※この作品はR-18です。

寝取られたけど、チョコが美味い   作:語部創太

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55.チョコ頭

 さすがに2日間で3人と男女の関係を持つってどうなのよ?

 ボブは訝しんだ。

 

 ボブって誰だよ?

 ボブは訝しんだ。

 

 なにこれ無限ループ?

 ボブは訝しんだ。

 

 えぇ……、なにぃ……?

 怖いぃ……。

 もう変なこと考えるのやめとこ。

 

 それで、そう。

 何だかんだで3人とイチャラブな行為を楽しんだわけですが。

 いやちょっと待ってくれよと。

 そもそも俺の故郷である男爵領まで逃げてきたのは何でだっけ、という話ですよ。

 

 熱烈に求婚してくる王太子や『聖女』としてのしがらみから逃げてきた。

 

 本来の目的はそうだったわけだ。

 で、今の状況は何?

 

 

 

 追いかけてきた王太子はじめとする騎士団の前で発情期の猿よろしく性行為に耽っております。

 

 

 

 どうしてこうなった?

 ボブは訝しんだ。

 いやもうボブはいいよ。

 

 本当、この状況はよろしくないですよ。

 だって俺、王国側からしたら王太子の想い人と国の命運を左右する『聖女』を誘拐した大罪人だからね?

 

 なぜか今は捕縛されず見過ごされてるけど、それも時間の問題だ。

 騎士団に捕らえられて王都で処刑されるまで秒読みカウントダウン待ったなし。いやタイムズスクエアの年越しカウントダウンじゃないんだから。

 

 こうしちゃいられない!

 一刻も早くここから逃げないと!

 そうだ、俺の家族も処刑される恐れがある。

 父ちゃんと母ちゃんも一緒に連れて逃げないと!

 

「その心配はありませんよ、坊っちゃま」

 

 うおぉ!?

 ビックリした、ジイさんか。

 音も立てないで部屋に忍び込んでくるのやめてくれない? 心臓に悪いから。せめてノックして。

 それで、心配ないっていうのは?

 

「すでにご両親は『後継者に家督を譲る』と書き残し、南方の連合諸国へ出奔しております」

 

 ………………はい?

 

「こちらがその手紙になります」

 

 ジイさんから渡された紙を受け取る。

 いや俺、まだ学生よ? 貴族の子息が家督を継ぐのって普通は卒業して親の下で領地経営とか学んでから、が慣例だよ?

 嫌な予感で震える手を押さえながら紙を開く。

 

『後は頼んだぞ、レイヴン』

 

 だから誰だよ!!

 ボブといい、レイヴンといい、どこの誰なんだよ!

 まったく知らないどこかの馬の骨にこんな重大なことを頼むなよ!

 

「レイヴンというのは、坊っちゃまに紹介していただいた商会の大旦那様ですな」

 

 レイヴン本当にいた!

 馬の骨とか言ってごめんなさい!

 というか、そんな名前だったのかあの人。あまりの怒りに手紙を床に叩きつけちゃったよ。

 

 で、何でレイヴン?

 後継者って俺じゃないの? なんで商会の人に後始末を頼んでるのさ。

 

「ご両親曰く、『リュートが領主とか無理でしょ。馬鹿だし』とのことです」

 

 1番バカ呼ばわりされたくない人たちから言われた! 浪費癖あって領地経営とかジイさんに丸投げしてたくせに!

 

「そういう訳ですので、レイヴン様はタナベ家の養子に入り、正当な後継者として当主となっております」

 

 既に全部終わった後だった!?

 え、じゃあ何? 俺、知らないうちに義理の兄が出来てたの?

 貴族って血統とか重んじるんじゃなかったの?

 そんな簡単に「養子です」「はいOKです」って手続きしていいもんなの? 王都の法務院とかよく通せたね。

 

「レイヴン商会は国内チョコレート産業の9割シェアを誇り、南方諸国との貿易を独占する大商会にまで成長しましたからな。すべて坊っちゃまの英断のおかげです」

 

 アンズから紹介してもらった商人さん、そんなすごい人だったの!?

 いやそれにしたって、いくら実績があっても爵位はどうにもならないんじゃ────待てよ?

 

「お察しのとおり、お金の力でございます」

 

 王国の法律がカネに屈した!?

 それでいいのか王国! いやたしかに貴族学院で成績ドン底でボッチの俺が領主になるよりも、敏腕豪商が治めた方が領地的には助かるだろうけど!

 

「そういう訳ですので、坊っちゃま」

 

 ジイさんは満面の笑みでグッと親指を天に突き立てた。

 

「どうぞ出奔していただいて結構ですので!」

 

 訳:お前の席ねえから!

 

 あっはい。

 いや、本当にいいの? レイヴンさんに面倒事を全部押し付けてない?

 俺が原因で男爵家取り潰しからのレイヴンさん処刑とかされたら嫌だよ。さすがに胸クソ悪すぎる。

 

「大丈夫です。そちらの方も既に手は打っておりますので」

 

 本当に……?

 まあ、ジイさんが大丈夫だって言うんだから大丈夫なんだろう。

 じゃあ申し訳ないけどジイさん、後のことは頼んだよ。

 俺は両親を追って南方諸国に高飛びする。

 

「ええ、お任せください。ですが坊っちゃま、高飛びも結構ですが────」

 

 ゆっくりと、軋みながら部屋のドアが開く。

 ドアの向こうに立っている人物を見て、俺は高速を超えるスピードで伏せの体勢へ移行する。

 

「────アンズ様のお母様へ、説明責任を果たされるのが先では?」

 

 申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 腕を組み憤怒の表情で仁王立ちをしているバイト先のおばちゃんに向かって、俺は娘さんを傷物にしてしまったことに対する謝罪の土下座を敢行するのだった。




 上司と先輩がバチバチで息が詰まりそう。

 本日、2話投稿です。

濡れ場シーン集を統合しますか?

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