※この作品はR-18です。

今夜も彼氏を鳴かせたい!~そして俺は彼女に抱かれる~   作:桃ノ木ネネコ

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タイトル回収


第38話:ケンカと祭りと打ち上げ花火(その2)

そして週末。

ユキヤのスマホにこんなメッセージが寄せられた。

『今日7時神社の前にて待つ』

「果たし状かな・・・」

ユキヤはそのメッセージをみて呟いた。

 

時刻は6時50分。約束の時間まであと10分ほどある。

(結局来てしまったが・・・。)

ユキヤは心の中で思った。

「・・・来てくれたんだね」

「ああ。」

 

すみれは浴衣姿で神社の鳥居の下で待っていた。「その格好・・・」

「うん、お祭り行くんでしょう?だったら私も行こうと思って」

「そっか。」

「・・・・・」お互い沈黙してしまう。

「・・・あの時は悪かったな」

「え?」

「バカなこと言って・・・悪かった。」

「私も、意地張っちゃってごめんなさい。」互いに頭を下げる。

 

「・・・それじゃ、行こっか?仲直りのデート」

「おう」

こうして二人は祭りに向かった。

 

「ああ、あのさ・・・」歩きながらユキヤが口を開く。

「何?」「この前一緒に歩いていた男だけど・・・」

「え・・・まさか見てたの?!」「声掛け辛かったんだよ!」「あー・・・」

「あれ、誰なんだ?」「・・・ただの幼馴染だよ。」

「本当にそれだけなのか?」「・・・どういう意味?」

「別に深い意味があるわけじゃないんだけど。」「・・・」

「なんかお前の態度がいつもと違って見えたから」

「そんなことないと思うけど」

「そうか。」「もしかして、浮気してると思った?」

ユキヤは答えずに目を逸らす。

 

「大丈夫だよ、蒼ちゃんは地元で付き合っている人がいるから。」

すみれは笑って見せる。

「・・・もう、自分を基準にするから、そんな考えになるんだよ」

「うぐ・・・そうかも知んねぇ」

「でもね、私はユキヤが一番だからね」

「わかってるよ。」

「・・・ならいいよ。」

 

二人は神社の境内に向かう。すでに多くの人で賑わっているようだ。

屋台も多く出ているようで、食べ物のいい匂いが漂ってくる。

「何か食べる?」「たこ焼きとかどうだ?」「たしかに美味しそうだよね」

「おっ、兄ちゃんたちカップルかい?」

屋台のおじさんに声を掛けられる。

 

「はい!そうなんです!」

すみれは満面の笑みで答える。

「お似合いじゃないか!おまけしとくぜ」「ありがとうございます!」

「ほらユキちゃん」「お、おお」

ユキヤはたじろぎながらもたこ焼きを受け取った。

 

「・・・熱いぞこれ」ユキヤは爪楊枝を刺して一口かじる。

「あつっ!」「あーもう、だから言ったじゃん」

「うう、舌火傷した」ユキヤは涙目で訴える。

「はい水、これで冷やしといて」

すみれはユキヤにペットボトルの水を渡す。

「・・・ありがと」ユキヤはそれを受け取って口に含んだ。

 

「ふぅ・・・なんとか治まった」ユキヤは安堵の表情を浮かべる。

「気を付けないとダメだよ?」すみれは心配そうに言う。

「ああ、悪かったよ」ユキヤは苦笑いしながら応えた。

「さっきの話に戻るけどさ、私達ってお似合だと思う?」すみれが聞いてくる。

「まぁ・・悪くはないんじゃないか?」

「もうちょっと褒めてくれても良くない?!」「いや、だってさぁ・・・」

「まぁ、ユキヤがそういう反応するのは知ってたけどね」

すみれはため息をつく。

 

「あとさ、その浴衣・・・」ユキヤはすみれの浴衣を指差す。

「どうかな?変かな?」「いや、似合ってるとは思う・・・」

「そっか、良かった」すみれは嬉しそうに微笑む。

「・・・」ユキヤは思わず見惚れてしまう。

 

「ユキヤ、何ボーッとしてるの?」

「え?ああ、悪い。」

「ユキちゃん、射的やってかない?」

「ああ、いいね」

二人は屋台の景品を見て回る。

「へぇ、結構いろいろあるんだな」「あんまりムキなっちゃダメだよ」

「分かってるよ」二人は銃を手に取る。

「まずは私からね」「おう」

パンッ! コルク弾は見事に棚の上に置かれたぬいぐるみに当たる。

「やった!当たったよ!」

「やるじゃねぇか」「次はユキヤの番ね」「よし、任せな」

ユキヤも引き金を引くが外れてしまった。

「惜しかったねぇ」

「くそぉ、もう一回だ!」

その後も二人は何度か挑戦するがなかなか当たらないようだ。

「難しいねぇ」

「ああ、これは思った以上に難敵だ」

二人は真剣に悩んでいる。

 

「あ、あのさ、俺が一発で当てたらさ、

何でも一つお願いを聞いてくれない?」

「え?」「い、いや、なんでもない」

「・・・いいよ」

「ええ!?」「いいから、早く撃てばいいじゃない」

「あ、ああ、わかった」

ユキヤは意を決して狙いを定める。

「・・・」

パァン!

「あっ!」

ユキヤが撃った弾が当たり、ぬいぐるみが倒れる。

「おめでとう!はい、これあげる」

店主がクマのぬいぐるみを渡してくる。

 

「あ、ありがとう」

「ユキちゃん凄いじゃん!」

「い、いや、たまたまだよ」

「でも、嬉しいんでしょ?」すみれはいたずらっぽく笑う。

「・・・うん、まあな」ユキヤは照れくさそうに笑う。

「あ、花火始まるよ」

 

ヒュ~・・・ドーン!! 夜空に大きな花が咲く。

「綺麗・・・」すみれはその光景に見入っている。

「そうだな・・・」ユキヤはそんなすみれの横顔を見つめている。

「ねえ、ユキちゃん」

「ん?」

「キスしていい?」「・・・ああ」

チュッ・・・二人の唇が重なる。

「んっ・・・」すみれの吐息が漏れる。

ユキヤは無言ですみれを抱き寄せる。

 

ドン!パラパラ・・・ 大きな音と共に色とりどりの花びらが舞い散る。

「・・・」二人とも無言のままお互いの顔を見る。

そして再び口づけを交わす。

ドォーン・・・

「ユキちゃん」すみれは再び口を開く。

「なんだ?」「私、ユキちゃんの事好きだよ」

「・・・」

「大好き」

「・・・」ユキヤは黙ったまますみれを強く抱きしめた。

「ユキちゃん、痛いってば」

「ごめん」ユキヤはさらに強くすみれを抱きしめる。

「・・・もう」すみれもユキヤを優しく抱き返した。

「なぁ、すみれ」「ん?」

「今日さ、泊まっていかないか?」

「・・・いいよ」

二人は手を繋いで歩き出す。

そしてまだ人で賑わう神社を後にした。

 

つづく

 

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