※この作品はR-18です。

ハイスクール DRAGON&DEMONS   作:十色十光十一月

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状況整理〜アーシアとの邂逅まで

※誤字脱字、キャラ崩壊注意

誤字脱字報告をしていただいたらその都度、修正いたします。


第2話 悪魔生活、始めます

前回、バイクが大破してしまった雲田 ヒロ。

しょぼくれて迎えた翌日の朝、朝ごはんにウィダー○ンゼリーの様なゼリー飲料をちまちまと飲む。

その様子にベイルも流石に呆れた様子で…

 

「バイクなぞ新しく買えば済むだろう」

 

―――と、一蹴した。

だが、それで吹っ切れるどころかさらにしょぼくれていた。

 

「だって……結構気に入ってたし…まぁ、乗れる機会が少なかったけど…」

 

「一々固執するくらいなら最初から乗るな。鬱陶しい…」

 

「なんだよ…今日のお前、言葉がやけに刺々しいぞ」

 

「お前が凹んで心に闇が生まれるほど、俺の力が増すからなぁ…!!」

 

「おーまーえぇぇぇーッ!!!!」

 

「いいぞォ…!!怒れ!怒れ!憎しみは極上のエサだ…!!フハハハハハハハ!!!!!」

 

「うるさいよ!アンタたち!!これで何度目だい!」

 

恐ろしく強いゲンコツが二人の頭上に降ってくる。

やはり強し、常磐荘の大家さん。

ベイルもこれには大人しくドライバーの中へと帰っていく。

変わらずしょぼくれ、制服に着替えて部屋を出たヒロ。

だが、驚く事に階段を降りてすぐある駐輪場にはあのバイク――マシンデモンズが停まっていた。

 

「うおおおお?!?!マシンデモンズ!!え?なんで?!」

 

最初に考えた事は"リアス・グレモリーが力を使って修復てくれた"という事。だが、バイクのメーターに貼られていた手紙を読んで、そうでないと分かった。

手紙の内容は以下の通りだった。

 

『HEY!親愛なる仮面ライダー。君のバイクが壊れたとのことで、新しいバイクをPRESENT FOR YOU!以前の物から改良して調整してあるから、存分に乗り回してくれたまえ。超天才科学者より』

 

「超天才科学者…?なんか胡散臭いな…」

 

『(まさか……な)』

 

ヒロは封筒の中に入っていた鍵を挿して、エンジンを起こす。ドルドルドル!という景気の良い音をさせ、ヒロの目の前で蘇るバイク。

ヒロは一気に機嫌が良くなり、ヘルメットを被ってバイクで登校した。

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

「何?!仮面ライダーに我々の所有していたバイスタンプを奪われただと!!」

 

『は、はい!奪われたバイスタンプは四つ…バッタとモグラ、コンドル……それからまだ遺伝子情報を組み込んでいないブランク状態のバイスタンプです。』

 

「おのれ仮面ライダー!!!!次の作戦では直接…奴を殺してやる!!」

 

怒号響き渡るデビルショッカー日本支部拠点。

そこには、死神博士三世と、修道服を着た白髪の男が居た。

 

「……貴様、まだ居たのか…。お前を強化人間(アルターエゴ)にするのは、また次の機会だ。ただでさえ仮面ライダーに与えられた損害の補填に忙しいんだ!!」

 

「えーでも俺を強化人間にしたら〜色々便利だと思うなぁ〜?だって俺?悪魔祓い(エクソシスト)ですし?」

 

「悪魔祓いというなら、悪魔を一匹捕まえて我々に献上するくらいしてみたらどうだ?」

 

「クソ悪魔を殺さず持ってこいと?!いやぁ〜それは難しいですなぁ〜だって俺ちゃんクソ強悪魔祓いですしお寿司〜死体でいいならぁ〜いっぱい持って来てあげちゃう!」

 

「ええい鬱陶しい!!条件が呑めないなら帰れ!!」

 

「アイアイサー…」

 

「……あああああああ!!このッ!クソボケ共がァァァァーッ!!」

 

「やばい!博士がご乱心だ!」「みんな止めろ!!」

 

修道服の男は研究室が出て行くと、死神博士は近くに置いていた資料の入ったダンボールを思いっきり蹴り上げた。構成員たちは必死に取り押さえ、死神博士の心を落ち着かせる。

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

最近、一誠の身の回りで非現実的なイベントが多発している。

初めてできた彼女に刺殺される。

良くわからない男が自分を殺そうとしてきた。

同級生が化け物に変身した。

憧れの先輩を襲おうとした怪人に噛みつかれる。

そして、今一番信じられない光景が目の前に広がっていた。

 

「(あ…ばばばば…リリリ……リアス先輩が?!裸で!?俺の隣で寝てる?!?!)」

 

健全な男子高校生には刺激が強過ぎる破廉恥な光景。

自分も裸!向こうも裸!裸の男女が同じベットで一夜を過ごす!

一誠の頭はその夜の記憶を必死にサルベージしようと動く。でも、いくら記憶を遡ってもそんな記憶は出てこない。

まさか、自分は無自覚に初めての時を過ごしてしまったのかと落胆する。

だが、起きたリアス先輩は、そういうのには至ってないと言われ少し胸を撫でおろした。

 

「リリリ、リアス先輩がなしてこげな場所に……?」

 

「あなたの腕の治療と、昨日のお礼よ」

 

「昨日……?(確か…えっと……良くわからない男…ヒロが怪物に変身して…怪人が襲って来たから……そうか!俺あの時、リアス先輩に飛びかかって来たやつから庇おうと飛び出して…!!)」

 

昨日の記憶が鮮明に蘇ってくる。

あれが夢でないという信じ難い現実が一誠に襲い掛かるが、今、一誠の頭はリアスの麗しい裸体の事で一杯になっているため、そんなものは、頭の隅の隅に押し込まれていった。

ちなみにこの状況を、一誠の母が目撃し大きな誤解を生んだが、リアスが魔法を掛けて、「海外の添い寝なら普通です」と言いくるめて事なきを得た。

二人は一緒に学校へと登校する。

学園一の変態である一誠と、学園一の美女であるリアス。

そんな二人が一緒に登校となると学園は大騒ぎ。

なので普通に校則違反でバイク登校してるヒロは気付かれず、ひっそりと駐輪場に停める事ができた。

 

そしてその日の放課後、一誠とヒロはリアス先輩から呼び出され、旧校舎のオカルト研究部部室に呼び出された。

部室にはリアス・グレモリーの眷属がほぼ(・・)勢揃いしていた。

 

「紹介するわ、副部長の朱乃―――。」

 

「姫島朱乃です。以後、お見知りおきを…」

 

黒髪ポニーテールお姉さん系女子の副部長―――姫島 朱乃。

 

「――部員の木場 祐斗」

 

「よろしく、イッセーくん」

 

ご存知、パツキンイケメン王子――木場 祐斗。

 

「――同じく部員、塔城 小猫」

 

「…どうも」

 

寡黙なクール系白髪ロリ美少女――塔城 小猫。

 

「――そして私が、オカルト研究部部長、リアス・グレモリーよ。ようこそ、イッセー…そして仮面ライダーさんとお連れの悪魔さん」

 

「「よろしくお願いします」」

 

『フッ……』

 

「さてイッセー、昨日……いえ、一昨日あたりから奇妙な事が立て続けに起こっていて、頭が混乱していると思うけど、単刀直入に話すわね。……あなたは『悪魔』になったの」

 

「俺が…悪魔ッスか?!」

 

「あなたの彼女、天野夕麻を憶えているかしら?」

 

「は、はい。最初はあれ全部夢だと思ってたんッスけど……ヒロが憶えていたから、夢じゃなかったんだなって…でもじゃあ俺、一度死んでますよ!?なんで今生きてるんッスか?!」

 

「あなたを生き返らせたのは……この私よ!」

 

「「工エエェェ(´д`)ェェエエ工!?!?!?!」」

 

一誠とそれを聞いてたヒロも驚いた。

 

「イッセー、貴方が"私の元で死にたい"と願ったから、"コレ"が死にゆく貴方の元に私を呼び寄せたの」

 

リアスがポケットから一枚の小さなチラシを取り出した。

「あなたの願い叶えます」という文言と魔法陣が書かれた怪しいチラシ。一誠はそのチラシに見覚えがある

 

「それ!デート前にチラシ配りの人に貰った…!」

 

「私の使い魔を使ってあなたに渡しておいたの。堕天使に殺される前に」

 

「……ッ。やっぱり、俺は夕麻ちゃんに……」

 

「イッセー、なぜあなたがわざわざ殺されたのか…理由(ワケ)を知りたくないかしら?」

 

「……ちょっと、頭を整理してもいいッスか?」

 

改めて突きつけられる現実に顔が曇る一誠。余程ショックだったのだろう。心情を察してヒロは話題を反らした。

 

「リアス先輩、人間を悪魔に蘇らせるって…そんな事ができるんですか?」

 

「できるわ。まぁ仕組みや蘇らせる為のルールは追々説明するわ。それから、仮面ライダーさん。あなたも呼び出したのには理由があるの」

 

「理由…?」

 

「あなたも、私の眷属にならない?」

 

「け、眷属ですか?」

 

「強化人間の狙いは私達。しかも私は二度も襲撃される程執拗に狙われている。私の元に来れば、あなたがわざわざ観測拠点に潜入せずとも…向こうから勝手にやって来るわ」

 

「…僕の行動も把握してたんですか?」

 

「この街は私の庭みたいなものよ。隠れていても大抵の事はすぐ分かる。あのデビルショッカー(忌々しく連中)の事以外はね…」

 

「……眷属。僕は良いんですけど……ちょっと」

 

「問題あるかしら?」

 

『大問題だ…小娘…!!』

 

デモンズドライバーがヒロの懐から飛び出してきて、中からベイルが出てくる。それを見ていた朱乃、木場、小猫は一瞬構えるが、ヒロが「こいつが連れの悪魔です」と言って止めさせた。

 

「俺は命令されるのが嫌いだ…貴様の様な年端もいかねぇ小娘の言う事を聞くなんざ虫酸が走る!!」

 

「あら、初めての対面で随分な言い様ね。お連れの悪魔さん……それ以上、舐めた口を聞くなら痛い目をみる事になるけど?」

 

黒い魔法を全身に迸らせるリアス。

ベイルも赤黒いオーラを身に纏い、クリムゾンベイルバイスタンプを取り出そうとする。

だが、ヒロが慣れた手付きでベイルの頭を掴み、デモンズドライバーに押し込もうとする。

 

「貴様ァ!!何を!!」

 

「悪いな、今お前を止めた方が後悔しないと思ってな…!!」

 

「お、のれぇぇー!!!」

 

ベイルは自主的にドライバーに帰り、ドライバー越しでも聞こえる大きな舌打ちをする。

 

「…リアス先輩、うちの悪魔が無礼な態度をとって申し訳ございません。こいつは荒んだ心から生まれた、皆さんとは違う種類のあくまでして、この通り口が悪いんです」

 

「……あなた、相当苦労させられてそうね」

 

「まぁ少し…でも、こいつがいるから…俺は奴らと戦う事ができてるので…感謝はしています」

 

ヒロはデモンズドライバーをしまって、リアス先輩の申し出に答える。

 

「リアス先輩、眷属になる代わりに…僕の願い、一つ聞いて頂いてもいいですか?」

 

「…何かしら?」

 

「俺の連れ…ベイルが元の世界に帰れるよう手伝ってくれませんか?」

 

ヒロはベイルの事情を事細かに説明した。

平行世界から来た事。

ヒロとは違う宿主がいる事。

その世界に帰りたい事。

全部を話し、その上でもう一度リアスに頼んだ。

 

「無礼を働いた上にこんな図々しい願いを聞いてもらうなんて虫のいい話ですが…どうかお願いします」

 

「…一つ聞かせて貰えるかしら?」

 

「はい、何なりと…」

 

「なぜ、あなたはデビルショッカーと立ち向かっているの?何の得にもならないあなたの連れを元の場所に戻すなんて事もしているの?あなたの"原動力"は一体何?ヒーロー願望?承認欲求?」

 

リアスの問いに、ヒロはいつもより真剣な様子でリアスに話した。

 

「僕の相手は、元々は普通の人間です。何も知らない普通の人が改造を受けて強化人間となるんです。だから、俺がやっている事ははっきり言って"人殺し"です。それは褒められた事じゃないし、僕も褒められるとは思っていません。」

 

「でも僕は強化人間と対峙したとき、躊躇も葛藤もなく平気で殺しています。それは、強化人間が他の何も知らない人達を襲ったりするのを見逃す事ができないからです」

 

「僕は…目の前で何かが起こって、そして自分が動いて何かを変える事ができるなら、僕は"自分が後悔しない選択"をしたい……そう思っています」

 

「コイツの事もそうです。コイツは最初、僕を攫ってデビルショッカーに引き渡しました。その後、消滅しそうになってました……見殺しにして消滅するのを見守る事もできました。でも、見殺しにしたくない。そう思ったので、俺はコイツと契約しました。だから、元の世界に帰してあげられるのなら帰してあげたいだって―――」

 

「―――"そうした方が、そうしないより後悔しないから"」

 

「これが、俺の原動力です」

 

自分の心の内にある想いを素直に明かした。

それを聞いたリアス先輩はさっきよりも表情が柔らかくなり、一息ついてからヒロに言った。

 

「悪魔に心を打ち明けるなんてとんだおバカさん。でも、嫌いじゃないわ。そのバカ正直さに負けたわ、眷属の話は無かった事に……」

 

「じゃあ…」

 

「でも、自分のボディガードに無償で働かせては、グレモリー家次期当主のコケン(・・・)に関わるわ。いいわ、ボディガードの報酬に、その子を元の世界に帰す手伝いをしてあげる。ただし、私ができるのは提案くらい。平行世界"との接続は、魔王やそれ以上のクラスにならなければ無理。それだけは承知の上で」

 

「いえ、ありがとうございます!ベイル、お前もほら!」

 

『……フンッ』

 

「素直じゃない悪魔ね。少しは現家主を見習ったらどうかしら?」

 

『チッ…!!』

 

リアスとヒロが話し終えたところで、一誠の頭の整理が終わったので、そちらの話に戻る。

 

「さてイッセー…あなたが殺されたのは、その身体が原因なの」

 

「身体…?どういう事ッスか?」

 

「あなたの身体には特殊能力が眠っている。『神器(セイクリッド・ギア)』という特殊能力が」

 

「(セイクリッド…ギア?確か、夕麻ちゃんが俺を刺したあと…そんな事言ってた様な…)」

 

「百聞は一見にしかず。イッセー、目を瞑って左手に意識を集中して」

 

「ひ、左手…こうッスか?」

 

一誠は左手を突き出し、目を閉じる。

 

「想像(イメージ)するの、自分の中で一番強い何かを」

 

「自分の中で…一番強い……ンブ?!!」

 

「どうしたのイッセー?」

 

「あぁいえ、何でもありません!集中…集中……」

 

「……いやらしい」

 

一誠は左手に意識を集中しているとき薄目を開けていた。

リアスは気づいて居ないようだが、テーブルに直で腰掛け、少し屈んで前屈している姿勢のため、シャツの隙間から深い肌色の渓谷が露出していた。

一誠はそれをみて鼻の下を伸ばしていたが、その様子を塔城 小猫に見られており一言呟かれ、一誠の心にチクッと刺さった。

一誠はゴホンとわざとらしく咳払いをして意識を再び、意識を集中させようと踏ん張る。

次第に自分の中に具体的な強いもののイメージが湧いてくる。

「龍」だ。自身が読んでいる漫画『ドラゴ・ソボール』の主人公が使う技「ドラゴン波」!!それが一誠の中で強くイメージされ、徐々に左手に具現化していく。

 

「今よ、集めた力を解き放つようにして神器を出しなさい」

 

「神器(セイクリッド・ギア)ッ!!!」

 

掛け声と共に一誠の左手には真っ赤な龍を思わせる手甲が装備された。

 

「うおおおおおお?!?!すげぇ!かっぴょいいー!!」

 

「それがあなたの神器よ。物によっては世界を支配できちゃう特別で強力な力。それの覚醒を恐れた堕天使があなたを殺すため、あの女をよこしたの。これで、大体分かったかしら?」

 

「まあ俺が狙われた理由は大体…でも、悪魔とか堕天使とか…その辺の知識がちょっとまだ…」

 

「あぁ…その説明をしていなかったわね」

 

リアスは堕天使、悪魔、そして天使の関係についてや悪魔とはどういった存在かを説明した。

要約して箇条書きにすると、次のような内容だった。

・悪魔と堕天使は冥界という同じ場所に住み、ナワバリ争いをしている。

・天使は神の使いで隙あらば神に反する堕天使と悪魔を殺そうとする。

・悪魔は魂を対価に人々の願いを叶える。対価といっても魂の価値相応の願いを叶えている為、魂を吸取って殺しているというわけではない。対価と褒美の関係を「契約」と呼び、契約をとって来るのが人間界での悪魔の仕事である。

 

「―――以上よ。他に悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の説明とかもあるのだけど、それはまた追々説明するわね。明日から本格的に悪魔として活動してもらうけど、質問はあるかしら?」

 

「リアス先輩!自分、悪魔生活始める上で何か目標が欲しいんッスけど、こう……リアス先輩みたいにすごい悪魔になったらできちゃう事とかってありますか?!」

 

「そうね…あなたがもし上級悪魔に認められるような存在になれば、あなたも眷属悪魔を持てるようになるわ、それに―――」

 

「(眷属悪魔が持てる?!…つまりそれって……)リアス先輩…眷属の悪魔ってご主人様の言う事は何でも聞いてくれるって事っすよね…!」

 

「えぇ、基本的には」

 

「キャッキャウフフな事だったりもしていいって事ッスよね!」

 

「あなたが望むならどうにでも」

 

「全員キャワイイ女の子であってもいいって事ッスよねェェ!!」

 

「誰を選ぶかもあなたの自由よ」

 

「つまるところつまり!自分だけのハーレム王国が建国できちゃうって事っすよねェーーッ!!」

 

「できるわ」

 

「いよっしゃあああああああああ!!!元気百倍!ハーレム王に!俺はなるッ!!!」

 

一誠の情熱が真っ赤に燃える。天をも貫くやる気は、沈む夕日をさらに真っ赤に燃やしつくす。

 

「…破廉恥」

 

「あらあら〜元気が良いですわね」

 

「すごいやる気だね」

 

「これが、エロパワー…下心ってすごいな…」

 

『下らん…』

 

こうして「上級悪魔に認められ、自身の眷属でハーレムを作る事」を目標に一誠の悪魔生活がスタートしたのであった。

しかしそれは、華やかな事だけでは無かった。

まず、初日…例のチラシ配りからスタートし、次にチラシによって召喚希望が出た場所へと赴く。

この時、基本は転移魔法によって現場へと赴くのだが…

 

「イッセー…あなたの魔力があまりにも小さ過ぎて転移魔法が使えないみたいなの」

 

「えええええええええ?!?!?!」

 

なんとも悲しい理由で転移魔法が使えず、仕方なくヒロのバイクに二ケツして送り迎えをする事に…

その後、依頼主の人と契約を交わす交渉をするのだが、一人目は、そもそも呼んでいたのが塔城小猫だったためガッカリされたり、あまりにも魂の価値が低くく叶えられる願いがほとんどなかったり、仕方無いから漫画の語り相手になったりと色んな理由が重なって契約破談。なんとか、依頼主に喜んでもらうことができたが、それでも破談は破談…

二日目、今度こそと出向いた場所では独特な語尾で話すゴスロリ女装のマッチョマンだった。願いは魔法少女にしろということだったが…そんな事、できるわけが無く魔法少女アニメを一緒に徹夜で観る羽目に。そしてまた契約破談……相変わらず依頼主には喜ばれているので、慈善事業としてはいい成果を上げている。だが、悪魔としては失格である。

二連続の契約破談にリアスは少し頭を抱えていた。これで依頼主が不満に思っていたら思いっ切り叱るのだが、そうではないため、なお困っている。

 

そして翌日―――。

 

「とりあえずお疲れさん。まぁ、運が悪かったって事にしとけ」

 

「くそう…何で俺だけこんな依頼ばっかり来るんだ…?」

 

 

部活帰りの一誠と付き添いのヒロ。

バイクを引くヒロと並んでいる一誠はどっと疲れている。悪魔がいくら夜行性とはいえ、二徹の負担が身体に来ているのだろう。

げーっと黒い物を何か吐き出しそうな一誠。

しかし、ここしばらくの華の無い生活に、一輪華が咲いたのだ。

 

「きゃああああああ!!!」

 

前方から悲鳴。見ると、修道服のようなものを着た人が、骸骨のような怪物たちに襲われそうになっていた。

骸骨のような怪物に、ベイルは見覚えがあった。

 

『あれは、ギフジュニア…!!』

 

「ギフジュニア?ギフから生まれた怪人って事か?」

 

『ああそうだ。奴らは一つのバイスタンプから無限に湧いて出る。誰かが近くで召喚したんだろうな』

 

「(デビルショッカーか!!)一誠行くぞ!」

 

「え?!お、おう!!」

 

《スパイダー!!》《DEAL…》

 

「ライダー変身!!」

「神器ッ!!!!」

 

《ディサイドアップ!!》

《DEEP(深く)…DROP(落ちる)…DANGER(危機)》

《RIDER(仮面)…|DEMONS!!》

 

仮面ライダーデモンズに変身したヒロ、そして神器を装着した一誠が悪魔の尖兵――ギフジュニア達に向かって行く。ヒロは特殊粘性繊維(デモンストリング)でギフジュニア達を足止めし、襲われてる修道士を救出する。

一誠もギフジュニアに果敢に挑み、素人の喧嘩滲みた戦い方ではあったが、ギフジュニア達を怯ませて、修道士からギフジュニアを遠ざけた。

 

「オラァ!どけ!この白黒お化け!!」

 

「一誠!この子を安全な場所へ!」

 

「あぁ分かった!!さぁ、こっちに!」

 

ヒロは流石に戦い慣れており、数で勝るギフジュニアに全く押されず、逆に押し返す。そして、新たに手に入れたバイスタンプをゲノミクスさせる。

 

「新しい力を試すか、行くぜ!モグラちゃん!」

 

《ADD…!!》《ドミネイトアップ!》

《モグラ!ゲノミクス!!》

 

モグラの遺伝子がゲノミクスされたことで、仮面ライダーの右腕に巨大なドリル型の特殊武装――デモンディグゾンが装備される。

高速回転するディグゾンで、ギフジュニア達を蹴散らしていく。

 

「これで打ち止めだ!」

 

《モグラ!デモンズレイクイエム!!》

 

ディグゾンの装備箇所が右腕から右脚へと移り、その右脚で旋風脚を放つ。

ドリルの回転も合わさり、多数のギフジュニアを同時撃破した。そしてこれで倒したのが最後のようで、援軍も来ず戦いは終わった。

一連の戦いを見ていた修道士と一誠。

 

「あの方は……」

 

そう聞く修道士に一誠は答える。

 

「アイツは、悪い奴らから誰かを守るヒーロー…仮面ライダーだよ」

 

「"仮面ライダー"……」

 

変身を解除し、二人に駆け寄るヒロ。

ついでにジュニアに襲われた際に落としていた修道士の持っていた旅行鞄を届けるヒロ。

 

「これ、どうぞ。あなたの荷物ですよね」

 

修道士は少し困った様子だった。

どうしてだろうかとヒロが疑問に思い、顔を見るとその問題は一発で解決した。

 

『大丈夫ですか?これ、あなたがさっき落とした荷物ですよね?』

 

『あ、ありがとうございます!』

 

「ヒロ、お前…」

 

「彼女、外国人だ。やってて良かったぜ英会話。ガリ勉野郎のガリ勉も、こういう時には役に立つんだよ…それよりも……『すみません、こいつと少し話があるので、ちょっと外します』」

 

『はい…分かりました。』

 

「(一誠、助けたは良いけど…お前的に修道士ってアウトじゃねぇか?悪魔の怨敵だろ?)」

 

「(え?でも大丈夫じゃねぇか?ただ俺達は助けただけだし…)」

 

『あ、あの…』

 

修道士が話しかけてくる。二人が振り向くと、さっきまでしていたベールを両手で持ち、脱帽した状態で立っていた。そしてベールで隠れていた素顔と長いブロンドヘアーが露わとなり、一誠は少しドキッとした。

その子はお人形のように端正な顔立ちであり、美人系と可愛い系の絶妙なバランスの雰囲気を持った一誠のストライクゾーンド真ん前な女子だった。

これには恋愛なぞ興味無さそうな硬派系男子ヒロもおぉ…っとなる。

 

「(すげぇ金髪美少女!!)」

 

「(可憐な人だ…)」

 

『私、アーシア・アルジェントと言います。危ないところを助けていただきありがとうございます…!!何かお礼をしたいのですが…』

 

『お構いなくシスター。僕達はただの通りすがりですから…』

 

『いえでも、助けていただいて何もしないのはあまりにも無礼です』

 

自分たちが悪魔勢力であることから、あまり関わってはならないだろうという気遣いが、眩しいまでの善意でかき消されてゆくヒロ。ここは折れるか話を反らすかで免れよう。振れる話題…話題の種を彼女から見出す。そして、さっき彼女へ返したバッグが目に止まる。

 

『話は変わるのですが…それ、旅行鞄ですよね。この街には旅行でいらしたんですか?』

 

『いえ、私は今日からこの街の教会に赴任する事になったので…これは赴任先に持っていくためのもので…』

 

「(なあ一誠、お前も会話回してくれねぇか?)」

 

「(悪ぃ…あまりの美少女っぷりに見惚れちまってた!)」

 

「じゃ、じゃあアーシア…ちゃんは、教会に行こうとしてた時にあれに襲われてたって事か」

 

『はい…私、この街に来たのは初めてで…それにあまり日本語上手じゃなくて…途中で道が分からなくなってた所に、さっきのバケモノが…』

 

「つまり教会に行きたいって事ッスね。教会の場所なら…」

 

『知ってますよ。俺のバイクに乗っていきますか?』

 

『へ?良いんですか?そこまでしていただいても!』

 

「(おいヒロ…!!カッコいいところだけ持っていきやがって!!)」

 

「(お前、悪魔なんだから神様が見張ってる教会に近づいたらやばいだろ?大丈夫、ここは任せとけ。ベイル)」

 

『なんだ』

 

「(一誠にベルト預けるけど、大人しくしとけよ)」

 

ヒロは一誠にデモンズドライバーを渡して、アーシアをバイクに乗せる。

アーシアの鞄は後部にデモンストリングと同じ繊維で括り付けてバッチリ固定し、積んでおいた少し小さめのヘルメットをアーシアに渡して自分も被る。

バイクは車道に出て教会までビューンと走っていく。

その道中、アーシアに質問された。

 

『そういえば、まだお名前をお聞きしていませんでした。あなたのお名前は?』

 

『僕は雲田 ヒロ。さっきのやつは兵藤 一誠』

 

『一誠さん。さっきお礼を言いそびれてしまいました…あなたも、ありがとうございます。一誠さんはあなたを"仮面ライダー"と呼んでいました。それは何なのですか?』

 

『仮面ライダー…人知れず蔓延り善良な人間を襲う怪物の脅威から人々を護る大自然の使者につけられる"渾名"のようなものだ。まぁ…使者とはいってもあなた達のような神の使いほど、高貴なものではないけど』

 

『神の使い…ですか…』

 

少し返事がどもるアーシア。そんな会話をしていると、教会についた。少し古い感じの教会だが、アーシアがここだというので、特に疑わずそこにバイクを停めた。

デモンストリングを外して荷物を持ったら、アーシアが扉をノックする。

 

『そういえば、お祈りはされていかれますか?』

 

『いや、あなたには悪いんだが…僕は無宗教で、入信予定も無いんだ。せっかくのお誘いを無碍にすることになっちゃうけど、ここで失礼するよ。一誠にもよろしく言っておくよ、じゃあ元気で』

 

『今日は本当にありがとうございます!御導きがあればまたいつかお会いしましょう!』

 

天使の様な笑顔に癒やされるヒロ。だが、帰ろうとしたその時、後ろから突然声を掛けられる。

 

「あれあれあれ?何でこんな神聖な場所に悪魔の匂いがするんでしょーねー!ウジが湧いてデロデロに腐った死体みたいなドブの匂いがー!!ハァーうっぜぇーですわーーー」

 

「………」

 

後ろにいたのは白髪の修道士だった。やけに情緒が不安定な様子の白髪修道士に絡まれるヒロ。ヒロはスンスンと匂いを嗅がれる。

 

「うげー!やっぱり臭い!クソ悪魔の匂いがする!ゲロゲロピーよこんなの!俺ちゃん、ムカついてうっかりお前殺しちゃいそー!!」

 

「なんだ…お前」

 

「とっとと吐け、何処の悪魔の差し金だ?」

 

白髪修道士は突然懐から拳銃を取り出し、ヒロの喉元に突きつける。

 

「…意味が分からないな。僕は無宗教だ。ここに来たのは道に迷っていたシスターの送迎だ」

 

「ふざけたこと言ってんじゃありません!お天道様が見逃してもこのフリード・セルゼン様は見逃しません!ブチ殺します!!」

 

さらに強く、喉仏を潰す勢いで拳銃を突きつけられるヒロ。そんな二人の争いに気が付き、アーシアが止めに入る。

 

「やめてください!この方は、私をここまで連れて来てくれた方で恩人です!悪い人ではありません!」

 

「あぁん?誰この女(アマ)…ん?金髪美少女のシスター?あー君が新人悪魔祓い(エクソシスト)のアーシアちゅわんねぇ〜よろしこ〜〜それはそれとして、コイツはここでぶっ殺ーす☆」

 

「(アーシアがエクソシスト…?)」

 

「やめてください!この人は本当に悪い人では…!!」

 

「……チッ、ここはアーシアちゃんの可愛いさに免じて見逃してやる…でも、次会ったら覚えとけよ……悪魔信者が」

 

「まじで何の話だってんだ…じゃあこれで……」

 

なんとか無事、開放されて家に帰ったヒロ。

 

 

 

〜〜〜

 

 

 

翌日―――。

 

「イッセー…ヒロに止められていなかったら、あなた相当ヤバかったわよ」

 

「うう…スミマセン、部長。」

 

「まぁ今回は向こうがあなた達の善意を汲んでくれていたみたいだから大丈夫だったけど…今後は迂闊に行動しないように」

 

「あなたもよ、ヒロ。あなたは悪魔でないとはいえ、悪魔の力を使って変身しているのだから、嗅ぎつけられていたらあそこで死んでいたわよ」

 

「うっす…以後、気をつけます」

 

二人は昨日あった事を報告しておいた。

ギフジュニアとの交戦、その後修道士を教会まで送っていった事。

だが、ヒロはアーシアが悪魔祓いであることは報告しなかった。フリード・セルゼンの事は部長に一誠のいないところで告げ口をしておいた。二人を結び付けられてアーシアが悪魔祓いであると一誠に知られないためだ。リアスも何か意図を組んだのか、お叱りでその話題を出す事は無かった。

 

「(ただでさえ、一誠は"知り合った女性に殺される"ってトラウマがあるんだから、自分の助けた女の子に殺されるなんて思ったらかなり来るだろうからな…)」

 

だが、ヒロの気遣い虚しく、その二人は悪魔と悪魔祓いとして再会を果たすことになろうとは、この時は知らない。

だがその前に、一誠は別案件で駆り出される事となる。

二人を叱るリアスのもとに、真剣な表情で耳打ちをする副部長の朱乃。

朱乃の話を聞き、目が鋭くなるリアス。

 

「イッセー、ついでにヒロも……今夜、私達と同行しなさい」

 

「へ?どこにですか部長」

 

「あなたに…"悪魔の戦い"を見せてあげる」

 

 

→To be continued→




次回、仮面ライダーデモンズは!

悪魔の戦いを目の当たりにする若き二人。その次の日、なんと聖女と悪魔が最悪の形で再会してしまう!
水と油、相容れぬ存在同士!果たしてどうなるのか!

第3話「ポーンは辛いよ、聖女の秘事」ご期待下さい。


=設定公表=

○マシンデモンズ(改良型)

仮面ライダーデモンズのオリジナル専用バイク
モデルのバイクは「KAWASAKI Ninja ZX-25R」
蜘蛛の巣をイメージした装飾や意匠が所々に盛り込まれた赤と青のバイク。
最高時速は370km
前の燃料はガソリンだったが、改良型の燃料は、バイスタンプから発するエネルギーであり、スパイダーバイスタンプを押印する事で燃料が補充される仕組みとなっている。
超天才科学者がガソリン代を浮かせるための気遣いである。
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