむっ」
「っあ……!? ぁっ、んん……っ!」
こらっ。左耳を食むな! 止めろ、舐めるなっ。そこは、そこも、ぞくぞくするんじゃ。やめっ、や……っ、駄目、じゃってぇ……っ!
耳、やじゃ。これも、駄目じゃ。また声が漏れて、息が荒くなって、どうしてか……もどかしくて。
んっ、や……っ、やじゃあっ。これ、気持ち……っ、ぅううっ。駄目じゃ、これは堪えられぬ。逃げたい。逃げたいのに……、逃がしてくれぬ。
「んんっ、あっ、や……っ! ひみ……ぅあっ!」
左耳を舐められたくなくて。食まれたくなくて、儂は顔を横に向ける。被身子の舌から逃れたくて、顔を右に向けた。でもそれが間違いじゃったと、儂は直ぐに気付かされる。
だって、右を向けば左耳が上に向いてしまう。それは、覆い被さる被身子に差し出したようなものなのじゃ。だから、当然……。
「ぅあっ!? ぁ、んん……っ! ひゃぅ、っあ、あぁ……っ!」
好き勝手に、舐め尽くされてしまう。駄目じゃ、真に駄目なのじゃ。熱い舌先でしつこく舐められると、ぞくぞくが大きくなって。つい目蓋を強く閉じてしまって。けれどそしたら、余計に耳が敏感になって。
どう我慢すれば良いんじゃこれは。どうやって堪えれば良いんじゃ。耳を舐められてるだけでこんな、こんな……っ。
待て、待って。被身子、少し加減してくれ。知らぬ。儂こんなの、こんなのぉ……っ。
耳なのに。耳を舐められるだけなのに。なのに、体が昂っていく。何も考えられなくなる。駄目、嫌じゃ。待って。被身子、お願いじゃから……っ!
「カァイイ」
「っっ」
また、ぞくりと来た。たった一言言われただけで、胸が締め付けられる。
「……ふーーっ」
「っ!? んん……っ」
「ふふ。お耳、敏感ですねぇ」
……うるさい。言うな。儂だって驚いてるんじゃ。耳を舐められて、息を吹き掛けられただけで、体が反応してしまう。刺激が強くて、声が漏れる。こんなに、こんなに感じてしまうとは思わなかったんじゃ。
女体と言うものは、こうも敏感なのか? ちょっと何かされただけで、こんな風になってしまうのか?
「ちゅっ」
「っっ!」
耳に、口付けをされた。それだけでも儂の体は跳ねてしまう。またぞくぞくした感覚が耳から脳に伝わって、一瞬気持ち良くなってしもうた。
もう耳は飽きたのか、それとも別のところに目を向けたのか。被身子は体を起こし、儂の腰に跨がった。何楽しそうな顔で前を開いてるんじゃ。こら、これ以上はだけさせるな。今は……恥ずかしいじゃろ。
抵抗しようと思って被身子の手を掴んだが、全然駄目じゃ。力が入らぬ。結局はされるがままになってしまった。儂は、寝間着に隠していた体を見られてしまう。頼むから、そんなに見詰めないでくれ。
「……固くなってますね」
「ひゃっ」
膨らみなどまるで無いなだらかな胸を、被身子に指で撫でられた。くすぐったさとは違う感覚がして、また変な声が漏れる。こやつの目が見てるのは、乳首だ。指が這うのは膨らんでもいない乳房じゃが。
……っ、止めろ。止めんか……。それっ、なんかもどかしいんじゃ。触るなら……触れば良いじゃろ。別に、駄目とは言わん。だから……その……。……。
「ここも、綺麗です。知ってましたけど……桜色で……カァイイ」
「……っ。変態め……っ」
「変態は、円花ちゃんもですよぉ」
「ぅあっ!? ぁっ、んっ! ぁあ……っ!」
乳房にある蕾が摘ままれた。そのまま、ゆっくり擦り上げられる。これも、これも駄目じゃ。さっきよりも、強く体が跳ねる。儂の意思に反して背が反れて、胸を突き出すような姿勢になってしまう。真、駄目じゃって。嫌じゃ。待って……っ。
ぞくぞくして、胸が……乳首が痺れる。なのにまた声が漏れ出して、恥ずかしさが更に増して……。こんなの、おかしくなる。おかしくさせられる。
「んっ、んん……! やっ、だ……め……っ! ぁっ、んんっ! ふあっ! んぁあっ」
「円花ちゃん、気持ち良い……?」
「ぁ、んんんっ! ぅあっ、あっ、んん……っ!」
返事、どころではない。右も左も摘ままれて、指の腹でしつこく擦られて、もう何がなんだか分からぬ。これは、これは何なのじゃ……っ。何か、何かが肉の内側で、弾けそうになる……っ。これ、もう……っ。駄目、だ……めぇ……!
待って……っ、待って被身子……っ! 儂、これ知らない……! 知らない、からぁ……っ!
体、びくびくして。全然、堪えられなくて。こんなに気持ち良くさせられて……、でも、どこか、物足り、……ない……っ。
あぁ、もうむり。やだ。やだあっ。
「っ、んっ、ぁあ……っ! やっ、ひみ、こ……っ! も、やぁあ……っ!」
「―――っっ♡」
「ふあぁあっ!? や、なん、でぇ……っ! やめっ、んんんっ! ぁっ、んぁあっ!」
だめ、やめてっ。もう来る、から……っ。なにか、大きいの……っ!
「ぁ、あ……っ、あっ!」
好き勝手に乳首を擦られて。捏ねられて、摘まみ上げられて。しつこいぐらいに虐められて……。事が始まった時から儂の中で膨らんでいたそれは、もう。
「んぁ、ぁ……っ、んぅ、ん……っ! んんんんんっっ!!」
―――弾けとんだ。何かが、儂の内で。
それはもはや、何と例えたら良いのか分からない。背は大きく反り返って、手足には勝手に力が入って。頭は……真っ白に染まって。息が出来なくて、心臓は喧しくて。なのに、下腹部が熱く疼いて。
「っあ、あ……っ、はあっ、はー、はーー……っ」
何秒も続いた硬直は消える時は一瞬じゃった。力が抜ける。頭が働かない。息は乱れっぱなしで、全力で走った後のように苦しくて。
なのに、それが心地良い。目蓋が重くて、目を開けていられない。
「……まだ、ですよ?」
「ふえ……?」
待て……、待って。少し休ませてくれ。心臓、落ち着かないんじゃ。体が熱くて、まだ息が整わなくて。何をするつもりじゃ。これ以上、何を……。
「今度は、こっち」
気が付けば真横に寝転んでいた被身子に、抱き寄せられる。直ぐ目の前に、被身子の顔がある。とても意地悪に笑っていて、儂は下っ腹が疼くのを感じてしまう。
くちゅり。
「っぁあ!?」
腰が跳ねる。耳の時よりも、乳首の時よりも、大きな波が来る。下腹部よりもっと下に辿り着いた被身子の指が、儂の中に入った。見てはいないが、確かにそう感じた。僅かな異物感。けどそれ以上に大きな、大きな……。
「ぅあっ!? あっ、んんっ! ふあっ! ぁ、ぁあっ!?」
出したり入れたり、押したり叩いたり。掻き回したり、擦ったり。被身子の指が、中を弄くり回す。腰が跳ねて、声が漏れて。我慢は、やっぱり出来なくて。
もう儂は、被身子に抱き付く事しか出来ない。そんな儂をこやつは片腕で強く抱き締めながら、だけども甲高い水音を立て続ける。
「んっ、ふあぁっ! ぁあっ、だめ……っ! ひみ、んんんっ!」
まっ、てぇ。おねが、いっ! やだっ、またっ、またさっきの……っ! むりっ、これ……っ!
「んぁあ……っ! ぁ、ぁあっ、ぅうっ! ひっ、ぅうう! んぁっ、あっ!」
ぅ、あ……っ! だめ、これ……っ! きちゃう、からぁ……っ!
きもち、い……っ。これ、きもち……っ。ぅううっ。
「ぁあっ! ん、んんっ! んぁ、っあ! ぁあああっっ!」
ぁ、だめ……っ。だめ……、だめ……っ!
も、や……っ。やだっ、まってぇ……!
「っ、あ、ぁあっ! んぁああああっっ!?」
ぅ、ううううっ。汚された。儂、被身子に……酷いことされた……っ。泣きたい……っ、泣く、もう泣く! やめて欲しかったのに! 待って欲しかったのに! あんな、あんな……っ! 滅茶苦茶に、されて……っ!!
ぐすん。被身子の馬鹿。変態っ。阿呆っっ。獣っっっ! もう知らん!! 儂は怒った!! 離婚じゃ離婚!! 被身子なんか、被身子なんか……っ!!!
「愛してますよ。円花ちゃん」
「……わ、儂だって……。ぁ、愛して、る……」
ぅううっ。嫌いじゃあ。被身子なんか被身子なんか、被身子なんかぁ……っ! 辱しめおって、辱しめおって……!!
一人称エロ難しいですねぇ。いつかリベンジしたいですね。
ここから怒涛の敗北ラッシュが始まってがっつり開発されるんですよねこの子。あーあ。
次回はペットプレイです。気が向いたら書きます。