神はいつだって本気である。
それは確かに、その通り。
さて、この後、彼女はオリュンポスの民たちにとてつもない驚きと興味心を持って接されることになる。
ま、それはいい。ただし、とても彼女は間が悪い。
昔から、絶妙に間が悪い。そう、運命的なレベルで。
それは、歓迎会が始まって3分もしないうちに起きた。
「……大変です!テュポーンが南西の方角に出現!」
その言葉を聞いた瞬間。周囲の全ての神々や民たちが一斉に武器を構えて外に走っていった。
私は、何が何だか分からないけど、ひとつわかることがあった。
ぼっち飯。である。
いや、まさかオリュンポスでもぼっち飯にありつけるとは……なんて悲しいことを思いながら私は1人、出された料理を食べる。……美味しい。
「これ、なんなんだろう、どう考えても意味不明な味してるし……味付けがしょっぱくて甘くて、苦くて、辛い。意味がわからん。なにこれ、サクサクして、いてそれで水のように……まるで何でもかんでも味が無くならないガム?……これは?……」
そんなことをしていたら、突然話しかけられた。
ぼっち飯中だった私は、思いっきりむせる。
引くほどむせる。そりゃあもう、すっごいむせた。
それを、めちゃくちゃ心配してくれる少女が1人。いや、神様ですけどね。
「……大丈夫?お水飲む?……あ、私はね、竈の神、ヘスティアっていうの。お姉さんは、宵星さんって言うんでしょ?……ごめんね。食事中お邪魔しちゃって……」
「ヘスティア様?……確か、オリュンポス十二神の……1人。たまに外される神様でしたよね?……あ、失礼しました。……オリュンポスの神々は今さっき全員出てってしまいましたけど……貴女は行かないのですか?」
「……私は、どこにも行けないのです。何故なら、竈……いえ、竈の火を守護するのが、私の仕事。それは、全ての最終防衛ライン。……どんなに世界が絶望に包まれても、希望を絶やさないようにすることが私の存在意義。」
「……重大な仕事ですね。……ところで、そんな神様が私に何を?」
「貴女にお願いしたいのです。おそらく、他のオリュンポスの神達にはできないこと。……貴女は、ゼウスの試練を超えれた者。……だからお願いしたいのです。……即ち、この後起きる世界の絶望を覆して欲しいのです。」
「……私でなにかなる物なんですか?」
「……何とかなるのではありません。
「……わかりました。やります。……取り敢えず、あの、お母さん……って言って良いですか?」
ヘスティアって良いよね。オリュンポスの中でマジで神話がないので捏造し放題。なんですね