世界はピンクなユートピア 作:ラージミニオン
うちのAIくんにキャラの書き分けって文化が皆無だったせいで
自分で分かりやすくするために口調統一しながら書いてたら
いつの間にか無駄にキャラが立ってしまいました
"────────本当は、私達にも勝てたのに、わざと負けたりしたんじゃない?"
そう、ボクに告げたサキュバスたちの表情。
そこには、ボクのことを見透かしているかのような、嗜虐的な笑みが浮かんでいる。
それらはまるで、蛇に見つめられたカエルのように、ボクの身動きを止めるには十分すぎるものだった。
……姿を変えて活動しているわけではない以上、ボク自身が魔物側に知られていることは何も不思議ではない。
が、それはあくまでボクの表面的な部分であって、これまでこの性癖を誰かに知られたことは、無い。
相手に選んだ魔物の多くが知性のない魔物だったということもあるし、本気で隠そうというつもりもなかったが。
それでも、脱力しきったこのタイミングで不意に暴かれたという事実に、これまでとは別種の恐怖を感じざるを得なかった。
「あ……そ、それ、は……んぁっ♡」
答えあぐねるボクの背後から、紫髪のサキュバスは愛撫を続け、言う。
「ふふ、ごめんなさいね。別に、責めたりしてるわけじゃないのよ?」
言葉とともにふーっ、とボクの耳に息を吐きかけ。
トン、トンとリズミカルにボクの亀頭を指で叩く。
その刺激とともに「ねえ、どうなの?」と甘く囁かれる官能的な誘惑に、ボクはグチャグチャの頭で抵抗を見せる。
「ち、ちが……あぁっ♡そんな、ことぉ……」
「ふふ、そんなこと言って……最初、後ろに居た私の仲間にも気づいていたから、致命傷を避けるような受け方をしたんでしょう?」
……見透かされている。
いや、確かにその通りではあるけれど、そんなことまで見抜くなんて……。
ボクが戦慄しながらサキュバスに目を向けると、彼女はボクの首筋に舌を伸ばしてペロリと舐めた。
そのまま耳元に顔を近づけ、ボクの鼓膜に直接響くように妖艶にささやく。
「分かるのよ、私達サキュバスの魔技を受けてみたいって人は、今までも居たから……ユピアちゃんぐらいの大物は、もちろん初めてだけどね……でもね」
「他の魔物なら良かったんだろうけど、わたし達のところに来たのは失敗だったねー♪」
「お姉さん……もう、ダメだよ……帰れないよ……逃さない、よ……♡」
冷たく響いた言葉とともに、サキュバス達の雰囲気が変わる。
あくまで、遊ぶ玩具を見る目だった先程までとは違う……まるで、捕食対象を見るような冷酷な目。
淫魔、サキュバスがその本性を現す瞬間だった。
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「ち、力、が……!?」
一変した雰囲気に危機感を覚えたように立ち上がろうとしたボクは、それが全く叶わなかったことに、声を上げる。
「ふふ……どうかしら、私達のエナジードレインは」
エナジードレイン。
性行為を通じ、生命力と魔力を同時に吸い上げるそれは、淫魔種の中でも使い手が限られる上級技である。
しかし、それはサキュバスが男性と性交をしたときに使われるというのが通説だ。
ボクのような女の体を無理やり射精できるようにした上で、さらに愛撫の段階で行使することが出来るなんて、ボク自身も聞いたことがなかった。
驚愕に目を見開くボクに、オレンジ髪とピンク髪のサキュバスは追い打ちをかけるように続ける。
「わたし達の手や足でぴゅっぴゅするの、頭がトロけちゃうぐらい気持ちよかったでしょー♪……本当に全部、トロけ出ちゃってるのも知らないでね」
「力、もう出ないよね……だから、あなたの正体知ってるって、教えたんだよ……♪でも……本番、これからだから、ね……」
「ぁ……ぅ……」
そう言いながら、二人の少女は左右からボクの体に腕を伸ばす。
その動きはさっきまでの優しい愛撫とは打って変わって、ボクが抵抗しても振り払えないほどに力強かった。
「……くっ!ああっ!!」
「こら、暴れないの♪大丈夫、悪いようにはしないから」
「うん……すぐに終わらせるから、ね?すぐ、に……んっ♪」
ボクの腕を片手で押さえつけた二人は、ボクの太ももに手を這わせ、撫でるようにしながら徐々にその手を股間に伸ばしてくる。
「っ……やめ、てぇ……」
快感で支配された上に、エナジードレインの影響を受けた身体で見せる、弱々しい抵抗。
その間も指はどんどんと近づいてきて、ボクは思わず、恐怖に顔を歪めるしかなかった。
「あは……ふふ、こんなに大きくして、そんなに興奮しているの?」
「すごい、ビクビク、震えてる……可愛い、なぁ……♡」
そんなボクの様子を見て、二人は妖しく微笑む。
そして次の瞬間、ボクのモノにそっと触れるか触れないかのタッチをする。
その甘い刺激にボクが「ひゃぅ♡」と声をあげると、サキュバスはボクの耳に口を近づけた。
「じゃ、行くわよ……ん……ちゅぷ」
「えへ、私も……はむ……♪」
同時に行われる、熱い口づけと真っ赤になった耳への甘噛み。
その二つの衝撃にボクは、情けない喘ぎを漏らしてしまうと同時、ボクは思わず腰を浮かせてしまっている。
腰が跳ねるたびに先走り汁を垂らしながらぶるん、ぶるんっと揺れるボクのペニス。
ただそれだけで、まるで空気に愛撫されているような感覚に震えることになった。
「……ふふ、美味しそう♡じゃあ、そろそろ頂いちゃおうかしら」
紫髪のサキュバスが、股間の布地をずらしながらボクに近づく。
「うふふ、私のおまんこに挿れて……♪たっぷり、一番気持ちよく出してね♡」
そう言いながら、ボクの眼前に差し出したそれはあまりにも淫靡で、暴力的なものだった。
大きく、肉厚なそれは、今にもボクの肉棒を丸呑みにしそうな、大げさなほどの収縮を繰り返していた。
そして、割れ目からはとめどなく愛液が流れ出しており、ヒクつきながら痙攣している。
「うふふ、美味しそうでしょう?ほらぁ……♪」
サキュバスが腰を突き出して、ボクのモノに自分の秘所を押し当てる。
それだけで、ヌルリとした熱い感触と共に甘い痺れが伝わってきた。
「は……ぁぁぁぁ……♡」
その快感だけで、もうイってしまいそうになる。
(だ、だめだ……このおまんこに、ボクのおちんぽ包まれたら、終わる……♡きっとサキュバスとのセックスのことしか考えられない、お猿さんにされちゃう……♡)
そんな、破滅的な予感が、ボクの背中を撫でる。
しかし、そうと分かっていてもなお、サキュバスのおまんこの中で果てることへの渇望が止まらない。
無様にヘコヘコと腰を上下させ、おねだりするかのようにサキュバスの割れ目に亀頭を擦り付けてしまう。
「ふふ、可愛い子……♡素敵な求愛には、ご褒美で応えてあげるわね……♡」
その言葉と同時、ずにゅるるるる、と。
サキュバスは自らの蜜壺へと一気に腰を落としていった。
その瞬間、途方もない快楽に襲われる。
「はが、ひああああああっっっ♡♡♡」
一瞬にして頭が真っ白になり、視界が激しく明滅した。
「はい、いただきました♪どう?今まででいちばん、気持ちいいんじゃないかしら?」
「ひ、ああぁぁぁっ♡」
答えられないほどの強い快感にボクは無様に声を上げ続けるしかなかった。
サキュバスの膣内は、その全てが柔らかく蕩けるような快楽をもたらし、ボクのモノはそれだけで射精してしまいそうになる。
しかも、ただでさえサキュバスという種族自体が快楽を貪ることに特化したモンスターだ。
そのサキュバスが本気で相手を誘惑し、堕とすために使う体液の効果も合わさると、快楽の上限などもはや無いに等しかった。
そんな状況の中、サキュバスがボクのモノを容赦なく膣で締め上げてくる。
当然、ボクは我慢できるはずもなく……。
「は、ひぃ……でる……でひゃう……♡」
サキュバスの魔膣に包み込まれ、ボクの体はビクビクと痙攣し続けていた。
そして、そんなボクの姿を見てサキュバスが嗜虐的に笑う。
「ふふ、あらぁ♪もう出しちゃうの?」
そして、その言葉の通りボクは既に限界寸前だった。
しかし、ボクがもう出すのは確実だということがわかっているのか、一向に腰を引く気配が無い。
それどころかボクのちんぽを逃さないようにぎゅっと力を入れてきて、ボクの頭はますます快感でいっぱいになってしまう。
そうして、快楽に身を任せたボクに、限界はすぐに訪れた。
「は、ふあぁ……♡あ、だめ……もう……♡♡♡」
びゅく、どぴゅるるるるる!!!どぷどっぷどっぴゅうううううううううう!!!
大量の精液が溢れ出て、サキュバスの子宮を満たしていく。
「あぁ……♡でてるぅ……♡♡」
「うふふ……すごい量……♡」
ごきゅっごきゅっと音を立ててボクの精子を飲み干していくサキュバス。
とてつもない量の射精をした実感があるのに、サキュバスの膣から精液が漏れることはない。
一滴も逃さないとばかりに、貪欲に吸い上げるその収縮に、ボクの理性は射精後も溶かされ続けていた。
(あ……あ……)
そして、当然。
魔膣による射精は、その快楽に比例するかのように、エナジードレインによる吸収量も膨大なものになる。
これまでに味わったことのない脱力感に脳が警鐘を鳴らすが、ボクの身体は自分のもので無くなったかのように、動くことはない。
「あ、はぁ……♪ふ、ふふ、ふ……すごいわ……とんでもないエナジーよ、これ……♪」
満足そうに笑みを深める紫髪のサキュバスの言葉に、ボクへの愛撫を続けていた二人のサキュバスも反応する。
「え、そんなに!?いいないいな、次、わたしがもらう!」
「え……じゃあ、私はその、次で……♪」
「や、ちょ、ちょっと待っ……!」
ボクの制止の言葉など、色に狂った彼女たちに届くわけもなく。
次の瞬間には既に、オレンジ髪のサキュバスが、騎乗位の形でボクのモノを加えこんできた。
「あがっ……あああああっっ!?♡♡♡」
幼い性器に押し込められたボクのふたなりペニスを襲うのは、さっきまでのねっとりと愛撫するようなものとは違う、強烈かつ暴力的なまでの締め付け。
自分よりも小さな子に挿入し、なすがままにされているという背徳感も手伝い、その快感の衝撃にボクの口からは悲鳴じみた声が上がった。
しかし、そんな声など聞こえないと言わんばかりにサキュバスはピストン運動を開始する。
ボクの上で無邪気に、残酷に上下に跳ね、それに合わせるように自身のクリトリスでボクのモノを擦る。
ボクは抵抗することも出来ずにされるがまま、ただ快感を与えられ続けた。
「ふふふ……どう?わたしのもいいでしょ、気持ちいいでしょ!」
「あぐっ……あ、は、がぁっ……♡」
「あはは、もうすっかりおバカさんになっちゃってるね♪じゃーあー、そろそろ……♪」
バチュンっ!と、サキュバスが腰を落として、奥深くまで一気に挿れると同時。
サキュバスの子宮口が、ボクの亀頭をガッチリと咥え込み、そのままぐりぐりっと円を描くようにグラインドしてきた。
「ああぁあああ!!しょ、しょれ、だめえええ!!♡♡」
幼い魔技に完全にロックされ、快感の逃げ場が奪われたボクのペニスは、一瞬で沸騰し……爆発した。
「だめぇ、イグぅうう!!でちゃううううう!!!♡♡♡」
びゅくっどぴゅどぴゅ!!びゅるびゅるる!!どぷどぷどぴゅうう!!
「あっはははははは!!!出た出た、ほんとだ、すっごい美味しい!!」
サキュバスの少女が笑いながら腰の動きを強めると、膣内で脈動する肉棒の感覚。
それと共に、どくどくと大量のエナジーが流れ出ていく。
「あっ、あっ……あっ……」
「はー……さいっこお……レベルアーップって感じぃ……♪」
そう、感慨深げに笑うオレンジ髪のサキュバスも、先程ボクから絞った紫髪のサキュバスも、さっきまでとは別人のような魔力に満ち溢れていた。
ただ絞られているのとは別の危機感、そして忌避感に突き動かされるまま、ボクは情けなく懇願する。
「あ……うぅ……も、もう……いいでしょ……ね、やめてよ……もう……」
そんな、哀れでか細い声は。
「え……何言ってるの……?ダメだよ……私、待ってたんだから……♪」
三人目、ピンク髪のサキュバスに、陰鬱さを伴った妖艶な表情のまま……あっさりと、切り捨てられるのだった。
「あぁ……やだぁ……もう、やだぁ……♡♡」
情けなく喚くボクの姿に、嗜虐心がそそられたのか。
ピンク髪のサキュバスはボクの両脚を抱えてひっくり返し……いわゆる、ちんぐり返しの形に固定する。
「あ……や、やめ……」
救世主として、これ以上無いくらいに情けない姿勢のまま弱々しく呻くボク。
サキュバスはそんなボクに覆い被さるような体勢になりながら、ぺろりと舌なめずりした。
「えへへ……だーめ……♪いただきまーす……♪」
ボクは、必死に体をバタつかせ抵抗するけれど……それも無駄に終わってしまう。
既に幾度となく射精しているのにも関わらず、未だガチガチな状態のモノが、ぬるっとした暖かいものに包まれ、吸い上げられていった。
「あああっ!!♡♡♡」
ビクンッと身体が震え、快感に腰が跳ね上がる。
ピンク髪のサキュバスの膣は、オレンジ髪のサキュバスと同じくらいのサイズだが、暴力的な締め付けとはまた違う、とろとろフワフワと包み込むような官能的なものだった。
腟内は火傷しそうなほどに熱く、その上でヒダの一つ一つがボクを優しく愛撫するように絡み付き、追い詰める。
そんな責めを受ければ、ボクの腰はまるで意思とは無関係に、快楽を求めるようにヘコヘコ動いてしまう。
「あ、はぁっ♡……ほ、ふうぅ、ふうぅっ……♡」
「あは……すっごい顔……♪初めてセックスしたお猿さんみたい……♪もっと、もっと見せて……♡♡」
「や、ら、めぇええっ♡……やだ、もうやめへぇ……ひぃい♡」
サキュバスの少女の、無邪気かつ残酷に嘲る声に、鼓膜まで犯されているようで背筋がゾクっとなる。
ボクは涙を流しながら首を振って拒否を示すけど、それでも容赦なく腰が振り下ろされて子宮口まで突き上げさせられる。
そのままグリグリと円を描くように動かされ、膣内全体に擦られ、カリ首が膣壁に引っ掻かる度に、ボクの頭の中で白い火花が弾けた。
「ぐ……ふぅ……♡ぅぅ……んんぅ……♡」
それでも、何とか快感に耐えようと、歯を食いしばって腰を下に降ろそうとする。
が、ボクのそんな抵抗は────
「もう……逃げない、で……♡」
「あがっ♡♡はっぁあああああああっっっ♡♡♡」
嗜虐心に満ちた声と共に放たれた、ピンク髪のサキュバスの尻尾。
それに、むき出しの尻穴を抉られたことで、あっさりと終わりを告げる。
「ひぎぃいいっ!?♡♡♡あぁあああぁぁっっ!♡♡」
「あ……これ、いい……♡尻尾動かすだけで、勝手に跳ねて、おまんこ突いてくれる、たのしい……♪♪」
初めて見かけたおもちゃを相手にするような、そんな残酷な目で見下されながら、激しく抜き差しされ、掻き回される。
それだけでも耐えられないくらい気持ちいいというのに、彼女はその抽挿に合わせ、尻尾の先で前立腺を突き上げて来るのだ。
そんな容赦のない責めを受ければ、ボクは堪らず絶叫し、みっともなく喘いでしまうことしか出来ない。
「あーっ♡だめぇっ!!無理ぃぃっっ♡もう、もう許してよぉおっ!!」
そう懇願するボクの声など、まるで聞こえていないかのように……否、むしろ、より一層楽しげに笑ったかと思うと、更に動きが激しくなる。
そして、ボクはついに限界を迎えた。
「あっ♡あっ♡あっ♡ああっ!!イクッ!!イッちゃうぅぅぅぅぅ!!!!」
「あ……はぁっ……♪♪」
最後にビクンッと身体が大きく跳ね上がり、ボクは情けなく射精してしまった。
射精は、これまでのような搾り取られるような激しさではなく……にじみ出すような、優しくも恐ろしい放出感覚。
ドプン、ドプンとボクの中のナニかが大きな液の塊になって、サキュバスの魔膣に吸い込まれていく。
しかし、それで終わらない。
ボクの射精に合わせるようにして、ボクのモノを包み込んでいた膣壁が、きゅうぅぅぅっ♡と締め付けてくる。
一滴残さず飲み干すかのような、そんな貪欲さすら感じるような吸い付きに、ボクは抗うことも出来ず、ただされるがまま、最後まで吐き出してしまう。
「あ……あぁ……♡」
ボクはガクンガクンと痙攣しながら、それでもまだ快感が抜け切らないのか、時折小さく声をあげてしまう。
「あぁ……美味しい……♪こんなごちそう、初めて……♪」
ボクの耳に届いたサキュバスの少女の声は、心底幸せそうなものだった。
三人が三人とも、ボクのエナジーにこれ以上無い満足感を覚えたらしい。
満腹になった今なら……すでに薄れ始めた意識の中、かろうじてそう考えると、なんとか身体に力を入れようとして────
「ふふふ……♡じゃあ、次はもう一度私からね……♡もう、待ちくたびれちゃった♡」
紫髪のサキュバスが発した言葉に、その力は抜けてしまった。
「わたし達ももう待つのやーだー!みんなでいっぺんに吸っちゃおーよ!」
「うん……最後まで、みんなで……楽しませてもらおうね……♪」
「………………」
もはや、何の言葉も発することさえ出来ず。
ボクは、身も心も、サキュバス達の肉に埋まっていったのだった。
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「────はぁー!満足満足っ♡」
「うん……本当に、美味しかった……♪」
「…………そうね」
枯れ果てたように動かなくなった"冒険者ユピア"をよそに、サキュバス達は獲物の具合を評しあう。
まさか、こんなエナジーを持つ餌が向こうから来てくれるなんて、こんな幸運があっていいのか、と。
夢心地のような想いで、オレンジ髪のサキュバスは続ける。
「わたしなんて、信じられないくらい強くなっちゃったよ♪……もしかして、今のわたし達なら、魔王様にだって勝てちゃうんじゃ……」
「こらこら、滅多なことを言うものじゃないわよ」
紫髪のサキュバスがそうたしなめるが、ピンク髪のサキュバスも興奮が抑え切れないようで、うっとりとした顔で口を挟む。
「そうだね……やるにしても、まだまだ……もっと、もっとニンゲン達を犯して、全部、全部奪ってから……♪今なら、なんだって出来ちゃいそう……♪」
そんな言葉にそうそう、みんなまとめて犯しちゃおう、とオレンジ髪のサキュバスが続き……どこか浮かない顔をしていた紫髪のサキュバスも「おいおい、ね」と同意の言葉を上げる、と同時。
「────うん、やっぱり、そうなるよね」
と。
"ボク"が発したその声に、サキュバス達がハッと振り返った。
先程まで彼女たちが、もはや枯れ果てた死体として捨て置いた場所に、すでにボクの姿は無く。
「は……な、なんでよ……だってさっき、あんなに」
「…………ぅ……」
「…………そう、やっぱり、保険はあったのね」
その中でも一人、他と違う冷静な反応を見せる紫髪のサキュバスに、ボクは問いかけた。
「キミは、あんまり驚かないんだね」
「……まあ、いくらわざと犯されに来た、といっても、あなたほど評判の冒険者が無策であんなに乱れるだけ、というのはね……何か仕掛けてあっても、不思議じゃないとは思っていたわ」
……ちょっと耳が痛い。
夢想郷があるとはいえ、犯されてる最中は完全に無策だし何の抵抗もできず乱れていたのは事実だからだ。
と言うか正直、ちょっとやりすぎた。
いくら人生の目標であるお楽しみのためとはいえ、ここまで気前よくエナジーを与える予定はなかった以上、今回は反省しなければならないだろう。
「……それで、リベンジ……というよりは、今からが本当の戦い、というわけかしら?」
そう、言葉で見せる余裕とは裏腹に、苦々しげな声色をにじませる紫髪のサキュバスの前に、残る二人のサキュバスが出る。
「ちょっとちょっと! なんだかしたり顔で立ってるけど、お姉さんのエナジーはもう、わたし達に吸われてるってこと忘れてない?」
「ん……アイテムか魔術か、何を使ったかは知らないけど……ちょっと回復したからってもう、勝てるとは限らないよ……?」
そう言いながら臨戦態勢を取るサキュバス達は、確かに凄まじい圧力を放っていた。
上から見下ろすような言葉を放ちながらも、その目は真っ直ぐ真剣にボクを見据え、全く油断がない。
少なくとも、以前苗床蜘蛛に放ったような炎魔術などでは、彼女たちの髪の毛一本を焼くことさえかなわないだろう。
「…………」
それを見て取ったボクは、右手に魔力を集中させる。
キィィィンっと耳に響く音とともに凝縮された魔力は、目に見えるほどの光を放ちはじめ……やがて、目もくらむような白色光までをも輝かせると。
紫髪のサキュバスは、何かに没頭するようにブツブツと独り言を呟く。
「……あれだけ吸われて、この魔力……!? いや、違う、私達を満たしたほどの魔力がごく一部だった……? いや、しかし……」
強化された聴力で耳聡く拾ったその声もあえて無視すると、ボクはサキュバス達に向けて、発光する右手をゆっくりと差し向けた。
前の二人のサキュバスは強者としての表情を崩さないながらもつとめて冷徹に、冷静に、ボクの右手を視線だけで射殺さんとばかりに凝視する。
その集中力は、ボクが攻撃に及ぶその前、筋肉の収縮一つすら見逃さないだろうと感じさせるほどの、凄まじいものだった。
────だから。
「"
ボクの言葉と同時、古城のはるか上空から舞い降りた魔力光の塊。
この部屋に入る前の時点で、転移魔術の応用で仕掛けていた転送魔法陣からの不可視にして無慈悲な一撃は。
二人のサキュバスに、攻撃されたという自覚すら持たせないまま……この世界から、浄却させた。
右手に溜めた魔力は、光と音で注意を引くためのダミー兼、万が一この攻撃を悟られた場合の追い打ち用だ。
そうして、攻撃の成功を確認したボクは……驚きと感嘆の声を上げることになった。
「すごいな……あの一瞬でその判断が出来るだなんて」
呟いた先には、誰もいない。
正確には、ボクが攻撃に意識を移したその瞬間に、最も後ろに居た紫髪のサキュバスは、全力で飛び立ち、その場から脱出していた。
ボクから奪ったエナジーにより、魔王にも迫るだろう力を手にしたことによる高揚感、万能感。
その全てを投げ捨てて、半端な色気を一切見せず全力で逃避に力を使うというその判断力に、ただ強いだけの魔物とは一線を画す格を感じさせた。
仲間を見捨てて逃げた、とは言わないし思わない。
ああする以外出来ることがない状況だった上に、そもそも彼女達の立ち位置を考えると、あの二人のサキュバスは紫髪のサキュバスの眷属だった可能性が高い。
で、あるならば彼女さえ生き残れれば、後に復活させられることなども可能なのかもしれない。
それも含め、あの状況において彼女は、彼女に出来る完璧な対処を取った。
……音速を超える速度で飛行する彼女は、この少しの間ですでに何キロも離れた位置にいる。
右手に貯めた魔力も、転送門の光もすでに彼女を捉えることはかなわないだろう。
「……ふぅ」
そこまで考えて、ボクはため息をついた。
……時々、自分が嫌になることがある。
ボクの力は、ボク自身の努力と様々な幸運が積み重なって手にしたものだけど、それでも。
ボクはこの世界で一番ズルい、汚いニンゲンなのかもしれないな、と。
だって、ボクはどんな状況に陥っても自分は安全に逃げ帰るくせに。
────本気で倒そうと決めた相手を逃したことも、一度だってないのだから。
トンっと、自宅の玄関をまたぐような気軽さで、ボクは一歩を踏み出すと。
「────ッッ!? が、はぁッッ!!?」
数キロ先、月明かりに照らされた夜空を、流星のような速さで飛行していたサキュバスの目の前に転移し。
下からすくい上げるような掌底を叩き込んだ。
即座に魔力の封印を施し抵抗できないようにすると、ボクは問いかける。
「……念のため。キミ達の他に仲間はいる? もしくは命令を下した上役とかは?」
この質問のために、問答無用で消すのではなく、一時的な無力化にとどめたボク。
そんな敵対者に対し、苦悶の表情を浮かべながらも、紫髪のサキュバスは皮肉げに笑う。
「ふ……げほっ、ふ……ほんと、さっきまで、とは別人ね……まるで、機械みたいっ……案、外、そっちが本性だったりするのかしら……?」
「…………」
答えないボクの態度に悟るものでもあったのだろうか。
彼女は意外なほど素直に、最初の質問に答えた。
「仲間は居ないわ……さっきの、二人と私で、げほっ、全員っ……ふふ、あなたみたいな子を仲間に出来たら、世界の頂点だって目指せた、かもね……」
「……そっか、ありがとう」
素直な返答に、素直なお礼をボクは返す。
ボクが聞きたいことは聞けた以上、あとは始末をつけるだけだ。
今回、ボクが受けた依頼。
依頼は、絶対目標こそ原因の究明と犠牲者の救助だが、併せて可能な限り原因の根絶も頼まれていた。
それを承知で受けた以上、どんな過程を辿ろうともその依頼をやり遂げるのが……こんなザマでも、救世主として謳われているボクの矜持なのだから。
が、そんな始末に心が向く直前、その前に、と今度は彼女から口を開く。
「私、から、も、最後に、聞かせて欲しいことがあるの……」
……この手の問答は、大抵の場合ただの命乞いか、時間を引き伸ばす策となるため、聞くべきことではない、ということはボクのこれまでの経験でわかっている。
ただ、曲がりなりにも……"激しく関わった"相手の最後の言葉を無下にする気も起こらず、ボクは「うん、聞くよ」と促した。
「私との……私達とのエッチは……良かった? ちゃんと……演技じゃなく、気持ちよくさせられた、かしら?」
「…………っ!?」
その、思っても見なかった真っ直ぐな質問に、ボクは意表を突かれ目を丸くする。
そして、実際に会ってからのこれまでを思い返し……肌寒い夜空のもとでも自覚できる程度に、熱を持った顔を背けた。
「……ふふ、最後に驚かせちゃった。安心したわ、全部が演技じゃなかったし……あなたが、機械でも無いみたいで」
……思えば、彼女は繰り返し言っていた。
一番気持ちよくしてあげる、ちゃんと一番気持ちよかったか、と。
きっとそれは、ボクが救世主としての矜持で動いたのと同じかそれ以上に……彼女の、サキュバスとしての大事な矜持だったのだろう。
ボクが思わず取った反応に、聞けたい言葉はもう聞けた、と彼女は笑い、目を閉じる。
そして、最後に「またね、ユピアちゃん」と言い残すと。
サキュバスは、ボクが放った光の中に消えていったのだった。
------
「ふぅ……」
翌日、いつもより少し静かな面持ちで、ボクはまとめた調査報告を手にギルドへ向かう。
人の言葉でコミュニケーションが取れる相手のあとは、こういうテンションになりがちだ。
とはいえ、依頼の結果を見れば被害者も全員生存で大成功だ。
神妙な顔で雰囲気を湿らせることもない、とつとめて明るい顔でギルドの扉を開け────
「────っ」
「わ、ごめんなさいぶつかっちゃって、お姉ちゃん怪我ない?」
「もう、初めての依頼だからって、はしゃいで外に出るからよ……って、あれ、この人もしかして」
二人組の……姉妹だろうか。
オレンジ色の髪とピンク色の髪をした冒険者が目の前に飛び込んだことで、ひゅっと息を飲み込む。
もちろん、この冒険者二人はひと目見てわかるように人間であり、あのサキュバス達とは似ても似つかない、完全な別人だ。
にもかかわらず覚えた、ずくんっと下腹部が疼くような感覚。
それに内心必死にたえながら、なんでも無いから大丈夫、となんとか話を終える。
「あ、ユピア様、お疲れ様でした。今回も無事終えられたようで何よりです……どうされました? もしかして今回の依頼、大変でしたか……?」
そして、いつものギルドの看板受付嬢に、全然いつも通りじゃない表情を浮かべながら報告するボクに、心配そうな声がかかる。
「ま……まあ、ね……今回はちょっと……うん、すごく手強かったかな……」
そう、言葉を選びながら返すボクの目の前で、困惑しながら首を傾げる受付嬢の髪は、紫色。
見慣れたはずのその色は、夢想郷によってダメージも完全に抜けたはずのボクに、確かな影響を与える。
……結局、しばらくは同じ髪色の女性を見るたびに身体が疼く感覚に悩まされることとなるのだった。
「爪痕、残されたなあ……」
やっぱり、サキュバスってすごいや。
楽するためにAIのべりすとを使ってるのに
結局自分が思いついた展開にするために9割9分自分で書いてこれもうわかんねえなってなるのいいよね