ガイア様とのコミュニケーションの中でひとつわかったことがある。それは、古の神に人間に対する愛情は無いということ。
では私は?
「何故か分からないけど、君の姿には何か既視感を覚えるよ……私の趣味では無いな……なんだっけ」
大地の母神にそんなこと言われても私が困る。ていうかなんか言えや、そこの2人の神々!
──────だけど、私はひとつ見落としていた。この場にいることがどれだけ危ないことかということを。
まず、口の中に鉄の味がした。そして次に頭がグラグラする。
私は血を吐いていた。……体のあちこちから激痛が走る。ああこれはやばいな……私がそう思いながら顔を上げると、3人の神が微笑んでいた。
その瞬間、自分の選択肢が間違っていたことに気がついた。
宵星の前にいたのは、人を殺すことに躊躇のない神々。ましてや、ティターン神族の代表の神達。初めから会話の通じる相手では無かったのだけれど、それを上手くカモフラージュしていた事に私は気がつけなかった。
いや、気づいていたが……信じてしまった。彼等神々も変われると信じてしまったが故に。
初めに言っておくが、神とはイモータル。即ち、不動不変の存在。つまり、変化はしない。
それは常識である。
どちらが悪いかと言われれば、私の方だ。
「これで、やっと我らの悲願が叶うな。クロノス。……こいつを使い、あのオリュンポスの内部からウイルスをばら撒く。」
そのウイルスは対、オリュンポスの機神ように作られた特別なもの。
「長かった。けれど上手くいって何より。あのフーディーニとかいう奴も少しは役立ってくれて何より。……さてガイア、カオス。あとは、どうする……ウラノスもバックアップデータはあるからダウンロードするか?」
「ええ、そうしましょう。あとは、私の作ったこの機械を使い、彼女の中に我らが入れば……ふふ、トロイの木馬作戦は成功です。ま、トロイではなくオリュンポスのかもしれませんが。」
彼らは宵星にその機械を当てて神言を唱える。
「「「我らが契約は成就される。祖に神核、契約の礎は神代そのもの。形成されるは神なるものの器。満たせ、満たせ満たせ。満たすほどに四度。憐憫なる神の慈悲は我らの手元に有り。来たれ、開け我らが依代よ!」」」
宵星の肉体が依代となり、三人の神はこの世へと生を受ける。
彼等の覇道を阻むものは何も無い。
──────はずだった。
その依代の肉体が、突然彼等を飲み込むまでは。
……彼女は魔術の源流。それに対して、神々式の魔術など使ってはならなかった。
さて、彼女は一体どうなるのか