爆発、閃光。瞬間的に世界が揺れる。
私はフラフラしながら瓦礫の中から立ち上がる。
オリュンポスの最新式の街並みがあちこち破壊されている。
空から、タロスが何体もスクラップと化して落ちてくる。
硫黄の火の雨が降り注ぎ、あちらこちらで慟哭が聞こえてくる。
これが神とその神を殺すためのシステムの戦いの余波。有り体に言うなら地獄であった。
おそらく、先程の閃光爆発はゼウスのものだろう。しかし、あの巨人は、竜と言うべきか?……あれはピクリともしていない。
まるで、小人とブルドーザーぐらいの差がある。
原因など明確であった。
あのテュポーンの中には、クロノス・コアが埋め込まれている。それが原因だと。
クロノス・コアの力は、エネルギーの無限供給と時間の巻き戻しによる超再生。そして、周囲の因果に干渉しての装甲変化による耐性の獲得。
特に、時を戻しつつ、先程受けた攻撃に対する完全耐性を得るやつが厄介すぎる。
事実、ゼウスの雷霆でさえ……傷一つしか付けられていない。
ましてや、あれは周囲に対して強力なエネルギー弾やレーザービームを掃射しながら破壊して回っていて、コアを奪うなんて事は不可能すぎる。
ヘルメス曰く、あれの懐に潜り込むことは……死と同意義だと。特にやつの周囲に張り巡らされている、神殺しのフィールド内で致命傷を負ってしまうといくらオリュンポスの神々とはいえ、死んでしまいかねない。との事
私だってそんな奴と戦いたくは無い。
何ならさっさと逃げたい、だってあのレーザーの何割かは神殺しの力の奔流な訳だから……私は先程神と同化していたこともあって、おそらく致命傷を負ってしまう。
それだけならまだいい、私の力を解析されたら多分きっとオリュンポスの神は一瞬で殺されてしまう。
だからといって私に何か出来るとは思えないし……どうすれば……。
「ひとつ、提案がある。これは君と私だけの約束なのだが、私達を解放してくれないか?」
突然、無から話しかけられる。
「?!誰ですか?……」
「私は……かつてこの世界を作り、そのまま眠りについた船。」
「私は、あの暴れている竜の心臓の元になった船。」
「即ち……カオス。」
「即ち……クロノス」
「「我らを解放すれば、この世界を救えるのだが、どうかね?」」
「……私の知る限り、その2つの船は破壊されたと聞いたけど……破壊されていないんですか?……」
「無論」「当然」
「ではお2人さんは何処に?」
「次元の狭間に。……おそらく君しか干渉できない。その、境界を渡る力を使えるものにしか私たちは見つけられない。……どうかね?」
2人の協力を果たして受けるのか?