さて、次元の超越をして何とか辿り着いた私の前に巨大な樹が見えてくる。
あれは、ユグドラシル。またの名を世界樹。
まさにあれの上にひとつの世界が築かれている。
さてさて、どんな大冒険が待ち受けているのか……
取り敢えず、話を聞いて貰えたらいいな……
──────無理ですか?
門番ヘイムダルに話をしたところ、ふつーに断られた。
理由はシンプル、ヘルとフェンリル、ヨルムンガンドが暴れているせいで今人手が足りないとの事。
なるほど、悪神ロキ。頭が回る。……なんて言ってる場合では無い。
「あの、そいつらを倒したら来てくれますか?……こっちもやばいのですが……一応オリュンポスとしての総意は、ロキを倒すことで一致してるのですけど……」
私の問いかけに対し、苦笑いしながらヘイムダルは答える。
「ん〜無理とは言わんが……もし良かったら……ヘルの相手をしてやってくれんか?……さすがに彼奴も可哀想な奴で……我々とて戦いたくは無いのだ……というか、フェンリルの相手がキツすぎて今ほとんどの神が総出で彼奴の攻撃を凌いでおるからのう……」
「わかりました、まずはヨルムンガンドから倒しますね!」
「話聞いてた?……待て、お主のその権能は……!?オーディンの……」
私は識者の魔眼でヨルムンガンド……世界蛇の位置を割り出す。
どうやら奴はあそこの山脈の先にいるとの事。ちなみに私がヘルのことよりヨルムンガンドを最優先したのにはわけがある。
世界樹に巻き付かれてしまうとかなり面倒。ましてあの巨体。倒すなら私がサクッと倒してやれば戦力のバランスをどうにかできる。
私は全速力で空をかける
「……見えた!…………は?いや、でっっっか!」
そこに見えてきたのは、まさに世界そのものと言わんばかりの巨大なる蛇。世界を飲み込むというシンプルにやばい蛇。
地平線の彼方、それが全て蛇の身体で埋め尽くされていた。
私は絶句する。
……あの巨体、何処かに弱点が無いと無理ゲーだぞ……
というかまず、顔がどこかわからん。
そんな事を考えながら私は蛇のそばに近寄る。と、まるで砲撃のように様々な鉱石が降り注ぐ。
私はそれをかいくぐり、鱗に触れる。
ヌメリとした気色悪いさわり心地。私はそれを無視して、圧縮を掛ける。
ポセイドンの権能の全てを使った全力の圧縮。
まるで手を置いた地点を中心点にして世界が回り始めたようにすら感じる
肉体が悲鳴をあげる。無理もない、世界を圧縮なんてむちゃ、するもんでは無いのだから……。
それでも、私のその努力は功を奏した。
蛇はまるで普通の蛇サイズまで縮んだ。
しかし、忘れてはならない。ただ圧縮しただけなのだ。
圧縮とは質量、性質、材質などを全て圧縮することを指す。
即ち、ここに超重力の塊となった蛇が出現する。
私は地に叩き伏せられる。
さらに、運が悪ことに蛇は人型へと変化する。
メタモルフォーゼとでも言うべきかその見た目は、まさに蛇の鱗をつけた大男。
「ああ、感謝します。やっと世界私は本当の姿に戻れた。……ありがとう」
世界蛇ヨルムンガンドとの戦い。またの名を、破界戦争。開幕