※この作品はR-18です。

眠れる羅刹女の夢   作:志和須晴児

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初めて執筆している小説です。鬼滅の刃二次創作R-18小説で善逸×禰豆子のカップリングを重視しています。でも序章が思ったより長くなったのでこの章ではエッチな場面はありません!その代わり残酷な描写が増えました...(汗)作者は執筆に慣れなさ過ぎて安定しない文体・地の文の視点が分かりにくい、特に改行・段落分けの下手くそさはひどいもので読みにくい人が多いかもしれません。ですので指摘・アドバイス大歓迎です。



壱/呪胎告知

俺は努力することが嫌いだ。

しかし俺の所属する組織は体を鍛えて当たり前、

自分を追い込むことはその気になれば

誰でも出来るという軍人も裸足で逃げ出すスパルタ稽古が売りの生業だ。

でも俺は鬼殺隊を辞めようとは思わいない。

いや、昔は何度か辞めようとしていた。

俺が変わったのは彼女に会ってからだ。竈門禰豆子、俺の最愛の人だ。

鬼殺隊の同期炭治郎の妹で鬼にされてしまっているが

兄譲りの優しい音の持ち主である。そして何より可愛い。

言葉を話すことは出来ないが絶対俺のことが好きに違いない。

彼女が人間に戻ったら真っ先に善逸さん愛してるって言ってくれてそれで…

「善逸さん何気持ち悪い顔で惚けているんですか?

食後の薬まだ飲んでないですよね」

妄想に耽っていたら横槍を入れられた。アオイちゃんだ。

この子も実に可愛らしいがどうもこういう

ズケズケ言ってくる子は反りが合わない。

「何だよ俺はあの上弦の陸と戦って生き残ったんだぞ?

もう少し優しくしてくれてもいいだろ?」

「貴方の自己管理能力を正すのに階級も活躍も関係ありません」

「それにあなたは上弦とどう渡り合ったのですか?」

…返答に窮した。俺には上弦と戦った時の記憶が無いからだ。

炭治郎は俺がいなかったら勝てなかったと言ってくれたけど

とても自分がそんな役に立てたと思えない。

あの時は悍ましい怨嗟の声を掻い潜りながら

がむしゃらに走り続けた夢を見ていた気がする。

ふとアオイさんを見やると少し気まずそうにしていた。

もしかしてつい踏み込み過ぎたと思ってるのだろうか。

「そうだアオイちゃん、禰豆子ちゃんの調子は大丈夫なの?」

「今回の戦いで一時的な暴走状態になったとは聞いたけど

特に変わった様子はありあせんね、大丈夫…と断言は出来ませんが

余り心配しなくても大丈夫でしょう。」

話を聞いて善逸は安堵した。禰豆子ちゃんはいつもと同じだ。

炭治郎も目覚めてから少し経つがまだ任務に行けるほど本調子では

ないようだ。これなら禰豆子ちゃんもしばらくは大丈夫だろう。

アオイは食事を片付けている。薬は飲めよと言わんばかりに堂々と

卓上に置いてある。多分飲むまでアオイさんは部屋から出ていかないだろう

からさっさと飲んでしまおう。

善逸が白湯を口に含んだときアオイさんは想像もつかないことを口走った

「善逸さん今夜の任務は禰豆子さんも同伴で出発して下さい。

炭治郎さんには許可を取ってます」

善逸は思わず白湯を吹きそうになった。

「ちょっと待ってアオイちゃん、炭治郎抜きで禰豆子ちゃんを任務に出すの?

いくらなんでも危険じゃ無い?」

「禰豆子さんの状態はこちらではどうしても把握出来ないんです。

もう一度実戦をさせて一部始終をこちらに報告して下さい。

今回の鬼は恐らく血鬼術は使え無さそうなので

そこまで難しくは無いはずです」

「つまり絶対に一度は禰豆子ちゃんを戦わせないといけないってことじゃん?

可哀想だよ。本当に炭治郎も許可したのかよ?」

善逸は禰豆子が絡むとついヒートアップしてしまう。

アオイも事務的ではあるが内心無茶な要求をすることに心を痛めていた。

「本当は炭治郎さんも認めたく無かったと思います。

おそらく善逸さんを信頼してるからでしょう。

善逸ならいざという時に禰豆子を守ってくれると

おっしゃってましたよ。」

今回ばかりは炭治郎の信頼が胸に突き刺さる。禰豆子ちゃんと2人きりになれる

ことは願ってもないが鬼退治で実現したくは無かった。

 

◆◆◆◆

 

肌寒い風が吹いている、雲が無ければ雪が降っていただろう。

任務出発の支度をする。隊服に羽織り・日輪刀、他にも応急処置の簡易キット

などサバイバルに使える物を装備する。慣れた一般隊士の基本装備だが

今回は更にとっておきがある。炭治郎から託された背負い木箱。

中に入ってるのは想い人である禰豆子だ。

背負ってみると見かけに寄らずかなり軽い。

霧雲杉という軽い木材を使ってることもあるのだろうが

禰豆子の体重が一番影響してるのであろう。

任務に出発する前に炭治郎が見送ってくれた。

「善逸、禰豆子を頼む。」

その声色には確かな信頼があった。

「うん、絶対に禰豆子ちゃんは守ってみせるよ」

臆病な善逸だがこの約束だけは絶対に守れる自信があった。

彼女の為なら命すら惜しいとは思わない。

「大丈夫だとは思いますが、決して無理はしないようにしてくださいね。」

今回の任務は過去に善逸がこなしてきた中ではそこまで難しいものではない。

しかし不確定要素が多くアオイは不安を隠しきれてなかった。

「アオイさん、俺は死なないし、禰豆子ちゃんも暴走なんかしないよ。

俺が保証する」

アオイと炭治郎は少し驚いた。善逸がここまで自信をもって

前向きな発言をするのは珍しいからだ。

何より善逸自身も少し驚いている。

「じゃあ行ってくるよ」善逸は夜道を進み歩く。

炭治郎とアオイは命を背負い闇に進む男の姿を確かに見た。

 

◆◆◆◆

 

善逸と禰豆子は件の町についた。

この町では女性が失踪する事件が多発している。

そのこともあってか夜の町は誰もいないかの様に静かだ。

怖い。この怖さは慣れるものではない。

いつどこから鬼が襲ってくるか考えたら

今すぐに逃げ出したくなる。何より異常なのは音だ。

寝静まった人間の心音は緩やかだがこれは異常だ。

まるで朝になる頃には死んでしまうのでは?と思うくらい生気がない。

恐らく事件の影響で皆疲弊してるのだろう。寝てない者も多い。

その場合の心音は酷く乱れている。

今の俺の心臓の音とそっくりだ。気の毒だが

今の自分と同じ状態の人達に共感し善逸は少し落ち着きを取り戻した。

善逸は聴覚をフル活用して進む。

「‼」

少し離れた民家が並ぶ場所から確かに悲鳴が聞こえた。

「まずい、鬼の奴人の家に忍び込みやがった。」

善逸は悲鳴が上がった方角へ全力で疾走する。

早くしなければ殺される。塀を飛び越え、屋根を蹴り上げ

最短距離で鬼に迫る。

「間に合ってぇ!」

現場である民家の窓を強引にぶち破り善逸は刀を構える。

獲物を前にしていた鬼が振り返る。

「チィ、鬼狩りか!久方ぶりの食事だってのに邪魔しやがって」

忌々し気に鬼が呟く。泥にまみれた様な色の皮膚は

そこら中にイボが付いている。

目つきは鋭くないが、ひたすら機会をうかがって獲物に食らいつく

両生類の眼だ。

何より異常なのは口だ。鬼であるのにも関わらず歯がない。

肉の塊を咀嚼せず飲み込む鳥類の口。

恐らく伝承に聞く河童というものが存在するのなら

こんな感じなのかもしれない。

「イヤァァ‼助けて!来ないで!」

一糸まとわぬ姿の若い女性が男の人に抱きつきながら叫ぶ。

男の人からは音がしない。

首から今も鮮血をダラダラと流し続けて布団を赤く染め上げている。

まずい、このままじゃ女の人まで命を落としてしまう。

一刻も早く鬼の首を切らないと。

善逸が呼吸を整えようとした瞬間、

鬼から予想だにしていない言葉を投げかけられた。

「鬼狩りさんよォ、この女は見逃してやるから今回は帰ってくんねぇか?」

「は?」善逸は耳を疑った。何を言ってるんだコイツは?

事件のことを聞いて偏食傾向の強い鬼だということは分かっていた。

鬼というものは総じて碌な連中ではないが

偏食家の鬼は残酷さが余りにも違う。

詳細は分からないが鬼となった者は生殖機能が無くなり

それに合わせて性欲も消失するという。

しかし鬼となる以前に歪んだ性的嗜好を持つ者は

それが食性に現れる傾向にあると聞いた。

しかしそういう鬼は対象の人間を選ぶ為

慢性的な空腹状態に陥り凶暴性が増し、

ひどい場合は鬼の行動原理から逸脱するものまで現れるという。

眼前にいる河童の強さはともかく最悪の部類であることは間違いないだろう。

善逸はそう直観した。

「ふざけんな!これだけのことをしておいて!

大体そんな嘘信じる訳が無いだろ!」

「嘘じゃないさ、これを見てみろよ」

瞬間河童のイボから触手が生え、女の両腕・両足を縛り、口を塞ぐ

そして善逸に見せつける様に下肢を開かせ陰部を露出させた。

「生殖器に精液がべっとりと付いてるだろ。2、3発ってとこか?

これだけあればこの女妊娠するだろうぜ」

河童が得意げにいう。善逸は言葉を失ったままだ。

「俺は元々処女の肉しか喰わなかったんだがな、

なんつーか鬼として一皮むけたとでも言うのだろうか?

非処女の肉の旨さが分かるようになってな、

少し癖があるのが病みつきになるんだ」

黙れ。さっさとその不快な口を閉じろ

「だが俺は最大の発見をしたんだ!馬鹿舌ぞろいの鬼共が!ざまぁみろ。」

「妊婦の子宮だ!あれほど旨い物は無い!

俺は子宮を喰う為に鬼になったんだ。」

「分厚く固い胎盤はコリコリしててうまいの何の、

そして中に入ってる掌に収まる様な大きさの胎児が珍味なんだ。

鬼共が馬鹿舌じゃなかったら革命を起こせるぜ。」

うるさい。消えろ。顔を見せるな。

「そういや一度生まれる寸前くらいかっていう程腹の膨れた妊婦がいてなァ

あまり旨そうじゃなかったから喰わずに

胎児を子宮から引きずりだしてやった」

何が面白いのか河童は自分の話で腹を叩く

「粘液まみれのガキはさっさとくたばったが女の方がしぶとくてなぁ

『私の赤ちゃんを返してください。お願いします』

って泣きながらしがみつきやがった。

はらわたはみ出してあの姿は傑作だったぜ、

だから殺さず生かしてやった。もっとも今生きている保証はないがなァ。」

河童の口元は嘴だがそれでもしっかりと冷酷な笑みを浮かべた

「しかし今思えば喰ってもよかったな

何事も試してみなきゃわかんねえからなァ」

どうやら下らないことを思いついたらしい

河童が蛙の瞳を見開いた。

「そうだ、おい女!よく聞きやがれ!」

鬼が女に向かって怒鳴りつける。女は自由が効かないながらも

必死でもがき続けている。

「妊娠したらお前を喰ってやる。絶対に逃がさねぇ

何処に隠れても見つけ出してやる。

間違っても死ぬんじゃねえぞ、

出産が近づいたら赤ん坊ごと喰ってやる。」

河童はさらに捲くし立てる。

「お前の大切な夫の忘れ形見だ。俺の為に大事に育てるんだぜギャハハハ」

鬼の笑い声が響く。女は口を塞がれながらも絶叫する。

あぁダメだ。これ以上ここにいたら頭がおかしくなりそうだ。

頭に血が昇る。あの野郎絶対に殺してやる。

壱ノ型でアイツの首を両断し鮮血の噴水を巻き上げる想像をする。

楽に死なせてしまうのは惜しいが

もはやアイツを拷問する時間さえ無駄でしかない。

日輪刀の柄に手を掛ける。

この程度の鬼見切ることすらできずに終わるだろう。

雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃

善逸は肺に酸素を集中させる。

脚に血液が集まり筋肉が躍動する。

稲妻の様に疾い居合術、刀身をほんの少し表した瞬間

背中から妙な衝撃を受けた。

善逸が斬りかかるより先に禰豆子が鬼に飛び掛かった。

余裕に構えていた河童が初めてあっけに取られる。

「グァァアア‼」

激怒した禰豆子がうなり声をあげる。

容赦なく獲物の急所に牙を剝く獣の声

研ぎ澄まされた殺気に河童は足が竦む。

禰豆子は女に絡みついていた触手を強引に引きちぎる。

河童は困惑と痛みに顔を歪ませる。

禰豆子が鬼の腹部を蹴りつける。鋭い中段蹴りが鬼の腹部を貫通する。

部屋の壁に鬼の腸がべちゃりと張り付く。

更に禰豆子は柳葉包丁が如く鋭い爪を立て

抜き手を河童の胸部にぶち込んだ。

禰豆子の肘あたりまで河童の胸を貫通した。

その爪先には赤黒い物体が串刺されでいる。

それは一定のリズムで脈動している。心臓だ。

普通の生物は生きてる訳がない。

しかし鬼の生命力では死ぬことはない。

代わりに人間では味わえない程の激痛と苦しみが鬼を襲う。

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼⁇」  

鬼が断末魔を上げる。たまらず鬼が背中を向けるが

禰豆子は河童を庭まで蹴り飛ばす。

もうここまで来たらどうにもならない。

禰豆子は河童にのしかかり頭部を思い切り殴りつける。

河童の頭蓋は木っ端みじんに砕け脳漿が辺りに飛び散る。

爪で残りの肉塊を切り裂く。あばら骨がバラバラになって

辺りに散乱する。女の人はその光景を見てパニックになる。

「禰豆子ちゃんもうやめてくれ!」

あまりの光景に善逸は呆然としていたが再び気を引き締める。

禰豆子が善逸の方にゆっくりと振り返る。

肉食獣が如きに鋭い眼光が善逸に突き刺さる。

河童の発言に腑が煮えくり返っていたのは禰豆子も同じだった。

だが今は明らかに敵意が善逸の方にも向けられている。

これが暴走した状態なのか?善逸は確信が持てないでいる。

しかし禰豆子が怒りをコントロール出来ない状態であるのは間違いない。

それでも善逸は禰豆子に対し申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

「ゴメン!俺がさっさと始末しなかったから

あの女の人と禰豆子ちゃんを苦しめてしまった。」

禰豆子の動きが止まった。

善逸は禰豆子に歩み寄る。

「禰豆子ちゃんは見ず知らずの人の為に本気で怒って涙を流せる人なのに...

暴力以外の方法で罰を与えられる人なのに!」

善逸は悔しくてしかた無かった。彼女の優しさにつけ込んで

鬼化させようとする無惨の血が許せない。

平和に過ごせる資格を持っていたのに悪鬼の本性を

嫌と言うほど見せつけられる運命に導かれたことも

何もかもが理不尽で認めたくなかった。

禰豆子の目の前まで迫る。それでも彼女は

まだ善逸への敵意が消えた訳じゃ無い。

善逸は優しく微笑み禰豆子を抱擁する。

善逸の隊服に河童の返り血が付着する。

禰豆子が善逸の腕に爪を立てる。

雑魚鬼では切り裂けない布だが少し肉を切られる。

「俺が禰豆子ちゃんの怒りも悲しみも全部受け止める。

だからもう戻っていいんだ」

禰豆子から力が抜ける。善逸ほどまで伸びていた身長が

一気に縮み始めその場に寝込んでしまう。

目尻の辺りには涙が滲んでいた。

善逸はグチャグチャになっていた河童を睨みつける。

かろうじて頭部は再生していたがそれが仇となった。

「タス__」

善逸は河童の首を日輪刀で切断する。

河童は命乞いどころか断末魔すら放つこと無く塵と化した。

「お姉さんもう大丈夫だよ。

もう暫くしたら救援が来るから」

善逸が女性の側に駆け寄るが反応が全くない。

大きな怪我をしている訳では無いのだが音がどんどん弱っている。

虚な瞳は瞬きさえしていない様だ。服を着てないのに恥じらう様子もない。

ただ虚な眼でかつて夫だった物のぼんやりと見つめている。

善逸はその様子が見ていられず。彼女に毛布を包ませ

その後はそっとしておいた。善逸は禰豆子を木箱の中に寝かしつけ

そのまま背負った。

暫くして[隠]が救援に駆け付けて来た。

チュン太郎が呼んでくれたのだ。

女の人は[隠]によって医師の所へ運ばれていた。

「さようならお姉さん、怖い思いをさせてごめんなさい。

どうか強く生きてほしいよ」

善逸はそう言い残しその場を去った。

暗い夜道を歩く。夜はまだ長く、そして深い。

悪夢はもう終わったのにそれは現実だと

闇が容赦なく己に言い糾す。

善逸は自分の頬を叩く。怖いことを考えるのはもうやめだ。

蝶屋敷に帰ったら禰豆子ちゃんにたっぷりと甘えよう。

そう考えると少し心が落ち着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回の更新は未定です。一応連載小説にはなってますが長くても3話くらいで終わると思います。スマホで閲覧してる方は特に読みづらいかもしれません。ご容赦ください。
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