※この作品はR-18です。

寝取られたけど、チョコが美味い   作:語部創太

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27.チョコが戦う

 いきなり「決闘だ!」と言われてなまくらの剣を渡された件について。

 

 いやユードリックくんを焚き付けただけなんですけど?

 コイツに全部押し付けて俺は逃げちゃえばいいやグヘヘ、とか悪い顔してたのがダメだったのかね。

 

「何やってんのよアンタ! 断りなさいよ馬鹿ぁ!」

 

 牢屋から出たらアンズにビンタされた。解せぬ。

 決闘くらい断れ?

 ムリムリ。

 

 ここ公爵邸。

 俺、囚人。

 立会人、公爵。

 

 断れるわけないじゃない!

 断ったら死ゾ?

 

 というかレイアの弟レオナルドくん。初めて会ったのに俺に対する殺意が半端ないって。そんな目できひんやん普通。できるんやったら言っといてや最初から。

 

 しかも表面上はニコニコ可愛らしい笑顔してるから余計に怖い。

 アレだ。腹黒いのに表面上は良い奴風なのはジェームズと一緒だな。

 ……おい、レオナルドくん。絶対ロン毛にはするなよ?

 

 決闘相手はユードリックくんね。

 え? ユードリックくんは代理? レオナルドくんが決闘を申し込んで、代理でユードリックくんを指名した?

 貴族同士でないと決闘は成立しないだのその代わり最良の武器を準備しただの、小難しいこと言われても分からん!

 

 そこの違いはよく分からないから、任せるよ。

 

 で、広いところに連れてこられて今にも壊れそうな剣を渡されて今に至る。

 これでどうやって戦えと?

 数回打ち合ったら折れちゃいそうなんだけど。

 

「剣を交換してもらってもいいですか?」

 

 剣を渡してくれたレオナルドくんに訊く。

 

「その剣は、公爵領でも腕利きの鍛冶師が作ったモノです。それ以上の剣はないと思いますが?」

 

 うわコイツ性格悪っ! そのニヤニヤ笑い、絶対分かっててこのなまくら渡してるだろ。

 外野の騎士も「そーだそーだ!」「ユーリユーリ!」「ローリローリ!」なんか変態いない?

 

 野次もうるさいし、仕方ない。

 いいよ、このオンボロで。

 ……うわぁ、悪い顔してるなぁ。ジェームズばりに腹黒い。

 俺、コイツ嫌い。

 

 ……でも、逆にこのオンボロで良かったかもしれない。

 だってそうだろ? 俺はレイアとアンズから逃げたい。ユーリはレイアから俺を遠ざけたい。

 

 これ、ひょっとしてwin-winなのでは?

 

 俺が負ければすべて丸く収まる……! なんだ簡単なことだったんだ。

 よし、死なない程度に手を抜いて負けよう。

 

 おや、遠くから威圧感を感じると思ったらレイアさんじゃないですか。チッスチッス。

 これから婚約者じゃなくなる負け犬になにか御用でござんすか?

 えっとなになに? 唇の動きから読み取ると──

 

『負・け・た・ら・コ・ロ・ス』

 

 俺の生存ルートがたった今かき消されたんですが?

 

 ま、まぁまぁおおおちちちちつけつけおちんつけ。落ち着け俺。

 ここで負けてしまえばレイアと俺は近付くことすら出来ないんだから、レイアが俺を害することも出来ない。

 そう! つまり、負けてもまったく問題ないのである!

 

 まったくビビらせやがって。おかげで膝がガクガク笑っちまうぜ。

 

 さぁ、待たせたなユードリック。決闘を始めようか。

 安心するといい、今日の主役はキミさ。万に一つも俺が勝つことはないだろう!

 

 何故なら、手加減この上ないことしちゃうからね!

 だから怒りと勢いのあまり俺の脳天に剣先を刺しちゃったとかやめてね!

 

「────始め!」

 

 公爵の合図でユードリックが突っ込んでくる。

 小さい背丈を最大限にまで縮めて、地面を這うようにやってくる。

 そして死角から剣を思いきり振り上げる必殺の一撃!

 

 

 

 いや、おっそ。

 

 

 

 え、なに? こどものお遊戯会か何かですか?

 いくら俺にボロカスの剣渡して余裕だからって、もう少し真面目にやってくれないと困るんだけど。

 

 さすがにこんなチンタラした攻撃に当たるのはわざとらしすぎて不正を疑われてしまう。

 まあ、もう何合かは斬りあった方が互いのメンツ的にも良いだろうし、ここはひとまず受けておくか。

 

 まずはこのオンボロな剣で剣先を反らして──

 

バギンッ!

バシィッ!

 

 ………………あ、危なかった。

 まさか一発で剣が折れるとは思ってもみなかった。

 

 いや、受け止めようとすらしてないのよ? ちょこーっと剣先を擦らせようとしただけなのに。

 なるほど、これで壊れるんだったらあの舐めた攻撃してきたのも納得だわ。

 

 とっさに素手で剣を掴んじゃったけど、まあ良いか。真剣白羽取りってやつですよ。

 どのみちあんな遅い攻撃に当たるなんて、仮にも領地の魔物討伐を頑張ってきたプライドが許さない。

 

 さて、俺の剣は折れちゃったけど素手でも充分戦える。

 遠慮しないでかかってこいよ、ユードリック。

 さっきみたいな舐めた攻撃じゃなくて、もうちょっとしっかりした、迫真の演技で頼むぜ?

 

「ハァッ!」

 

 ほらほら、遅い遅い!

 

「ヤァッ!」

 

 そんなんじゃ当たんないよ!

 

「エーイ!」

 

 ………………。

 

「ヌオリャァ!」

 

 ……あの、ユードリックさん?

 

「ダァァァァァァァ!」

 

 もしかしてこれで、精一杯?

 

「ウァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 バシッ

 

 真剣白羽取り2回目。

 いやじゃなくて。

 明らかに最初より威力が落ちてるし、ユードリックめっちゃ肩で息してるし。

 いや何その絶望で染まったみたいな光を失った目は。

 

 え、嘘でしょ……。

 お前、そんな程度の実力で決闘とか挑んできてたの?

 

 公爵令息の代理で決闘するって言うんだから、普通は騎士の中で1番強い人とかが出てくるもんじゃないの? まともに剣すら振れない素人が出てきちゃ駄目だよ。

 今からでも遅くない。ほら、誰かユードリックと代わってあげて。

 

 ………………皆、遠巻きに見てるだけで誰も近付いてこないじゃん。

 えっなに? ひょっとして皆、ユードリックのこと嫌いなの?

 イジメ? これ決闘の体裁をしたイジメだったの?

 

 いやいやさすがにそんな訳ないよね。だったら先に対戦相手の俺に何かしらの耳打ちがあってもいいもんね。剣も壊れかけのやつじゃないもんね。

 

 じゃあ単純にユードリックが本調子じゃなかったってだけで。

 はい、この話終わり。ほら、新しい対戦相手の人、出ておいでー。

 それだけ騎士がいるんだから、誰かしらが代わってあげてもよくない?

 

 ………………。

 

 もうやめたげてよぉ!

 ユードリックが可哀想だよ!

 地面に膝ついて虚ろな目をして呆然としてるんだよ!?

 いたたまれないよ! あまりにもあんまりだよ!

 誰か助けに来てあげてよぉ!

 

 こんなはずじゃなかったんだよ! ただあんまりにも舐められてると思ってカチンときちゃっただけで、ここまでやるつもりはなかったんだよぉ!

 あんなクソ遅い剣筋を見て、誰がコイツは真面目にやってるんだなって思うんだよぉ!

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ! もうイヤだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ユードリックくん泣き出しちゃったよぉ! 俺が空気読まないで避け続けたせいだよね! ごめんねぇ!

 でも俺に一撃すら当てられないキミが悪いと思うんだ。

 

「『ぼくは悪くない』(ゾンッ)」

 

 いやどこぞの副会長みたくカッコつけてる場合か。

 

「ぼ、ボクは……、ボクは強いんだぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 いや、そんなへなちょこに剣を振り回されても。

 弱いよ、キミ。

 たぶんここにいる騎士さんたちの方がよっぽど強いと思うよ。

 忖度されてたんだよ。気付こうよ。

 はい、そんなに振り回したら危ないから手から離そうねー。

 

「いやぁぁぁぁぁぁ! 返して! 返してよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 男だろお前。女みたいにキンキン喚くなって。

 あーもう誰も助けに来ないし決闘は終わらないし子どもみたいに泣き喚く奴はいるし、どうしたらいいんだこれ。

 

「リュート!」

 

 レイア!

 そうだ、お前ならこの状況を打開する最高の一手を教えてくれる!

 さあ、どうすればいいんだレイア!

 

『さっさと終わらせろ』

 

 アッハイ。

 というか、ここまで戦意喪失してるんだから普通に俺の勝ちとなってもいい気がするんだよな。

 立会人の公爵はどうして……あちらも呆然としていらっしゃる。

 

 どうしよう。

 カッコよく決めるなら剣を首筋に押し当てて「俺の……勝ちだ!」とかなんとか言うんだろうけどなぁ。

 

 俺の剣、折れてるし。

 

 ユードリックの剣を借りるか? いやでも人様のモノを勝手に拝借するのはなぁ。

 見るからに大事に手入れされて使われてる剣だし。

 

 仕方ない、気絶させるか。

 

 ということで背後から失礼しますねユードリックくん。

 

「い、いやだ! ボクに触るな、近寄るなぁ!?」

 

 だいじょーぶだいじょーぶ。ちょっとだけ苦しくなって意識が遠のくだけだからねぇ。

 

「────ぎゅぺっ!?」

 

 苦しくてごめんね。首トンッてやって意識が飛ばせればいいんだけど、あんなフィクションの産物、俺には出来ないからさ。

 大人しく絞め落とされといてよ。

 

「ぐ、ぐるしぃ……! たひゅけて……」

 

 抵抗しない方が良いよ。逆につらいだけだから。

 あんまり暴れないの。首を絞めてる腕が外れちゃうでしょ。

 

「ぉ……じょ、さまぁ……ぁんじゅ……」

 

 おっ白目を剥いたな。あとちょっとだ。

 がんばれ、がんばれ。

 

「しぬ……しんじゃぅぅ…………イっちゃぅのぉ……」

 

 はいはい、死なないようにするから大丈夫だよ。

 

「────イグッ♡」

 

 プシィッ

 ジョロジョロジョロ……

 

 うわ、漏らしてる。

 まあ気絶したら全身の力が抜けるし、多少漏らしても仕方ないよね。

 

 念のため呼吸確認してヨシ! 多分生きてるから大丈夫。

 というわけで公爵様、決闘の判定よろしく。

 

「リュート・タナベの勝ち、だな?」

 

 そうですね。なぜか俺の勝ちです。

 ………………じゃあ、そういう訳で日も暮れましたし、俺は学院の寮に帰ります!

 バイバーイ!

 

 ────トンッ

 

 ぁえ?

 

「ご苦労、リュート。よくやった」

 

 レイアさん。キミがまさか、あの伝説の首トンッの使い手だったとは。

 このリュート・タナベの目をもってしても見抜けなんだわ。

 

 うぁー、意識が飛ぶー………………。




 話があっちこっち行くし順番がめちゃくちゃで読みにくいから、読むのに疲れるしつまらなく感じる。
 自分で読んでて思うくらいなので、他の人が読んだらより一層だと思います。ゴメンネ。分かってても治らないんですわ。

 仕事サボっ────頑張ってる時に思い付いた短編書きたいので、3日ほど更新お休みです。

濡れ場シーン集を統合しますか?

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