※この作品はR-18です。

寝取られたけど、チョコが美味い   作:語部創太

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24.公爵家の長い夜 其の二

---公爵side---

 

 

 

「男という生き物には、都合の悪いことから目を逸らして逃げる習性があります」

「たしかにリュートも、何かと理由を付けて逃げようとしてるな」

「さっきもレイアが『待ってろ』って言ったのに逃げ出してたしね」

「ですから、逃げる気も起きないほど徹底的にその身に叩きこんであげる必要があるわけです。

 そちらの方が、逃げないように首輪をつけるよりも確実ですから」

「「なるほど!」」

 

 妻が、娘と友だちに何かとても恐ろしいことを教えている。

 公爵は聞かなかったフリをしながら、駆け込んできた使用人から報告を受ける。

 

「王太子殿下が訪問を希望していると?」

「は、はい! 至急お話したい事がある為、すぐに来訪されるとのことです!」

 

 娘が王太子からストーカー被害を受けていたことは知っている。

 幼少期からお茶会という名のお見合いを何度も経験しておきながら、それでも特定の女性を決めてこなかった王太子が唯一見染めた女性。

 レイアは社交界ではシンデレラのような扱いを受けている。

 

 その幼さを残しながらも可憐で美しい女性らしさを持つレイアは、嫉妬と羨望の視線に晒されている。

 こうした事態を避けたかったから、何の影響力も持たず毒にも薬にもならぬ男爵家との縁談を設けたというのに、その苦労を水の泡にしてくれおって。

 

 娘に付き纏う王太子に対してもそうだが、婚約者でありながら肝心なところで娘を守らなかったリュートに対しても、公爵は怒りの炎を燃やしていた。

 

「こんな夜更けに訪問など礼節に欠く。丁重にお断りしろ」

「しかし、火急の要件ですよ!? 国家の一大事である可能性も──」

「それなら王太子殿下ではなく国王陛下から先触れが出されるはずだ」

 

 まだ学院すら卒業していない青二才には何の権限もありはしない。

 王族の訪問を断る不敬を咎められるだろうが、そもそも礼儀知らずな真似をした厚顔無恥な輩に文句を言われても何ら問題ない。

 どうせ国王には許可を得ず、1人で暴走しているだけだろうしな。

 

「──か、かしこまりました」

 

 バタバタと出ていく使用人を見送り、さてそろそろ地下牢に繋いでいるリュートを解放してやろうかと騎士を呼ぶ。

 あまりの怒りにこのまま処刑してやろうかと思ったが、どうやら愛娘の気持ちは離れていないようだし一度、反省と懺悔をする機会を与えても良いだろう。

 

 そうして騎士に指示を出していると、出ていった使用人と入れ替わりで入ってきた者が声をかけてきた。

 

「お父さま」

 

 振り返ればそこには10歳になったばかりの息子──レオナルドがいた。

 

「どうした?」

「はい。お父さまにお願いがあるんです」

「なんでも言いなさい」

 

 妻でも、娘でも、息子でも。愛する家族の願いは、自分に出来ることならすべて叶えてきた。

 可愛い息子のワガママ1つくらいお安い御用だ。

 

「お姉さまの婚約者と決闘させてください!」

 

 ダメだが?

 

 

 

---リュートside---

 

 

 

「いいかリュート。ハーレムは地獄だ」

 

 幼い頃、じいちゃんに口を酸っぱくして言われた言葉だ。

 ハーレムが何かも分かっていない俺は、そんなことより剣を教えてくれとねだったのを覚えている。

 

「大事なことだから聞きなさい」

 

 レイアと出会うより前のことだ。こんな幼気な子どもにハーレムの何たるかを熱く語ったじいちゃんは、そうとう変人だったと思う。

 

「ワシの親父──おまえのひいじいちゃんには、4人の嫁がいた」

 

 ひいじいちゃん。つまり、南方連合諸国との戦争で大戦果を挙げて男爵の爵位を賜った大英雄。

 『英雄、色を好む』の例に漏れず、ひいじいちゃんはその腕っぷしでもってハーレムを築いた。

 

 一人目は、騎士団長の娘。戦争でひいじいちゃんは副官として騎士団長の娘を支え、その功績を買われて娶ることになった。

 

 二人目は、南方諸国の姫。捕虜として捕らえたひいじいちゃんは拒絶する姫の心を溶かし、重要な情報を聞き出して戦争を有利に進めた後に行き場のない姫を娶った。

 

 三人目は、北の魔女の末裔。今では珍しくなった魔法を操る異能が故に蔑まれ苦しむ少女に手を伸ばしたひいじいちゃんは、行き場がないならと嫁に迎え入れた。

 

 四人目は、雇ったメイド。先の3人とこのメイドには、容姿において大きな差異があった。

 

「胸が大きかったんだ」

 

 ………………それだけ?

 

「バカお前、女性に腹と胸の話だけはご法度なんだからな!?」

 

 じいちゃん、昔に女性関係で何かあったん?

 

 とにかく、貧乳同盟とやらを結んでいた3人の前妻は4人目の妻を迎え入れたひいじいちゃんにブチ切れた結果────

 

 

 

 北に存在する大山脈の向こうへと、ひいじいちゃんを連れ去った。

 

 

 

 後に残されたメイドと幼いじいちゃんは、女性の恐ろしさに打ち震え、二度とこんな事態が起こらないように初代男爵の不名誉な記憶を継承していくことにした。

 

「な? 恐ろしいだろう?」

 

 いやでも、可愛い奥さん3人とずっと一緒にいられるならいいんじゃない?

 

「馬鹿を言え! 椅子に縛り付けられ衣食住どころか排泄の処理までされることのどこが幸せだ!?」

 

 いつも自信満々なじいちゃんが顔を真っ青にしてガクブル震えるって、どんなひどい場面を見てきたのよ。

 

「リュート、お前は強い。ワシの親父と同じか、それ以上に強くなる才能を持っている。

 そして何より、顔が若い頃の親父と瓜二つだ。お前はきっと、将来モテモテになる」

 

 よくモブ顔だって言われるんだけど。

 そんなモテるって言われても信じられないなぁ。

 ハーレム作れるくらいモテるの?

 

「そう、その気になれば作れてしまう。凡人であるワシやお前の父親と違って戦う力を持つお前は必ずモテる」

 

 父ちゃんさりげなくディスられててワロタ。

 お嫁さんをたくさんもらうなってのは分かったよ。

 でも、そんなにモテモテで可愛い女の子を選べって言われた時、選べなかったらどうするの?

 

「そうだよなぁ……。ワシの親父も優柔不断なところがあったからなぁ……」

 

 は? 優柔不断じゃないが? 俺ほど決断力と実行力に溢れた企業戦士はいないが?

 夕飯の献立? ハンバーグかステーキかチャーハンかたらこスパゲッティがいいです。

 

「………………よし。リュート」

 

 なんだいじいちゃん。

 

 

 

「選べない時は、逃げちまえ!」

 

 

 

 ……逃げていいの?

 

「監禁されて人という名のオブジェになるよりはマシだ! もしもヤバい女の子に好かれて『私を選んで♡』なんて言われた時は、領地も身分もかなぐり捨てて、とにかく遠くに逃げるんだ!」

 

 全部捨てて逃げると、お家が滅ぶけどいいの?

 

「本当は良くない! 良くないが……可愛い孫の安全が最優先だ!」

 

 えぇ……。

 まあ、亀の甲より年の功って言うし、じいちゃんの言う通りにしてみるよ。

 ちなみに、逃げ切れなかったらどうなるの?

 

「諦めろ」

 

 アッハイ。

 死んだ目をしたじいちゃん見て色々と悟ったよ。

 

・複数の女の子に好かれたら、1人だけを選ぶ。

・選べなかったら、逃げる。

・逃げられなかったら、諦めろ。

 

 これでいい?

 ………………オッケー。

 それじゃあ最後に聞かせてほしいんだけどさ。

 

 じいちゃんって、4人の妻の、誰の子どもなの?

 

「メイドの子どもだが?」

 

 

 

 ………………3人がブチ切れた理由って、それじゃないかなぁ。

濡れ場シーン集を統合しますか?

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