世界はピンクなユートピア 作:ラージミニオン
隙あらば謎の男や少女に助けさせようとするAIと殴り合いながら書きました
「『救国の英雄ユピア、その軌跡』『万能にして究極の勇者の素顔に迫る』『不世出の天才、今度は邪竜の討伐に成功』……ふ、ふふ、ふふふふん」
思わず目が滑るような、並べ立てられた様々な美辞麗句。
そんなものをこれでもかと敷き詰めた記事を読むボク……ユピアの顔は、とてもこれら賛辞がもたらすイメージとは程遠い、緩みきったものなのだろう。
だらしない表情のまま、記事に載った自分の姿を見る。
写されているのは、快活なポーズを取った、一人の少女。
短めに切られた白い髪は、見るものに透き通るような印象を与え、紫の瞳は一筋の妖しさをかもしつつも強い意志を感じさせる。
服装は、シンプルながらプロポーションを引き立てる上着を纏い。
下は黒いタイツと白いブーツに包まれた脚が、スカートからスラリと伸びる。
幼さを残しつつも整った顔立ちは、多くの戦いを経た経験によるものか、どこか大人びた印象も見る人に与えるだろう。
と、思いっきり自画自賛しまくったが、重要なのは大体誰から見ても文句なしの美少女である、ということだ。
もちろん、それらもカラダから表情作り一つに至るまで、積み重ねた様々な努力の賜物ではあるのだが。
そんなふうに、客観的に見た自分の姿と、自分が掴んだ栄誉に思いを馳せ、ボクは一人歩く。
表情を緩ませている、とはいっても、それはボクがこの手の栄誉自体を強く求めていたから、というわけではない。
もちろん褒められて悪い気がするわけではないが、ボクにとって重要なのは、その先。
栄誉を手にした先に、何を為すか、ということだ。
……なんて、字面だけを見ると立派な決意ではあるが。
その実態は、記事を書いた人も、それらを読んで「ユピア」の人となりを想像した人も、まとめて卒倒してしまうような、ロクでもないものであった。
「……誰も、見てないよね……?」
たくさん積んだ経験により、今は周りに動物や虫以外の気配など無い、ある意味静寂の森であることは当然わかっている。
しかしそれでも、あまりにも他人様にお見せできないことが起こる"これから"を考えると、分かっていても周りに視線を向けずにはいられなかった。
なにせ、ボクは。
『救国の英雄』として語り継がれ、たくさんの人達の憧れと畏敬を受ける『万能の勇者様』は。
知性があるのかどうかも定かでない、劣悪なモンスターたちに、グッチャグチャになるまで、犯していただきに来たのだから。
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「……あった」
傍から見れば不用心なだけにも見える、そんな大胆不敵な様相で森を歩いていたボクは、その言葉とともにピタッと歩みを止めた。
ボクが確認したものは、何もない空間……ではなく、常人ではそうとしか見えないほどに細い、上から垂らされた一筋の糸だ。
「苗床蜘蛛の、糸だ」
ドクン、と心臓が跳ねる。
目的のために、たくさんのモンスターの知識を仕入れたボクは、この糸がどういうものかよく知っている。
上空の木々の間に、わずかな気配をにじませる巨大蜘蛛が今、ボクをどういう目で見ているかもよく分かっている。
だからこそ、震えてしまうのだ。
恐怖ではない。期待感によるものだ。
この糸に触れた瞬間、自分がどうなってしまうのかを考えると、早くなる鼓動を抑えきれない。
同時に、そんな今でもわずかに感じる、羞恥心を倒錯感の奥にしまい込み。
ボクは、糸に触れた。
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瞬間、身体中に痺れが走る。
視界が真っ白になり、全身の力が抜けるような感覚に襲われる。
これは、高速で襲いかかった苗床蜘蛛に打ち込まれた、催淫効果のある麻酔毒によるものだ。
蜘蛛モンスターは、獲物を捕まえるためにこういったものを分泌する種もいる。
ボクの身体は一瞬にして脱力し、糸に絡め取られていた。
そのまま、木の上に引きずられていく。
抵抗しようにも、すでに力は抜けきっていてどうすることもできない。
ボクはそのまま、木の上へと連れていかれてしまった。
その光景を他人事のように見つめるボクの心には、抑えきれない興奮しかなかった。
だってそうだろ?こんなの、まるで蜘蛛の巣にかかった蝶じゃないか。
これからボクは、糸に捕まったまま苗床蜘蛛の子供を孕まされるんだ。
その事実は、言いようのない甘い背徳感となってゾクゾクっとボクの背を撫でる。
そして、その悦びに浸りきる間もなく。
ボクの肢体は、大の字に貼り付けられるように、あっという間に苗床蜘蛛の巣に絡め取られていた。
「ぁ……は……♡」
身体の自由を奪われたことで、逆に神経が鋭敏になる。
特に性器や胸元などは敏感になっていて、少し触れられただけでも感じてしまいそうなほどだった。
ああ、だめだ。もう我慢ができない。
早くボクを犯して、滅茶苦茶にしてもらいたい……っ!!
ボクが待ち望んでいることが伝わったのか、巨大な蜘蛛がゆっくりとこちらへ近づいてくる。
その足音は、地面を踏みしめるようなものではなく、粘着質な水っぽいものだった。
それがまた、なんとも言えないいやらしさを感じさせる。
やがて、ボクの前に姿を現したのは、一匹の大柄な蜘蛛だった。
その大きさたるや、ボクの身長の二倍はありそうだ。
蜘蛛としては規格外の大きさである。
「は、はは……すごい、ね……」
思わず、声が出てしまう。
このサイズの蜘蛛は今まで見たことがなかった。
ボクは、今からこの魔物に犯されてしまうのだ。そう思うと、自然と笑みがこぼれてくる。
この魔物の生殖器がどれほど大きいかなんて、想像するまでもない。
ボクの膣内に挿入されれば、きっと子宮口まで届くだろう。
ボクの一番奥にある大事なところに突き刺さって、そのまま蹂躙するに違いない。
そんなことを想像するだけで、ボクはおかしくなりそうになっていた。
蜘蛛が、脚を伸ばしてボクのお腹を優しくつついてきた。
「んぅ……ふふ、大丈夫だよ……いつでも、来て……?」
ボクは、微笑んで見せた。
ボクの言葉を理解しているのかはわからないが、それでも蜘蛛は安心したかのように身体を丸め、ボクの服に脚をかけてきた。
「あ……♡」
ビリリ、という音がして、ボクの上着が破られる。
ボクが着ているのは、魔力によって編まれた装束だ。
その気になればいくらでも頑丈なモノに出来るが、こういうシチュエーションを期待して、あえて柔らかい素材で作っている。
つまり、こうして簡単に破けてしまうのだ。
もちろん、それを狙っているわけだけど。
「はぁ……はぁ……」
いよいよ、始まるんだ……。
蜘蛛の吐息が顔にかかる。
ボクは、これから苗床蜘蛛に犯されるんだ。
そう考えるだけで、身体の奥が熱くなる。
「……はやく……きて……ボクをめちゃくちゃにして……っ!」
ボクがそう言うと、蜘蛛は答えてくれた。
生殖器をボクの秘所に押し当て、そのまま一気に挿入してきた。
「ひゃう……ッ!?」
あまりの勢いに、ボクの口から悲鳴が漏れる。
だが、それも一瞬のこと。
次の瞬間には、ボクの頭の中には快楽しかなくなっていた。
「~~~~~っ!!!」
声にならない叫びをあげながら、ボクは絶頂を迎える。
挿入されただけだというのに、それだけでイってしまったのだ。
気持ちいい。すごく、すごく、気持ちいい。
(ああ、ボクはこのために、このためだけに……!)
────物心ついた子どもは、ほとんど例外なく、大人から教えられる。
この世界の魔物は、女性を襲い、恐ろしい目にあわせるものがたくさんいる、と。
「知らない人について行ってはいけない」という文句と同じレベルで、常識として語られるその言葉。
その詳細を調べた瞬間から、当時幼かったボクは、周りがドン引きするような修行にまい進し続けた。
誰よりも修行をし、誰よりも戦い、誰よりもたくさんの人を助けて、いつしか英雄として祀り上げられるようになった。
そんなボクを見て「人を救うために生まれてきたかのようだ、心技体全てが備わった、英雄という言葉の体現者だ」なんて周りは褒めるけど。
ボクがここまで強くなった目的は、結局ボクの胸の内だけにあった。
そして。
ボクが求めていた瞬間が、やっと来たのだ。
蜘蛛の巨根が、ボクの膣内をかき回している。
ボクはただ、それに身を任せるだけだった。
蜘蛛はボクの反応を確かめるように、ゆっくりと抽挿を繰り返す。
その度にボクの身体はビクビクと跳ね上がり、全身に痺れが走る。
「あっ、あぁぁ……♡」
全身に麻酔毒が回っているせいで、ボクはまともに動くことができない。
そのため、蜘蛛の動きに合わせて身体を跳ねさせることくらいしかできなかった。
蜘蛛のピストン運動が激しくなるにつれて、麻酔毒の効果も強くなっていく。
思考能力が低下していき、何も考えられなくなっていく。
ただひたすらに、与えられる快感を受け入れることだけを考えていた。
「あっ、あっ、あっ!すご、ぃ、きもちい……っ!もっと、ちょうだい……っ!」
ボクは、無意識のうちに腰を動かしていた。
それは、本能的な動きだった。
より深く、蜘蛛の生殖器を受け入れようと動いているのだ。
知性も何もない、生殖本能だけで動く蟲。
救国の英雄として祀り上げられながら、そんな蟲を相手に行う性欲丸出しのドスケベ交尾。
その背徳感が今、最高のスパイスとなって、ボクの脳天を焼き尽くそうとしていた。
────そう、ボクは世界最高の存在に登りつめて、その上で魔物に身も心も蹂躙される……
そんな、最高の背徳を思う存分味わうためだけに、ここまで頑張って強くなったのだ。
「あっ、あっ♡イク、イッてる……♡ずっと、きもちよくなってる……♡」
ボクは、もう何度目かもわからない絶頂を迎えていた。
身体が痙攣しっぱなしで、もう自分の意思ではどうにもならない。
「ぁ……」
ようやく、射精が始まった。
どくん、どくん、とお腹の中に熱いものが流れ込んでくる。
ボクは、それを受け止めるだけの肉袋だ。
「ぁ……はぁ……♡」
ボクは、お腹の中で脈打つ蜘蛛の子種を感じて、幸福な気分に浸っていた。
この子種は、ボクを孕ませるために存在している。
ボクの子宮が、世界最強の勇者の一番大事なところが、会ったばかりの蜘蛛の遺伝子で満たされていく。
「はは……すごい量だね……」
ボクのおなかは、蜘蛛の精子でいっぱいになっていた。
これだけの量を出されたら、間違いなく妊娠してしまうだろう。
ボクは、まだ膨らんでもいない下腹部を、陶酔した顔でさすったのだった。
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「はぁ……はぁ……んぅっ……!」
我ながら出るところは出て、引き締まるところは引き締まった均整の取れた身体。
しかし今に限ってはそのフォルムは無残に崩れ、見る影もなかった。
ボクは今、出産をしているのだ。
「んん……んぅ……んぐぅ……ッ!!」
陣痛の波が来るたびに、ボクは獣のような声を上げる。
子宮口が押し広げられ、そこから何かが這い出ようとしている感覚があった。
それがなんなのかはわからないが、とにかく苦しい。
そして、それと同時に、途方もない快楽を感じていた。
やがて、ボクの股間から巨大な蜘蛛の頭が覗いた。
「ふふ……元気な赤ちゃんだ……♡」
ボクは、優しく微笑みかける。
「さて、次はキミの番だよ……?」
ボクはそう言って、次の子供を産むべく気合を入れる。
お尻からは、すでに2匹目の子供が顔を出していた。
「う……あ……っ!」
ボクが力むと、その分だけ新たな命が産まれてくる。
その過程でも、カリカリと膣を引っかかれるような感覚に、背徳的な快感を楽しむ。
まだまだ大きく膨れ上がったお腹は、今も蜘蛛の子供で満ちていた。
1匹産んではまた1匹と、休む間もなく子供を産まされていく。
その度にボクの身体は激しく震え、快楽に打ちひしがれていった。
「う……ほふ……おふぅ……っ♡」
ボクは、最後の一匹を産んだところで、糸が切れたようにその場に倒れ込んだ。
呼吸をする度に、ボクの胸は上下に揺れている。
ボクの身体は汗まみれで、全身がびしょ濡れだった。
そんな、精根尽き果てたボクの身体に、生まれたばかりの子蜘蛛達がにじり寄る。
その様子は、傍から見れば生まれたばかりの子どもが、親に精一杯甘えようとしている光景に見えるかもしれない。
もしくは、父親である苗床蜘蛛がしたように、ボクを犯そうとしてくれているようにも見えるだろうか。
だけど、そうじゃないことをボクは知っている。
この世界のモンスターは、必ずしも快楽だけを与えてくれる、そんな気持ちのいいモンスターばかりではない、ということを。
……苗床蜘蛛に捕らえられ、犯された女性がたどる道は、基本的に二つだ。
媚毒に浸された状態で行われる激しい性交の負荷に耐えられず、死ぬか。
それに耐え、苗床として子蜘蛛を生んだあと……その子蜘蛛に生きたまま食われるか。
子蜘蛛は生まれてすぐ、その行動を取ることで捕食のプロセスと、"他種族の雌"に対する扱い方を本能で覚える。
おまけに、捕食する時にも子蜘蛛は媚毒を打ち込み、哀れな獲物は最期まで苦痛を感じること無く、狂いよがりながら子蜘蛛の腹におさまるのだ。
このままいけば当然ボクも、その犠牲者の後を追うことになるだろう。
……だから。
「……ごめんね、この先は、楽しむわけにはいかないんだ」
そう呟くと、全身を糸に絡め取られていたはずのボクは瞬間、その場からかき消える。
万能転移術"
その発動により、突如獲物を見失った蜘蛛達が、上空に転移したボクに気づくまでの時間も与えず。
ボクは、魔力により生み出した炎で、子蜘蛛も親の苗床蜘蛛も、巣ごと焼き切った。
断末魔を発する間もなく、ボクが愛の言葉を囁いた蜘蛛達は、この世界から消滅した。
「…………」
感傷の話をするなら、自分が交わったり、産み落とした相手にこうした始末をつけるのは、もちろん気分の良いものではない。
実際、自分にしか危害を及ぼさない相手なら、ただ転移して帰るだけ、ということも多い。
しかし、この危険なモンスター……自分を襲った苗床蜘蛛本人だけならまだしも。
自分が産み落とした子蜘蛛が将来、他人を襲うこととなる、なんて事態はさすがに看過できない。
ボクは倒錯的で、気持ちいいことが大好きで、みんなが思うような救世主像からはかけ離れた存在だけど……
それでもやっぱり、どこまで行っても、人間の味方なのは変わらないから。
「…………さ、行こう」
少しだけ目を伏せて黙祷をすると、再び夢想郷を発動させる。
空間転移により帰り、すでにその効果により自動的に体内の媚毒なども抜ける、と。
(ああ……それにしても……)
(すっっごい、気持ちよかったぁ~~♡♡)
すでに気持ちは、次はどんな相手と交わろうか、なんて期待に切り替わっていた。
・ユピアオリジナルの転移術。
・ありとあらゆる状況で発動可能な空間転移。自分の体に及ぼすあらゆる不利益を消し去りながら、安全な場所までの帰還を完遂する。
・任意、またはユピアの生命活動の停止と同時に発動し、全快させる。魂を媒介に発動するため、詠唱も魔力も意思も不要。
・ユピアはこの能力が完成しなければ、夢を諦めて普通の冒険者になっていた。